昨日は国立大学の2次試験日。私の子供はまだ小学校3年生なのでまだまだ先の話だが、親戚の子供達が数名受験する…ということで、それなりに気になる。
国立大学の授業料については、私が受験した30年前は授業料が25万2000円、入学金が12万円…という感じで、まだ割安感があったものだが、今や授業料が53万5800円、入学金が28万2000円…トータル80万円超…と倍以上になっていて、「本当に高くなったなぁ…。」という印象。
さらに遡れば昭和50年には国立の授業料は3万6000円、それに対して私立大学は18万2700円で5.1倍の差があったものが、今や1.6倍差まで縮小してきているので、経済的に国立大学に進学するアドバンテージというのは相当に薄れているのは確か。前にも触れたことがあるが、この半世紀、国立大学の授業料ほど値上がったものはないのではないだろうか?
国立大学の授業料はどの程度の水準であるべきか?と言う問題については、考え方次第であって、答えのない質問…という感じがするが、少なくともこの30年あまり進んできた大幅値上げにより、国立大学に進学するメリットは確実に減ってきたことは確か。さらに言うと、全国各地に分散して配置されている国立大学に対し、首都圏に集中して立地している私立大学、この両者の進学費用の縮小が、東京一極集中に働いたことは間違いないだろう。
実際問題、地元国立に進学する…と言っても、自宅から通える…という人は国立大学が立地する県庁所在地周辺(それも希望する学部があって、学力的にフィットする場合)に限られる訳だし、多くの場合、結局、下宿代が掛かってくる訳で、それを含めると国立大学と言えども、授業料4年分+下宿代で最低600万円超。首都圏私立に出すのに比べれば圧倒的に楽なのだろうが、それでも莫大な費用…というのは間違いないという事で、地方に住む親としては頭クラクラ状態ではないだろうか。
給与水準がどんどん下がり続け、将来の展望も見えない中、首都圏を始め、遠方の大学に送り出せる地方に住む親はどんどん減って、人口の動きが停滞、活力がどんどん失われる…そんな社会に未来はあるのだろうか?
せめて、子供の学費を捻出している親、特に地方から仕送りをしている家庭には大幅な税制上の措置をすべきなのではないだろうか。奨学金を借りた方の破綻も進んでいるようだし、ここあたり、真剣に取り組んで欲しいところだ。
なんか暗い話になってしまった。とりあえず、親戚の子供達の合格を祈りたい。