銀城歌劇団楽屋日記

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内藤ルネ展に行ってきました・弐

2010年01月31日 19時04分07秒 | 劇団楽屋日記
ども。今日も昨日行って来た内藤ルネ展の続きです。

ジュニアそれいゆ時代の展示は、ほとんどが現存する印刷物関係か復刻された手芸作品が主で印刷に使用された原画関係は全く展示されていなかったのが印象だったと言うか、現存する唯一の肉筆作品「ピンクの少女像」の解説によると、印刷する事を前提とした原画に対してルネ先生は執着が皆無だったため、原画はほとんど残されていないそうです。

のちに登場する雑貨のデザイン画は手元に残っていて今回多数展示されていたのとは対象的に、イラストレーター時代の原画が無いのはもしかしたら引き受けた仕事量の多さとも関係しているのではないのでしょうか?

多忙だった頃の作品ほど振り返りたくないという作家さんは多いみたいだしね(特にインパクトがあったのは、「昔の自分の作品を読んだりすることはあるのですか?」と言う問いに

「過去の作品は排泄物みたいな物。あなたは自分の排泄物を眺めたりしますか?」

と言った某人気漫画家の言葉。ちなみに排泄物の所は原文ではお下品な3文字で表現されていました)

ちなみに「ピンクの~」のは半世紀前の作品なのにも関わらず蛍光ピンクとクリーム色を主に構成されたポップなイラストで黒い手袋がアクセントになっているのが素敵です。

個人的に「ジュニアそれいゆ」の表紙のイラストで好きなのは31号の銀髪のハートのエースを持った子かな。

1月号となっている所を見ると、発行されたのは丁度年末年始のパーティシーズンの頃。

バックは赤一色のシンプルな構成なのだけど、ソレがかえって彼女のゴージャスさを引き立てていてイイ感じです。

「ジュニアそれいゆ」コーナーの次は自らが集めたアンティーク家具や小物を自由自在に組み合わせて夢のある生活を提案した雑誌「私の部屋」コーナー。

展示は雑誌のグラビア記事中心に、現存する家具・雑貨の現物をスペースの一角にコーディネイトした物中心でした。

自らデザインしたコーヒーカップ&ポット、花瓶、ボンボン入れなどの陶器コーナーの解説ではルネ先生が

「壊れる可能性のある物が、ガラス器や陶器の美しさを絶対的な物にしている」

と発言していた事に触れていたけど、確かにこわれものに対してのこだわりは展示されていた藤の家具や医療戸棚、ネコ足のキャビネットを見ても良く解る気がした。

特に白い医療戸棚に関してはルネ先生は廃棄されていた物を拾い、白ペンキを塗ってリメイクし商品化したところ大ブレイクしたエピソードだけが取り上げられがちだが、この医療戸棚の足は見るからに華奢で大地震でも起きようならばすぐに倒壊しそうな代物だ。

藤の家具も見た目はエレガントでも耐久性には乏しそうだし、白一色の家具も実用を考えるとすぐに汚れてしまう現実が待っている。

落としたら割れる運命にある陶器。

見た目は華麗だが安定性及び頑丈さはおおよそ期待できそうに無い家具。

使用していると嫌でも日常の穢れが付着する色のインテリア・・・・。

たとえ機能性や利便性は保障されていなくても、見た目の美しさ優先であえてそれらの物を日常生活で使う事こそが彼の提示する美学なんだろうな。きっと。

コーナーの一角には、ルネ先生のイラスト及び雑誌記事で彼がデザインしてモデルが着用していたワンピース類が再現されて展示されていたが、2004年にセキグチから発売されたルネドールの白と黒ロリータ風ワンピースはなんか市販のロリータ服をそのまま展示しているみたいで面白みが無かったと言うか、まだ一般の人にはロリータファッションが日常的に認知されていないは言え、原宿の一部のショップや通販のみでしか入手できなかった頃に比べると今や地方都市にもロリータ服ブランドのブティックがファッションビルの中にテナントととして入る様になり(横浜にもあるしね)、興味のない人にも目に触れる機会は格段に増えていると言うのに。

まぁ私の場合はB-Tのライブ会場で頻繁に目にしているのもあるのだろうけど・・・・個人的には60年代後半の耽美イラストの少女達のファッションの方を再現して欲しかったな(「女学生の友」の口絵に登場してた黒ベロアのワンピースの実物はシルエットこそ当時流行のミニのワンピースなものの、ゴスロリテイストが入っていて今でもとってもオシャレでした)。

長くなっちゃたので、すみません、次回に続きます


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