漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0528

2021-04-10 19:09:19 | 古今和歌集

こひすれば わがみはかげと なりにけり さりとてひとに そはぬものゆゑ

恋すれば わが身は影と なりにけり さりとて人に そはぬものゆゑ

 

よみ人知らず

 

 恋をしたので、私の身は影になってしまった。さりとて、いとしいあの人に寄り添うことはできないけれど。

 恋の苦しみのために、自分自身の存在をはっきりと感じられなくなってしまったという詠歌。それほどまでに苦しんでいるのに、相手のそばに寄ることのできない辛さですね。