気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

サンダース大学付属高校 シャーマンファイアフライ(テレビ版仕様) 完成です!! 

2020年02月02日 | ガルパン模型制作記

 組み立て工程の最後は、劇中車に見られるハウスポートブラケットのアームを作ります。上掲のワンシーンの赤枠内に示した部品です。

 管見の限りでは、この部品をパーツ化したキットはどのメーカーからも出ていません。アスカモデルの製品においては基部の方形パーツは再現されるものの、アーム部分は再現されていません。なので、どのメーカーの製品を使って製作しても、ハウスポートブラケットのアーム部分だけは自作する必要があります。

 

 まず、アスカの基部の方形パーツを調達して劇中車に合わせて取り付けました。

 

 アーム部分の製作は割合に簡単です。まず断面が三角形のブラ材を用意します。文房具屋で売っている定規セットの片方、角が30°、60°、90°の半正三角形のような断面のものが良いです。幅は5ミリぐらい、長さは2センチもあれば充分です。私の製作ではジャンクパーツに適当なものがありました。
 その三角材の60°の角をカットして基部の方形板に合わせる部分とします。さらに90°の角を丸く落としておき、上図のように約2ミリの長さにカットして6個作ります。

 

 次に、御覧のように0.5ミリ厚程度のブラ板を両側に貼りつけます。

 

 中央のブラ材の形に合わせて両側のブラ板をカットして整形します。ブラ板の上部はブラ材に合わせますが、下部は約1ミリほど延長して水平にカットします。

 

 延長した両側のブラ板の下端に合わせる形で軸棒を取り付けます。軸棒はジャンクパーツまたは伸ばしランナーで作ります。これで劇中車のハウスポートブラケットのアーム部分の形状に仕上がります。

 

 基部の方形板に取り付けて完了です。

 

 劇中車はサイドスカートも付けています。これのパーツは、タミヤのM4シャーマンのキット、アスカモデルのファイアフライ系のキットに入っています。
 今回使用したのは、タミヤのM4シャーマンのパーツでした。タミヤのキットで劇中車を再現すると、サイドスカートのパーツは不要となって余ります。そうした余りパーツが手元にワンセットあったので、今回活用しました。

 

 組み立てが終わりましたので塗装に移りました。サーフェイサーを薄く吹き付けておき、ミスターカラーの16番の濃緑色で本塗装を行ないました。周知のように、サンダース大付属高校チームの試合参加戦車3種のうちでファイアフライだけが車体色が濃いです。

 

 車輪のゴム部分はポスカの黒で塗りました。履帯は28番の黒鉄色およびポスカの黒で塗りました。

 

 履帯をはめこみ、サイドスカートを取り付けました。

 

 車外装備品類です。金属部分は28番の黒鉄色、木製部分は43番のウッドブラウンで塗りました。他に前照灯およびバックランプを8番のシルバーで塗りました。

 

 車外装備品類を取り付けました。位置は劇中車のそれに合わせました。

 

 校章のデカールはモデルカステンのガルパンデカールセットから所定の3枚を切り取って貼り付けました。

 

 やっぱり校章が付くと、一気にガルパンの戦車になりますね。

 

 以上で完成です。実は、今回の製作は組み立てから塗装までの全てをたった2日で済ませました。2日間まるまる朝から晩まで製作に打ち込んでいたからです。

 既にM4A6を製作した段階で車体の半分をカットして交換するという、最大の難作業を今回のファイアフライの分とまとめて行っていたため、後は車体を繋いで劇中車に合わせるだけで事足りました。むしろ、不足のパーツをアスカやタミヤの余剰パーツで補うべく探し回る作業のほうが手間がかかったと思います。

 

 17ポンド砲を横に向けてみました。VCサイズの劇中車においても17ポンド砲は長くて存在感がありますから、それより車長が短いICサイズの今回の車輌においてはなおさらでした。

 

 車体前部の交換後の繋ぎには相当の手間をかけて痕跡が残らないように苦心しましたので、上図でみても繋ぎ目の位置が分かりません。なぜ一生懸命に繋ぎ目を消して車体側面を均一に均すことに必死になったかというと、ちょうど繋ぎ目のところに校章デカールの片側が重なるからです。痕跡が少しでも残ってしまうと、デカールにもそれが表れてしまいますので、それだけは避けたかったのでした。

 

 かくして、サンダース大学付属高校チームのシャーマンファイアフライがテレビ版仕様にて完成しました。製作日数は、2019年10月18日から10月19日までの2日でした。組み立てに1日、塗装および塗装後の組み立てとデカール貼り付けに1日、という超スピード製作でした。

 キットは、ドラゴンのICシャーマンファイアフライのオレンジボックス製品を使用し、車体前部をM4A6の再現製作に際してM4A4のものに交換しました。それで劇中車の外観が成立するため、従来は難しいだろうと思われていたのが、やってみるとアッサリ作れた、という感じでした。 
 既に劇場版仕様の劇中車をアスカモデルのキットにて製作しているため、車体の長さを除けばほぼ全ての要素が共通している今回のテレビ版仕様は、だから劇場版仕様に合わせて作れば良く、独自の改造や修正などはほとんど不要でした。

 なので、車体前部の切り離しおよび交換が出来れば、後は楽に組み立てられる車輌である、という結論にまとまります。これまでガルパン戦車プラモデルの最難関の一つとされてきたのは、単に車体形状を合わせるための工程が明確になっていなかっただけであったのだ、と解釈出来ます。車体パーツの正確な切断、という作業を行なえるだけの勇気、決意があれば誰でも再現製作に進める筈です。

 ただ、私の場合は、キットを無駄なく活用するという観点により、シャーマンファイアフライのみでの再現製作は出来ませんでした。同じ作業過程を要すると見込まれるM4A6の再現製作とセットにして計画することで、二つのキットで二つの車輌を無駄なく作るという状況を想定しなければ、先へ進めなかったのも事実でした。
 ですが、車体前部の切断交換という作業によって全ての問題が解決したとなれば、最難関の車輌と言う概念も今回の製作によって過去のものになります。むしろ、難しいというよりも、色々と学びがあって面白くて楽しい作業だった、と思います。

 今回の製作を通して感じたのは、いずれガルパン戦車プラモデルというのは、ただ組み立てて仕上げるだけの作業に終始していては壁に必ず突き当たる、という事です。適応キットが未だに出ていない車輌もアニメ、コミックを問わず相当数出ているため、それらをいかにして再現製作するかという問題に直面する場合が多くなる、と思います。キットが新規開発されるケースが今後も順調に続く保証はありませんから、一部の戦車は自分で何とかして作る、という選択肢も必然的に出てくると思います。

 私の場合はサンダース大付属高校チームのM4A6とシャーマンファイアフライを車体前部の切り離しおよび交換でなんとかこさえましたが、それ以外にも新潟ビゲン高校チームのStrv m40L軽戦車を類似車輌をベースにしての半スクラッチで作りました。
 さらに知波単学園チームの特二式内火艇カミの公式キットには無いインテリアを、旧海軍の特二式内火艇カミの艇長だった方の教示監修によって製作しています。なにしろカミの資料もまとまったものが無く、実際にカミに乗り組んでいた方への取材もこれまで行われていなかったそうなので、従来の資料類はほとんど戦後の研究者による憶測や推定の積み重ねから成り立っていると思います。実際、カミの艇長だった方の証言内容は、従来の資料類には無い情報ばかりで、驚愕するばかりです。その教示によって作ったカミのインテリアも、おそらくは唯一無二のものとなるでしょう。

 ともあれ、今後はこういうようなある意味アバウトな製作パターンが増えてくるだろう、という認識が私にはあります。今回のファイアフライのテレビ版仕様の再現製作によって、それがより実感をともなってきたのが、最大の成果であったのだろう、と思います。

 


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