漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 316

2024-02-26 05:56:46 | 貫之集

くれなゐの しぐれなればや いそのかみ ふるたびごとに のべのそむらむ

紅の しぐれなればや いそのかみ ふるたびごとに 野辺のそむらむ

 

まるで紅の時雨が降っているかのように、時雨が降るたびに野辺の紅葉が濃く色づいている。

 

 「いそのかみ」は「石上」で、今の奈良県天理市の「布留」と呼ばれる地域の古称。「ふる」との音から、「古」「降る」などの枕詞として使われます。このあと 575 にも登場する他、古今和歌集にも五首例があり、うち一首は貫之の入集歌となっていますね。
 本歌は、新千載和歌集(巻第五「秋下」 第574番)に入集しています。

 

いそのかみ ふるのなかみち なかなかに みずはこひしと おもはましやは

石上 ふるの中道 なかなかに 見ずは恋しと 思はましやは

(古今和歌集 巻第十四「恋歌四」 第679番)

 



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