漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0505

2021-03-18 19:05:45 | 古今和歌集

あさじふの をののしのはら しのぶとも ひとしるらめや いふひとなしに

浅芽生の 小野の篠原 しのぶとも 人知るらめや 言ふ人なしに

 

よみ人知らず

 

 私が心に忍ばせたこの恋心をあの人は知っているだろうか。いや、知りはしない。誰も告げる人がいないのだから。

 初二句は第三句の「しのぶ」を導く序詞。「人」が2回出てきますが最初の「人」は作者が思いを寄せる相手、次の「人」は周囲など一般の人々を指していますね。
 この歌を本歌取りした著名な歌が百人一首(第39番)に採録されています。こちらの方が良く知られていますね。

 

あさじふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき

浅芽生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき

 

参議等

(後撰和歌集 巻第九「恋歌一」 第577番)