【アン王女は、キアンティがお好き】
わたしがショート・カットヘーアの女性が好きなのは映画『ローマの休日』のオードリーへップ
バーン扮する髪をバッサリ切ったアン王女のせいかもしれない。いまふうでいうと剛力彩芽とい
う感じだね。1953年の作品だったのだ。もう戻ってこないという哀愁を帯び、このほかの『自転
車泥棒』『道』『ニュー・シネマ・パラダイス』など盛り沢山、記憶に残る映画が多い。タブレ
ット時代の若者にはどのように映るのだろうか・・・
シャワールームから出てきたアン王女ぱ彼のガウンを羽織っている。ブラッドレーは藁づと
に包まれたキアンティを彼女に差し出しながら、
「服は?」
「すぐに乾きます」
「君は僕の服が似合うようだね」
「そのようです」
「飲むといいよ」
ブラッドレーの簡素なアパートにはキッチンなどなく、ましてや洒落たワイングラスもない。
どこにでもあるような普通のタンブラーにワインの組み合わせである。
青木冨美子 著 『おいしい映画でワイン・レッスン』
キアンティは、花の都フィレンツェを中心とするトスカーナ州で生産されているワイン。通常の
赤ワイン製法で造るキアンティのほか、ゴベルノ法という独自の製法で造られるタイプもある。
一般的なキアンティはさわやかさが売りの若飲みタイプなので、世間の″ワインのしきたり″な
どに縛られずに気楽な気分で飲みたい。キアンティには、キアンティ地区でも限定されたエリア
から造られるワンランク上の「キアンティ・クラッシコ」がある。さらに熟成させたタイプは「
キアンティ・クラッシコ・リゼルヴア」と呼ばれる。これら上級クラスはキアンティよりちょっ
ぴり気取ったムードいやモード(どんなモードで?)で飲む。映画『硝子の塔』には、ルフィー
ノ社の「キアンティ・クラッシコ・リゼルヴア・ドウカーレ」が登場する。「カリフオルニアワ
インが好き」と言っていた男が、ターゲットとして狙った女性を誘ってレストランで飲むワイン
なのだが、リゼルヴア・ドウカーレはプ公爵のためのとっておきという意味をもつ、熟成タイプ
の赤ワイン。
ワインの歴史は紀元前二百年頃、ギリシャ人たちが南イタリアにブドウをもたらしたことが始ま
りと伝えられている。1968年、トスカーナの名門貴族アンティノリ家から「サッシカイア」と呼
ばれる赤ワインが出荷された。ボルドー系高貴品種の「カベルネ・ソーヴィニョン」と「カベル
ネ・フラン」から造られた赤ワイン。ワインの生産量で、たえずフランスと首位の座を争ってい
るイタリアが、自国のブドウ品種ではなく、フランス原産のブドウを使って造った画期的ワイン。
それも従来からの大樽による熟成は行わず、バリックと呼ばれる小樽で熟成させたもの。
※ ルフィーノ・キアンティ(Ruffino Chianti)イタリアワインの代名詞として有名なディリー
ワィン。特有の渋みと果実の風味をもつルビー色のワイン。ピザやナチュラルなトマトソー
スのパスタ、油っこい料理に最適。キアンティの瓶型は映画の中でも変化している。1950年
代に作られた『ローマの休日』や『旅愁』、イタリアの古き良き時代を描いた『ニュー・シ
ネマ・パラダイス』、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『家族の肖像』などはこの藁づと派。
一方、1990年代になってからの映画『迷子の大人たち』や『快楽晩餐会』などはボルドー型
だとこの本で紹介されている。
【伊太利亜版食いしん坊万歳 ジャガイモのガット】
材 料: ジャガイモ900g、卵3個、バター120g、ペコリーノおろしチーズ120g、生ハムあるいは
ソーセージ80g、パセリ、塩、コショウ、牛乳、パン粉、モッツァレッラチーズあるい
はプロボーラチーズ200g、パルメザンかパダノのおろしチーズ)
作り方:ジャガイモは洗って皮をむき、ジャガイモおろし器ですりおろし、バター80g、卵、細か
く刻んだチーズ、ハムまたはソーセージ、パセリひとつかみ、塩、コショウとともにか
き混ぜる。そして、牛乳を適当に加えて、柔らかくて粘りのあるペースト状にする。オー
ブン皿にバターを塗り、そこにパン粉をふりかけ、ペーストの半分をその上に置く。さ
らにモッツァレッラチーズあるいはプロボーラチーズの薄切りをのせ、バター少々をおい
て、もう一度、パン粉,残りのペースト,チーズをのせ,最後にバターとパン粉をふりか
けて、オーブンに入れて、たっぷり30分ほどかけて焼く。
いろいろあるが、今日は、イタリアとワインと映画のコラボを企画してみた。
こんなこともあってもいいのじゃないかと。