アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

974回 あちゃこの京都日誌  新シリーズ「新天皇国紀」㉙

2023-02-17 08:54:03 | 日記

ここまでの着眼点

② 兄弟相続がまだあたりまえの時代

 

 意外なことに、醍醐天皇から後三条天皇までの11人の天皇で、親子相続なのは2例しかない。甥への継承が3例あるので、5例は次世代につないでいるが、なんと兄弟・従兄弟への継承が6例もある。藤原摂関家の思惑が原因だが、古代に多くみられる兄弟相続の習慣が強く残っていたと考えられる。古い歴史では、親子相続では末子相続が主流だった。現代でも末っ子が一番可愛いもので、もしその母が異なると晩年の父親は当然、あとからもらった奥さんとの子を一番可愛がる。現代でも企業の後継者争いなどでは、本妻の子とお妾の子で骨肉の争いになる事件は多い。しかも寿命の極端に短い古代では、相続させる時点で一番若い子に託すのが当たり前の発想だったのかも知れない。その後、兄弟相続が主流になって、長子相続へと変化して行く。壬申の乱などは、兄弟相続が当たり前でなければありえない大乱である。そして後三条天皇の頃は、それらが混在していて、まだまだ不安定な時代だったようだ。そこを藤原氏があらゆる理屈をつけて自らに有利なように皇位継承を操っていたのだ。それを後三条天皇を境に親子相続が主流になってひと時は安定して行く。ただし、持明院統・大覚寺統を経て南北朝時代という大混乱を除けばということになる。

後三条天皇 | 世界の歴史まっぷ

単純に親から子への継承は意外に少ない。