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風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

オオオナモミ/雑草のタネをまいてみようと思って

2023年07月10日 | 雑草のタネをまいてみた
今年のお正月休みに散歩しているとき、懐かしいものを見つけました。
くっつき虫だ!
これを見ると、小学生の頃を思い出すのはなぜでしょう(^m^)
嬉しくなって果実を少し貰ってきました。


しばらく机の上にトゲトゲの実を置いて眺めていたのですが
そういえば、オナモミの葉や花ってどんな形だったっけ?
記憶にあるのは、洋服にくっつく実のことだけで、その他はまったく正体不明です。
よし、タネをまいてみよう(^^♪
そう思いついて真冬の1月に、果実をポリポットに埋めておきました。


待つこと3か月半。
4月の中旬にポットの中で、土の表面がポコンと盛り上がってきました。
発芽の予感♡この瞬間がたまらなく好きです(#^.^#)
毎日、少しずつ土がこんもりしてきて、数日後に「土の玉」のようなものが顔を出しました。
付いていた土をそっと水で流すと、あのトゲトゲが見えました!
オナモミが発芽しました\(^o^)/


3日後・・・殻を脱ごうと頑張っています。
可愛いなぁ・・・
ところで、この写真って何に見えますか?
私は、優勝トロフィーを頭上高く掲げる人みたいに見えました(^m^)


そして、また2日後。
くた~と、腕が疲れちゃったようです(笑)

過保護かと思いましたが、そっと殻を外してあげました。

この子は上手に土の中に殻を置いてきました。
生まれたての双葉は生命力に満ち溢れて見えて、本当に美しいです。


発芽から10日で、大きな本葉が出てきました。
何粒タネをまいたか、写真を撮るのを忘たのですが(^^ゞ
たぶん、6粒まいて半分芽が出ました。


5月初旬、遅れてもう1本が発芽しました。
これで全部で4本になりました。
先に生まれた兄弟たちが、目を出した弟のあたまをヨシヨシしているみたいです(#^.^#)


5月中旬、順調に大きくなっています。
緑色の葉に走る、葉脈の色がきれいです。


ひと回り大きなポリポットに、2本ずつ植え替えました。


ちょっと葉が白くなっている?
この時は見落としていましたが、写真右下の葉に小さな虫がいます。
この後、この虫が大繁殖してピンチを迎えます(ll゚д゚)


**
1月に実を貰ってきた田んぼは、どうなってるかな。
様子を見に行ってみました。
ちょうど田植えが終わった頃で、5月の風が爽やかでした。


どの辺りだったか、農道を歩いて行くと・・
これは・・・すごい!
田んぼのあぜに1か所だけ、オナモミ地帯ができていました。


オナモミは1年草で、冬を越して根が残るタイプではないので
これは全部春に発芽したものです。
コロンと転がったタネが運よく土の中に埋もれたのかな?
土の栄養が良いのか、うちの子よりも葉が大きくて茎が太い、ガッシリした苗に育っていました。


***
6月中旬、またひと回り大きな鉢に植え替えました。
茎が太くなってきましたが、やっぱり葉が白くかすり状になっています。


虫でもいるのかな?と葉をひっくり返してみると・・・
うわ~~、黒いものがビッシリついていました。


肉眼ではよく見えないくらい、黒くて小さい点々です。
写真に撮って調べてみると、グンバイムシの集団でした(´A`)
アワダチソウグンバイムシ(泡立草軍配虫)キク科の植物につくカメムシの仲間で植物の汁を吸って生きます。白いのが成虫で、それ以外はサイズが違う幼虫たちです。
オナモミはキク科の植物なんですね(^^ゞ


さて、どうしよう。
近所にはいくらでもキク科の植物が生えているのに、どうしてウチにきたのだろう。
虫さんが話し合いで引っ越してくれたらどんなにいいか・・・と、いつも思うのですが
それは無理ですね(笑)
薬剤をまくのは気が進まないし・・雑草としてのオナモミの免疫力を信じる、それとも援軍が来るのを待つか・・・しばらく様子を見ることにしました。
そして、6月も終わる頃・・・
水まきのときにひっくり返してみた葉の裏で、あれ?グンバイたちが消えてる!
願いが叶い、援軍がきたようです(^m^)


葉の中央にモゾモゾ動く小さなものがあります。
写真に撮って見ると、それはクサカゲロウの幼虫でした。
さらに、写真を拡大してみたら・・・
背中に背負っているゴミは全部、グンバイムシの亡き骸でした!
援軍が来ました!スゴイな、クサカゲロウの幼虫\(^o^)/


***
梅雨の晴れ間の昨日、もう一度タネを貰った田んぼを見にいってきました。
車を停めて歩いていくと、え?うそ・・・という風景が!
蓮園のようにワサワサと生い茂った葉。


もしかしたら、この田んぼの持ち主さんは群生するオナモミを容認しているのかも。
刈り取ることもしないのは、食用になるのか?


調べると、乾燥した果実は蒼耳子(ソウジシ)という生薬全草になりますが
葉や根にはそのままでは毒があるそうで、食用にはならないらしいです^_^;
では、なぜ除草しないのか?さらに謎が深まりました(笑)


****
今日の夕方、雨上がりにうちの子の写真を撮りました。
グンバイムシにやられて、葉を落とし、ひょろひょろになってしまいましたが、元気に育っています。


花が咲いて、実がなると嬉しのですが・・・


花は8月に咲くそうです。
どうかな、頑張って咲いて欲しいな。
以上、オオオナモミとグンバイムシのお話しでした。

ナミアゲハ羽化!この子、幼虫時代の模様が変わっていました

2023年07月08日 | ナミアゲハ
金柑の葉に居た子が無事に羽化しました(#^.^#)
普通の(笑)ナミアゲハでした。

実はこの子、終齢幼虫になったとき、体の模様がちょっと変わっていて
庭で初めて見たときも「黄色すぎない?」と思ったのを、よく覚えています。


脱皮して「鳥フン」になると、普通のフン(笑)色になりました。
小さいほうがナミアゲハで、となりの大きい子はクロアゲハです。


青虫にも個性があるのか、この子はとても小食で
葉をちょとかじると休憩していて、なかなか大きくなりません。
それなのに、前の脱皮からたった3日後
ろくに餌も食べずまた脱皮して青虫になってしまいました(^^ゞ
体の模様に黒い部分が多い感じで、今まで見てきた幼虫とは違っていました。


体長は2.3cmくらい。
私の人差し指の第一関節くらいしかありません。


もしかして、ナミアゲハじゃないのかな?
じゃあ、何アゲハだというハナシなのですが(笑)この時は半信半疑でした。
先月に羽化した「ドジっ子ナミアゲハ」の幼虫の写真と比べてみました。


横からみた写真も。
ムチムチ感がいちばん違うかもですが、大丈夫かな?と不安になりました。


調べたら、ナミアゲハの幼虫の模様は、個体差が結構あるそうです。
少しずつ葉を食べるようになり、2日後に測ってみたら1cmくらいは大きくなっていました。


そして終齢になってから6日後、無事にサナギになりました。
生き物を飼育していると、成長の段階を踏むごとに「無事に・・・」という言葉が付いてしまいます(^m^)
変わった模様の幼虫でしたが、普通の形と色のサナギになりました(笑)



サナギになってから11日後の朝、目が覚めるとケースの中に蝶がいました。
ファーストコンタクトの写真。
昨日まで空っぽだった密室に、突然生き物が姿をあらわす・・・
まるで手品みたいだと、毎回不思議な感覚になります。
左端に、同じ日にサナギになったクロアゲハがいます。


時計を見ると、早朝5時半です。
羽化してまだ、それほど時間が経っていないようで
翅がまだヘラヘラしています。


30分後、ベランダへ連れて行って
飼育ケースから出して、ネットにつかまらせました。
翅の模様から男の子のようです。


かなり小さな蝶ですが、無事に羽化できて良かった。ホッとしました。
これも毎回思うのですが、黒くて大きな目に、ピンっと立った触覚
ナミアゲハって、とても利発そうな顔をしているなぁと見惚れてしまいます。


翅が十分に伸びると、ベランダからヒラリと滑空して
お隣の庭木に止まりました。
お別れのときはいつも、嬉しいような寂しいような複雑な気持ちになります。
ありがとう、どうか生きのびて子孫を残せますように。
次は、クロアゲハの山椒ちゃんの羽化を待ちます(#^.^#)

庭の虫、いろいろ・・えっ、正露丸のニオイって?

2023年07月01日 | いきものの観察や飼育
曇りのち、晴れ、その後雷雨
最近のお天気は、目まぐるしく変わります。
でも、雲の切れ間からお日さまが顔を出すと、2時間ほどで洗濯物がカラッと乾いてしまいます。この季節の太陽の威力は、凄いですね(^^♪

朝、洗濯物を干しに庭に出ると、うわ~、見たことない虫がいる!と思ってカメラを取りに部屋に戻ることがよくあります。
でも、再び庭に行っても、もうそこに虫はいなくて、毎回トホホとなるので(^^ゞデジカメを玄関に置いておいて、サンダルを履く前に、カメラをポケットに入れて外へ出るようにしています。

6月に庭で見たいろんな虫さんの名前を調べてみたので、忘れないように(笑)ブログに書いておきたいと思います。


まずは、カメムシです
緑色の葉の上で、ひときわ目立つ赤い虫、カメムシとは分かったのですが・・・
「ヨコヅナサシガメ」というカメムシが、羽化直後に赤い色をしているので、このカメムシも羽化したばかりだと思いました。
それで、赤くなくなってその後は茶色いかな?という前提で名前を調べてみたけど、どうしても一致するものがなくて・・・
最後に、じゃあ「赤いカメムシ」ではどう?と検索したら、あっさり出てきました(^^ゞ

アカサシガメ(赤刺亀)カメムシ目サシガメ科。
獲物の体に注射針のような口を突き刺して、体液を吸い取る肉食のカメムシでした。
人も刺されると痛いらしいです(ll゚д゚)

こちらは赤くない「サシガメ」
葉っぱの上にいたので写真を撮って、パソコンで見てみたら、何かの幼虫に口を刺して、吸っている最中でした(ll゚д゚)


シロツメクサの花の下では動く、黒いもの発見しました!
だんだん目が悪くなってきて(老眼です~)「動くもの」を見つけたら、何か分からなくてもとにかく写真を撮ってみます(^^ゞ
この虫は、最初はアリかな?と思ったけど、動きがセカセカし過ぎなので、一応撮っておきました


部屋のパソコンで見たら、ボケてるけど、シルエットがアリじゃない。


アリでない事が判明したけど、見たことない虫です。
ダメ元で「アリみたいな虫」で画像検索したら・・・ヒットしました(^m^)
この子はカメムシの幼虫でした!
ホソヘリカメムシ(細縁亀虫)、カメムシ目、ホソヘリカメムシ科で、主な食草はマメ科の植物です。


ホソヘリカメムシは、あのカメムシ特有のクサイ臭いを持たない代わりに、幼虫時代はアリに擬態しているそうです。
アリに擬態する虫や蜘蛛は色んな種類がいますが、天敵の鳥やトカゲ、カエル蜘蛛などから食べられる確率がだんぜん減るそうです。アリってやっぱり昆虫界で最強かも。

**
あれ?こちらもアリに擬態したハムシ?


アリにそっくり、というかアリですね(^m^)


もしかして、クロアリの女王かな?クロオオアリの女王アリより一回り小さい。
無事に生き残れて、大家族になれますように。

アリの天敵っているのかな?と調べてみたら、アリクイやアリスイ(鳥)だそうです。でも、一般的にそんな生き物は庭にはいないし・・・アリって不思議。
極小の茶色いアリとか、ずっと行列で歩いている黒くてピカピカしたアリが庭にいるから、またいつか腰を据えて(笑)調べてみたいです。

庭を歩くと、足もとでピョンピョン跳ねる、食欲旺盛なバッタの子どもがシソの葉を食べています。クセのある味ですが、お構いないにどんどん食べます。
でも、シソも強い植物なので、食べられてもどんどん葉を茂らせていきます。
夏、素麺を食べる時に摘みにきたいので、残しておいて欲しいです。
この周辺ではバッタはを踏まないように気を付けて、忍び足になります。


ニワハンミョウの成虫も、続々と羽化して出てきました。
家にいるのは「トウキョウヒメハンミョウ」と以前、コメントで教えていただきました。


地面にいることが多いのですが、近付くと、ドローンみたいにフワッと垂直に浮かび上がってからヒュンっと、少しだけ前方へ着地します。また近づくと、フワッ、ヒュンの繰り返しです(^m^)
これはハンミョウの特徴的な飛び方で、まるで道案内をしているように見えることからハンミョウは別名「みちおしえ」(道教え)と呼ばれるそうです。

たしか、セキレイという鳥も、同じような飛び方をするので道案内する野鳥といわれています。

***
雨上がり、プラスチックの容器に溜まった水の中でバタ足をしている虫を見つけました。
体長は2cm越えで、頭と胸部がメタリックに光っていてとてもきれいです。
容器の底に脚がついているので溺れてはいないけど、脱出できずにいるみたい。


マイマイカブリに似た感じがして、素手で触ると危険な予感がしたので、枝で水から引き揚げてケースに入れました。


名前を調べたら「スジアオゴミムシ」(条青芥虫)という、オサムシの仲間でした。
甲虫目 オサムシ科。
背中(上翅)にたくさんのスジがあるのが、名前の由来です。
他の昆虫の死骸を食べるので、ゴミムシ「芥」ってゴミと読むのですね・・・
自然界のお掃除屋さんです。
鋭い大アゴと、口の周りにヒゲが生えていて(口唇髭)これは、匂いを感じ取る器官なのだそうです。
賑やかな顔です(笑)


なんと、翅は退化しているそうです!スジアオゴミムシは、空を飛ぶ能力を捨て、地表を歩くという生き方を選択しました。だから水の中から脱出できなかったのね。
それから、調べていて興味深い話しがありました。
スジアオゴミムシが危険を感じると、お尻から霧状のクサイ液体を噴出するそうですが
そのニオイが、なんと正露丸の苦いニオイとそっくりだと!!
ああ、なんてこと。虫を逃がした後にこの情報を知りました。
正露丸のニオイのする虫なんて・・・ビニールに入れて、かいでみたかったです。
今度はいつ会えるのかな。
「一期一会」って、連絡手段のない自然界の生き物たちにある間言葉のように思います。
思い続ければ会えるかな。

ブログを書くにあたって、虫の名前を調べるのがどんなに大変な作業かあらためて分かりました。
昆虫ブログを書いている方々の、経験と知識と観察眼を尊敬します。
昆虫同定は、初心者にはまるで「連想ゲーム」のようです。
それでも、これからも知らない子にもっともっと出会いたいと思います\(^o^)/
以上、出会った虫のことを調べてみたお話しでした(#^.^#)

クロアゲハだと思っていたら、ナガサキアゲハだったpart2

2023年06月29日 | ナガサキアゲハ
昨日の朝、目が覚めたら、蝶が無事に羽化していました\(^o^)/


飼育ケースの中で羽ばたくので、翅が傷まないように
ケースから出して網戸に止まらせました。


それにしても、大きな蝶です。
手の平くらい大きい!
サナギも大きかったし、立派なクロアゲハです(#^.^#)


部屋が暗くて写りはよくないですが、翅は見事に真っ黒で(^^ゞ
オスなのかな?
・・・ん?・・・ここでなんだか妙に違和感が・・・
アナタ、お尻(後ろの翅)が丸いわね?
急いでパソコンの電源を付けて「クロアゲハ 後ろ翅」で画像検索したら
3年前に書いた自分のブログ記事が出てきました(ll゚д゚)
「クロアゲハだと思っていたら、ナガサキアゲハが羽化・・」という記事です。

うわ~
なんという忘却力!
そのブログを読み返してみると
クロアゲハの幼虫だと思い込んで育てていた日々の記録と
羽化してビックリしたこと
クロアゲハと、ナガサキアゲハの違いについて、調べたことが書かれていました。

書いてあるとおり、確かに幼虫の体にある帯模様は白かったし


怒ったときに出すツノ(臭角)はオレンジ色でした。


サナギ(抜け殻ですが)も、横幅が広くてガッチリしていました。


どうして気が付かなかったんだろう?
なんで忘れるんだろう。
まあ、イヤなことも一晩寝れば忘れるという良い点もあるけど
素晴らしき忘却力(^-^)ゝ


羽化までを振り返ってみます。
八朔の木でみつけた「ハッサクちゃん」


この後、2回脱皮して青虫(5齢)になったので
たぶん、この子は3齢だと思います。


小さいトゲがいっぱい。


家に来て6日後に脱皮して、4齢虫になりました。
脱皮した皮は食べます。


2日後、チビチビと葉を食べて、見た目テカテカした
みどり色の鳥フンになりました。
この時点で、あれ?クロアゲハと違うって気づきそうなものですが(^^ゞ


前回の脱皮から1週間後、また脱皮して5齢の青虫になりました。
脱ぎたては青虫でもシワシワですね。


翌日まで脱いだ皮があるので、食べないのかな?と見ていたら
いつの間に食べたのか、無くなっていました。


ヘビみたい。


5齢になると、葉を食べて食べて、食べまくります。
ここでどれだけ大きくなるかで、蝶になった時、繁殖に有利になるのかな。
5齢虫になって2日後、え?もう?と思ったのですが
サナギになる準備を始めました。
ケースの壁面にくっ付いては、具合を調べている様子。


結局、サナギになるのにフタの裏を選びました(^m^)
アゲハって、なんでみんなフタ裏が好きなんだろう?
前蛹を経て、無事にサナギになりました。


ナミアゲハは、サナギになって羽化するまで、7日間だったので
クロアゲハなら10日後くらいかなぁと、予定日を記入して待ちました。


それが、予定日の25日を過ぎても、ちっとも羽化しません。
心配していたところ、サナギになってから13日後、28日の朝
飼育ケースの中に真っ黒い大きな子が居て
「クロアゲハだ」「あれ?違う、これはナガサキアゲハだ!」
という(笑)あれやこれやがあって、やっと庭へ放しにいきました。


ひらりひらり、庭のミカンの木へ止まってくれたら・・
そう思ってケースからそっと出すと
めちゃくちゃ凄いスピードで、あっという間に山の方へ
飛び去ってしまいました(´A`)
あちらのお宅にも、ミカンの木があるから大丈夫でしょう。

残っているサナギは、あと2つです。
幼虫だった頃のふたり。

たぶん、クロアゲハとナミアゲハのはずですが
羽化してくれるのを楽しみに待つことにします(^m^)

キツリフネ、種まきから開花まで

2023年06月23日 | タネをひろってきたり、まいてみたり
この黄色い花は「キツリフネ」(黄釣船)といいます。
昨年に種をまいたものが、やっと庭で咲き始めました(#^.^#)
キツリフネは、ツリフネソウ科の一年草で
やや湿った薄暗い場所に自生しています。
花が咲くのは、6月から秋(何月だろう?)までだそうです。
キツリフネの種まきから、開花までの記録を書いてみます。


2022年の6月、たまたま行った先の
「湿った薄暗い場所」で、この花に出会いました。


へんてこな形!ひと目で好きになり
種ができていたので、少し貰って帰りました。
種は最初は緑色でしたが、紙袋に入れて5日ほど吊るしておいたら
追熟?して茶色になりました。
2022年6月13日、15粒の種をまきました。
芽が出るかな?


ああ・・・待てど暮らせど、芽は出ない・・・
朝顔やヒマワリの種を、ちょっと遅いけど6月にまけば
すぐに芽が出て、年内には花が見られるのに。
キツリフネさん、発芽の気配すらありません(´A`)
15粒しかないから、丁寧にポリポットに1粒ずつまいたのですが
いつしかそこに他の草が生えだして、もうダメかなって思いつつ
諦めきれず、水やりをして冬を越しました。

**
そして2023年、3月になりました。
あら?ポットに芽生えの予感が\(^o^)/
3月20日、最初は半信半疑、これってそうかな?


今まで、うちの庭では見たことがない形の双葉。
その間から出てきた本葉も、初めて見る形です。


この時点では、まだ他の植物の芽かもと思っていましたが
種をまいたポットに、次々と同じ形の双葉が生えてきたので
これはキツリフネだと、確信しました。


3月に発芽を確認してから、ぽつぽつと順に芽が出てきて
約1ヵ月経ち、もうこれ以上は芽は出ないようです。
数えてみたら、種を15粒まいたうち、8本が発芽しました。
約半分ですね、発芽率が良いのか、そうでないのか分かりませんが
育てるのが初めての植物なので、芽が出ただけでドキドキです。
左側が発芽したもので、右は、他の植物の色んな芽でいっぱいです。
真ん中のビオラは、去年咲いた花のこぼれた種で咲きました。


***
4月、弱々しい感じですが
少しずつ大きくなってきました。


4月18日、背丈は6cmくらい。
隣に生えているのは、何かの草なのですが
最初にキツリフネ?と思って育てていたので、抜けなくて残してあります(^m^)


葉は楕円形で互生、先が尖らず丸い。


キツリフネは根っこが少なくて、移植を嫌うそうなので
今のうちに定植しておくことにしました。
ポットから抜いて見ると、丁度よい具合に根が巻いていました。


どこに植えようか、とても迷いましたが
少し前に植え替えをした「タイワンホトトギス」のプランターの
空いているところに一緒に植えることにしました。


初めて育てるキツリフネが、どれくらい大きくなるか分からないので
4本だけ、苗を間隔をあけて植えました。
タイワンホトトギズも「明るい日陰で、湿った場所」に生えるそうなので
キツリフネと気があうかもしせません(^m^)


残りは、2本を庭の木陰に植えて・・・


あと2本は鉢植えにしました。
ついでに、こぼれた種から芽生えて、咲き始めたビオラも植え替えました。


***
4月の終わり頃
プランターに植えて10日後
なんだか・・いっきに葉が大きくなりました。


5月13日に撮った写真では、こんもり茂ってきたホトトギスの
背丈を追い越しています。


5月18日、植え替えてから一ヵ月経ちました。
この日背丈を測ってみたら、なんと!32cmになっていました。
ちょうど一ヵ月前に測ったときは、6㎝だったので、急成長です。


6月には花が咲くと書いてあったけど
これは何だろう?
つぼみ?じゃないような・・・


細長いものは、日ごとに膨らんできて


ある日、写真を撮ろうとして指先で触れた途端
パチンっと弾け、何処かへ飛んでいってしまいました。
これは手の中で弾けさせて、捕まえた種です。


****
花を咲かせずに、自分の花粉で受粉をしてタネを作る植物があります。
この咲かない花のことを「閉鎖花」(へいさか)というそうです。
普段目にする、咲いている(花びらが開いている)花のことは
「開放花」(かいほうか)と呼ぶそうです。
開放花なんて言葉、知らなかった~
花は咲くのは当たり前だと思っていたけど、違うんですね(^-^)ゝ
閉鎖花をつける植物の代表には、スミレがよく知られていますが
キツリフネもその仲間でした。

6月になりました。
毎日見てるキツリフネ(笑)に、前とは違う形のつぼみが付きました。


開放花のつぼみかも?
これがどんなふうに膨らんで、どんなふうに開くんだろう?
もう楽しみで楽しみで、更に庭へ何度も見に行きました。
色付いてきたつぼみは、木魚に似ていませんか?(^m^)


大きくなってきたら・・・クジラに似てきました。
本当に変わった形をしています。
明日には開いて初めての「開放花」になるかなぁ・・


パッカーン!
開きました\(^o^)/
蝶の翅のように、大きく垂れた2枚の花びらは
蜜を吸いに飛んでくるハナバチが着地するための
専用の足場だそうです。


キツリフネの花の、細いしっぽみたいなところには
蜜が溜まっています。
距(きょ)というのですが、こんな狭くて奥まったところの蜜を吸えるのは
長いストローのような口を持った、スズメガかな?と思ったら
違いました。
スズメガはキツリフネにとって
花粉を運ばず蜜を飲んでいく、蜜泥棒だそうです(^m^)


キツリフネの花粉を運ぶのは、主にマルハナバチの仲間で
中でも特に口吻が長い「トラマルハナバチ」だそうです。
花の入り口の天井には、花粉をいっぱい付けた「オシベ」があります。


トラマルハナバチの体は毛むくじゃらで、花に潜り込むときに
たっぷりと花粉が体にくっ付きます。
何度もハチが出入りして花粉がなくなると
スゴイことが起こります!
キツリフネはおしべを根元からポロッと落として捨てて・・・


今度はめしべを成熟させ、自分の花粉ではない他の株の花粉を受粉するのです。
こんなふうに雄しべが雌しべよりも先に成熟する仕組みを
「雄性先熟」(ゆうせいせんじゅく)というそうです。


無事に受粉が終わると、今度は花びらを落として
果実の中でタネを熟成させます。
落ちていた花びらを拾ってみました(#^.^#)
本当は4つのパーツからできているのですが、オシベの上にあった
半円形の「軒下のひさし」みたいなのは、見当たりませんでした(^^ゞ


植物にとって一番大事なのは、次世代に自分の遺伝子を残すことです。
自家受精のメリットは、高い確率でタネを作れることで
閉鎖花は、そのための保険みたいなものでした。
でも、デメリットもあって、子孫がみんな遺伝的に同じなので
環境の変化や病気などで、全滅してしまう恐れがあるそうです。
キツリフネは、成長にエネルギーが必要な時は、花を咲かせるコストを省き
じゅうぶん大きくなったら、開放花を咲かせて他家受粉でタネを作る
そんな戦略で生きている、とても奥の深い植物でした。
きれいな花だと、ただ見ている時には知らなかったお話しでした(#^.^#)


今日、昼間に花を見ていたら
小さな蜂?が花の奥から顔を出しました。
蜜泥棒です!距まで歩いて行って、蜜を飲んできた帰りみたい。
「見逃してください」というような顔に見えて、笑ってしまいました。


秋まで咲くという、キツリフネです。
これから花や種にどんな変化があるか?
どんな物語りを見せてくれるのか・・・
楽しみに観察していきたいと思います(^^♪

長くなりました(^^ゞ
最後まで読んで下さって嬉しいです。
ありがとうございました。
以上、キツリフネ、種まきから開花までの記録でした!
次回へ続く?かな(^m^)