漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 422

2024-06-11 04:55:57 | 貫之集

出立つ人の返し

おもふひと とどめてとほく わかるれば こころゆくとも わがおもはなくに

思ふ人 とどめて遠く 別るれば 心ゆくとも わが思はなくに

 

旅立つ人の返し

想いを寄せる人を残して遠くに旅立つので、さあ出発しようなどと言う気持ちには私はなれない。

 

 421 に対する返礼の歌。貫之が、旅立つ人、それを見送る人、両方の気持ちになぞらえて一首ずつ詠んだということですね。