漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0543

2021-04-25 19:15:39 | 古今和歌集

あけたてば せみのをりはへ なきくらし よるはほたるの もえこそわたれ

明けたてば 蝉のをりはへ 鳴きくらし 夜は蛍の 燃えこそわたれ

 

よみ人知らず

 

 夜が明けると蝉のように一日泣き暮らし、夜は蛍のように燃える思いに身を焦がし続けていることよ。

 「をりはへ」はいつまでも続ける意の動詞「折り延ふ」の連用形ですが、ここでは名詞的に使われていますね。昼夜隔てなく恋の思いに苦しむ身の上を詠んだ切ない歌です。