漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0527

2021-04-09 19:09:31 | 古今和歌集

なみだがは まくらながるる うきねには ゆめもさだかに みえずぞありける

涙川 枕流るる うき寝には 夢もさだかに 見えずぞありける

 

よみ人知らず

 

 涙川に枕を浮かべて寝るのでは、夢もはっきり見えることがないことだ。

 恋の苦しさに涙しながら寝るのでは、夢すらもはっきり見ることができない、という歌。「うきね」とは、Weblio古語辞典によれば、①水鳥が水上に浮いたまま寝ること ②(水上にとめた)船で寝ること ③流す涙に浮くほどの悲しみをいだいて寝ること といった意の言葉ですが、ここでは③ですね。また、「うき」は「憂き」との掛詞にもなっているように思います。