「いやぁ、勉強になるなぁ。」
きれいに仕上がりました。
と佐藤さん(例の大工さん)が言ってくれた。
「あんたには宝の山なんだろうなぁ。俺にはゴミなんだけっど(笑)」
と端材を利用したテーブルを見て言ってくれた。
きれいに仕上がりました。
こちらこそ、佐藤さんの手元を見てるのが楽しかった。
「できた?」
「まだできね。」
「組み上げるとき教えてね、見にくるから。」
「あんまり見られてっと、あがってしまうからダメだ。」
「そうか。じゃ、見にくるわ。」
宍戸さんに内装を頼まれて、こうして佐藤さんと同じ現場に入れてよかった。
最後の日。
(また会うだろうけれど)
カラアゲをくれた。
佐藤さんはシャイなのか、あまり目を見ない。
そこが、なんかいい。
「あんたら昼飯食わねぇってけど、カラアゲ食べさい。」
「おお、ありがとう!」
「坊主も呼べ〜。」
「おーい、辻くん。カラアゲ!」
「え?あ、はい!」
そもそも、宍戸材木店さんには数え切れないくらい工務店さんとのお付き合いがあります。
あるはずです。
その数ある中から「選んでくれた」ということが嬉しかったし、報いたいと思った。
依頼が僕たちにじゃなかったらスンゲェ悔しいと思ったはず。
(そっか〜、うちじゃねぇんだなぁ。まだまだなんだなぁ。)
と。
「タダでもいいからやらせてくれい!」
とも思うでしょうね。
【やれることを、惜しみなくやろー。そうだそうだガンバロー。】
が今回のスローガン。
期待に応えたい!
その一心でした。
材木店の廃材を使う。(予算削減)
材木店の在庫を使う。(予算削減)
例えキャスターの径が違っていても在庫で済ます。(なんてこったい)
(ここ、もうちょっとこうしたいかなぁ。)
そう思いついたら、必ずやった。
「それも使うのかい?」
「うん、使えるじゃん。」
「アイデア賞をあげたい。大したものだ。」
「ありがとうございます。カラアゲ、ご馳走さまでした。」
佐藤さんと会えなくなるのが寂しいけれど、一度ここで。
ありがとうございました。
さようなら。
ほぼ全貌だけど、照明などが通電したら公開しましょう。
宍戸さんの公開の後に。
「じゃ、一旦、これにて工事完了です。」
「えええ?!突然の別れですねぇ!またどこかでご一緒したいです!」
「マジすか?他の現場でも呼んでくださいね?」
ここの職人さん達は、泣きそうになる程にいい人ばかりでした。
宍戸さんは、きっとそんな人たちばかり集めたのだなぁと思いました。
そこに含めて頂けたことが幸せだと思います。
まだやること残っていますが、ありがとうございました。
僕は。
はじめてのおつかいを見て、泣き通していました。
若い頃はこんなことなかった。
歳を重ねるのも、悪くないね。