やまたかみ したゆくみづの したにのみ ながれてこひむ こひはしぬとも
山高み 下ゆく水の したにのみ 流れて恋ひむ 恋は死ぬとも
よみ人知らず
山が高いので、登ることのできない水は低い山蔭を人知れず流れるばかり。それと同じように、私もひっそりと泣きながら恋しく思い続けることにしよう。たとえ恋死にしてしまうとしても。
少しわかりにくいので、かなり言葉を足した解釈にしてみました。「山が高い」のは、恋の障害の比喩でしょう。山の高さにあらがえず低いところ流れる水のように、自分もひっそりと思い続けようという歌です。