なみだがは まくらながるる うきねには ゆめもさだかに みえずぞありける
涙川 枕流るる うき寝には 夢もさだかに 見えずぞありける
よみ人知らず
涙川に枕を浮かべて寝るのでは、夢もはっきり見えることがないことだ。
恋の苦しさに涙しながら寝るのでは、夢すらもはっきり見ることができない、という歌。「うきね」とは、Weblio古語辞典によれば、①水鳥が水上に浮いたまま寝ること ②(水上にとめた)船で寝ること ③流す涙に浮くほどの悲しみをいだいて寝ること といった意の言葉ですが、ここでは③ですね。また、「うき」は「憂き」との掛詞にもなっているように思います。