漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0504

2021-03-17 19:18:05 | 古今和歌集

わがこひを ひとしるらめや しきたへの まくらのみこそ しらばしるらめ

わが恋を 人知るらめや しきたへの 枕のみこそ 知らば知るらめ

 

よみ人知らず

 

 私の恋心を人は知っているだろうか。いや、知っているとしたならばそれは枕だけであろう。

 「しきたへの」は「枕(まくら)」「床(とこ)」「衣(ころも)」「袖(そで)」などに掛かる枕詞。人知れない恋を枕が知っているというモチーフの歌は、少し先になりますが 0670 にも出てきます。

 

まくらより またしるひとも なきこひを なみだせきあへず もらしつるかな

枕より また知る人も なき恋を 涙せきあへず もらしつるかな

 

平貞文