『子供たちにとっての本当の教科書とは何か』 ★学習探偵団の挑戦★

生きているとは学んでいること、環覚と学体力を育てることの大切さ、「今様寺子屋」を実践、フォアグラ受験塾の弊害

立体授業とは何か? ⑲ スライド紹介 「土筆ハイク」4

2015年03月28日 | 学ぶ

 今回の写真、前半は先日(3月21日)団の近くのグラウンドで、特別に(飛行機の制作と遊びになれるため)みんなで手作りの紙飛行機競争をしたときのスナップです。「土筆ハイク」でも、いつもこうした競争を楽しんでいます。(左は今年京大(二人)・北大に合格した合格祝いのようすです)


為草(く・さ・と・な・り)
 立体授業、土筆ハイク。土筆の「為草(く・さ・と・な・り)」を紹介してきました。
 受験学習やテスト勉強。師管と道管の説明・学習内容にしても、子どもたちがふだんから「ほとんど意識もせず、注意して見たこともないものやことを」学習します。

 双子葉植物と単子葉植物の「維管束の並び」をイラストで見せ、暗記させたとしても、それによって植物に対する興味や関心が生まれるとは考えにくい。おもしろさは始まらない。指導を通じての実感です。維管束の意味や役割・存在理由などを知らずに、その特色だけ、字面で学ぶことになるわけです。それでは、同じ地球の「住人」としての「環覚」は生まれにくく、「いきもの」としての馴染みも湧きません。先週の、子どもたちの現在の学習スタイルに対する振り返りでした。

 意味もわからない抽象を超え、ふだんから雑草を「遊び道具」にしたり、手を触れることの親しみで、子どもたちの感覚も変わってきます。学習対象・学習内容との関連を、それとなく口添えすることによって「気づき(環覚の育ち)」がはじまります植物の茎を折ったとき、切り口から流れ出る水に子どもたちが注意をむけるようになれば、「植物は生きている」という実感や認識が生まれます

 ぼくたちの身体が「心臓の拍動によって血液が全身を駆け巡り・・・」という「生きているという感覚」と、「植物が水や養分をからだ中に運ぶ維管束」という認識は、以降の学習に限らず子どもたちの感受性にも大きく影響を及ぼすはずです。
 「・・・ボオクラ、ワ、ミンナ、イキテイル・・・」という歌の高揚感は、メロディはもちろんですが、歌詞にも、きっと大きな意味があるのでしょう。周囲に目が届き、「僕らも・動物はもちろん、植物も、みんな生きている」という環覚が子どもたちの成長に、特に小さいころの心の成長に、大きな役割を果たすのではないでしょうか

 余談ですが、現在の世界の混迷を解決方向に導くものは、唯一、仏教を中心とする考え方(仏教の根幹を流れる思想)ではないか、と想像しています。ちなみに、ぼくはいわば自然「信者!」で、特定の宗教に与するつもりはなく、信奉するものでもありません
 さて、本来子どもたちの身近であるはずの学習対象の身近さや手が届く近さを感じてもらいたいと、ぼくは、さまざまな取り組みを模索しています。

 「草となり」に限らず、身近なものに目を留めることがないと、科学的興味や関心をひかれたり、追究することが始まる、おもしろさに目覚めることは期待できません赤ちゃんたちが見るもの、触れるもの何でも触ったり、口に入れたり、という所作は、この世を知りたいという好奇心の塊だからではないでしょうか。身近なものの探索から、自らの生きる術を探っていると考えられます。

 その好奇心を枯らせず、育てあげることが最重要だと思います。きっかけは、いつもぼくたちの身のまわりにあるもの(ブログ・「ファインマンの父とエジソンの母」参照)。それから彼らの探求の旅が始まるのではないでしょうか。うまく探求の「おもしろさ」が見つけられることで、やがてすばらしい業績が生まれる、それが子どもたちの大きな可能性発現のしくみ、そう感じています

 ところで現在です。成長して「人工物」に目を留める頃、探求に対する好奇心は、興味もない、おもしろくもない抽象学習の詰め込みを経て、多くの場合、その感覚が大きく損なわれてしまっています。子どもたちの現在の成長ぶりを見ていると、そんな感じがします
 「草となり」「樹となり」「虫となり」を紹介しましょう。「学ぶおもしろさ」・大成へのきっかけづくりです。
 身近な植物や動物に興味をもったからと言って、子どもたちの学習や探求心が植物や動物で終わってしまうことはないはずです。「究めるおもしろさ」、またそれによって先導される「学ぶおもしろさ」の覚醒は、その後、ジャンルを問わないはずだと思います。

 紹介したファインマンやエジソンに限らず、日本でも福井謙一博士や白川英樹博士、また身近なところでは養老孟司さんや茂木健一郎さんが良い例です。昆虫採集や泥んこ遊びを過ごしたからといって、虫の研究者で終わったわけではありません。学ぶおもしろさ・追求するおもしろさに目覚め、それぞれの研究分野でめざましい成果をあげてこられたわけです。子どもたちにとって、虫や草・木々や郊外で出会える身近なものへの馴染みや興味がきっかけになったということです
 
春を食べる
 さて、土筆ハイクの紹介、最終回です。団の立体授業、課外学習の一連の取り組みではテーマを「食べ物にする」ことが多くあります。よもぎ餅の手作り。夏、渓流教室での沢ガニの素揚げやオイカワの南蛮漬け、ヨシノボリや黒川虫の佃煮。秋には米づくり、新米の試食やイナゴの佃煮。ミカンや柿の収穫など。

 これらは、もちろん、対象を深く知る、馴染みになる、それによって興味や関心を喚起する、という意図からです。学習対象や学習内容に結びつくきっかけが増え、好奇心も高まります。

 土筆ハイクでの土筆やふきのとう、スイバ・セリやノビルの収穫も、その例に漏れません。採集して食べるまでの手ほどきを紹介します。

 また、時期的には少し遅いのですが、まだ野に残っている春の七草の野草も探してみます。オランダガラシ(クレソン)に似て、さらに香りが高く味わい深いオオタネツケバナもせせらぎのあちこちに生えています。野道に生える三つ葉とともに、小さな株を持ち帰り、栽培することもよい体験です。他にはユキノシタやクズの若葉の天ぷら、キャラブキづくりなど、子どもたちに野の花や野草が印象に残るような紹介も欠かせません。

 団の子どもたちはこうした課外学習と立体授業の取り組みの一年を通じて、自然環境や周囲と友だちになっていきます。学習のおもしろさがわかってくれたOB諸君の団在籍年数は5~12年にもおよび、その間に「草となり」をおぼえて「人となり」も形作ってくれます

 さて「立体授業とは何か」のシリーズはこれで終わります。次週は「ゲームセンターから京大へ(仮題)」団の二年間ですばらしい成長を遂げてくれた若者を紹介します。
 不思議な巡り合わせ、一昨年、「亡くなったぼくの大親友」が巡り合わせてくれた「可能性あふれる青年」の物語です。

なお、学習探偵団では新入生を募集しています。
 腕白ゼミ(特進2年生・3年生)・基礎課程・充実課程・発展課程(それぞれ若干名)。
 卒業生のようす・クラス編成・指導法は、ブログ各編・ホームページをごらんください。 


立体授業とは何か? ⑱

2015年03月21日 | 学ぶ

「フォアグラ」ではなく「腑に落ちて始まる」学ぶおもしろさ
 団の立体授業「土筆ハイク」のスライド紹介、3回目です。生物の系統樹からはじまり、テーマに土筆を取りあげた理由等をお話ししています。シダ植物と維管束の成立のスライドまででした。

 維管束は授業ででてきますが、子どもたちは「なぜ維管束、道管や師管」を学ばなくてはいけないか、わかっていません。意味がわからない学習は、記憶の材料・受験の材料の域を出ません
 多くの場合、授業がすべて、受験や進学のために、このような意味のない(子どもたちにとって)フォアグラづくりに終わっているのです。植物の茎を輪切りにした道管と師管の「位置」をイラストや写真で見て、覚えて、何かおもしろいことが始まりますか?

 子どもたちの興味や関心は「ものと対峙する」ところから始まります。コケやシダや植物の有様を実際に見て、その形態や生育環境の比較から、維管束の役割や植物の上陸の「なりたちとしくみ」が「腑に落ちます」。
 つまり奥行きと深さと背景という、学ぶおもしろさに欠かせないステージが始まります。ハイテクイベントに出かける「テーマパーク感覚」ではなく、地に足のついた現実生活・日常生活のなかで学びが始まります

 その前提を用意するのが、立体授業でのスライドの役割です。もちろん一回の課外学習やスライドで、その用を足せるわけではありません。年間を通した立体授業の取り組みは欠かせません。まずおもしろく遊び、その中でもきちんと学習内容に対する興味や関心深まり、知識が進んでいる。それが理想です。
トクサから土筆へ

 左はトクサと土筆(スギナ)の分類比較です。トクサと土筆の栄養茎は、まあ似ていると言えば似ていますが、それをはっきりさせるために、胞子茎を写真に撮り比較しています。大きさは別ですが、ごらんのようにそっくりです。かつて胞子茎を探し回って子どもたちに実際に現物を見せたとき、興味津々でした。これで親戚筋が確立しました。

 それによって、土筆とシダ植物のことを少しくわしく展開します。「土筆って何者?」です。花をつけないこと。その増え方。植物の陸上進出の経緯も説明します。
 コケについては、以前「方角の特定」の際にも出てきました。従って、子どもたちの頭の中には、そのイメージ(日陰を好む)が定着しています。コケからシダ植物への変化や推移の理解もスムーズに運びます。維管束の役割もはっきりします。

 次はシダ植物の仲間探しです。シダ植物は食べられるものが結構あります。わらび餅のワラビや保存食、焼き肉店のナムルで出てくるゼンマイ、お正月の飾りのウラジロなど、食材や行事などのエピソードとともに紹介することで、子どもたちはしっかり文化に根付いている側面を理解していきます。受験の知識に終わらず、なぜ学ぶのか、少しずつわかっていきます

 かつて田舎では、学習対象が学校の往来で会ったもの・出会ったことでした。また日常生活では、絶えず目にしたものでした。どんどん子どもたちの手を離れていきつつある現実、それとともに学びが「空々しくなっていく」傾向を忘れてはならないと思っています。

 この世に誕生した子どもたちが目にするものは、まず目の前の現実です。それを知悉、究明、解明することで謎が深まり、先端科学に進んできました。まず目にするものに興味をもてず、「不思議」ではなくなる小さな子どもたちのなかから、すばらしい科学者が生まれることなど、考えられるでしょうか? 
 土筆は左のように、胞子まで工夫しています。雨の時は弾糸と呼ばれる糸を巻き付け小さくなり、良い天気のときは四本の糸を広げて遠くまで飛びやすいように。タンポポの種子もカエデの種子も風をうまく利用していることを付け加えておきます。植物がうまく風を利用している、これらのイメージは「風媒花」の想起にも役立ちます。

 左は代表的なシダ植物を、もう一度確認し、「外国でも学ばれていること」を知らせるためにULTIMATE VISUAL DICTIONARYの一頁を紹介しておきます。英語への招待です。ちなみに土筆は「HORSETAIL」、「馬のしっぽ」です。

 土筆がどこに生えているか? と採集のようすを紹介して、そのとき、実は土筆は田んぼの縁などによく生えるのだけれど、根が深く繁殖力が強く、農家の人には厄介者であることを知らせます。

 これらの一連のスライドと課外学習の実際の採取を通じて、子どもたち心の中に土筆が巣くってくれることを期待しています。なお、次週は立体授業「土筆ハイクとは何か?」の最終回、土筆料理と子どもたちとの愉快な遊びを紹介します。

なお、学習探偵団では新入生を募集しています。
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 卒業生のようす・クラス編成・指導法は、ブログ各編・ホームページをごらんください。 


立体授業とは何か? ⑰

2015年03月14日 | 学ぶ

土筆ハイク」今年のスライド紹介②
 先日京大と北大に合格した諸君たちは、もう次を見据えて行動を進めています。頼もしい限りです。
 「K君、アフリカへ行く」で紹介しましたように、団で育った諸君の多くは、K君に限らず、合格がゴールではありません。意識は夢へのスタートです。ぼくがいちばん身につけてもらいたかったことの実践です。それぞれ次の目標に向かってしっかり歩み始めます。充実した人生を、そして幸多かれ。もうぼくをはるかに乗り越えてくれたので、そう願うばかりです。
 なお、今年京大理学部に合格したM君は、摩訶不思議なつながりによって、僕のもとを訪れ、夢をかなえることができました。その詳細は近々お話しします。若い時なら、人生はいくらでも、素晴らしく方向転換できるということが、よくわかっていただけると思います。
 さて、前の合格報告でも書きましたが、いくら口を酸っぱくしても、し足りないくらいの「フォアグラ授業」の無意味さを過去のブログ「学体力は偏差値を超克する」シリーズで展開しています。ぜひあわせてご覧ください

 前々回、今年の土筆ハイクのスライド前半を紹介しました。その続きです。
 左は動植物の系統樹です。「一つの生命から」現在のように多くの生物が誕生するようになったという「いのちの連鎖」の背景を知ることで、子どもたちは様々なイメージを手に入れ、命の『奥行』ともいうべき感覚を身につけます。生命の大切さやかけがえのなさを話すのであれば、その前に、こういう背景を知っておいたほうがよいとぼくは思います。

 次のスライドは、その分類を僕たち人間までたどってみるものです。その過程で、植物や動物の『友達筋(!)』や『親戚筋(!)』が見えてきます。ただ名前と形を知るだけでは、「ただの物知り」の域を出ませんが、「親戚筋」や「友達筋」を知ることで「科学すること」や「学ぶおもしろさ」が始まります

 今回は土筆の学習です。土筆のキャッチコピーは、子どもたちが大好きな『化石』です。連綿と続いてきた生命の歴史を傍観し、イメージに置き、その中で恐竜時代よりも前の植物の『流れ』が土筆です。今まで何気ない雑草に過ぎなかった土筆の背景や歴史が身近になることで、他の雑草も少しずつ身近になります

 次に植物に限らない「生きている化石」を紹介します。特に赤い下線の動植物は子どもたちにもなじみで、彼らの注意を促すことができます。いつも見ているもの、よく知っているものの「意外性」を紹介することは、想像以上に子どもたちの心に残ります。その背景が、逆に土筆の印象も深くすることはお判りでしょうか。

 さて、土筆の「本家筋」。トクサの紹介です。トクサは田舎に行けば、庭や植え込みに結構見られるのですが、街中ではあまり見ることができません(料亭の中庭や花瓶で見ることはよくありますが)。

 トクサになじみをもってもらうために、トクサと呼ばれるわけを伝えます。日本では昔から、こうした自然物をうまく利用して生活してきたこと、日本文化の一端を感じることができます

 トクサなどのシダ植物の大木が石炭に変身したこと、その近くに「ゴキブリ」に似た虫がいることは「21世紀こども百科宇宙館」のページに。これで、「生きている化石」がさらに説得力をもち、印象に残ります。
 子どもたちの学習がテキストの中で抽象的な文字面だけで終わってしまうことは極力避けなければなりません。こうした小さな体験の積み重ねが大きな力になってくれます。

 ある程度生命の歴史のイメージが印象に残ってきたところで、左のように、もう少し詳しく絵で見ていきます。植物と動物の歴史を二つ並べたのは、共に進化してきたことを心に留めておいてほしいからです。後々、蝶と花の共進化も別の課外学習の時に紹介する予定です。つまり、団の課外学習は、年間を通して、さまざまな角度と視点から、動植物の理解を深めていきます。

 さて、土筆を取り上げた大きな理由の一つは、植物のからだのしくみのキーポイントになるシダであるからです。植物の水中から陸上への進出の歴史は、子どもたちに様々なことを教えてくれます。「なぜか」、「どうしてか」を考える素晴らしい教材に変わります。そして動物が後を追います。名前を知っているだけ、文字面で覚えただけでは頭に浮かぶことはない「なぜ」が顔をのぞかせます。子どもたちの面白い学習は、こうして始まります。


特報 京大2名・北大1名・OB教室11期生合格報告

2015年03月10日 | 学ぶ

京都大学理学部 
 M郁生君(OB教室在籍2年)
京都大学薬学部
 A龍生君(小学生時3年・OB教室在籍5年 計8年)
     A君はサッカークラブのため高校②夏までの在籍です
北海道大学文学部
 K 功一君(小学生時5年・OB教室在籍7年 計12年)

 団員保護者のみなさま

 いつも団にご理解をいただき、本当にありがとうございます。うれしい報告です。
 本日までに今年度の団11期生の大学受験合格発表がありました。予想通りの結果です。一昨年度からみなさんに「公言(!)」、約束しておりましたように、OB生三名が上記のようにすばらしい結果を出してくれました
 以下、前回、OB教室募集案内時の再録です。団をよりご理解いただくために再読をお願いします。
 (なお11期生のOB教室生は4名です。報告をくれた諸君のみ掲載)

再録
 受験も一段落しました。OB教室のご連絡をさせていただきます。
 OB教室の紹介のために、今年のOB2人、立体授業等でお母さん方にもおなじみのM君(京都大学)とK君(北海道大学)の、今年受験する志望大学別最終模擬テスト(河合塾他)の結果を同封します。
 ごらんのように、いずれも合格可能性がA判定です。団以外どこにも行かず、参考書や勉強の進め方等、僕の指導とアドバイスのみで勉強をつづけた結果です。
 国立難関大学の合格可能性のA判定がでることは多くありません。ちなみに先日、17・18日のセンター試験でK君は750点超、M君は850点超と、指導の僕自身も信じられないほどの高得点でした。
 低い方のK君の点数でも、今まで京都大学へ進学した三人(KY・KT・Y君)がいずれも750点くらいですから、その成績のすばらしさは理解していただけると思います(なお、数学が抜群にできたY君の時と同じく、M君は東大でも十分なのですが、本人の強い希望で京大です)。
 OB教室を経た諸君たちのこういう実績は、僕にすれば不思議でも何でもありません。行動をともにし、人間について・生命について・人生についてetc、その意味やたいせつさを伝え、一緒に考えつづけた結果です。
 「生きていくこと、ほんとうに大切なこと」を理解し、「人格が整っていく」に伴い、学力もこのように飛躍的に伸びます。学力のたいせつさがわかってくるからです。「こうした諸君がひとりでも二人でも増えてくれれば」というのが、ぼくがOB教室をつづけている大きな理由です。

 他塾の経験者はおわかりのように、団の日々の課題(宿題)は6年生になっても有名(!)大手塾の2割~3割。時間にすれば70~80分の量です。また日々の授業時間も、他受験塾の三分の二位の量にしかなりません。それで十分です。「よく遊び、ちゃんと学び」です。「フォアグラ」追放です
 少量でも、きちんとした指導、頭の使い方や集中力を伴う指導ができれば、このように大学入学前後になると、すばらしい結果を出して、人生のスタートラインに立つことができます。つまらないフォアグラ指導で燃え尽きるのではなく、あふれる夢と抱負を抱くようになってくれるのが通例です。団の指導にさらなるご理解とご協力をお願い申し上げます。合格した諸君のように、先々すばらしい青年に育ってくれることを楽しみに、力を合わせてがんばりましょう。
 なお、ぼくは子どもたちのあらゆる面を判断して、能力や先々の進路を口にします。口から出任せではありません(!笑い)。「だめなもの」は「だめ」と言います。
 結果をご覧になれば、おわかりだと思いますが、今まで外れたことはありません。「京大にいける」と言えば、ほんとうにいくことができます。それを信じて、ぜひご協力をお願いします。三人の十年後のイメージが、今日の素晴らしい酒の肴になってくれそうです。


立体授業とは何か? ⑯

2015年03月07日 | 学ぶ

「土筆ハイク」今年のスライド紹介①
 小学生時代のおもしろかった「道草三昧」の癖が抜けず、また「寄り道」をしてしまいました。前々回まで、土筆ハイク等の課外学習の行程、「道(中)」が、子どもたちの環覚を育てるために大きなはたらきをすること、また「目的地までの電車の中」からでも、「子どもたちに伝えたいことがある」ことを紹介しました。

 もうすぐ新年度第一回の課外学習土筆ハイクが始まります。テキストや出発前の準備スライドは、毎年子どもたちに伝えたい内容を考え、少しずつ訂正・変更していきます。今年のスライドの内容を二回に分けて紹介します。
 配布するテキストは、この内容に基づいて作成します。課外学習のそれぞれの回ごとにテーマを確立し、学習内容との相互関連を考慮しながら、子どもたちが学習内容に興味をもってくれる視点を探っていきます。
 土筆ハイクは年間の立体授業のスタートであるため、地球と生物の歴史に対する関心の喚起(これはテーマである土筆への導入も考えてのことです)、また、季節への関心やどこにでもあるタンポポから植物の学習内容への紹介をテーマにしてあります。身近なことから学習へ、という意図です。
 なお、スライド作成については、以下の書物の力がなくてはできませんでした。改めて心よりお礼を申し上げます。
 なお、市販のテキスト問題については、あえて紹介をしておりません。子どもたちの学習指導についての問題提起のためであり、他意はありませんので、ご理解をお願い申し上げます。
 
 参考図書
 小学館の図鑑NEO植物、ふしぎ!なぜ?大図鑑いきもの編(主婦と生活社)、21世紀こども百科宇宙館(小学館)、ブナの森は緑のダム(太田威・あかね書房)、どんぐりの図鑑(伊藤ふくお著・トンボ出版)、どんぐりハンドブック(いわさわゆうこ著・文一総合出版)ほか。

 課外学習には保護者の参加もあるため、保護者とこどもたちの両方に話をすることもあります。学習する面白さが生まれるまでの説明です。

 四季に対する関心・気づきの喚起。

 周囲や環境が面白くなるにはどうすればよいのか。身近なものに目を向けること(向けられること)、まずそれに尽きます。

 身近な植物での学習への導入・不思議の提案。

 西洋タンポポが日本全国に繁殖している大きな理由を考えました。

 日本タンポポと西洋タンポポを識別できる『総苞』に展開。

 キク科の紹介で「友達」を増やします。「学習仲間(!)」が増えました。

 意外性です。田舎に行けば、「筋の通ったふーき」はいたるところに。自然が身近に。

 

 キク科から越年草・多年草…木本に。

 いつもの勉強とのちがいと奥行き。

 市販のテキストと「現実とのちがい」。ロゼットの意味、植物の知恵が浮かんできます。

 ロゼットで冬を越す植物から、次は木本の冬芽での冬越しです。

 ここで、クワガタやカブトムシでなじみのクヌギやブナの周年に注目。

 クヌギのどんぐりは二年なり。ブナは一年なり。

 木々も長い歴史で成長と進化を重ねてきました。生き物の奥行です。

 地球と生物の歴史へ。

 冬越しの後は、もちろん芽吹き。春、土筆の季節です。

最後に、朗報。OB教室の二人のセンター成績については紹介しましたが、今連絡があり、K君が予想通り北大に合格です。来週はスライドの後半部分を紹介します。 

なお、学習探偵団では新入生を募集しています。
 腕白ゼミ(特進2年生・3年生)・基礎課程・充実課程・発展課程(それぞれ若干名)。
 卒業生のようす・クラス編成・指導法は、ブログ各編・ホームページをごらんください。