彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編成のこと)の
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクター。愛称「ひこにゃん」。
13 子 路 し ろ
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「その身を正す能わざれば、人を正すをいかんせん」(13)
「近き者説べば、遠き者来たらん」(16)
「速やかならんと欲すれば、達せず。小利を見れば、大事成らず」(17)
「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」(23)
「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し」(27)
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22 確乎たる信念をもたない人間には、祈祷師も医師も手のほどこし
ようがない、という意味の諺が南国にあるが、まさに金言だ。同じように、
確乎たる行動原理をもたない人間は、易の説明にまつまでもなく、必ず他
人から辱しめを受けるだろう。(孔子)
子曰、南人有言、曰、人而無恆、不可以作巫醫、善夫、不恆其徳、或承之
羞、子曰、不占而已矣。
Confucius said, "A proverb in the south says, 'A person without
strong belief cannot become a fortune-teller or a doctor.' I agree
with it." They says, 'If you do not always have belief, you will
be humiliated.' Confucius said, "It is not fortune-telling. It is
fact."
【ポストエネルギー革命序論 180:検温ロボティク時代】
新型コロナ拡散防止に
サーモグラフィー熱検知システム検温アラームシステム
NHK愛知で、愛知県江南市・イベント会社アズオン・寺沢真彦の紹介があ
り、2月以降イベント中止。サーモグラフィカメラが接触せず0.1秒で
検温し、発熱した人を一瞬で検知できる等身大のディスプレイシステム
を開発。東京の大学病院、地域の診療所、商業施設など設置が広がってい
るという。1か月で150台ほどが設置。イベントで使うモニターを活用
し、検温システムを自らの手で作り上げる。イベントの熱中症対策装置を
3年前から自分たちで開発。特徴は、1人1人足止めしない検温装置。視
覚的に分かりやすいものになった。
✔ 「高品質水際検査システム事業」開発を考えるとき、表示がなくても
鏡部屋であっても良いが、「呼気・唾液・体臭(部位別)自動サンプリン
グ」➲「マルチ高速自動検査システム」➲「自動判別処置システム」➲「
前隔離処置システム」をセットで構想しているが如何に。
惨事便乗型資本主義批判
中国に突如出現し、瞬く間に世界に広がった新型コロナウイルス。東京五
輪を控える日本でも、今なお、感染者の増加が続いている。その中には、
感染の経路が分かっていないケースや、感染者の群房(クラスター)が発
生しているケースもあり、人々の生活に多大な影響を及ぼす事態にまで発
展している。国内の感染事例の分析からは、空気がよどみがちな閉ざされ
た環境で感染が拡大するなど、そのメカニズムも徐々に分かってきている。
ヒト・モノ・カネが国境を越えて活発に行き来する“グローバル化”によ
って成長を続けてきた世界経済。しかし新型コロナウイルスの出現で、そ
の根幹が大きく揺らいでいる。感染拡大を食い止めるため、多くの国々が
入国制限や外出禁止を実施。その結果、生産活動や消費が低迷するなど実
体経済が大きな打撃を受けている。アメリカの自由市場主義がどのように
世界を支配したか、その神話を暴いている。ショック・ドクトリンとは、
「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主
義改革」のこと。アメリカ政府とグローバル企業は、戦争、津波やハリケ
ーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識
的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能
と思われた過激な経済改革を強行する…。ショック・ドクトリンの源はケ
インズ主義に反対して徹底的な市場至上主義、規制撤廃、民営化を主張し
たアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンであり、過激な荒療治の発
想には、個人の精神を破壊して言いなりにさせる「ショック療法」=アメ
リカCIAによる拷問手法が重なる。戦争や自然災害,政変などの危機に
つけこんで,あるいはそれを意識的に招いて,過激な市場主義経済改革を
強行する.この「ショック療法」は世界に何をもたらしたか.世界中から絶
賛の声が集まった衝撃のベストセラー。ショック・ドクトリンは、一九七
〇年代チリの軍事クーデター後の独裁政権のもとで押し付けられた「改革」
をモデルとし、その後、ポーランド、ソ連崩壊後のロシア、アパルトヘイ
ト政策廃止後の南アフリカ、さらには最近のイラク戦争や、アジアの津波
災害、ハリケーン・カトリーナなど、暴力的な衝撃で世の中を変えた事件
とその後の「復興」や、(IMFや世界銀行が介入する)「構造調整」と
いう名の暴力的改変に共通している。二〇〇四年のイラク取材を契機に、
四年をかけた努力が結実した本書。日本は、大震災後の「復興」という名
の「日本版ショック・ドクトリン」に見舞われてはいないだろうか。わた
したちに問いかける。
【目次】
序 章 ブランク・イズ・ビューティフル─三〇年にわたる消去作業と世
界の改変
第1部 二人のショック博士―研究と開発
第1章 拷問実験室―ユーイン・キャメロン博士、CIA、そして人間の心を
消去し、作り変えるための狂気の探究
第2章 もう一人のショック博士―ミルトン・フリードマンと自由放任実
験室の探究
第3章 ショック状態に投げ込まれた国々―流血の反革命
第4章 徹底的な浄化―効果を上げる国家テロ
第5章 「まったく無関係」―イデオロギーから切り離された罪
第3部 民主主義を生き延びる―法律で作られた爆弾
第6章 戦争に救われた鉄の女―サッチャリズムに利用された敵たち
第7章 新しいショック療法―独裁政権に取って代わった経済戦争
第8章 危機こそ絶好の機会―ショック療法の売り込み
第4部 ロスト・イン・トランジション―私たちが泣き、震え、踊って
いる間に
第9章 歴史の流れに門戸を閉じて―ポーランドの危機、中国の虐殺
第10章 鎖につながれた民主主義―南アフリカの締めつけられた自由
第11章 若き民主主義のかがり火―「ピノチェト・オプション」を手本と
したロシア
第12章 資本主義者たる証あかし─ロシア問題と粗暴なる市場の幕開け
第13章 拱手傍観─アジア略奪と「第二のベルリンの壁崩壊」
第5部 ショックにふるえる日々─惨事便乗型資本主義複合体の台頭
第14章 アメリカ合衆国におけるショック療法─国家安全保障のバブル景気
第15章 コーポラティズム国家─裏口なし、企業と政府を直接通路で結ぶ
義への猛進―ロシア問題と粗暴なる市場の幕開け;拱手傍観―アジア略奪
と「第二のベルリンの壁崩壊」)
第5部 ショックにふるえる日々─惨事便乗型資本主義複合体の台頭
第14章 アメリカ合衆国におけるショック療法─国家安全保障のバブル景気
第15章 コーポラティズム国家─裏口なし、企業と政府を直接通路で結ぶ
第6部 暴力への回帰―イラクへのショック攻撃(イラク抹消―中東の"
モデル国家”建設を目論んで;因果応報―資本主義が引き起こしたイラク
の惨状;吹き飛んだ楽観論―焦土作戦への変貌)
第16章 イラク消去─破壊の跡に中東の〝モデル国家〟を建設する
第17章 イデオロギーの逆襲─資本主義者が招いた泥沼化
第18章 原点回帰─空洞国家から焦土へ
第7部 可動式グリーンゾーン─緩衝地帯と防御壁
第19章 海辺を一掃する─アジアを襲った「第二の津波」
第20章 災害アパルトヘイト─グリーンゾーンとレッドゾーンに分断された
社会
第21章 平和にはうまみがない―イスラエルという警告
増殖するグリーンゾーン―バッファーゾーンと防御壁(一掃され
た海辺―アジアを襲った「第二の津波」;災害アパルトヘイト―グリーン
ゾーンとレッドゾーンに分断された社会;二の次にされる和平―警告とし
てのイスラエル)ショックからの覚醒―民衆の手による復興へ
終章 ショックから目覚める─民衆の手による再建へ
Sep. 14, 2014
Naomi Klein:‘We tried it your way and we don't have another dec-
ade to waste’
ナオミ・クライン(Naomi Klein, 1970年5月8日 - )は、カナダのジャー
ナリスト、作家、活動家。21世紀初頭における、世界で最も著名な女性活
動家の一人。トロント大学在学中に学生新聞の編集長を務めたところから
始まる。1999年に『ブランドなんか、いらない』を発表し、反グローバリ
ゼーションにおけるマニフェストとしての評価を受け、クラインの名は一
躍、世界にとどろく。続いて2002年には『貧困と不正を生む資本主義を潰
せ』を刊行。2014年、『これがすべてを変える――資本主義VS.気候変動』
を発表。この他に、No Is Not Enough: Resisting Trump's Shock Politics
and Winning the World We Need. (Haymarket Books, 2017).『NOでは足り
ない――トランプ・ショックに対処する方法』幾島幸子・荒井雅子訳、岩
波書店、2018年----「アメリカ社会がもちうる最悪な要素すべてを象徴す
る男」「アメリカ始まって以来の“核武装したリアリティ番組大統領”」
の登場。大統領執務室と「マール・ア・ラーゴ」、そしてツイッターから
矢継早にくり出される政策―規制国家の解体、福祉国家と社会福祉事業に
対する徹底的な攻撃、移民と「イスラム過激派によるテロ」に対する文明
的な戦い…。それらは、すでに最も弱い立場にある人々への明白な脅威で
あることに加えて、次から次へと危機の波を生じさせるトランプ版「ショ
ック・ドクトリン」である。この脅威に対して「NO」と言うだけでは足
りない!際限のない収奪と蕩尽に基づく社会から、思いやりと再生に基づ
く社会へ。みなが望み必要とするビジョンをつくり、実現するために、私
たちはたゆまぬ努力をつづけなければならない。トランプへの怒りをもと
に、切るような迫力の筆致で書き上げられた、人類と地球の未来のための
警世と行動の書----と評されている図書などがある。
✔この書評で、「人類はかつてないほど危険な時期を迎えている」とホー
キング博士が警告、 GIGAZINE、2016.12.05)を思い出す----ホーキングは
「イギリスのEU離脱」と「アメリカのドナルド・トランプの大統領選出」
という2つの出来事は、世界が変わっていることを示す象徴的なものだと
考え、この出来事の背景には、これまで十分にはケアされてこなかった中
間層の存在があり、指導者たちに忘れ去られたと感じている中間層による
「エリート層の否定」があり、筋萎縮性側索硬化症という重い障害を持つ
にもかかわらず、科学技術の力によってコミュニケーション能力を維持し
て、研究を続けてこられた自分自身は、多くの人に否定された「エリート
層」に含まれると述べ、エリート層の否定は学術・研究の否定につながる
と危惧し、私たちが生きている世界は、気候変動、人口過剰、食糧危機、
海洋汚染などかつてないほどの多くの重大な問題を抱えており、人類の歴
史の中で最大の危機を迎えているとのこと。人類が地球環境を破壊する技
術を持つようになったものの、いまだに地球から脱出して他の惑星に移り
住むまでの技術には到達していない現状では、たった一つの地球をみなで
守るために協働することが必要だと訴えている。また、「ショック。ドク
トリン」を便乗し、香港・台湾への併合推進させる動きを中国がみせてい
る。(香港への国家安全法は「一国二制度の死」 コロナ利用し「統一」
に動き始めた中国(木村正人) Yahoo!ニュース、2020.05.26)
【ウイルス共生描論25:COVID-19の胎盤病理学】
無事出産でも胎盤に異常 妊娠中の新型コロナ感染で
5月26日、新型コロナウイルスに感染したものの、健康な赤ちゃんを無
事出産した母親の胎盤を調べたところ、異常が見つかる例があったと、米
ノースウエスタン大の研究グループが公表。感染患者では血管に血栓が生
じるケースが注目されており、胎盤でも胎児との間の血流に障害が生じて
いたとみられる。 胎盤の機能には余裕があり、少し低下した程度では影響
がなかったとの見方を示す一方で、感染した妊婦については胎児への酸素
供給や成長ペースを注意深く観察すべきだと指摘している。論文は米医学
誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・パソロジー」電子版に
掲載。胎盤に異常が見つかったのは、シカゴにある同大付属病院で出産し
た15人の母親(23~41歳)。1人は妊娠34週の早産だったが、残り14人。
COVID-19の胎盤病理学
妊娠中のコロナウイルス疾患2019(COVID-19)の女性の胎盤における組織
病理学的所見を説明。
方法
2020年3月18日から2020年5月5日までにCOVID-19が出産する妊婦が特定され
た。胎盤を検査し、歴史的対照およびメラノーマの病歴について胎盤評価
された女性と比較。
結果
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の患者からの胎盤
16個を調べた(妊娠第3期に15人、子宮内胎児死亡後の第2半期に1人が
出産)。対照と比較して、妊娠第三期の胎盤は、母体血管乱流(MVM)の
少なくとも1つの特徴、特に異常または損傷した母体血管、および絨毛間
血栓を示す可能性が有意に高かった。急性および慢性の炎症率は増加しな
かった。子宮内胎児死亡患者の胎盤は絨毛性浮腫と胎盤後部血腫を示した。
結論
コントロールと比較して、COVID-19胎盤は、脱落性動脈症とMVMの他の機能
の有病率の増加、有害な周産期の転帰に関連する絨毛間空間内の酸素化の
異常を反映する胎盤損傷のパターンを示す。
MVMが高血圧障害および子癇前症と関連しているにもかかわらず、COVID-1
9患者は1人だけ高血圧でした。これらの変化は、胎盤の生理機能に影響を
与える全身性の炎症状態または凝固亢進状態を反映している可能性がある。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した女性の胎
盤は、対照群と比較して、有害転帰に関連する脱落膜動脈症およびその他
の母体血管灌流機能の発生率が高くなっている。SARS-CoV-2に感染した女
性の胎盤は、対照と比較して急性または慢性の炎症性病変に有意な増加を
示さず。SARS-CoV2の女性の胎盤は再現可能な組織病理学的異常を示す。
これらの所見は、COVID-19の女性の出産前サーベイランスの増加が正当化
されることを示唆。
【要点】
①重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した女性の
胎盤は、対照群と比較して、有害転帰に関連する脱落膜動脈症およびその
他の母体血管灌流機能の発生率が高くなっています。
②SARS-CoV-2に感染した女性の胎盤は、対照と比較して急性または慢性の
炎症性病変に有意な増加を示しません。
③SARS-CoV2の女性の胎盤は再現可能な組織病理学的異常を示すので、これ
らの所見は、COVID-19の女性の出産前サーベイランスの増加が正当化され
ることを示唆。
図像1 コロナウイルス病2019患者から選択された病理学。A、アテロー
ム症およびフィブリノイド壊死を伴う母性細動脈(×20)。B、リンパ球
性絨毛炎を伴う胎児絨毛の小さな病巣(×20)。C、Zahn(×5)の線を
示す絨毛間血栓。D、胆管症および浮腫を伴う胎児絨毛(×40)。
⛨ 免疫システムが突如として過剰反応する現象は、しばしばウイルスに
よる症状が落ち着いてしばらくしてから起こり、死に至ることも珍しくな
い。幸いなことに大人の場合と違い、子どもの川崎病に似た症状はたいて
い比較的簡単に治療できる。治療には軽症の川崎病の場合と同じ抗体に加
え、補助的にステロイドが使われる。 IVIgによって好転し 心機能が回復
する。重症患者の治療の精緻化に役立つと見込まれる、ほかのいくつかの
ステロイド治療の臨床試験を始めたいと考えている。治療効果はすでにか
なり改善している。
⛨ 欧州やアメリカで新型コロナウイルスに感染した子供の中に、全身の
血管に炎症が起きていろいろな症状が出る「川崎病」に似た症例が相次い
でいる。例えばニューヨークの医師は高山病や一酸化炭素中毒のように自
覚症状がないまま血中酸素濃度が急落していると報告しています。イタリ
アでは「死因は肺炎ではなく超微細な静脈血栓」と言う医師もいる。また、
アメリカや欧州で重症化した子供たちに非定型の川崎病のような症状が見
られ、イギリスでは大人の患者に過炎症またはサイトカインストーム症候
群(免疫系の暴走による過剰炎症)、マクロファージ活性化症候群、血球
貪食性リンパ組織球症が見られる多彩な感染症の特徴をもつウイルスで、
下図のごとく、①重症化する人はウイルスに曝露する量が多い。医療従事
者で直接浴びたとか、偶発的に非常にたくさんのウイルスを浴びてしまう
と重症化しやすくなる。② 喫煙歴がある、過去にウイルス感染がある、
③ウイルスが体内の宿主細胞に感染すると、インターフェロンがつくられ
➲ウイルス感染を抑える1型インターフェロン(抗ウイルス系のサイトカ
イン)。どうも新型コロナウイルスはインターフェロンのシグナル伝達に
必要なSTAT1タンパク質のリン酸化が阻害され、ウイルスが入ってきても
インターフェロンがうまくつくられないようになる。④それが原因となっ
てさまざまなサイトカイン(免疫系を機能させる情報伝達物質)やケモカ
イン(サイトカインの一群)が制御できずつくられてしまう。 ⑤それが
肺で起こると血液から肺に単球やマクロファージ(いずれも白血球の一種
)が集まってきます。サイトカインやケモカインが単球やマクロファージ
を呼び寄せ、多数の炎症性サイトカインが大量に生み出される。 ⑥そし
ていろんな臓器で炎症が起き、特に、既に炎症細胞浸潤が存在する臓器で
炎症が増強される。
肥満の場合、脂肪組織に炎症細胞がたくさんあります。動脈硬化は動脈の
壁に炎症細胞があります。糖尿病は膵臓の組織に炎症細胞があります。
慢性閉塞性肺疾患では肺の中に炎症細胞浸潤が起きる。こういうところに
大量にサイトカインが流れ込んでいく。サイトカインは炎症細胞をさらに
活性化させてしう。もともと炎症細胞が浸潤している臓器では特に炎症が
強く起きる。 ⑦それが免疫細胞に働くと疲弊と機能不全が起こる。⑧そ
れが肝臓や腎臓などの種々の臓器で起こると、多臓器不全になりる。⑨こ
れがたぶんサイトカインストームが起きる一番大きな流れで、ウイルスが
宿主細胞のインターフェロン依存症シグナル経路を遮断する。次に、右側
の薄い水色で示した右の流れ図をみてみよう。人によっては血管内皮細胞
にウイルスレセプタであるACE2がかなり出ている人もいて、ウイルスが
血液中に入った時に、内皮細胞に感染する。血管内腔で炎症が起きる。活
性化されると、そこに血小板がくっつきやすくなりる。血栓ができやすく
なる。血小板自身が炎症性サイトカインの働きを受けると、血小板は凝集
を起こしやすくなる。血小板の方もペタペタになってくっつきやすくなる。
血管内皮細胞の方も活性化を受けて血小板がくっつきやすくな。両方がう
まく働き、体内のそこら中で血栓ができる。どの血管が感染したかという
ことによって、小さな血管が感染すれば川崎病のような血管炎が起きるだ
ろう。脳の血管でそういうことが起これば脳動脈の閉塞が起こる。(新型
コロナと子供の川崎病や血栓症の関係について免疫の宮坂先生に尋ねてみ
ました(下)(木村正人) - Yahoo!ニュース)
➲ 炎症性サイトカイン;アクセルに例えるなら、ブレーキ役;の抗炎症性
サイトカインもあるが、抗炎症性サイトカインの働きはどうしているのだ
ろうか。抗炎症性サイトカインのIL-10もたくさんつくられており、炎症
性サイトカインが大量につくられるので、ブレーキをかけなければと抗炎
症性サイトカインもたくさんつくられるが、量的に足りないのだと思いる。
ブレーキが効かない状態になる;悪玉抗体は抗体依存性感染増強現象(ADE)
を起こしてしまいます。抗体はY字型をしている。Y字のしっぽの部分をFc
領域と言う。抗体と抗原がひっつきます。悪玉抗体の場合、抗体のFc領域
がマクロファージに非常にひっつきやすい。マクロファージの表面にはF
cレセプターがあって、Fc領域を捕まえる分子が出ている。したがって抗
原(=ウイルス)は抗体と結合したままマクロファージの中に取り込まれ
る。マクロファージは普段なら殺菌性物質をつくっているのでウイルスが
死ぬはずなのですが、殺菌性が弱いとマクロファージの中で逆にウイルス
が増えて放出され、さらに感染が広がってしまう。抗体もウイルスととも
にマクロファージの中に取り込まれるが、それで血中の抗体が減るかどう
かは分からない。マクロファージの中に抗体と結合した抗原が取り込まれ
ることで逆にマクロファージが感染する。T細胞(リンパ球の一種)でも
同じことが起こります。T細胞が活性化されるとT細胞の上にもFcレセプタ
ーが出ていて、ウイルスと抗体が結合したままT細胞の中に取り込まれ、
T細胞も感染するという論文が中国からも出ている。これが免疫細胞の疲
弊につながります。当然それによってT細胞が死んでT細胞の数が減る。ど
うもこのウイルスはいろんなことをしていて決して善玉抗体だけができて
いるわけではない。特に重症化する人は抗体ができているのだけれども善
玉抗体が働くよりも悪玉抗体がメーンになって免疫細胞まで感染させてし
まう。患者さんが亡くなる前に炎症性サイトカインがいっぱい吐き出され
るものだから、免疫細胞のみならず周りの上皮細胞も筋肉細胞も影響を受
けて多臓器不全になる。SARS(重症急性呼吸器症候群)の時にもワクチン
ができて第1相試験まで行きました。これを動物試験でやった時に抗体依
存性感染増強現象(ADE)が起きて悪くなったという例が報告されている。
ネコのコロナウイルスのワクチンでも同じことが起きている。MERS(中東
呼吸器症候群)でも同じことが報告されている。コロナウイルスではこう
いうことが比較的起こりやすい。どうして善玉抗体と悪玉抗体ができるの
か、何がそれを決めているのかというのはおそらくウイルスの表面にスパ
イクタンパク質にある。スパイクタンパク質の上には善玉をつくらせるエ
ピトープ(抗体が認識する抗原の一部分)と、悪玉をつくらせるエピトー
プがあると考えられます。ワクチンをつくる時に、うまく善玉をつくらせ
るエピトープをメーンにすれば善玉抗体はできやすくなる。間違って悪玉
抗体をつくるエピトープをメーンにしてしまうと逆に病気を悪くしてしま
う。重症化すると免疫系が頑張らなければいけないと抗体をたくさんつく
る。でも、それが役なし抗体と悪玉抗体がメーンだったら、症状がどんど
ん悪化していく。抗体量も上がっていくが、ウイルスの数は減らず、感染
は広がり、重症化が進んでしまう。抗体をつくるためにはT細胞が必要で、
T細胞の中にはヘルパーの他にキラーがいる。キラーT細胞はウイルスを
殺さないけれども、ウイルス感染細胞を見つけ出して爆撃して殺す。イン
フルエンザは抗体ができてくる時にこのキラーT細胞も同時にできてきて、
血中のウイルスは抗体が殺す、細胞の中に隠れているウイルスはキラーT
細胞が感染細胞を殺すのでウイルスが死ぬ。キラーT細胞による免疫はど
うも非常に重要で、新型コロナウイルスに感染して治った患者さんをみる
と新型コロナウイルスに特異的なキラーT細胞がきている。死んでしまっ
た患者さんはキラーT細胞のでき方が悪かったのか、これから調べてみる
必要がある。 抗体を見るだけでなくてウイルスに特異的なキラーT細胞
がどれだけできているかを調べないと、本来は免疫の程度が測れない。キ
ラーT細胞は特別な研究室でないと測れないので、今は目に見える抗体だ
けで測るしかない。 でも残念ながら測れているのはウイルス結合性抗体。
今は免疫のほんの一部しか見ることができないのが現状であるとテレビ電
話インターで宮坂昌之阪大教授はこう述べている。
⛨ 血栓が残った女性が次の出産にどのような影響があるのか素人のわた
しにはわからないが、このウイルス感染の怖さをまた再認識させられた
恰好だが、インターネットから得られる情報で得られる医療情報の質量の
大きさはとは恐ろしいものだと改めて感心する、
● 今夜の寸評:優しく、丁寧に、賢明に③
めずらしく、ワシントンポストが日本を賞賛している(Tokyo lifts state
of emergency, prepares for life with coronavirus - The Washington
Post、2020.05.26)----月曜日に、日本は東京圏全体の非常事態を解除し、
事実上国のソフトロックダウンを終わらせた。新しい感染症はゆっくりと
トリクル化し、病院のベッドを解放した。最後に、トンネルの終わりに光
がみえる。現在、日本は「新しいライフスタイル」に備える準備----感染
をさらに増加させることなく、日常生活を再開するという特異な試みは、
政府の命令や法的制裁ではなく、自粛要請、合意形成、社会的抑制に基づ
いてウイルスを封じ込める独自のアプローチが、当初の失敗があったもの
のほぼほぼ成功していると。
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