The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

シベールの日曜日

2007年11月06日 | 映画について

あらすじ

戦争中パイロットだったピエール(ハーディ・クリューガー)は戦線で少女を射殺したと思いこみ、それ以来、みずから激しい戦に加わり、墜落のショックで彼は記憶喪失性となってしまう。
恋人マドレーヌ(ニコール・クールセル)の愛情も、友人である芸術家カルロスの友情もピエールの孤独な心を救えずにいた。

失った記憶を求め、町をさまようピエールは、ある夜、父に連れられ泣く泣く寄宿学校を訪れる少女に出会う。少女は父親から見捨てられ寄宿学校に入れられるところだったのだ。

“フランソワーズと名乗る幼い少女―――「でも違うの。本当はとても綺麗な名前よ。教会の鐘の上の鶏をとってくれたら教えてあげるわ。」2人は日曜日ごとに逢うことを、約束した。



二人は日曜日ごとに会い、互に孤独な二人の間には汚れのない愛情が生れていった。
日曜日は二人にとって貴重な時間となったが、この日曜日を守るために、彼等は周囲に嘘をいわねばならなかった。マドレーヌもこの嘘に気づき心配して後を追ったが、池の畔で遊ぶ二人の姿は汚れのない美しいものだった。

ピエールと少女は父と娘として装ってきたが、そんな嘘はいつまでもつづくはずがなかった。
クリスマスがやってきた。いつものように二人は池の畔で楽しいクリスマスイブを過ごしていた。

ピエールを唯一の友人と思っている彼女は、はじめて本当の名前は「シベール」(異教的、という理由で名乗れなかった。神話の女神の名前)だと告げるのだった。

一方、マドレーヌはピエールの不在に気づき相談相手の医師ベルナールに助けを求めた。
ピエールを頭から変質者扱いにしている彼は早速警察に連絡してしまう。
警察もベルナールと同じく父親でもない男が少女と恋人同士のようにしているのに少女の危険を感じた。警官達は二人の楽しいクリスマスの現場に踏み込んできた。彼等はピエールを銃殺してしまうのだ。

シベールは池の畔でいつまでも泣き続けた……。ピエールもいなくなった。シベールはまた一人ぼっちになってしまったと。


 映画の最後、二人だけでクリスマスパーティー。

そこで、少女は言います。

「クリスマスプレゼントをあげる。 私の本当の名前をあげる。私は今、フランソワ―ズって呼ばれているけど、 本当の名前はシベールっていうの。シベールっていうのは大地の女神様の名前なの。 これをあなたにあげる」

主人公にマッチの箱を差し出す少女。その中に入っている紙には「cybele」と…。

この少女は、主人公を心から愛していて、何も上げられない中で、自分の一番純粋なもの、 「私の名前」をあげる。



ラスト、射殺されたピエールの元で、シベールが 「もう私には名前がないの。もう私は誰でもないの」といって泣くらしいのです。



見たわけではないのですが、憧れの映画です。