今回訪れた札幌市は人口190万人を超える大都市。北海道の人口が560万人程度なので、今や1/3以上が札幌に集中しているということになる。全国的には東京特別区、横浜市、大阪市、名古屋市に次ぐ5番目の人口規模…というところになる。(以下、神戸市155万、京都市148万、福岡市146万、川崎市 143万、さいたま市122万、広島市118万、仙台市105万人 ここまでが100万人超…と続いていく。ちなみに私の住む新潟市は80万人ちょいで16位ぐらい。)
世の中には、ある程度の人口、都市規模にならないと成立しないエンターティメントというものがあって、私のフィールドだと音楽、スポーツ(野球、サッカー)になるのだが、札幌市はキタラをフランチャイズにする札幌交響楽団があり、札幌ドームをフランチャイズとする日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌というプロチームがあり、一通りエンターティメントが楽しめる…というのは本当に羨ましいと思う。
まぁ、札幌と言えども、10年ほど前まではウインタースポーツ・オンリーだった訳で、やはり札幌ドームという全天候型スタジアムが出来た…というのは有形無形に大きな影響を与えたのではないだろうか。(おそらく2002年のW杯を一番巧く利用したのが札幌、次ぐらいに新潟だったような気がする。)
しかし実際調べてみると、プロ野球チーム、サッカークラブ、プロオーケストラの3つ自前で持っているというのは、案外少なくて、東京特別区、横浜市、大阪市、名古屋市、福岡市、広島市、仙台市…の7都市ぐらいとなる。
一番人口規模が必要なのはお金もかかり、チーム数も少ないプロ野球で、これはかつて首都圏と関西に集中していたのが、近年になって、福岡、札幌、仙台にばらけたのは良いことだったと思う。
二番目に人口規模が必要なのはプロ・オーケストラで、これは今でも首都圏と関西、とりわけ首都圏に集中しているのが実態だ。(日本オーケストラ連盟に加入している正会員オケ24団体のうち、関西、首都圏以外のオケは僅か8団体しかない。)
地方にも高崎、山形、仙台、金沢…と頑張っているところもあるのだが、編成的に小規模のところも多いし、なかなか運営も大変そうで、やはり市民の相当の熱意と支援がないと存続は難しいような気がする。
一番、設立しやすいのはサッカークラブだが、こちらは資金力とチーム成績の相関が非常に強く、資金力のない地方チームはなかなか強豪チームになれないのが悲しいかな現実。実際、今年J2に降格した3チーム、山形、福岡、甲府は全て地方クラブであった。(同じ地方クラブとしては残念。コンサドーレ札幌も今年J1に昇格したが、それまで4年間はJ2生活だった。)
このように見ていくと、札幌市などは3点セットがあって、非常に充実したエンターティメントライフが送れる程よい規模の都市…というような気がする。
まぁ、新潟に職があって、動くことは出来ない私、札幌を羨ましがってもしょうがない。新潟が札幌に対してアドバンテージを持っているのが、日帰りでも首都圏で開かれるイベントに行ってこられる…というへアクセスの良さ…ということになるだろうか。現実にはクラシック・コンサートの4割以上が首都圏開催、外タレも首都圏公演のみがほとんど…というのが現状なので、他力本願的だがこれは大きなアドバンテージではある。
ちょっと寂しい気がしないでもないが、巧く首都圏を活用して充実したりゅーとライフを送ることにしたいと思う。