AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

本気の楽しみ

2015-06-30 03:38:00 | 音楽・ライヴ
今月の27日に、HEARTSという場所で、DAMEDETHとしてライヴを行った。
HEARTSという場所のオーナーとは、FB上で知り合う様になり、それがきっかけで、ライヴをしないかという話の運びとなった。

一度下見に行った時に、「どうしたモンかねェ」とは思った。何せ、ライヴステージはお手製だとは聞いていたが、地下一階(半階?)にも関わらず、カラオケの音が漏れていたのに先ず懸念を抱いてしまったのは、無理からぬ事だ(苦笑)。

とは言え、引き受けたからにはやる事やるだけである。
音が外部にどれだけ漏れようと、オレらはそういうバンドであるという事を体験してもらうしかない。
出禁上等のつもりでやろうと思っていたんだが、ステージはそもそもにして、マイクを楽器に設置していないので、通常のライヴハウスの様な感じにはいかなかった。
持ち込みの機材を使うわけでもないので、楽器直の出音は音量的に限界が出てしまっていた(とは言っても、オレが持ち込んだスネアはあの場所ではあまりにも音が出過ぎてるらしく、メンバーからNGを出されてしまったが:笑)。
オーナーは騒音を想定してビル階上やその周囲の住人にもちゃんと話をつけて、客として引き込む事にも成功しているらしいので、クレームが出るのを防いでいたので、安心したやら残念やら(笑)。

で、
肝心のライヴだが、正直「ライヴ」という空間で演奏している感じではなかったね。
ナイスビームスタジオでやるスタジオライヴよりも、“らしさ”が無かったな(笑)。

何せ、リハは曲をフルでやるという、普通のライヴリハでは考えられない時間の設け方となり、その間に客が入ってきて、公開処刑みたいになっている感じだったしな(苦笑)。
それで、一旦リハが終わってから、客がボチボチ入ってきたら始めようかという、これまた実にユルい流れで、本番を始めて行ったという、ね。
実質、2ステージでしたよ(笑)。

諸事情重なって、当初はオレ達を含めて3バンド出演する予定が、いきなり2つの出演者がキャンセルしたことで、ワンマンになったという妙チクリンな結果となり、当初予定の持ち時間は、45分まるまる使えるというオイシイ内容になったのだが、上述の通り、45分どころではなくなったワケだよ(笑)。

本番終わってから、客も参加してのセッションとか始まったりして、結局オレはステージ上でトータル100分を超える時間ドラム叩いてた事になる(笑)。

結果としては手応えの薄いライヴであるのは否めなかったが、そこから掬い取れた楽しみは実感として残った。

ライヴが終わり機材撤去した後にオーナーの人と話をしたが、今度のイヴェントにも是非参加してほしいという話が出てきた。
向こうとしては、オレ達の演奏に好感触を得たみたいで、今後ライヴを行う際のマイクセッティングの事なども考慮するという話にも発展していったので、あの場所でオレ達が演奏したという意味が、それで少しは出たんだろうという気がした。
そうしていくことで、オレらみたいなバンドを呼んだ時、それでしっかり対応出来るようになるし、その系列をやるバンドも呼びやすくなるだろうからな。

オレは、音を出す時はいつも本気だ。
ロックやメタルをやっているという点でも、音量を出すという宿命があるワケだが、そこに対しての気持ちよさを知っているからこそ、本気で打ち込んでいる。
勿論、表現としての音の強弱も踏まえてだ。
本気でやることに楽しみを感じるのが、オレにとっての音楽的探究の軸である。

最早、趣味と称する事が軽んじられる状態でやっている。
つまり、生きがいとなっている。

別段、趣味的にやっている人間を否定するつもりは無い。
その人その人の人生の中の息抜きの一つとして音楽やバンドがあって良いと思う。
音楽は娯楽である。

しかし、
その娯楽にひたむきに取り組む、ある種異常な姿勢を持つ事で、芸術になっていくものがある。
オレはそういった姿勢であることを放棄したくはないし、今でもそうでありたいと思いながらやっている。

だから、そうでない人間は好感や共感を得ることは無いし、オレとは一緒にやれない。

全てが楽に何でもこなしてしまえるのであれば、オレにとってバンドやドラムは必要なくなるからな(笑)。
本気でやらなけりゃ、手に入れられないものってのが、あるんだよ。

2015.6/27
at HEARTS

-DAMEDETH Set List-
1.WAKE UP DEAD
2.THE KILLING ROAD
3.HOOK IN MOUTH
4.SHE-WOLF
5.VICTORY
6.SYMPHONY OF DESTRUCTION
7.HOLY WARS...THE PUNISHMENT DUE
8.RAINING BLOOD(SLAYER Cover):Ft.Mus・G


郷愁を越えて

2015-06-12 02:56:00 | 音楽・ライヴ
ちょっと前になるが、実家にてLUNA SEAの結成25周年ライヴを見た。
BS放送でやっていたという事で、親が録画していた(因みに、オレの家のテレビではBSが見れない)。

恐らく、全部のライヴを放送したワケではないだろう。時期としては『A WILL』がリリースされた直後のライヴだから、あのアルバムの中でもシングルになった曲や、ハイライトと捉えられている曲を軸に、それ以外は正にグレイテストヒッツな内容の演奏だった。

これでも元SLAVEだったので、今でも彼らの動向はそれなりに追っている。
過去の彼らは勿論知っているので、現状のLUNA SEAでのライヴというのはまた興味深いものがあった。

インディーズ時代にリリースした1st『LUNA SEA』を、リレコーディングした事により、更に一段深みを増した事を確認し、自分達の中で変わらない核となる部分を再確認したのもあるだろう。
ソレを剥き出しにした彼らのライヴは、既にいちヴィジュアル系バンドという概念は吹き飛び、純粋なLUNA SEAというロックバンドとしてのライヴとして真に機能していた。

年老いてなお盛ん、というのは些か失礼かもしれないが(笑)、今のバンドは、過去に纏っていた妖しさを取り払い、元より音楽に備わっていた神秘性という唯一無二の雰囲気をより肉迫した感覚で押し出すといった、以前とは異なるアクティヴさが見える。
全員まだまだ衰えてないのは当然だが、特にINORANと真矢の見せ方の変化は著しい。

かつてのINORANは、SUGIZOと対比する形で、アルペジオやアコースティカルな、所謂クリーンサウンドをじっと紡ぐといった佇まいの印象が強かったが、今の彼はその頃と比べるとかなり攻撃的にギターを演奏している。ライヴでの佇まいは、軽快さが目に付いた。
真矢に関しては、元よりパワーと堅実なリズム感に、ドラムキットとその見た目の派手さで目を惹いていたものだったが、再始動~解散を経た現在は、これまでで最も力押しと思えるくらいのぶっ叩き具合が印象的だった。
勿論ダイナミズムを心得ている人なので、押し引きのバランスを伴いながらという話であるが、昔であれば音源に忠実に再現していたであろうフレーズを、今はどれだけヘヴィ且つパワフルに客席に音を届けられるかといった叩き方に変貌している。
ソレを知って残念がる人も居るだろうが、“今”を生きるバンドとしての変化、手加減をしない姿勢の「今の彼ら」は、実に清々しい。

核が変化をしていない。そして、ソレを見せる事に対して全く臆目を見せないどころか、晒す方向へ進んだバンドであるから、音楽の根本的魅力に揺るぎが無い。
しかも、「自分達を見せる」という事も把握しているだけあり、昔の様な黒服でなくとも、LUNA SEAという音楽の魅力を損なう事のない容姿で聴衆の前に立つ事を心得ている。

彼らこそ世界に出るべきだ。
ソレは今実現し、日本のロックが誇る唯一無二の存在を、現役バンドとして歩んでいる。

このライヴ放送を見て、笑みが出て懐かしさはあったが、「あの頃の方が良かったな・・・」といった郷愁を感じる事は無かった。
オレは郷愁(ノスタルジーな)で活動を行う様なバンドは嫌いである。再結成して単発的にライヴ活動してながら、曲を作らない、つまり先へ進もうとする姿勢を見せないバンドに、興味は無い。

一時のLUNA SEAに対しても、オレはそう思っていたが、今の彼らは郷愁を越えたところに居る。
メンバー各人は今、ソロ活動なども並行して活動している為、LUNA SEA一つにかかりきりになっているワケではないが、それでも彼らはLUNA SEAである事を選択した。
この歩み方がどこまで続くのかは判らないが、前に進む事を決めた彼らをオレは支持したい。

最早オレが命を懸ける演奏/音楽とはかけ離れ、影響となる部分は無いバンドだが、今でも好きなバンドであるのは、確かである。