彝族のトイレ

都会に住む場合は別でしょうが、田舎に住む彝族の家にはトイレがありません。用を足す時は、銘々、外に出て適当な場所でするようです。

そこで、衛生面からもトイレを作ろうという運動はあるようです。でも、民族感情からなかなかトイレを作るのは難しいというのです。彝族の人たちは、トイレという言葉を使うのは恥ずかしいという感覚があるようです。あるいは、トイレに行くということを他の皆に知られるのがすごく恥ずかしいらしいのです。

都会に住む彝族の人の話では、田舎から尋ねてきた親戚が家に来ると、家の中のトイレの場所を教えても行かないのだそうです。何も言わず、外に出て用を足すのだそうです。トイレという言葉、あるいは、トイレに行くことを知られるのが、嫌なのでしょう。

というわけで、聞いてみると、トイレだけじゃなく、おいしいとか綺麗とか言う感情を表現する言葉もあまりないそうです。そういう、感情を表すのは恥ずかしいということらしいです。とても、シャイな彝族の人たちのことを聴いていると、シャイなガルマルも共感できるところがたくさんあります。彝族の家へ行くことは、自分探しの旅のような気もします。