漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0491

2021-03-04 18:50:28 | 古今和歌集

あしひきの やましたみづの こがくれて たぎつこころを せきぞかねつる

あしひきの 山下水の こがくれて たぎつ心を せきぞかねつる

 

よみ人知らず

 

 山蔭を流れる水が木々に隠れながら激しく流れるように、私の恋心もせき止めることは叶わず激しく沸き立つのであるなあ。

 「せきぞかねつる」が少しわかりづらいですが、「せき」は「堰」、「かねる」は「~しかねる」「~できかねる」と言うときの「かねる」で、「できない」の意。流れの激しさだけでなく、人知れず山間を流れる水に準えて、秘めた恋情を歌い上げています。