漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 412

2024-06-01 05:59:17 | 貫之集

八月、鹿の鳴くを聞く

こころしも かよはじものを やまちかみ しかのねきけば まさるこひかな

心しも かよはじものを 山近み 鹿の音聞けば まさる恋かな

 

八月、鹿の鳴くのを聞く

想いが通じずにいるのに、山が近いので聞こえてくる鹿の鳴く声を聞くと、いっそう恋心が増してくる。

 

 第三句「近み」は形容詞の語幹+「み」で、理由を表す語法。「近いので」、の意ですね。