呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

上海における遊休土地に対する動き

2010年01月08日 | 未分類
  2009年8月の上海市企画・国土資源管理局が公表したデータによると、上海市全体で1,077万㎡の住宅用地が批准を受けておりながら使用されていない状態にあるという。1,077万㎡どころでなくこの4倍くらいあるという説もある。そしてこの多くがディベロッパーのものであるという。上海ではこのような遊休土地を今後整理していこうとしているようだ。

  中国の場合は土地を持つというのは一般的に所有権ではなく使用権のことをいうが、この土地使用権は規定によると1-2年の間放置したままにしていると払下げまたは無償割当土地価格の20%の費用を徴収することとされており、2年を超過してしまうと無償で回収されてしまうと定められている。国土資源部によると、これはあくまで原則としてはこうだというものであり、どのように実施するかについては細かく定められていないという。一方で上海市計画・国土資源管理局ではこのような遊休土地に対してとる処置の法律根拠、例えば遊休土地をどのように定義するか、どのような方法・フローで遊休土地を処理するのかを既に定めている。具体的には、2007年1月より上海では既に《遊休払下げ土地処理試行規定》の中で、遊休土地の認定、処理手順及び方式について定められている。しかしながら、これは原上海市房屋土地資源管理局が公布したものであり、その後の機構調整の中で土地部分の職能が既に原上海市計画局へ移されており、同局が上海市計画・国土資源管理局へ改称している。そして、今回の遊休都市処理の実施弁法については、まさに上海市計画・国土資源管理局により現在制定中であり、まだ正式稿ができあがっていないものの、近々発表されることになるという。

 全体的なアラーム機能的な意味合いでまず有名どころのディベロッパー所有の遊休土地をターゲットに手を付け、その後全体的な動きをしていこうとしていると報道されているが、遊休土地の回収については何年か前にも聞いたことがあり、そのときは話題にこそなったものの結局それっきりだった印象がある。今回どこまで本気で着手するかが注目される。