はなうたまじりにひとりごと

私視線で、観て聴いて♪素直に気ままに我儘に。主に宝塚の舞台のこと、その他諸々?についてお喋りを。

薔薇に降る雨☆5

2009-05-11 23:54:34 | Weblog
悠未さん。グザヴィエ氏。
船会社の社長で、イヴェットの婚約者。

ちょっと、悪っぽいけど、
でも、心底悪い訳でもない様子。
じゃなきゃ、多分この物語、最後はあんなにすんなり終わらないだろうと思う。

成り上がりの成金さんで、
私の一番のイメージは、フランシスみっちゃんが、ちょっと背中を丸めた横目で、
「嫌味なことをしやがる」
って、憤りを見せる台詞。
フランシスが、急に年をとったように感じる瞬間でもある。

キャラは、「バレンシアの熱い花」の時と、いささか被っている。
欲しいものは、策をめぐらせても手に入れるところなんか、まるっきり。

ストライプのスーツが、素敵。
生で観ても、素敵でした。
背が高いから、粋だね…粋過ぎて、「嫌味」にも見えるとも?(笑)
フランシスが、食って掛かりきれないだけのオーラが、彼を取り巻いてる。

グザヴィエの家の前で、繰り広げられる場面が、面白い。
よくよく考えたら、なんで家の前、なんだか…
ボディーガードやら、警官やらが絡んでくるのが、またいい味で、
CSで、それぞれのエピソードを聞いているときには、
まさか家の前だけで、話が終わってしまうとは思わなかった(笑)。

ボディーガードも警官も、必然性からいえば、そんなに意味合いは強くない。
その割に、このキャストとは…かなりゴージャスだよね。
でも、おかげで、場面のテンポ感とか、空気感は、とってもいい。
もしかしたら、あのボディーガードや警官のおかげで、グザヴィエ氏が悪人になりきらないでいる、
そういう効果を狙っているのかな。

この物語に、とことん悪い役回りの人がいない、
それが、物語を飄々させていたり、見終わったときの後味をサラリとさせていたりするのかも。

ボディーガードが、たまちゃんとみーちゃん、
警官が、ちやちゃんとちーちゃん。
どちらも身長差と学年差がある、凸凹コンビです。
このことも、ちょっとコミカルだし、マンガっぽい。
よく考えたら、面白いバランスのキャストだね。

ちやちゃんが、警官の帽子についてのエピソードを、CSで語っていて、
どんなことなのか、舞台で見て解って、相当面白かった。
要するに、帽子が大きすぎて、前が見えないくらいなんだけど、
それを、顔が見えるように後ろにずらして被ったら、先生に怒られたという話。

帽子が、カリメロみたいな、チューリップハットみたいな帽子…といえば、どんな警官だか、想像していただけるかと思うけど、
その帽子を深く被りすぎて、ほとんど鼻先から下しか見えない、凸凹コンビの警官(笑)。
…ね、マンガでしょ?

グザヴィエとの会話も、結構マンガだよね。
だけど、警官が来なかったら…
グザヴィエに帽子を突きつけてる男爵は、どうなったのかな。
殴られてたかしら?
…ちょっと、それが気になってる、私。

この、帽子をぐいっと突きつける男爵が、私は大好き。
それまで黙っていたのが、
「ちょっといいかな」
って、おもむろに入ってくるところが、もしかしたら、今回の男爵の一番好きな台詞かも。
何か、独特のマイペースさが。
…ってところで、男爵のお話に移りましょうか。


蘭ちゃん。ヴィクトール・オーランジュ男爵。
元軍情報部の将校だって、ご自分で語っておられる。

この物語で、最も飄々として、いつも落ち着いてるキャラが、男爵。
私が受ける印象は、
裕福で安定した男爵家で正しく育った、育ちのよい青年で、
黙っていても、生活には困らないんだけど、
親を亡くして身軽になったところで、気儘に、財産を食い潰さない程度に、楽しんでいる人。

貴族だから、自分が殊更動いて、稼いで行こうとかいう発想はないんだけど、
物事の理屈とか、道理とかを、冷静に眺めていて、
自分の役割や活路を、見つめていけるタイプ。
貴族の嫡子として、育ったベースは、しっかり見えるし、
静かなプライドと、威厳は湛えながらも、振りかざすふうもない。
振りかざす必要もないくらいに、自分の中に持っているものがあるんでしょうね。

投資を始めたら、会社経営とか、戦略に興味が向いてきて、
ハマって来てしまった…というのが、物語のはじまりの辺りなのかと思う。
かなり、やる気だよね(笑)。

一番疑問に思うのが、ジャスティンとの関係。
ジャスティンが、元軍人で…というならば、軍で出会ったのだろうか?
戦後、全く偶然出会った、というパターンもあるだろうが…
だったら、ジャスティンは、いきなり男爵に「調査」を任せたりするだろうか?
男爵の軍籍時代のはたらきを、見知っているからこそ、任せたんだろうし、
そこが、男爵を会社に完全に引き込む、導火線に成りうることを、予測したんじゃないだろうか。

では、
ジャスティンと、男爵は、軍ではどういう関係性だったのか。
男爵は、将校だったと語っていますが、そりゃ、まぁ、貴族ですから?はじめから、将校でしょう。
ジャスティンは、ごめんなさい、どうも身のこなしのイメージが、「軍曹」なんだけどもー…
だけど、それにしちゃ、男爵が、ですます調で、ジャスティンに話しかけるでしょ?
男爵の部下だったら、もう少し違う言葉遣いだろうと思う。

ジャスティンは、士官学校を出てるんだろうか?
同じ情報部の将校で、隣の隊とか、別部門とか…
そのパターンで設定はされてるのかと想像は、してみるんだけど…
ジャスティンが士官学校か…
うーん、車小僧が、士官学校…?
車を作る技術と士官学校と…
ちょっとガラッパチ(悪い意味じゃなく)なジャスティンと…

うーん、何かが噛み合わない…


つづく。