極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ガーリックが効いた量子ドット

2013年02月25日 | ネオコンバーテック

 

 

 

いよいよということで、『ニンニクの科学』に取りかかり始める。上図は改訂版だが、初版をどこで
買ったのか記憶にないが、何れ研究にということで本棚に残しておいたもを取り出し「ニンニクの歴
史」から読み出して初日を終える。そもそも、ニンニクの歴史は古いが、他の医薬品と同様に食品と
毒物の間で生まれてきた。ニンニクは毒物との境界で医薬品としての位置を安定させ、生ニンニクの
抗菌・殺菌作用、殺虫作用を医薬品として利用してきたが、その反面、食品としても重要な位置を占
めるようになり、栄養があり嗜好性もあり、安全性が高いことでクリアーする。具体的に食品のなか
でも最も栄養価が高く、種々のビタミン類を豊富に含み、さらに不安定成分アリシンが殺菌作用が、
アリシンの分解物にクサイ臭いのほかに美味と香りの成分が発見され、嗜好品としても広く利用され
るようになる。毒作用の主成分もアリシンの処理方法も見つかり安全性が確保される。一方、ニンニ
クはアリシンの生成を除外しても薬効があり、その薬効は緩和で、連続摂取することで慢性疾患に有
効であり、養生・養命(慢性疾患や老化の予防)にも有効であることが分かってきた。現在、この分
野で医薬品と食品の激しく競合している。

ニンニクの大量栽培が可能になり、安価で簡単に手に入るようになったがものの長期保存ができず生
薬の品質安定が難しく、医薬品の商品化ができずにいた。最近、加工法によって有効成分が異なるた
めに薬効も変化することが分かった。そのため古代エジプトの『エルベスパピルス』に記されていた。
『エルベスパピルス』のニンニクの入った8処方だけでも、疾病に応じて他の生薬と一緒にすり漬し
たニンニクを家鴨の油で煮て飲んだり、ビールやワインと混ぜて飲んだり、蜂蜜と混ぜたり、鱗茎の
まま煮たり漬けたりして使用していたのだ。このことは、にんにくとたまねぎ(玉葱)の抗がん作用
があると、米国ガン研究協会(2007.2.26Karen Sollins,MS,RD,CDN)による報告がなされている。

それによると、イタリアとスイスの人々が日常食べているたまねぎとニンニクの量によってグループ
分けし、疫学的調査を行った結果、多くニンニクを食べているグループは、“ほんの少しか食べない
人々”や“まったく食べないグループと比較し、10~88%、ガン発生率が少なかったという。比較さ

れたガンの種類は、食道ガン、口腔ガン、咽喉ガン、結腸ガン、乳ガン、前立腺ガン、腎臓ガンを含
み、例えば、たまねぎを大量に摂っている人々は、たまねぎを全く食べない人々に比べ、結腸ガンが
56%、乳ガンが25%低い。また、35,000人以上の女性を対象としたアイオワの研究結果では、1週間
に1片のニンニクを食べたグループは1ヶ月に1片もしくは全く食べない人々に比べて、結腸ガンに
なるリスクが32%低いという結果も出ている。さらに、1週間に4~5片のニンニクを食べると結腸
ガンになるリスクが31%低くなるという。また、胃ガンに対しては、521,000人のヨーロッパ人を対象
とした、大さじ一杯の刻みたまねぎか3片のニンニクを毎日食べ続け、6年半後に“胃の下部のガン”
の発生が30%低かったという結果が報告されている(もっとも、ニンニクが効いたのか玉葱か効いた
のかの判定はつかず)。

今日のところは、それ以上の詳しいデータ、資料を検索できなかったので確度はもうひとつだが、新
規考案の二つの資料から深掘りしてみた。1つめは「特開2011-254755|ニンニクエキス含有物質の
製造方法」。従来より、ニンニクは栄養価が高く、健康増進・滋養強壮とし食されてきたが、ニンニ
クの摂食するとしばらく後まで特有の刺激臭-生ニンニク中のアリイン(無臭成分)が、ニンニク中
の酵素アリナーゼにより変化し、アリシン(有臭成分)が生じ起こるが、生ニンニクをすり潰すと、
アリインから数10万ppm以上のアリシンが生成され、強烈な刺激臭を発する。このアリシンを取り除
く-ニンニク抽出液に活性炭を加えて、アリシンを除去-することで対応しているが、アリシンは水
に溶解し、油性物質を吸着する活性炭を用いても、効率的な除去が難しい上、アリシンの回収活性炭
の産業廃棄物処理の悪臭が問題となる。さらに、生ニンニクを粉砕し、水蒸気蒸留することでガーリ
ックオイルを回収しよとしても、その回収量は0.2~0.5%と効率が悪るくコストアップの要因とな
ため、ニンニク臭を備えたニンニクエキスが製造でき、ニンニク臭を備えた製品などを提供できる、
下図のプロセスが提案されている(実施例がないので効果については?)。




また、「特開2009-298742 生活習慣病改善剤」は、日本人の死因の第一位が心筋梗塞、脳梗塞など
心血管疾患で、心血管疾患の主要な原因が、肥満、糖尿病、高脂血症、および高血圧を重複する
メタボリッ
クシンドロームが要因とされ、予防方法や治療方法の確立が課題となっている。メタボリ
ックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(耐糖能異常)、動脈硬化惹起
性リポ
蛋白異常、血圧高値を合併するとされる。WHOおよびNECP(米国)は、2002年、健康対策としメタボ
リックシンドローム重視方針を打ち出している。
飽食と運動不足の過栄養を原因とした内臓脂肪(腹腔
内脂肪)が蓄積すると、脂肪細胞に生理活性物質や、アディポサイトカインの異常分泌をきたし、糖・脂質代
異常、高血圧、さらには心血管疾患を惹起する。ここで、アディポネクチン(別名Acrp30)は、抗
糖尿病および抗動脈硬化作用を有する善玉アディポサイトカインで、アディポネクチンは、脂肪組織
特異的に発現する遺伝子apM1の産物で、224のアミノ酸からなる分泌タンパク質で、
微量でも全長ア
ディポネクチンよりも高い活性を示す。また、血中アディポネクチン量は、肥満、インスリン抵抗性
Ⅱ型糖尿病で低下しインスリン抵抗性が改善され
、体重制御薬剤になると考えられる。さらに、5’-AMP
性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化は、脂質代謝促進、糖質代謝及び脂肪蓄積抑制等エネルギー代
謝活性化、肥満や糖尿病等の生活習慣病の予防・改善に寄与すると考えられていて、ニンニクエキス、醗酵
黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、
チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスなどの植物エキスから選択し
5’-AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化させるる生活習慣病改善剤をつくる。




これらは1つの事例研究にすぎないのだが、この作業の意図として、ニンニクの有効成分を如何に安
定し取り出すか、あるいは如何に取り出した成分を食品として加工するかにあり、最終的には、例え
ば小麦粉と加工ニンニク粉を任意の比率に混合し(勿論、単独でも良い)、製麺・製パンなどの加工
食品材料「食べるニンニク」として普及させていくことにある。おっと、これも新規考案のタネだっ
た。

 

【量子ドット太陽電池製造プロセス考】 

現在急速に建設普及されているメガソーラーの事業化のポイントは、買い取り価格の安定化と耐久性
とアフターケアーに焦点になると考えていたが、次世代型メガソーラの開発スピードが急速に上がっ
ていくと考えている。そのなかでも10~300ナノメータサイズのシリコン系薄ナノワイヤーやナノド
ット薄膜型プレ・量子ドット太陽電池が先行する。その根拠は、ナノテクノロジー急速な進歩により
電極等界面の表面積の極大化が進むからだ。ナノメーターレベルの微細化が進むと面積拡大だけでは
なく、光起電力の向上や内部抵抗が低下し、変換効率続伸する。変換効率を上げる方法としては、長
波長(あるいは短波長)側の取り込みが可能なワイドレンジ化や波長変化フィルムなどが考えられる
が、種々の観点から実用化が難しいと思われる。

 
例えば 「2013-030805|単粒子膜エッチングマスクを有する表面微細凹凸構造体形成基板の製法」の
ように、有機溶剤などのシリコン系球形単粒子分散液を調製する工程と、単粒子と有機溶剤と非親和
性の液体収容槽中の液体面に滴下して単粒子分散液膜を形成する工程、有機溶剤などの分散媒を揮発
させ単粒子が2次元に最密充填配列している単粒子膜を形成する工程、単粒子膜を基板面に移し取る
工程で構成し、太陽光発電基板面のサブ波長反射防止微細構造のような反射防止微細凹凸構造の形成
に好適な単粒子膜エッチングマスクを有する基板の製造方法で、
溶剤中に粒子が分散した分散液を水
槽内の液面に滴下し、その後溶剤を揮発させることにより、粒子が精度よく2次元に最密充填した単
粒子層を形成でき、この単粒子層を太陽光発電用の半導体基板のような基板上に移し取り、高精度に
配列した単粒子膜のエッチングマスクを基板上に形成し、この基板面をエッチングマスクを通してエ
ッチングすることで、太陽光発電用の半導体基板に求められる光学理論に基づく高度に制御された反
射防止サブ波長微細凹凸構造を基板面に形成する。この方法を用いると、従来法と比較して、(1)
1.8倍短絡電流が大きくなり、(2)エッチングだけをウエット(水酸化カリウム)に換えて比較し
ても、1.4倍短絡電流が大きくなったという。



また、下図は、p型及びn型シリコンの間にi型アモルファスシリコンのナノメートルレベルの微粒
子とナノメートルレベルの薄膜層とを交互に成形成層して単位面積あたりのpn接合中間部面積を大
幅に増加させる。これにより生成キャリアの電子と正孔の対がより多く発生して分極化が促進されよ
り多くの起電力が得られることから、単位面積当たりの起電力を大幅に向上して、高効率の太陽電池
を提供する。また、小型化によるコスト低減とフレキシブルな形状の実現を図ることで、多用途への
応用が図られる高効率の太陽電池の新規考案だ。



【符号の説明】

1a、1b、1c 太陽電池 11、18、21、29、32、40 保護ガラス 12、22、28、
33、39 透明電極層 13、23、34 n型アモルファスシリコン 14 i型アモルファスシ
リコン15、26、37 i型シリコン微粒子 16 p型アモルファスシリコン 17 電極基材 
24、35 酸化チタン他ハイブリッド層 25、36 i型シリコン薄膜層 27、38 p型シリ
コン層 31 集光層


この考案の特徴は、(1)n型薄膜シリコン、及びi型シリコン及びp型薄膜シリコンによる3層構
造セルを有する太陽電池で、中心のi型シリコンを、ナノメーターレベルの微粒子層と、ナノメート
ルレベルの厚さのi型薄膜シリコン層とを5~10層交互に積層し、(2)i型薄膜シリコンの最上
層にナノメーターレベルの光感受性基材を薄膜状あるいは微粒子で少なくとも1層積層し、(3)受
光面となるn型薄膜シリコン層側の受光ガラス面に球状のマイクロメータレベルからナノメーターレ
ベルのクリスタル、ガラス及び石英ガラスを充填させ、これらを光拡散材として一体的に組み合わせ
た層に形成にある。ただし、この考案は原理的ことが書かれてあるだけで、実施例の詳細が書かれて
いない(=詳細な実現手段)ため製造プロセスの開発が重要となる。このため、ナノドット、ナノワ
イヤー、ナノチューブ形成手段として、前述のようなLB (Langmuir-Blodgett、ラングミュア-ブロジェ
ット)法や下図の放電プラズマ焼結法(SPS)や、レーザー誘起ドット転写法(LIFT)など近年この方
面の研究開発が激化している。このこのでの知財蓄積が重要になることは間違いない。





ここで語るべきだろう。持続可能な社会の実現に向けての「オール・ソーラ・システム」は実現可能
だし、また、それは急がなければならない人類の宿命を負っているのだと。



【今日のウオッチング ロビなど】   

 




昨日は、母の見舞いと、ジムへ雪が降る中、出かけたが、帰りに本屋に立ち寄ったついでに、「ロビ」を衝動買
いし帰ってきた。それで?それだけだが、馬鹿なことをしたと思っている。

 

 

コメント
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