わくわく CINEMA PARADISE 映画評論家・高澤瑛一のシネマ・エッセイ

半世紀余りの映画体験をふまえて、映画の新作や名作について硬派のエッセイをお届けいたします。

3:11巨大地震発生から1週間たちました!

2011-03-17 18:01:05 | 映画雑談

Img408東北関東大震災発生から1週間が経過しました。
埼玉県東部でも、昨日から激しい寒風が吹きすさんでいます。
相変わらず余震が続いていますが、昨日今日はやや少なめになったようです。
それにしても、東北被災地への救援、原発事故、計画停電、日用品の買い占め、などなどに対する政府当局や電力会社の対処の仕方を歯がゆく思っています。
いま、ぼくらに出来ること、たとえば近隣の人々との助け合いだけでも続けたいものです。
日本の人々の災害に対処し得る能力、感情の細やかさは、とても優れていると思います。
きっと近いうちに、元の日常生活を取り戻すことが出来ると信じています。
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ところで映画界では、クリント・イーストウッド監督の「ヒア アフター」が上映中止となり、3月26日から公開予定だった中国映画「唐山(とうざん)大地震-想い続けた32年-」が公開延期になりました。東南アジアの海辺のリゾートを巨大な津波が襲い、巻き込まれたフランス人女性ジャーナリストが瞬間的な死を垣間見る、というくだりから始まる「ヒア アフター」の上映中止は、今回の東北の悲劇を思えば当然のことでしょう。この作品は、臨死体験や死後の世界を主題にしながらも、津波を一種のスペクタクルとしてとらえているからです。見たときには、思わず唖然としてしまいました。
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いっぽう、1976年7月28日に中国河北省唐山市で実際に起こった大地震をもとに製作された「唐山大地震-想い続けた32年-」は、感動的なヒューマン・ドラマです。父親を地震で亡くした双子の少年と少女が離れ離れになり、それぞれ母親と他人の元で育てられる。やがて32年後の2008年5月12日、四川大地震が発生。成人して、異なる人生を送る二人は、救援ボランティアとしてやって来た四川でめぐり会います。監督は、「女帝〔エンペラー〕」「戦場のレクイエム」などでヒットメーカーとなったフォン・シャオガン(馮小剛)。自らに降りかかった不幸を新たな災害救助への活力とする、という主題に胸を打たれます。
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東北関東大震災発生以来、近くのシネコンは営業中止になっています。
ネットで見ると、映画館での上映の有無は、それぞれ問い合わせを、ということになっているようですね。
どうやら映画興行界で一斉に申し合わせ、という具合にはなっていないようです。
もっとも、余震、交通マヒ、停電が続くいま、映画を見に行くことなど出来ませんよね。
近いうちに、映画館で安心して映画が楽しめる日が来ますように!!


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