
予定では「栗崎屋」の次に「寿々翔」に移って食べる予定でしたが、オカアキさんはアンコウ鍋と海鮮丼のセット定食で満腹となったようでした。それで、別々に行きたい所を回ることになり、いったん「栗崎屋」の店先で左右に別れました。
その後ホシノは「和泉屋米穀店」に立ち寄って挨拶し、「ココストア」に行って角谷杏のお酒と菓子を買いました。それから「寿々翔」に回ったところ、残念ながら臨時休業でした。他の所で食べよう、と考えて、今まで一度しか入っていない「大野屋」へ行ってみたらこれも休業日でした。向かいの「お好み焼き道」も定休日なので、そのまま髭釜から永町へ移動し、「たかはし」に立ち寄りました。
閉店間際でしたが、高橋さんが笑顔で「まだありますよ」と言うのでみつだんごを一本だけ買っていただきました。食べながら、去る12月に開催された五十鈴華誕生日イベントの様子などをうかがいました。ホシノは一昨年の五十鈴華誕生日イベントに参加していますが、去年のそれも似たような内容だったそうです。どこもそんな感じで定着していますね、ガルパンが無かったらそういうイベントなんて無かったでしょうね、と話す高橋さんでした。

続いて「ヴィンテージクラブむらい」に立ち寄りました。昼は満員で入れませんでしたが、夕方からは少数の常連客たちの語らいの場になりますので、テーブル席の方は空いていました。それでコーヒーを注文していただきました。居合わせた二人のガルパン巡礼の方と少し話をしました。
カウンター席では少数の常連客がマスター夫婦と談笑していましたが、みんな見かけたことのあるような感じでしたので、常連客のなかの常連客ばかりなのだろうと察しました。ただ、その話している内容がなにやら深刻な問題だったようでした。
余りよく聞こえていなかったのですが、同じテーブル席にいた二人のガルパン巡礼の方が、なんか今日どこかの店でガルパンファンがトラブったみたいですよ、と教えてくれました。詳細が分かりませんでしたから、大洗にはそういったトラブルもあるんだろうか、と思ったにとどまりました。大洗では多くの情報が口コミでパッと広まりますから、今日どこどこでこんな出来事があった、というような情報はすぐに知れ渡ります。古き良き昭和の田舎街の風情がここにも息づいているようです。

その後、同席の二人のガルパン巡礼の方と盛り上がり、劇場版のストーリーの予想などをして楽しみました。店先に貼ってあるポスターも見ました。そのまま、近くの「大進」に移動して三人で蕎麦をいただきました。
二人はいずれも長野県の人で、今回が初の大洗巡礼だと言いました。宿の名を訊ねると「大勘荘」だというので、ああ自分も二度泊まったことがあります、と話しておきました。二日かけてキャラクターパネルと食べ歩きを楽しんでいます、と教えてくれましたが、ホシノの大洗行きも最初はそんな感じでしたね・・・。

宿には18時過ぎに戻りました。空腹感がまだ続いていましたが、ダイエット中でもあるので、あとは、「ココストア」で買ってきた角谷杏のお酒と菓子で締めることにし、とりあえず風呂で暖まりました。部屋に戻って水戸の知人に電話をかけたり、明日の予定をチェックしたりして過ごしました。それから角谷杏のお酒と菓子を食べながらテレビを見たり、一階のロビーに降りて新聞を読んだりしました。
ロビーでは店主や女将さんとも雑談を楽しみました。お友達はまだお帰りではありませんか、と聞かれてオカアキさんがまだ戻っていないことに気付きました。おそらく北見さんの所で話し込んでるんだろうな、と思いつつ、「こちらは門限とかありますか」と聞きました。女将さんは「いちおう夜は10時半で閉めますけどね」と笑っていました。内心では客の帰りが遅いのを心配していることが分かりました。
私も学生時代に奈良の観光旅館で二年ほどアルバイトしていたからよく分かるのですが、宿泊施設の運営者は、宿泊客の安全に責任を持たねばなりません。大事なお客さんをお預かりしている、という認識ですから、一人でも帰っていない客が居れば、帰ってくるまで待機することになります。
「さかなや隠居」さんは、その点が大洗でも厳格なまでにしっかりしている数少ない宿ですので、他の宿のように客の帰りが遅くてもほったらかし、ではありません。帰っていない客が居れば、フロント内の事務室に店主さんが必ず居て待っています。女将さんも、客が全員帰ってくるまで店内巡回や清掃などをしたりしています。ホシノがこの宿を定宿にしているのも、単に居心地が良いからではなく、食事が美味しいからだけではなく、旅館業としての原点と義務に忠実かつ真剣な姿勢を有するこの宿の有り方を高く評価するからです。
それで、オカアキさんに連絡しようとすると、メールが来ていました。「まだ大丈夫ですかね?」とありましたが、すでに20時近くになっていました。まだ北見さんの所に居座っているのかな、と呆れつつも、適当に返事しておきました。
それから再びロビーに降りると、女将さんが玄関口の所に居ました。やっぱり心配しておられる、これはまずいな、と思いました。ホシノの足音に、店主の大里さんもすぐに出てこられました。やっぱりきちんと待っておられるんだな、と感じました。
既に角谷杏のお酒が深く胃に効きはじめて酔いがきていましたが、ひとまずお詫びしてオカアキさんに電話しておきます、と伝え、部屋に戻って電話連絡しておきました。その直後、酔いに耐えられずに布団に倒れ込みましたので、気がついた時には朝になっていました。

そんなわけで、朝も目覚めてからはしばらくボーッとしていました。今回の角谷杏のお酒の効き目は抜群で、撃沈爆睡状態でしたから、疲労感はすっかり取れました。ただ、空腹感が大きかったために、体に力が湧いてこないのでした。
(写真撮影 オカアキさん)

この日の朝食ほど、待ち遠しかった食事はありませんでした。いつもの美味しい「さかなや隠居」の朝御飯です。何度も食べているにもかかわらず、嬉しくなって記念撮影をしてしまいます。
(写真撮影 オカアキさん)

この日の朝食メニューです。いつもながら豪華なものです。

この日は湯豆腐も追加されました。寒い朝には有難い品です。さりげない配膳に、この宿の温かみと確かな運営方針とが感じられて嬉しくなりました。

いつものように女将さんと朝の雑談を楽しむホシノでした。少し前に玄関からお子さんが出ていくのを見ましたが、女将さんのお孫さんの上の方の子でした。未来の店主さん、でしょうか。 (続く)
(写真撮影 オカアキさん)
大洗での非日常は、ついつい自身をわがままにしてしまいます。
記事の中では、他のガルパンファンが問題をおこしたようで・・・その人達も、大洗滞在で気持ちが高ぶってのことでしょうか。自身を含め反省しなければいけませんね。
趣味のオートバイ仲間などでも、出先ではっちゃけてしまうのがいました。そういうのに限って司法書士とか学校の先生とか硬い仕事だったりします。
ぼくも非日常があるから日常の有り難みがあるなどと考える方ですが、限度はありますよね。
「ネイビーはスマートネスをモットーにすべし」などと言いますが、ネイビーならずとも野暮な振る舞いはしたくない物です。
日本は酔っぱらいに寛容ですが、ヨーロッパあたりは酔って醜態をさらすと社会的信用を無くすそうです。
大洗は、他のアニメ聖地と比べて、ファンに対して寛容であるとされているようですが、単に大洗ではっちゃけてしまう人が非常に少なかっただけではないか、と感じております。
むしろ少ないだけに、そういう人が居ると目立ってしまって、あっという間に噂になって知れ渡ってしまう、ということでしょう。寛容であるということとは、また別の問題だろうと思います。