天浜線の西掛川駅から北西に約100メートル、ブックオフ掛川店の隣にハンバーグレストランの「さわやか」のお店があります。静岡県民のソウルフードの一つとされ、ゆるキャン△作中でも「あのハンバーグ」と形容される、独特の肉感たっぷりハンバーグを提供するお店です。
実は「あのハンバーグ」のモデルは幾つか候補があって、原作コミック第11巻156ページにて各務原なでしこが手にしている「うまうま100%ハンバーグ」はパッケージが実在の「そのまんま肉バーグ」によく似ています。なでしこは「帰りに電車で掛川まで行って」その「うまうま100%ハンバーグ」を買いに行っているのですが、「そのまんま肉バーグ」は実際には通販対応のみで掛川では買えません。
掛川で買えるハンバーグと言えば、掛川駅から北東に少し離れた地にあるスーパー「サンゼン」にて扱っている類似品の「満点ハンバーグ」が唯一なので、なでしこが帰りに掛川に寄って買ったくだりは、「満点ハンバーグ」がモデルになっていると思われます。
そして掛川を含めた静岡県においては、掛川に本店があるレストランチェーンの「さわやか」でのみ食べられる「ハンバーグ」がダントツの人気を誇ります。
この「さわやか」のハンバーグと、先に述べた「そのまんま肉バーグ」および「満点ハンバーグ」は肉100パーセントの品である点は共通で、取扱い会社は異なるものの、元請の製造メーカーは同じであるそうです。だから、いずれも同じ焼き具合で仕上げれば、味もほとんど変わらないそうです。
そのことは生粋の掛川っ子で「さわやか」の常連だった京都造形芸術大学時代の学友にも聞かされた記憶がありますが、今回の食事においても改めて情報を得る事が出来ました。
ただ、「そのまんま肉バーグ」および「満点ハンバーグ」は販売のみであって、家での調理が必要です。それに対して、「さわやか」のはレストランで提供されるので、焼き具合が一番美味しいわけです。
なので、私のような県外からの観光客がゆるキャン△の「あのハンバーグ」を気軽に味わうには、静岡県下に点在する「さわやか」の店舗のどれかに行くしかありません。今回のように掛川に移動して天浜線経由で行くならば、最も近くてすぐに行けるのが、このお店だったのでした。
これが今回の食事の場所、「さわやか」掛川本店です。本店ですから、ハンバーグの伝統の味が守られて人気も高いです。行列があって20分ほど待ちましたが、学友と行った時には一時間も待たされた記憶があります。
掛川市桜木の学友は、根っからのハンバーグ好きで、京都の芸大時代の下宿での自炊でもよく実家から送ってもらったハンバーグを使用していました。逆に言えば京都のスーパー等で売っているハンバーグを、認めていなかったのでした。私も三ヶ日の親戚と一緒に「さわやか」のハンバーグを何度か食べていますから、他県のとは全然違う肉感たっぷりのボリューミーな味の凄さは、よく分かります。
ということで、今回は久しぶりに「さわやか」のハンバーグをいただきます。原作コミック第11巻91ページにて志摩リンも「肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉ーーーッ!!!」と驚愕してオニオンソースにも感激した「あのハンバーグ」のモデルですから、「ゆるキャン△」聖地巡礼の最中に食べないわけにはいきません。
15分ぐらいで運ばれてきました。今回チョイスしたグランドの「おにぎりハンバーグ」ライスセットです。写真を撮り忘れましたが、これは最初はまん丸のお握りの形で運ばれてくるのです。そして客の目の前で店員さんがナイフでお握り形のハンバーグをスパッと二つにカットしてくれます。するとカット面が熱したプレート上にてジュワワーと湯気を上げてあふれる肉汁がパチパチと沸騰して濃厚な香りを放ってくるのです。あれは本当にたまらんですね・・・。
このように二つにカットされたハンバーグが、しばらくジュウジュウと音を立てて、上にかけられたオニオンソースの香りをも濃厚に漂わせてくるわけです。朝から何も食べていない空腹状態には、とくに強烈に突き刺さります。
見て下さい。分かりますか。繋ぎに他の素材を一切使わない、100パーセント牛肉のハンバーグです。「さわやか」でしか味わえない絶妙な、遠州伝統の焼き具合です。これを言葉で表現するのは至難の業です。
もう、一口食べたらね、ガルパンファン的には「イヤッホオオオォォォォッ!!最高だぜえええぇぇっっ!!」となるわけです・・・。静岡県以外の地でこんな旨いハンバーグを食べた事はありません。間違いなく国内最高最強の味ですね。浜松といえば餃子やウナギも有名ですが、個人的にはこのハンバーグも勧めます。
ですが、とにかく濃厚ですので、食後は肉汁の余韻がお口にずっと残ります。あっさり、さっぱりした何かが欲しくなります。上図の静岡抹茶ティラミスを追加していただきました。合わせて1430円なり。
いやー、美味しかった、食ったなー、と満足感に浸りつつ西掛川駅に戻りました。駅のすぐ下にコンビニがあり、列車が停車するとコンビニの屋根に乗っているようにも見えることで有名な駅が、この西掛川駅です。列車を一本ずらして待って、コンビニの屋根上に乗っかった姿を撮ってみようか、と考えましたが、それをやると次の列車まで30分ぐらい待たなければならなくなるので、諦めました。
西掛川駅のホームに戻りました。時刻は15時31分でした。
3分後の15時34分に、掛川行きの列車が来ました。最近はラッピング車輌のほうが多いので珍しくなった、本来の天浜線の車体カラーです。これに乗って、この日の宿がある掛川へ戻りました。 (続く)