我が初代シトロエンC5も8年目に突入、現在の走行距離は64,000km。
昨年、秋ぐらいから「堅くなってきたかな…」と心配した乗り心地も、ベストな状態は過ぎたものの、思ったより悪化せず、「十分快適な乗り心地キープ」という状態。ブレーキ・パットの交換など、消耗品の交換は行ったが、それも最小限。機械的な故障は、これまで0、本当にノントラブル…というのはオーナーとしても嬉しい誤算だ。
前に乗っていた同じシトロエンのエグザンティア(95年式)は、7年目あたりからエアコンの故障、パワーウィンド落ち、ハイドロ用のスフェア交換3回目…と出費がどんどんかみ、結局8年9か月で手放したのだが、C5はこのようなことはなく、「シトロエンが故障しやすいというのは過去の話。もう二回くらい車検とれるかな…。」という雰囲気だ。
エグザンティアのころから「今度のシトロエンは信頼性が上がった」と言われてきたのだが、「シトロエンの信頼性が本当に高くなった」と言えるようになったのは、この初代C5からのように気がする。それには、やはり、シトロエンXMの失敗の影響というか、教訓が大きかったのではないだろうか。
シトロエンXM…、1990年に発表されたDS、CXに続く、シトロエン3代目の旗艦。
ベルトーネの手による超斬新なデザイン、ハイドロアクティヴ・サスペンションの他、ドライブ・バイ・ワイヤーを目指し、先進的アイディアをつぎ込んだXMは、その革新性が評価されヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得、シトロエン史に残る名車になるはずであった…のだが、さまざまなアイディアをぶち込んだ割に、開発期間が短かったこともあり、発売当初からトラブルが続出、ユーザーからクレームが殺到し、ついには当時のシトロエン会長が謝罪会見を開くまでになった「シトロエンの汚点」的車である。
この苦い思い出が、シトロエンに本気で品質向上の取り組ませ、その成果が、このC5あたりから結実していったように私には思える。まぁ、信頼性と引き替えに、初代C5は、油圧制御をサスペンションだけに限定するなど、シトロエン的面白みはなくなっているのだが、多少の面白みよりも、信頼性をとったシトロエンの判断は正解だったと8年目を迎えたオーナーとして、支持する次第である。
ボロクソに書いたシトロエンXMだが、そのデザインは20年を経た現在でも色褪せていないというか、レトロ感のあるC6よりも未来的とさえ思える。実際に、販売されていた頃は「トラブルのかたまり。絶対手を出してはいけないシトロエン。」と言われたXM、今、程度の良い車は結構高値で取引されているようだ。
永遠のアバンギャルド、それがシトロエンXM。私も余裕があれば1回所有したい憧れの車である。