漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0494

2021-03-07 19:50:08 | 古今和歌集

やまたかみ したゆくみづの したにのみ ながれてこひむ こひはしぬとも

山高み 下ゆく水の したにのみ 流れて恋ひむ 恋は死ぬとも

 

よみ人知らず

 

 山が高いので、登ることのできない水は低い山蔭を人知れず流れるばかり。それと同じように、私もひっそりと泣きながら恋しく思い続けることにしよう。たとえ恋死にしてしまうとしても。

 少しわかりにくいので、かなり言葉を足した解釈にしてみました。「山が高い」のは、恋の障害の比喩でしょう。山の高さにあらがえず低いところ流れる水のように、自分もひっそりと思い続けようという歌です。