『子供たちにとっての本当の教科書とは何か』 ★学習探偵団の挑戦★

生きているとは学んでいること、環覚と学体力を育てることの大切さ、「今様寺子屋」を実践、フォアグラ受験塾の弊害

難関大学合格にフォアグラ指導や缶詰授業は必要か? 3

2013年03月02日 | 学ぶ


 今週は指導クラス・指導時間等について紹介します。
 東大へはもちろん、京大や阪大に、ただ行かせるためだけに、「睡眠時間を削らなければならないような課題学習の山」や「小学校を休ませておこなう学習指導」が必要かどうか判断してください。
 なお、先に述べました難関大学へ進んだ十三名の中には女子も三名含まれていることをお知らせしておきます

 

 

(2) 指導時間と指導の基本
 各クラスの指導時間ですが、腕白ゼミ(原則三年生)は一日二時間で月四回。国語・算数を各四十分、その間四十分は、主に室外です。腕白に限らず、クラスは単一クラスですから入団当時は学力も様々です。
 最初は大変ですが、少人数ですから工夫をすればそれぞれ対応することは可能ですし、やがて一斉授業できるように平均化してくるのがふつうです。
 一緒に学習すれば、学力のちがう子同士もそれぞれ学ぶべきことが出てきます。努力する必要性がわかり、がまんすること、負けん気も身についていきます。子どもに対する教育は全人的な指導に関わらざるを得ません。そういう面でも単一クラスでの指導には大きな意味があります。

 

 腕白ゼミの間は、まず「学んでいることが自らの周辺にある事象であること」が感じられる指導、野外での活動を通じての「環覚」の育成が大きな眼目です。
 理由は後日展望しますが、最近の子どもたちは特に(実は教室・学校での学習の従来からの大きな問題点だと考えているのですが)、自らの学習対象が、身近にあるもの、手の届くもの、欠かせないものである等の認識が希薄です。それでは学習に親しみが湧きません。

 

 環覚育成指導の一例を挙げれば、近くの公園や神社で自然観察やデジカメで「気になる対象を撮影する」ことがあります。デジカメでの撮影意図は、まず「周りのおもしろいものに目を向けるという習慣」を身につけることです。季節や時期の環境の変化に敏感になる、つまり「環覚」の育成です。
 何気なく通り過ぎているが、傍らにはおもしろいものがたくさんあることに気づくこと、そういう意識を育む試みです。それらがなければ、おもしろいもの、究めたいことは見つかりません。学習はそこからがスタートです。そうでなければ、科学も始まりません。
 ときにはカブトムシの世話や植木の手入れ・水やり、全部の時間を工作に使ったり、作業にあてることもあります。これらもすべて学習や教育に関係してきます。
 作業や工作での指導は企画とノウハウ如何によってその価値が決まると考えています。
 たとえば、「植木の水やり」では光合成や蒸散についての話だけではなく、虹をつくり、観察し、光や色や大気の話にすすむこともできるわけです。今、科学の本がたくさん出版されていますし、インターネットの検索もできますので、材料や情報には事欠きません。
 次に、授業中はもちろん、これらの作業や活動中の子どもたちの「振る舞い」から、「育てられ方」をよく見極め、注意すべきはきちんと注意していきます。中でも最近特に目につくのは、がまんをすることを教えられていない子が多いことです。ときにはがまんしなければならないこともあることは、学ぶためだけに限らず、成人後の社会生活でも外せない基本的なルールです。
 さて、四年生になれば、原則曜日は決まっていますが、月間十回指導の基礎課程に進級します。一回二時間・五十分授業です。
 指導科目は国語・算数・理科の三科目。「国語・算数」、「理科・算数」の組み合わせで年間スケジュールの割り振りをします。

 


 間に気持ちの切り替え・リラックスタイムもかねて二十分間の休憩を挟みます。子どもたちは休憩の間、それぞれ教室に備えてある本(学習漫画や百科事典など)を読んだり、トランプなどをして過ごします。ちなみに最近は「スピード」がはやりです。
 五年生は充実課程、六年は発展課程で、それぞれ指導科目は国語・算数・理科・社会の四科目になります。五年生は、基礎と同じく五十分授業二回の一日二時間で休憩は四年生と同じ。回数は月十三回です。
 六年生になると、六十分授業でやはり二十分の休憩を挟み、計二時間二十分。国語・算数、理科・社会の組み合わせを基本にスケジュールを組みます。回数は月間十六回に増えます。
 ふだんの授業はこれだけです。学校の休みの間には講習もありますが、講習受講は原則、発展課程だけで(希望者は別ですが)、長期間の夏期講習も間に休みの日を挟んだ十分余裕のある指導体制でおこないます。
 こうした授業時間で指導した結果が左記です。テストによる入塾選抜はまったく行わず、無試験で入るふつうの小学生たちを指導しての実績です。日曜講習がある場合は別ですが、入試前も授業は平常通りで、フォアグラ指導や缶詰授業など、まったく必要ありません。

 

 

 さて、受験結果は結果として、ぼくは中学受験を最終目的に指導しているわけではありません。その後の学習の進み方を考慮した場合、小学校卒業時点で、中学受験にも十分対応できる程度の学力、また中学入試問題程度の問題なら「考える」・「追い詰める」という学習姿勢が身についている方が、より望ましいという考えのもとです。さて、来週は指導内容について少し紹介します。

 

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   立体学習を実践 学習探偵団 http://www.gakutan.com/
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