団の三訓ー嘘をつくな 狡をするな 楽をするな
団には子どもたちを指導するための三つの指針があります。「嘘をつくな」「狡をするな」「楽をするな」。団の三訓です。守るべきたいせつな約束です。その意味と理由を三回に分けてご紹介します。
その後は「米作りに願うもの」で、団が「米作り」を始めた理由、子どもたちにとって「米作り」はどういう意味をもっているのか等をお話しします。子どもたちが確かな学力を培い素晴らしく育ってくれる秘密です。
標語の一「嘘をつくな」。
「嘘も方便」という、考えてみれば便利なことわざがあります。
しかし、このことわざには、どこか「うさんくささ」や「陰」がつきまとう感じがするのですが、いかがでしょうか。
「必要悪」も時には認めなければならないことはわかりますが、嘘をつくのは「たいてい隠しごと、あるいは責任逃れのため」です。「必要悪」に頼らず処理する方が誠実で、よりスマートではないですか?
子どもにとっても大人になっても、いちばんいい表情は「こぼれる笑顔」であり、いちばんうれしい言葉は「ありがとう」だと信じています。子どもたちには、できるだけたくさんそんな機会に出会って大きくなって欲しいものです。
「嘘をついてしまった」という心の揺れは、笑顔を明るい方向に導いていくことは決してありません。子どもたちの笑顔を台無しにします。
嘘は嘘を呼びます。「嘘は泥棒の始まり」ということわざはまだ生きています。嘘がばれないように、さらに大きな嘘をつかなければならなくなることはありませんか? 嘘をつけばやさしい人ほど気持ちが荒みます。
多くの人は良心的で、嘘をつけば気になり、何かにつけて全力でのパフォーマンスがむずかしく
なります。力を出し切ることはできません。そして全力を尽くさなければならない「ハレの日」に限って、そのしわ寄せが来るような気がしてなりません。
いずれにしろ、年を重ねるとともに、心の中には少しずつ澱がたまっていきます。嘘や哀しさで笑顔に影が差すことが多くなります。
子どもたちには、いつまでも飛びきりの笑顔でいて欲しいものです。そしてワシントンのリンゴの話は今でもぜひ読み聞かせたい逸話です。
標語の二「狡をするな」。
「狡」というのは、本来あるべき努力や成果に対して、手抜きをし、表面だけ取り繕うしわざです。結果的に人や社会に対する裏切りであり、強固な信頼関係は生まれません。誠心誠意努力しあうことで「絆」が生まれ、人間関係が正しく成立します。信頼できる人たちと協力し合い、目標に向かって協調できる構造が社会の礎になります。
未曾有の大地震で困窮の極みにある被災地に「火事場泥棒」が跋扈しました。
「隙あらば人の金も自分の金に」という意向や企みが蔓延し、数年おきに、体裁を取り繕った「狡」の事件が大きく報道されます。
「金を儲けちゃ悪いんですか」などという台詞が「子をもつ親である、身なりも地位もそれなりの社会人」の口から臆面もなく飛び出したころ、そんな社会になってしまったことに違和感をもち、憤りを感じた人はどれだけいたでしょうか。
「金を儲けても悪くはないですが、あなたの心に金よりたいせつなものがあるはずだという気持ちはどれだけ残っていますか」。このニュースが流れたとき、そうコメントできたインタビュアーやニュースキャスターは登場したでしょうか。
「こういう感覚で子どもを育てたら、あるいはこういうニュースがどんどん流れるようになったら、将来どうなるんだ」と思った人は、どれだけいたでしょうか。「こんなヤツもおんねんなあ」じゃなかったか。「世の中には自分に関係のないこと」はありません。「自分ひとりで」そう思ってるだけだと思います。
「狡いこと」をして反省のかけらもない、反省さえ知らないと思われる人たちが増えていることと、信じられない犯罪の多発は決して無縁ではありません。「自分さえ良ければ」、そういう人たちがどんどん増えているような気がするのですが、いかがでしょうか。そして、もっとも恐ろしいのは、ぼくたちがいつの間にか、少しずつそういう社会に慣れてしまっていることです。
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
立体学習を実践 学習探偵団 http://www.gakutan.com/
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////