キャンプしてきました。
思えば16歳の頃から、必ず阿部先輩とキャンプに行く。
川へ行ったり海へ行ったり、山へ行ったり島に行ったり。
民宿でごまかしたり(笑)
そのうち彼女が出来たり、結婚したり、子どもが生まれたりして行く人数が増えた。
「増えたね。」
「増えた。」
そんな話をしていた。
自分らの子ども達は大きくなり「やれ部活だ」「やれ大会だ」と参加人数は徐々に減り、
「減ったね。」
「あぁ、減った。」
「また二人で行くのかなぁ」
「ま、それもいいよね。目的はそこですし。」
と思いきや。
思いきや。
増えてる〜!!
「道場の子たち、声がけしてみっか。」
「そうね、昔は道場の合宿と称してやったしね。」
そしたらなんと。
20名近い参加者に。
「どうすんだよ。」
「なにが。」
「米炊くの?20人分ってどんぐらい炊くの?」
「飯ご…」
「飯盒なんて使わねぇよ、ジャー持ってくか。」
「お前、せいぜい五号炊きで20人分って無理だろうがよ。」
「どうすんだよ。」
「たしかに、どうする?」
「米は…諦めよう。」
「よし。焼きそばか。」
「それも、芸がない。」
「芸は求めてない。」
そんな僕たちの揉め事をよそに、キャンプ開始でーす!
そーです。
アンタ達はひたすら遊んでなさい。
「了先生!見て!とんぼ!」
「あぁ、とんぼだねぇ。」
「先生見て!空振り!」
「おぉ、おぉ、空振りだねぇ。」
「リョー先生カブトムシ出して!とるから!」
「無理だよねぇ。」
僕はご飯当番です。
電源サイト最高。
なんと言われてもいい。
電気最高。
ちゃんと仕込みました。
安い肉を、どれだけ美味しく食べるか。
それは仕込み次第。
仙一の大将に色々お願いすれば良かったと思いながら。
「あのさ。そこのオレンジシャツ。」
「なんだよこのヤロー、やんのか?」
「せめて焼いてくんない?忙しいんだけど。」
「あ、はい。」
熱い。
いただきまーす。
美味しかったかな?
「いつも全く食べないのに、ビックリするくらいいっぱい食べてました。」
じゃ、美味しかったんだね。
良かったね〜。
大人もお腹いっぱい食べました。
中央にカエルのような人がいてジワジワくる。
明日の朝ごはんの仕込みだ!
(ベーコン作ります。偉いと思う、僕。)
野球だ!
花火だ!
笑顔だ!
羽化だ!
カエルだ!
洗い物だ!
風呂だ!
ラピュタって凄いよね。
途中から見ても一瞬で人を惹きつけます。
お菓子大会だ!
予選からどうぞ。
はい、おはよう。
「昨日のベーコンで朝ごはん作りましょー。」
「わーい!誰が作るの?」
「…。俺だわな。」
シャボン玉だ。
昨日はトンボで今日はシャボン玉。
長渕じゃん。
楽しいよね、シャボン玉。
川で遊びまーす。
「せんせー」
「なーにー」
「つめたーい」
「じゃあ、あがれー」
「やだー」
「じゃあ、好きにしろー」
「はーい」
なんじゃそりゃ??!
「りょーせんせ!りょーせんせ!りょーせんせ!」
「そのコールはなぁに?」
「だっこ!」
「だっこしませーん。」
「なんでぇぇぇえええ?」
僕は川下で万が一の時の最後の砦です。
「りょーせんせーは、なんでそこから動かないの?」
「流れてくるものを俺がここで全部止める。」
「流れてくるものって?」
「人とかサンダルとか。」
「わぁ!」
「ほら、危ねぇ。」
「こんな風に手押し相撲などでふざけてはいけないよ。先生は体幹がとても鍛えられてるので…」
「雑魚には負けない。」
「おい〜!!」
※この後、キチンと落ちる寸前に止めました。怪力で。
「お前も落ちろー!」
「ひーやーだー!」
高学年のお姉ちゃんたちは、ちゃんと小さい子の面倒を見てくれました。
「あっべせんせ!あっべせんせ!あっべせんせ!」
「なんだよ。」
「一緒にいこー!」
「なんで、一人で行けよ。」
結局、行ってらぁの。
「リョウ。」
「おう。」
「バレーだ、バレー。」
「おう。上等だよ。」
「そぉぉれ!」
「よいしょぉぉぉおおおお!!おるるぁあ!」
「なんなのお前?!いってぇ!」
「痛ぇわけねぇだろうが!」
「痛ぇよ!」
「先生!俺もやる!」
「OK、顔面あり?」
「もちろんアリさ、先生カモーン!」
「よいしょぉぉぉおおおお!」
ごめんごめんごめんごめん!!
大人気なかった!!
「ごめんごめんごめん!痛かったか?」
後ろの大人たち、笑い過ぎ。
「嘘泣きか、このヤロー!」
「なぁんだよ!」
「いい大人がだーまさーれたーーー!」
「はーい、スイカ切ろうね。」
「せんせーは、シュトーでやって?」
「グチャグチャになるからやだよ?」
「なーんで。」
「なーんで。」
「うるさい!包丁でやります。」
「なーんだケチ。」
「パパとかママとはちがうきりかたしてる。」
「せんせーだいじょーぶ?」
「大丈夫だよ。」
「はい、スイカバー!」
「すげーじゃんセンセー!」
「あ、ありがとう。」
「はいはい、スイカバー。」
「スイカバー!」
スイカ。
スイカ最高。
「ポケモンゲットだぜー!」
「ポケモンを網で!」
「センセーはきっとポケモンのこと知らねぇんだ!」
「ははははは!知らねぇんだ!」
「知っとるわ!赤と緑の頃からやっとるわい!」
「先生に投げてもらおうかな?」
「は?」
「先生に投げてもらいたい。」
「行っといで。」
行っといでって…?
「あ、よいしょぉ。」
「ぎゃーーーす!」
「なにが楽しいわけ?」
「超嬉しい気持ちになりまーす。」
後ろのコサックおじさん。
カンフーのつもりだろうけど、膝やっちゃうよ?
「さぁて、楽しい時間はあっという間でございます。そろそろ…」
「やだぁぁあ!」
「げりつぼ押しちゃお〜っと。」
「いぃやぁだ〜!」
最後は支配人の息子に電気アンマして終わり!
楽しかったと、後ほど報告がありました。
阿部先生も僕も上手に書けてるね。
ありがとう。
良かった良かった。
「おい先輩。」
「おいと先輩をセットにすんじゃねぇっつうの。先輩って言うならオイやめろ?な?」
「おい。」
「やっぱりオイだけ残ったぁぁぁぁぁ…先輩ってつけてぇぇぇ〜。」
「幸せだよね。」
「は?」
「自分らの子ども達はデカくなって来れなくてもさ、こんなにチビっ子がたくさんいるじゃない。いいことだよ。たぶん。」
「そうね。幸せなことだね。」
「分かってきたじゃん、田舎も…」
「田舎者って言うなよ?!」
「田舎くさい者よ。」
「なんだその神様みたいな口調は。」
「猿の頭を持つ人間の子よ。」
「なんなんだよそれマジで。ひゃひゃひゃひゃ!」
「面白ぇんじゃん。」
「くそぉぉぉぉぉお!」