漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0493

2021-03-06 19:23:10 | 古今和歌集

たぎつせの なかにもよどは ありてふを などわがこひの ふちせともなき

たぎつ瀬の 中にも淀は ありてふを などわが恋の 淵瀬ともなき

 

よみ人知らず

 

 激しく流れる早瀬の中にも淀みはあるというのに、どうして私の恋情は淵瀬もなく、激しくたぎるばかりなのであろうか。

 「ありてふ」は「ありといふ」が略されたもの。抑えきれない激しい恋情を早瀬の激流に準えて詠んでいます。