flight2005

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[佐賀空港]あの中華航空機オーバーランあわや

2007-10-06 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
 まずは、写真をご覧ください。
もう、滑走路が終わり、フェンスにぶつかりそうな飛行機の写真です。これはCGでも何でもなく、実際に佐賀空港で撮影されたものです。

この機材は、那覇空港で炎上した同型機の中華航空機で、数日前機体後部に亀裂が見つかり修理を終えて台湾に帰るため離陸したものです。なぜこんな事が起こってしまったのでしょうか?

 この機には、機長と副操縦士しか乗っておらず、重量は軽量。当然離陸距離は短く恐らく滑走路の半分ほどでリフトオフのはずと思われます。が・・・

 離陸時は、まず機長と副操縦士がスラストと呼ばれるアクセルを前方に少し動かし、エンジンが正常か確認します。正常であれば、『TO/GA』と言われる理想的な推力ボタンをオンにし、エンジンが高回転しグングンとスピードが増して行きます。コクピットの2人はまだスラストを握ったままです。スピードを副操縦士が機長に、「80(80ノット)」「v1」とコールします。「V1」コール以降はトラブルが発生してもそのまま離陸して行きます。そのほうが安全だからです。が・・・
いつまで立っても副操縦士から「v1」コールがありません。速度計の故障で「V1」に達せず、コール出来なかったと思うのが普通でしょうが、それならば機長はコールを聞かず最悪を避けるため、離陸に踏み切ったのかも知れません。

 2重3重のバックアップがある航空機ですが、なぜ今回のような事が起こってしまったのか、製造ミスなのか、整備ミスなのか、徹底した調査をお願いしたいものです。


中華航空機 設備壊しオーバーラン離陸 亀裂修理後 佐賀 10月6日10時15分配信 毎日新聞

 胴体底部に亀裂が見つかり、修理のため先月20日から佐賀空港(佐賀市)に駐機していた中華航空機(乗客なし、乗員2人、ボーイング737-800型)の修理が終わり、5日午後2時半ごろに台湾に向け離陸しようとしたところ、滑走路上の「過走帯灯」1基を壊したうえ、滑走路を約60メートルオーバーランして離陸した。さらに同機は離陸直後に計器トラブルが発生し、26分後に佐賀空港に引き返した。
 「過走帯灯」は、アスファルト舗装された滑走路の終点を示す保安装置。過走帯灯の手前で離陸を完了させるのが通常の離陸となる。
 佐賀空港の滑走路は2000メートル。しかし、同機は滑走路先端に進むまで機首を上げず、滑走路を越えた直後にやっと離陸した。過走帯灯は、離陸の際に同機の主脚がぶつかり、壊された。同機が離陸しないまま、さらに数十メートル進んでいれば、隣接する田地に乗り上げていた状態だった。
 機首を上げるタイミングは、燃料の量や旅客人数などで変わるが、同機には機長と副操縦士しか乗っていなかった。佐賀空港事務所などによると、滑走路をいっぱいに使って離陸するような状態ではなかったという。
 中華航空東京支店は、同機が佐賀空港に引き返した理由について「機長と副操縦士の速度計に差が生じたため」とした。しかし、オーバーラン、過走帯灯破損については「報告が来ていないので分からない」と話した。
 航空評論家の青木謙知さんは「(離陸のタイミングの遅れは)重大な事故につながっていた可能性がある。機長らの速度計の表示が違っていたことが、機首を上げるタイミングを狂わせたのではないか」と推測した。

[管制ミス]また伊丹空港で誤指示であわや・・・

2007-10-06 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
 大阪伊丹空港で、また、管制官の指示ミスが発生してしまいました。
今回の管制官指示ミスを簡単に説明しますと、場所は大阪伊丹空港で、着陸しようとした機材は比較的小さい全日空448便『エアバスA320』型機、離陸しようとしたのは、も少し小さい『MD-87』型機。滑走路は慈方位32度に向いた滑走路が2本あります。向かって右が短いA滑走路、左が長いB滑走路です。大型機は主に長いB滑走路を使用しますが、両方とも小型のため、短いA滑走路を使用するようになりました。
 問題はここからで、既に離陸許可を受けた日本航空2441便(MD―87型機)は、短いA滑走路(32R)へ向かっていました。その後着陸許可を申請した全日空448便(エアバスA320型機)がA滑走路32Rへの着陸を申請し受理。管制官はB滑走路と勘違いしてしまい、全日空448便(エアバスA320型機)はそのままA滑走路に着陸してしまったのです。

「ぶつからなくて、良かったね!」では済まされない管制ミスなのです。

今回は、『たまたま』左席の機長が着陸機を見ると、「何だかこちらに着陸しているようだな」と気づき、滑走路に進入しなかったため防げたものです。管制指示を信じ、滑走路に進入していたら・・・

事故になっておりませんので、重大インシデントにはならないのでしょうが、管制ミスがこう続いてはいかがなものでしょう。
以前から、管制官の『技能』について問題が起こっていますが、公務員から民間へ。真剣に考えて頂きたいものです。安全は『本気』な者でなくては、守れませんから。

※写真右側の滑走路が問題の『A滑走路32R』


全日空機が滑走路誤り着陸、管制官も気付かず…伊丹空港 10月6日3時6分配信 読売新聞

 5日午後5時45分ごろ、大阪・伊丹空港で、松山発全日空448便(エアバスA320型機、乗員乗客165人)が、管制官が出した指示とは異なる滑走路に誤って着陸するトラブルがあった。
 同じ滑走路には、宮崎行き日本航空2441便(MD―87型機、乗員乗客142人)が進入許可を受けていたが、接近中の全日空機に気づき停止したため、両便にけが人はなかった。
 伊丹空港には2本の並行した滑走路が設置されており、着陸誘導装置のあるB滑走路(全長3000メートル)と、住宅街から離れたA滑走路(全長1800メートル)がある。
 当時、全日空機は着陸3分前に、管制官にB滑走路への最終進入を報告したため、管制官は全日空機がB滑走路への着陸を要求したと思い込み、着陸許可を出した。しかし、全日空機は、指示を聞き間違え、「A滑走路に着陸する」と誤って復唱。管制官もこの誤りに気づかず訂正しなかったため、全日空機はそのまま着陸していた。

<関連ブログ>
[伊丹空港]パイロットと管制官ミスで滑走路無許可横断

国交省、伊丹空港・全日空機誤着陸で特別監査実施へ 10月6日14時40分配信 読売新聞
 大阪・伊丹空港で全日空機が管制官の指示と異なる滑走路に着陸したトラブルを受け、国土交通省は6日、同空港に対して特別監査を実施することを決めた。
 伊丹空港では9月にも航空機が無許可で滑走路を横断するトラブルが起きており、週明けにも調査担当の管制官を派遣して、聞き取り調査などを行う。
 いずれも事故にはつながっておらず、航空法上の「重大インシデント」にも該当しないため、国交省航空・鉄道事故調査委員会の調査対象にはならないが、同省では、同じ空港で管制トラブルが短期間に連続した点を重視、調査が必要と判断した。