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りゅーとライフ

(MiddleTown Dreams)「りゅーとぴあ」と「ビッグスワン」をフランチャイズに新潟生活を楽しんでいます。

出遅れ!断念。上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト新潟公演に思う。

2011-11-09 20:33:43 | ジャズ

  秋はクラシックのコンサート・シーズン。「イ・ムジチだ、佐渡裕だ、東響定期だ、マゼールだ!」と騒いでいたのだが、りゅーとぴあのHPを見ていると、劇場で11月27日に「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト」というコンサートがあるのを発見。

 「ふ~ん。上原ひろみかぁ…。なんか売れているようだけど、マジで聴いたことないなぁ…。」と思って一応クリックしてみると…ドラムスにサイモン・フィリップスの名前を発見!

 「サイモン・フィリップスと言えば、一般的にはTOTOのドラマーとして有名なのだろうが、私的には70年代から80年代にかけて、多くのプログレ系アーティストのアルバムに参加した馬鹿テク・ドラマー。マイク・オールドフィールドのアルバム「クライシーズ」では共同プロデューサーを務めるとともに、タイトル・ナンバーでの超パワフルなドラミングが印象に残っている。
 「うわぁ~、新潟に来るんだ!1回聴いておきたい!」と、チケットを買おうとしたのだが…、完売はしていないものの、残っている席は一番最後尾席のみ。

 「う~ん、全席同一料金で、最後尾…というのはなぁ…。」ということで、資金繰りも厳しいおり、悩んだ末、断念。

 「人気あるんだなぁ、上原ひろみ。」と思うとともに、「ジャズ系のコンサート情報って、ちゃんと自分で能動的にチェックして行かないと分からないんだな…。」と思った次第。

 クラシックの場合、無料のコンサート情報誌「ぶらあぼ」、それにWeb盤ぶらあぼHP版という全国カバーの決定的な情報源とともに、各コンサート・ホールのHPも充実しているし、地元密着のコンサート情報も溢れているし…という充実した情報体制がしかれていて、まず、「しまったぁ…。」と見落とすことはないのだが、ジャズ、ポピュラー系となると、各音楽事務所、コンサート会場ごとがバラバラに広報していて、ここを見れば全てが分かる…的な情報源がないのが辛いところ。
 ここあたりが、コンサートのウェイトが高いクラシックと違ってジャズ系コンサートの弱いところ…という気がする。(単に私が情報に疎いだけかも知れないが…。)

 まぁ、負け惜しみになってしまったが、行かれる方には楽しんで欲しいと思う次第である。


秋はやっぱりビル・エバンス 最高傑作「エクスプロレーションズ」再聴。

2011-10-12 23:05:25 | ジャズ

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   深まり行く秋。やはりこの季節に似合うのはジャズ…、ということで、ワインを片手に(こればっかだが)、ビル・エバンス・トリオのリバーサイド4部作を聴く。
 ビル・エバンスのリバーサイド4部作。1959年から二年余り、ピアノのビル・エバンス、ベースのスコット・ラファロ、ドラムスのポール・モチアンが残した「ポートレート・イン・ジャズ」、「エクスプロレーションズ」、「ワルツ・フォー・デビィ」、それに「サンディ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード」の4枚はいずれも超傑作として評価されていて、中でもマイ・フーリッシュ・ハート、ワルツ・フォー・デビィという決定的な2曲が冒頭に収録されている「ワルツ・フォー・デビィ」と枯葉など有名曲が目白押しな「ポートレート・イン・ジャズ」の人気が高いようだ。しかし、個人的にこの4枚の中で飛び抜けて「傑作」と思うのは2枚目のスタジオ・アルバム「エクスプロレーションズ」である。

 ジャズの名盤というと、名盤とは言われていてもアルバムの中で1、2曲良い曲があるものの、あとの曲はイマイチ…というパターンも多いのだが、この「エクスプロレーションズ」は違う。冒頭のイスラエルからラストのスィート・アンド・ラブリィまで、全ての曲が素晴らしいのだ。   

 特にアルバムのA面、「イスラエル~魅せらりし心~ビューティフル・ラブ~エルザ」と続く流れは完璧。まさに、エバンス・ダンディズムの極地…としか言いようがない。
 このメンバーになって2年あまり、トリオとしての熟成度という点で、結成まもなくリリースされた「ポートレート・イン・ジャズ」をこの「エクスプロレーションズ」は数段上回っていると思う。…ということで、自分的にはこの「エクスプロレーションズ」をビル・エバンスの最高傑作として認定したい。

 しかし、現在出ているCDだと、ビューティフル・ラブがテイク違いで3曲目、4曲目に挿入されるとともに、ボーナストラックとしてボーイズ・ネクスト・ドアが本来ラストにあるべきスィート・アンド・ラブリィの次に追加させらている。ボーナス・トラックはともかく、ビューティフル・ラブを続けて収録するなど、なんという冒涜!完結された「エクスプロレーションズ」の世界がぶち壊しである。「…ったく何考えているだ!多く曲が入っているから良いというものではない!」と激怒モノである。

 初めて聴かれる方はオリジナルフォーマットに編集し直して聴いてもらいたい「エクスプロレーションズ」である。(しかし、「エクスプロレーションズ」って言い難いなぁ…。ジャズも70Sロックみたいに良い邦題を付けて欲しかった…と思うものである。)


命日に見るNHKアーカイブス「ジャズの帝王マイルス・デイビス」マイルスと手塚治虫の類似点。

2011-09-28 22:15:58 | ジャズ

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  今日、9月28日はジャズの帝王、マイルス・デイビスの命日…ということで、この日曜日録画したNHKアーカイブス「ジャズの帝王マイルス・デイビス」を一人鑑賞。
 
 番組の内容はお馴染みマイルス・フリーク小川隆夫氏と菊池成孔氏のトークをメインに、以前、放映した番組を挿入しながら、マイルスの一生をダイジェスト。限られた時間の中で、分かりやすく編集してあり、好番組だったと思う。ここあたり、いつものフレーズにってしまうが「腐ってもNHK」。

  番組を見た印象は月並みな表現ではあるが、「常に前進するマイルス、偉大だな…」というもの。ビバップからスタートし、モード、エレクトリック、ヒップ・ポップ…と、名声を手にしても守りに入ることなく、常に時代の最前線に位置し、スタイルを変化させていったマイルス、それでいて、トランペット一発、ピュ!だけでマイルスの音楽と分かる自分のヴォイスを持っていたのは「本当に凄い」としか言いようがない…。
 

 思うに、「常に新しい若い才能を意識し、自分もシーンの最前線に居続けようとした」という点で、マイルスは音楽界では唯一無比の存在だったと思うが、ジャンルを広げてみると資質的に最も近かったのは、漫画を芸術の領域にまで高め、かつ常に第一線に居続けようとしていた手塚治虫氏なのではないか…と言う気がする。

  マイルスはロックの台頭をジャズ界の中で唯一意識し、勇敢にエレクトリックの世界に飛び込んでいった訳だが、手塚治虫も一つのジャンルに止まることなく、アニメーション、実験作など新しい世界を開拓していった。そして、後にさいとうたかをなどを始めとした劇画が台頭した際、「手塚は時代遅れ…」と言う声に悩みつつ、対抗心を燃やしたところは、非常にマイルスに近いような気がするのだ。

 ニコニコしていて穏和なイメージが強い手塚治虫だが、水島新司には「あなたは、野球の試合経過を描いていればいいんだから楽でいいね」とのたまい、大友克洋に対しては「あなたが描くような絵は僕にも描けるんです」などと言い(フツーの人はこう言うことは言わないよね…)猛烈な対抗意識を燃やしたことはあまり知られていないような気がする。

 常に前進し続けた巨大な才能、マイルス・デイビスと手塚治虫。実際、制作につき合った方々のプレッシャーは大変なものだったようだが〈実際、手塚治虫氏が作った虫プロでは死者が出ている)、この2人が居なかったら、音楽と漫画は今ある姿と相当違ったものになっていたことは間違いないだろう。その莫大な遺産をこれからも楽しまさせていただこうと思う。


ライル・メイズのソロ・アルバムを聴いて思う。主役にはならない方が良いミュージシャン考。

2011-09-15 22:48:58 | ジャズ

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  前項で触れたパット・メセニー・グループのキーボーディストと言うよりメセニーの片腕的存在のライル・メイズ。パット・メセニー・グループで聴かせるアコースティック・ピアノ・ソロ、オーバーハイム、シンクラヴィアを駆使してのバッキング&ソロ・プレイ…と素晴らしい演奏の私は大ファン。ジャズだけでなく、ロック、クラシックを含め、最も好きなキーボード・プレイヤーの一人である。(1位は勿論キース・エマーソン。)

 そのライル・メイズ、ソロ・アルバムも数枚リリースしているのだが…、期待値が高すぎるということがあるかもしれないが、正直言って、期待ほどのアルバムが作れていないというか、ハッキリ言ってその出来は今ひとつ…。ピアノ・トリオ・アルバム「フィクショナリー」、ピアノ・ソロ・アルバム「SOLO~残響」など、非常に期待して買ったのだが、正直、「……」。あのパット・メセニー・グループで素晴らしいプレイに比べると「う~ん、落ちる…。」というのが正直な感想だ。

 こういう、パーマネント・グループで素晴らしいプレイを聴かせながら、リーダーアルバムを作ると「えっ…、これがあの○○?」というコケた演奏しかできない人というのは、ウエザー・リポートのウェン・ショーター、凄腕ベーシスト、ジェフ・バーリン…を始めとしてジャズの世界などには結構多いような気がする。

 やはり、役者の世界と同じく音楽も、リーダーなどにはならず、サイド・メンとして生きた方が良いというか、グループの一員としてこそ光る人がいるんだな…とライル・メイズのアルバムを聴くと毎回思ってしまうのである。

※ なんか、ライル・メイズのソロ・アルバムについて厳しく書いてしまったが、ファースト・アルバム「ライル・メイズ」は「おぉ、メイズ節炸裂!」という文句なしの傑作アルバムだと思っている。多くの方に是非、聴いていただきたい。


9月15日にビル・エバンス・トリビュートを聴く…。

2011-09-15 22:22:35 | ジャズ

 今日、9月15日はジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの命日。と言うことで、ビル・エバンス関連のアルバムを幾つか聴く。

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  ビル・エバンスに捧ぐ…と謳ったトリビュート・アルバムは本当に数多くリリースされているが、私が一番気に入っているのがパット・メセニーとライル・メイズのデュオ・アルバム「ウィチタ・フォールズ」の中に入っている1曲「9月15日」。メイズのオーバーハイム、アコースティック・ピアノ、メセニーのアコーステック・ギターのしっとりした響きが素晴らしい。

 世の中には、ビル・エバンス人気にあやかったイージーなトリビュート・アルバムも数多いが、この「9月15日」はそんなアルバムと一線を画す素晴らしさ。ビル・エバンスが好きな方がいたら、是非、聴いていただきたい一曲だ。