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りゅーとライフ

(MiddleTown Dreams)「りゅーとぴあ」と「ビッグスワン」をフランチャイズに新潟生活を楽しんでいます。

土曜日の本 復刊「マイルス・デイヴィス自伝」 ショック!中山康樹さんって亡くなっていたのか…。

2015-04-26 19:06:40 | 

 

 土曜日、郊外書店 知遊堂 にて中山康樹氏による新訳「マイルス・デイヴィス自伝」を購入。
 「マイルス・デイヴィス自伝」は何度か翻訳されてきたが、私は購入するのは初めて。裏の訳者 中山康樹のプロフィールを見て驚いたのは、「中山康樹2015年1月28日に没 享年62」。マイルス本を始め、本当に精力的に本を出していた中山さんが亡くなっていたとは…。訳者あとがきの日付は2015年1月、まさに、本書が中山さんの遺作になってしまった。

 中山氏はスイングジャーナルの編集長を務めるともに、「マイルスを聴け!」など多くのマイルス本を出していたマイルス信者、マイルスの伝道師で、私も氏の著作によってマイルス、それにジャズの魅力にどっぷりとはまって行った…と言うことで本当にショック。

 復刊「マイルス・デイヴィス自伝」が氏の最後の仕事になってしまった訳だが、マイルスに捧げた人生、本望だったのかも知れない。

 500ページに渡る本書、マイルスと中山氏を思いながらじっくりと読むことにしたいと思う。遅ればせながら中山康樹さんのご冥福をお祈りします。


新潟粋人 SAITO休刊。忘れないぜ…今までどうもありがとう、お疲れ様でした。

2015-03-30 23:08:43 | 

 春は別れの季節…、私が創刊以来ファンだったニューズライン社が発行していた季刊「新潟粋人 SAITO」が今号をもって休刊になったことに改めて気づく。(購入したのは先月末だったのだが、気が付いたのは今日。余裕がなかったんだなぁ…。)

 この「新潟粋人 SAITO」、新潟を愛する人たちに、上質な読み物と情報を提供する「新潟発の大人の情報誌」をコンセプトとして、2008年に創刊、年4回、季刊として発行されてきたのだが、ついに力尽きたか…という感じ。クオリティは極めて高かったと思うのだが、なにしろ、マーケットは県内に限られていたので、1読者としては、正直、よくぞここまで続いてきたな…という感じで、「今までどうもありがとう、お疲れ様でした。」と言うのが本音。

 一応、全22号、保存してあるので、たまに読み返して「こんな雑誌が新潟にも存在したんだなぁ…。」と思い返したい。スタッフの皆さん、お疲れ様でした。


松谷明彦著「東京劣化」 「人は見たいものしか見ない」byカエサルを実感するなぁ…。

2015-03-19 07:06:28 | 

 

 出たばかりの新書「東京劣化 地方以上に劇的な首都の人口問題」を一読。著者は大蔵省で審議官まで勤め、現在、政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏。

 少子化が進行、これから劇的にシュリンクしていくのが確実視されている我が日本。一般的に地方の集落の消滅など、地方負け組、東京勝ち組…というムードがあるわけだが、筆者は、既に高齢化が一段落している地方よりも、これから急激な高齢化に見舞われる東京の方がヤバイと警告。インフラが維持できず、スラム化が進行、年金給付額の大幅引き下げにより高齢者の多くが家を失う…など暗い話が満載。

 世には「日本はやっぱり凄い!」とか「日本経済はこれからバラ色!!」みたいな本も出ている訳だが、これだけ少子化が進み、高齢者ばかりになることが確実視される国が活力を維持できると言うのはどう考えても無理があるわけで、本書が描く暗い未来に「そりゃ、そうだよなぁ…。」といちいち納得した次第。(ただ、多くの経済・社会系の本がそうであるように、具体的提言になると公共賃貸住宅を大量につくれとか、東京の職人技を武器にせよ…とか、一気に説得力がなくなるのが残念。)

 カエサルは「人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない。」と言ったそうだが、人間、暗い現実から目を逸らしたくなるのは自然なことだし、そうでもしないと精神的に参ってしまう生き物なのだろう。ただ、為政者がそうであったら困るのだが…そんなことを思った 松谷明彦著「東京劣化」だった。


土曜日の本 トマ・ピケティ「21世紀の資本」購入。やっぱり本は自分の金で買わないとね。

2015-02-07 17:59:29 | 

 

  買わないで済ますつもりだったトマ・ピケティの「21世紀の資本」だが、NHK Eテレで放送していた「パリ白熱教室」が結構面白かったので、結局、購入することに。

 本書、価格は5,940円(税込)ということで、私が買った本の中では保坂正康著「昭和陸軍の研究(上下)」(8,800円)、山田朗著「昭和天皇の軍事思想と戦略」(6,000円)に次ぐ高額本となった。

 まぁ、レコード(CD)もそうだと思うのだが、本もやはり自分の金で買わないとなかなか本気になって読まないので、ここあたりは致し方ない…と言ったところだろうか。(結構、積読も多いけど。)

 600ページを超える大著だが、基本的に一般向けに書かれていて、結構、面白く読んで行けそう…ということで、気楽に読み進めていきたいと思う。


2015年の焦点はやっぱり格差是正じゃないかな…。

2015-01-08 21:23:33 | 

 正月休みを利用して、ツンドク状態にあった日本近代史研究の碩学、坂野潤治氏の最新作「〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等」を一読。

 内容の方は明治維新以後、自由民権運動、男子普通選挙制の施行と民主化は漸次進んでいったものの、社会的格差の是正は進まず、それが進んだのは、民政党、政友会による政党政治下ではなく、日中戦争後の総力戦体制下であった…というもの。自分の知識不足もあり、ちょっと読みにくいところがあったが、結構、興味深く読ませていただいた。

 かなり前に「格差論」が話題になったことがあるが、世界中でベストセラーになったトマ・ピケティの「21世紀の資本」が日本でも発売され、今年あたり、また格差問題が大きな話題になってきそう…という感じ。

 今現在、共産主義は崩壊し、いろいろ問題はあってもマーケット・メカニズムを利用して、修正資本主義でやっていくしかない…ということで、各国とも試行錯誤しながら経済運営を行っている訳だが、グローバル経済の進行、それにテクノロジーの進歩により、ほとんどの先進国において経済格差は拡大しているのが現状で、我が日本でも、急激に格差は拡大している…というのがほとんどの人の共通認識になっているのではないだろうか?

  「経済格差をどう考えるか?」については、その人の生い立ち、時代背景が色濃く反映されると思うのだが、地方出身、一個人商店の息子として生まれ、高度経済成長末期に育った私としては、あまちゃんと言われそうだが、「生まれに関わらず、能力があってがんばった人が報われる社会であって欲しい…。」という思いがある。(ほとんど幻想だと思うけど。)

 ただ、実際には、現在の日本は有形無形の親の資産が子供に継承され、階層の固定化が進展、はっきり言って「努力してもほとんど無駄…。」という社会になってきているんじゃないかな…。」という気がする。

 経済格差の是正については、資本主義が成立してから、まさに永遠のテーマな訳だが、あまりに放置しておくと社会不安が増大、治安の悪化まで引き起こす。

 基本的に、現政権は新自由主義を基本とし、打ち出している政策も、贈与税の非課税枠拡大など、格差拡大をターボする可能性のあるものがメイン。

 個人的には一律給付などのバラマキ政策には反対だが、国立大学の授業料引き下げや、子供を持つ世帯への減税など、階層の固定化、生まれによる諦め…が生じないような政策を考えてもらいたいと思う次第である。