歳時記を書いていると、旧暦で行う行事と明治以降の新暦で行うようになった行事とがある。従って新暦で行う行事には季節感からすると違和感が出てくる。例えば「節分」その翌日の「立春」は、季節を分けるので節分と言うのだが、現在ではまだまだ寒さが本格化する時期である。これが旧暦で3月初旬ならどうだろうか。このような体感的な違和感が起こる。また、東京でのお盆は新暦で、関西は旧暦で行う。7月に大文字焼が行われるとチョッとせわしないかもしれない。
さて、9月は旧暦の八朔である。「田の実の節」である八朔なので、新暦ではピンと来ない。不思議なことに祇園花街では8月に行う。一方、市内の寺社では、旧暦のこの時期一斉に八朔関連行事が行われる。近々刈り取られる田んぼの稲の出来を願う。確かに毎週のように台風が今年も来ている。無事多くの稲穂がなるように切に願うのだ。
松尾大社とご神体を祀る高御座のある松尾山
松尾大社では、女御輿が有名だ。検定的には、主催が「やまぶき会」であること。但し誰でも参加できるようだ。御輿好きなギャルが集まる。
「田の実」は、「頼み」につながる事から、早稲の穂をお世話になった方々に贈り「恩に報いる」ものでもあった。また、江戸以降は、家康が江戸城に入城した日が8月1日であった事や、後水尾上皇が好んで「八朔祭」を行った事もあって貴賤を問わず盛んになったと言われている。
大堰川の流れを操作し桂川周辺を開拓した秦氏(渡来系)を祭神にする松尾大社では、「六斎念仏」や「奉納相撲大会」など付属行事も行われる。
亀の井と