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[JAL]日航機エンジン片側停止、緊急着陸

2006-05-18 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
 トラブルは神戸空港出発、沖縄那覇空港行きで高度約13,100メートル(43,000フィート)で発生した。左エンジン(第一エンジン)の油圧が低下し、トラブル発生から約53分後機長の指示でエンジンが停止された。
 当該機はJL3385便(B777-300型機)で、大型のエンジンが主翼に2機搭載されている。なおB777型機は1機のエンジンでも航続可能で、即重大事故につながる事はない。また2機同時にトラブルが発生する確率は天文学的な数字となり、この点でも安心がもてる機材。
 幸運だったのは、トラブル発生時は既に鹿児島の南約180キロメートルを飛行中で、※FMS(flight management system)がはじき出していた降下開始位置に近かった事も幸いだった。また台風1号に関連した前線の影響で、高高度を飛行していた事も無事着陸できた要因と考える事が出来る。
 トラブルの原因がJAL(日本航空)から発表されているが、油圧系統の整備ミス(ヒューマンエラー)の可能性も出てきた。限られた時間での整備は大変だとは思うが、出発前点検のT整備、また外部内部点検のA整備でなぜ見つからなかったのだろうか?飛行中のプレッシャーでオイルが漏れたのだろうか?
発生原因の徹底した調査を実施し、「生まれ変わったJAL」をぜひ見せて頂きたい。

(琉球新報) - 5月18日9時58分更新
 17日午後4時4分ごろ、鹿児島の南約180キロ、上空1万3100メートルを飛行していた神戸空港発那覇空港行き日本航空(JAL)3385便で、2基あるエンジンのうち、1基に不具合が発生したため、午後4時57分、同エンジンを停止させた状態で那覇空港に着陸した。乗客乗員計125人にけがはない。
 那覇空港事務所などによると3385便は飛行中、左右の主翼に1基ずつ付いているエンジンのうち、左側エンジンに不具合が発生。機長の判断で左側エンジンを停止させ、右側のエンジンのみで同空港に着陸した。
 原因は油圧を作り出すポンプから作動油が漏れたことによるものと判明。同空港の誘導路上には、1・5メートル四方のオイル漏れが確認された。
 この影響で、3便の離着陸便に5分から12分の遅れが生じた。
 同機は折り返し便として、午後5時40分に伊丹空港に向かう予定だったが、欠航となったため、日航が臨時便を出して対応。乗客474人は、当初の予定より約2時間遅れて関西国際空港に向かった。

※FMS(flight management system)
 フライト・マネジメント・システム(FMS)は,PMSの機能をさらに充実・拡大させ,離陸から着陸までの全飛行領域にわたって飛行管理(航法,操縦,推力調整,誘導など)を自動的に行うシステムである。特にFMSのコンピューターは,航法データベース(navigation data base)と呼ばれる大量の航法用データ(空港,滑走路,スポット,航空路,飛行ルート,ILS/VOR/DMEなどの航行援助施設,空港ごとの出発/進入方式などの情報)を記憶しており,パイロットはいつでもそれらのデータをCDU(control display unit)を介して取り出すことができる。出発に際し,飛行計画に沿って離陸滑走路からの出発方式を含む到着地までの飛行コースを設定すると,水平面内の航法(lateral navigation:L-NAV)および高度方向の航法(vertical navigation:V-NAV)に関する情報が提供される。これらの航法情報は,飛行経路に合わせてコンピューターが自己の蓄えている航法データを次々と引き出し,それに基づいて機を誘導していく。これに必要なVOR-DME局などの選局もパイロットの手を煩わすことなく,飛行計画に沿って自動的に選局される。またこれらの航法情報はCDU上に文字で表示されるのみでなく,電子飛行計器システム(EFIS)のCRT上に地図として表示されるので,自機の位置関係が容易に把握できる。なお,FMSは767,A310以降に開発された航空機では標準装備となっている。

※写真はトラブルを起こした同型機(B777-300型機)