ボディビルダー ゴリ高梨のゴリ日記

バナナでパンプアップ 

筋肉の持つ力

2009-05-13 02:14:14 | Weblog
先日頂いたコメントに対する返信の中で、

以前の仕事で韓国に出張へ行った時のことを

エピソードとして書きました。

その時の事を思い出したので、ちょっと書こうと

思います。

以前、私はカーエアコンの部品を生産しているメーカーで、

海外営業部という部署で働いていました。

海外の顧客とやり取りをする部署でしたので、年に何度かは

海外出張がありました。

その出張の中でも、関連の工場のある韓国へは何度か足を

運びました。

今回お話しをするのは、その時の事です。

2004年の事だったと思います。

韓国への出張は、ちょうどミスター東京の翌日でした。

コンテストが終わってすぐに飛行機で韓国へ飛びました。

出張の目的は、関連工場の現場の視察でした。

普段は電話でのやり取りがメインで、実際に工場で

どのように製品がつくられているかイメージ出来ていなかったので、

直接現場へ行って見てくることになったのです。

やり取りをしていた先方の責任者の方は、ご自身でベンチプレスなどの

ウェイトトレーニングを行っており、私がボディビルをやっていることは

知っていました。(この方のお名前は李さん、としましょう)

韓国に着いて2日目に、関連工場の下請けの工場に行きました。

町工場という言葉がふさわしい、小さな工場でした。

そこへ着くと、工場長が出迎えてくれました。

(*この工場長とウェイトトレーニングを行っている関連工場の

責任者の方(李さん)は別人物です。念のため)

挨拶をして名刺交換をしましたが、その人の顔はこわばった厳しい表情で、

笑顔はありませんでした。

「俺、歓迎されていないな」と思いました。

そこの下請けの工場は、日頃よくコスト削減のあおりを食っているところ

でしたので、その工場長からしたら、「日本からよく分からない若造が

来やがった」ぐらいに思われていたのかもしれません。

工場の中を一通り案内してもらい、最後に事務所に通されました。

そこで、李さんが私に向かってこう言いました。

「高梨さん、すみません、ちょっと脱いでもらえませんか」

いきなりだったので、「えっ!こんなことろで脱ぐの!?」と

一瞬戸惑いましたが、そこはビルダーの性です。

お声がかかれば脱がないわけにはいきません(笑)

前日にコンテストを終えたばかりでしたので、

まだカットもあり、人前で脱ぐには十分なコンディション

でした。

おもむろにネクタイを緩め、ワイシャツを脱ぎ、

フロントダブルバイセップス、サイドチェスト、

バックダブルバイセップス、とコンテストさながらに

ひとつひとつポーズを決めていきました。

すると工場長をはじめ、そこの事務所にいた人達が

みんなびっくりして笑顔になりました。

先程まで厳しい表情をしていた工場長の顔も笑顔に

変わっていました。

帰る時は笑顔で挨拶をしてくれました。

その日の夜、李さんが私を焼肉屋に連れて行ってくれた

のですが、そこでも「脱いで下さい」とリクエストがあり、

またしても即席のプレジャッジが始まりました。

何ポーズか決めた後、厨房の奥から、「なにやら筋肉質な日本人が

裸になっているらしい」と噂になったようで、奥からぞろぞろと

人が集まってきました。

その場所には例の下請けの工場長も来ており、みんなびっくりして

いました。

例の工場長とは、その席で美味しい焼肉を食べながら、

大いに盛り上がりました。

私が脱いだことにより、心理的な距離が一気に縮まったのでは

ないか、と思いました。

韓国では、マッチョマンはかなりリスペクト(尊敬)されるな、

と感じましたね。

おそらく、韓国では徴兵制度があるので、「男は強くたくましくあるべきだ」

といった考えがあるのでしょうか。

マッチョマンはその強い男の象徴なのかもしれません。

筋肉は民族、仕事の役職、立場を超えて、人とのつながりを強める

不思議な力があるなぁ、とその時思いました。

こうしてその日は皆さんと大いに盛り上がり、思い出深い1日と

なりました。

しかし、調子に乗ってお酒を飲み過ぎたのか、翌日ひどい二日酔いに

なってしまいました。

日本へ帰国する日でしたので、そんな状態でもホテルから空港まで

リムジンバスに乗らなければなりません。

私はリムジンバスの一番前の席で空港に着くまで、一人体を丸めて

カラゲロを吐いていました。(汚くてすみません)

楽しい席でも、お酒はほどほどにしないといけませんね。


ウホッ

ゴリ