光前寺本堂外陣脇の詰所売店で、上図の「早太郎おみくじ」を売っていました。志摩リンが500円で買ったあのおみくじの元ネタで、実際に500円で売られています。
アニメの「早太郎おみくじ」は可愛く描かれています。実物と全然違います・・・。か、かわええ・・・。
でも・・・ 500円するのか君たち・・・・
結局、買いました。結果は吉でした。今まで大吉とか中吉を引いた事がありませんから、私の運なんてこんなものでしょう。なにしろ、大凶を高確率で引くアホですから・・・。
結んで、おしまい。
10数年ぶりの参拝でしたが、風情は昔と変わりませんでした。いいお寺です。山裾の深い原生林に包まれる雰囲気が、よく遊びに行った奈良県の室生寺を思い出させます。
折角なので、これまで拝見の機会を得ていなかった庫裏の庭園も見て、休憩することにしました。5月30日から上図の庫裏中門が修復工事に入るため、12月ぐらいまでは門前駐車場からの臨時迂回路が設けられて庫裏庭園へ回る形になるそうです。
御覧のように、門の建物は相当傷んでいるようで、僅かに右に傾き、屋根の両端も少し下がっていました。垂木が老朽化して屋根の重みに耐えられなくなってきているのでしょう。
庭園といえば、光前寺の境内全域が杉林の中にあり、苔も多く広がるために「光前寺庭園」の名で国の名勝に指定されています。狭義の庭園は、上図の庫裏客殿の裏にある築山泉水庭を指します。
庭園の他に客殿の展示コーナーにて、弁天堂の修理前の元の部材などを見学出来ます。
弁天堂が国の重要文化財に指定されたことを証明する文部大臣発の公式文書です。指定年は平成十年で、建物だけでなく、内陣に安置される厨子も附けたりとして一括指定されています。
遠州の霊犬「悉平太郎」の木像が祀られてありました。これには驚きました。信濃の早太郎は、遠州では「悉平太郎」と呼ばれ、これに関する説話も、光前寺側の伝説内容より細かく、長くなっています。
それによれば、「悉平太郎」つまり早太郎は、光前寺にて一匹の雌の山犬が産んだ五匹の子犬のうちの一匹で、ひときわたくましく育ったそうです。やがて母親と四匹の子犬は山へと帰っていき、一番たくましくて利発だった子犬が寺に残りました。山犬の親子をずっと見守っていた和尚は、少し不思議に思ったものの、この一匹が寺に残ったことをたいそう喜び、これを「早太郎」と名づけて慈しみ育てた、ということです。
傍らの説明文によれば、静岡県浜松市の足神神社の付近にも、「悉平太郎」つまり早太郎の墓があるそうです。
ちなみに、原作コミック第5巻にて、志摩リンが静岡県磐田市に向かい、「悉平太郎」を祀る見付天神こと矢奈比賣神社に参拝していますが、アニメ本編ではそこまで至っていません。二期が実現すれば、「悉平太郎」も登場するかもしれませんね。
客殿裏手の庭園を望む縁側に回り、築山式池泉庭園を見ました。なかなか立派なしつらえです。築山部分が自然地形を生かして長く造成されているあたりは、中世期庭園の特徴の一つです。
園池の東西で表現が異なっており、拡充整備が行われたのかもしれません。局部的には後世の改変のあともみられますが、中世期の手法および意匠が地割り、石組み等にみられます。上図の石橋の形式も中世のものです。
庭園に注ぐ水は勢いも良く、音をたてていました。背後の山の湧水を取り込んでいるそうです。要するに光前寺の境内地そのものが庭園の素材になっており、長野県を代表する中世期の複合的庭園群として、県内では初めて文化財指定を受けています。
庭園見学は有料であり、茶菓子のサービスも含まれています。参拝見学客が客殿内を一通り回って庭園を鑑賞し終えると、休憩処の座敷にて上図の茶菓子が出されます。
お茶の右に置かれた「法楽」の紙包みが、菓子の麦落雁です。これを一口かじり、お茶をゆっくりと飲んで菓子の甘味とともに味わうわけです。
退出して、中門をくぐって境内に戻りました。上図では、中門の屋根が左側で下に歪んでいるのが分かります。
庫裏への道と伽藍への参道が合流する地点に、上図の参拝案内所があります。アニメでも登場し、志摩リンが熊出没の注意書きにビビっていましたね。
このシーンです。案内所は閉まっています。案内所が閉まっている時は、三門下の事務所売店が開かれているのだそうです。 (続く)