りゅーとライフ

(MiddleTown Dreams)「りゅーとぴあ」と「ビッグスワン」をフランチャイズに新潟生活を楽しんでいます。

まさに圧巻!新潟メモリアルオーケストラ 第22回定期演奏会

2012-09-30 20:03:10 | コンサート

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 祖母の告別式があったため、行けるかどうか分からなかった本コンサートであったが、告別式が予定より若干早く終わったため、礼服のまま滑り込みセーフと言った感じで、山岡重信さん指揮による最後の新潟メモリアルオーケストラ定期演奏会に立ち会うことが出来た。

 指揮:山岡重信

 プログラム
 バッハ:トッカータとフーガニ短調  (管弦楽編曲 山岡重信)
 ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
   ~~~
  ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調

 
  本公演、長年本オーケストラの指導にあたってこられた山岡重信さんと新潟メモリアルオーケストラとの最後の公演、それに大変に魅力的なプログラム(山岡さんがお選びになったとか。)、その相乗効果か、ほとんどの席が埋まっており大盛況。「私は山岡さんの指揮姿を目に焼き付けとおきたい…。」と言うことで1階7列目中央やや左に席をとり公演を待つ。

 
 P席に木管、金管を配置した大編成オケはまさに圧巻。これを見ただけで、震えが来たというか、一気に期待が高まる。

 オープニングは山岡さん自ら管弦楽編曲したバッハのトッカータとフーガニ短調。

 バックに配された木管と金管が極めて効果的、音を立体的に浮かび上がらせ、今までに聴いたことない大迫力のトッカータとフーガニ短調に度肝を抜かされた。単に音響的な面白さを狙った…というのではなく、音楽的な必然性を感じさせるオケの配置で、本編曲はトッカータとフーガの管弦楽編曲のスタンダードとなるのではないだろうか。トライアングルも効果的な素晴らしい編曲、それにその魅力を十分表現しきった見事な演奏だったと思う。

 続いて2曲目はハルサイこと春の祭典。

 私は聴けなかったが、ハルサイは以前の定期公演会でも採り上げられた難曲。こんな難曲を最後の公演に持ってきたということはそれだけ自信がある…と言うことなのかもしれないが、大編成から生み出される渾然一体と鳴った重心の低いサウンドはこれまた大迫力で圧倒されっぱなしだった。

 細かい精度について言えばそこはアマオケ、幾らでも指摘することはできるのだろうが(私は出来ないけど…。)、そんなことを言う気にさせない気迫がオケから溢れ出ていた素晴らしい演奏だったと思う。 (この演奏を聴いて、「あそこの部分が…。」、「あのピッチが…。」と、いちいち気になる人は耳は良いのだろうが、はっきり言って不幸な耳の持ち主と言う気がする。)山岡さんもとても80歳を超えているとは思えないエネルギッシュな指揮振りで、まさに驚異的としか言いようがない。序奏からエンディング いけにえの踊り まで一気に聴かせ、ハルサイ好きの私も大満足の演奏であった。

  そして第二部。いよいよベト7ことベートーヴェン交響曲第7番イ長調。

 「最初の一音が響いた瞬間、名演を確信した…。」というのはオーバーだが、最近のトレンドとは正反対の粘りと適度な重みのあるこのベト7はまさに私好み。
 第2楽章も明るい感じだし、独特のリズム感は山岡流と言うのか良く分からないが、やはり個性的で好みは分かれるとは思うが、個人的には細かい事を言わず、全てをオーケストラに、音楽に身をゆだねたい…と思わせる本当に気持ちの良い7番、リップなしで大変な名演だったと思う。

 ブライトな響きながら、重厚感溢れる迫力ある第4楽章が終わると大歓声とともにブラボーの嵐が…。これに応えるオケと山岡さんに花束が贈呈され、感動的なコンサートは幕となった。

 私はアマオケ事情には疎いのだが、一人の指揮者が17年間にも渡ってアマオケ、(それも地方オケ)を指導、20回の共演を果たすと言うのは希有と言うレベルを超えて奇跡的なことだったのではないだろうか。このような素晴らしいコンサートを地元で聴くことができた幸福を1音楽ファンとして今更ながら噛みしめる次第である。

  来年度、第23回定期は2013年9月29日指揮者に竹内公一氏を迎えて シューベルト 「ザ・グレイト」、ヴェルディ歌劇「ナブッコ」、レスピーギ 交響詩「ローマの祭」と、また、意欲的なプログラムが組まれている。

 いつの日か山岡さんと再度の共演を望むとともに、新潟メモリアルオーケストラのこれからの演奏に期待したいと思う。


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
え~ッ?!今回が山岡さんのメモオケとの「最後」... (ぶりちょふ)
2012-09-30 23:18:38
え~ッ?!今回が山岡さんのメモオケとの「最後」の共演だったのですか!ということは実質的に指揮者生活にピリオドを打つということなのですよね、きっと。それはそれは貴重なご経験でした。このオケのコンサートは山岡さんを聴こうと東京からも聴きに来る人が少なくないと聴いています。最後だとしたら本当に残念です。
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西洋音楽の持つ「厳粛」な空気を改めて感じた演奏... (ゆう)
2012-09-30 23:25:58
西洋音楽の持つ「厳粛」な空気を改めて感じた演奏会でした。山岡さん、右手だけで指揮する姿が目立ちました。音楽が盛り上がる所は体全体を使って表現しているようで、実にスマートな指揮のお姿でした。
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竹内さん、市吹ではお馴染みですが、どうメモリア... (匿名)
2012-09-30 23:35:10
竹内さん、市吹ではお馴染みですが、どうメモリアルオケに反映させるか期待したいと思います。
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まさに、渾身の山岡メモリアルでしたね。山岡先生... (ikaubon)
2012-10-01 20:10:24
まさに、渾身の山岡メモリアルでしたね。山岡先生の姿を目に焼き付けておこうとかぶりつきで聴いていたら、「春祭」の打楽器の活躍が見えず、誤算でした。ただ、弦楽器の音が良く聞こえてきていい感じでした。メモリアルを「聴く」のは昨年に続き、2回目でしたが、最後に名演をありがとうございました。
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 え~ッ?!今回が山岡さんの指揮者生活最後のコ... (りゅーと)
2012-10-01 22:53:11
 え~ッ?!今回が山岡さんの指揮者生活最後のコンサートだったんですか?
 
 まだまだ東京で指揮をなさると思っていたのですが…。しかし、本公演、まさに渾身のベト7、素晴らしい演奏、指揮でした。

 一生忘れ得ぬコンサートとなりました。山岡さんは無論ですが、本公演に関係された全ての方に感謝したいと思います。ありがとうございました。
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 ゆうさん、コメントありがとうございました。 (りゅーと)
2012-10-01 22:56:22
 ゆうさん、コメントありがとうございました。

 スマートというか山岡美学を感じる指揮のお姿でしたね。神々しささえ感じました。これが最後のコンサートになるなんて…。是非、また競演して欲しいですね。

 今後ともよろしくお願いします。
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 匿名さん、コメントありがとうございました。 (りゅーと)
2012-10-01 22:58:45
 匿名さん、コメントありがとうございました。

 正直、山岡さんの後任ということで、大変かと重いますが、市吹さんには頑張ってもらいたいと思います。

 来年度も意欲的なプログラム、楽しみにしています。
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 ikaubonさん、コメントありがとうございました。 (りゅーと)
2012-10-01 23:10:03
 ikaubonさん、コメントありがとうございました。

 本当に渾身の山岡メモリアルだったと思います。
 私も7列目だったので打楽器の活躍が全部は見えませんでした。ここあたりの位置取りは難しいところですね。

 私は山岡メモリアル、結局4回しか体験できませんでした。今考えれば、もったいなかったな…と思いますが、最後、素晴らしい演奏を聴けてラッキーだった…と思い直しています。

 これからもよろしくお願いします。
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