素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

博物館めぐりその3

2024年07月11日 09時59分56秒 | 絶滅と進化
                博物館めぐり「いわき市石炭・化石館」その3



  先月(6月27日)、いわき市石炭・化石館「ほるる」に出かけていろいろなことを学ぶことが出来て本当に良かったと思っています。その一つは、フタバサウルス・スズキリュウ(Futabasaurus suzukii)について正確な知識を再認識出来たことです。
  昔、いわき市の高校生が『恐竜』のような大型動物の化石を発見した」記事が、新聞にも出ましたから記憶にはあるのですが、その後の専門家の先生方の研究については深く知ることはありませんでした。
今回の「ほるる」に出かけたことで、いろいろな知識が洪水のよう勢いでわたしの頭の中に押し寄せてくれました。
当時(1968年)高校2年生だった発見者の鈴木直(すずきただし:1951- )さん、現在では日本の古生物の研究者の一人であり、元いわき市アンモナイトセンター主任研究員を勤められ、いま高齢の73歳にもなられています。振り返りますと、56年の時代の流れの速さに驚かされます。

  鈴木さんが発見した化石は『恐竜』のものではなく、海に棲む『海竜』の骨化石の一部であったということは、当初から発掘に携わった国立科学博物館の長谷川善和研究員、小畠郁生研究員らによって、その正体が明らかにされました。
1970年代にはすでに「フタバ・スズキリュウ」と呼ばれていたようです。それが今日、鈴木さんより若い世代の古生物研究者、佐藤たまきさんの登場で、「フタバ・スズキリュウ」の研究は飛躍的に進展したといわれています。佐藤たまきさん、真鍋真さん、長谷川善和さんらの研究チームによって、発見から38年目にして、2006(平成18)年新属新種であることが明らかなり、学名も佐藤たまきさんによって「クビナガリュウのフタバサウルス・スズキリュウ(Futabasaurus suzukii)」として、正式に記載され、学術論文として発表されました。

  現在、「ほるる」(いわき市石炭・化石館)に展示されている「クビナガリュウのフタバサウルス・スズキリュウ」の全身復元骨格は、全長およそ6.5 メートルもあり、「ほるる」の中で最も人気の展示物となっています。
なお、「クビナガリュウ(首長竜:Plesiosauria)」という日本語の命名は、長谷川善和氏によるものだそうです。 
 長谷川善和氏らの執筆で、1976年1月に出版された小学館の学習百科図鑑『おおむかしの生物』(162ページ)ではすでに、発見者の「鈴木」と、発見された地層の「双葉」層群から、「フタバスズキリュウ(双葉鈴木竜)」と表記されています。


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