どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう
先ごろ、三郎から聞いたばかりのあの歌を一郎は夢の中でまたきいたのです。
びっくりしてはね起きて見ると、外ではほんとうにひどく風が吹いて、林はまるでほえるよう、あけがた近くの青ぐろいうすあかりが、障子や棚の上のちょうちん箱や、家じゅういっぱいでした。一郎はすばやく帯をして、そして下駄をはいて土間をおり、馬屋の前を通ってくぐりをあけましたら、風がつめたい雨の粒といっしょにどっとはいって来ました。
(宮沢賢治 「風の又三郎」)
これを読むことがワシにとって夏と秋の交替を意味する。もう何回読んだかな。そしてあと何回読めるかな。
今年も読めたことに感謝。
先週の台風は又三郎だったのかも。
「夏」
四季あれど 去りゆく影を 残す夏
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