
「入ります!」の名台詞で任侠映画ファンに愛された女賭博師シリーズは、江波杏子のはまり役だった。第1作「女の賭場」は、江波にとって58本目にして初めての主演映画というから驚く。それも事故で降板した若尾文子の代役だったという。急遽、予定されていた俳優が何らかの理由により出演できなくなることはよくあるが、本来演じるはずの俳優以上に演じきるのは容易なことではないだろう。
72年6月23日、スイスのジュネーブ湖岸に面するモントルーで開催されたジャズ・フェスティバルでこの不測の事態が起きた。予定されていたオスカー・ピーターソンが出演を断ったことから騒動が始まる。主催者はステージに穴をあけるわけにはいかず慌てて代役を探すのだが、ジャズピアノの巨匠の代役となれば、ピアニストなら誰でもとはいかない。そして白羽の矢が立ったのはレイ・ブライアントだった。それまで大舞台でソロ・ピアノを弾いたことがないブライアントは躊躇するが、先輩格であるピーターソンの代役なら名誉とばかりに意を決する。この舞台は江波杏子同様、水を得た魚のように活き活きとしたソロを繰り広げ聴衆を圧倒した。
ブライアントのディスコグラフィーを紐解くとモダンジャズの歴史を見るようだが、マイルスを初め、ロリンズ、ブレイキー等々、さらにベティ・カーターやカーメン・マクレイの歌伴、ビッグネイムのアルバムに参加しているにもかかわらず意外に印象は薄い。「ゴールデン・イヤリング」を筆頭に、数枚のリーダーアルバムは直ぐに浮かぶだろうが、サイドとして加わったアルバムを思い出せるだろうか。それは主役を立てることに徹底してまわっているからであり、決して主役以上のソロを取らない脇役を心得ているからである。それがひとたび主役に立つとモントルーの観客を一瞬にして魅了する力を発揮するのだ。
モントルーから十数年後、当地でブライアントのソロを聴いた。モントルーとは比べようもない小さなステージだったが、あの大舞台と同じように気負いも気取りもなく、またよくある地方公演の手抜きもなく、ゴスペルを基盤とした味わい深いブルースを鍵盤に刻んでゆく。直向きに自分のジャズ人生を鍵盤に映し出しす姿は、巨匠と呼ぶのが相応しかった。その巨匠の代役は、どんなピアニストでも務まらない。
72年6月23日、スイスのジュネーブ湖岸に面するモントルーで開催されたジャズ・フェスティバルでこの不測の事態が起きた。予定されていたオスカー・ピーターソンが出演を断ったことから騒動が始まる。主催者はステージに穴をあけるわけにはいかず慌てて代役を探すのだが、ジャズピアノの巨匠の代役となれば、ピアニストなら誰でもとはいかない。そして白羽の矢が立ったのはレイ・ブライアントだった。それまで大舞台でソロ・ピアノを弾いたことがないブライアントは躊躇するが、先輩格であるピーターソンの代役なら名誉とばかりに意を決する。この舞台は江波杏子同様、水を得た魚のように活き活きとしたソロを繰り広げ聴衆を圧倒した。
ブライアントのディスコグラフィーを紐解くとモダンジャズの歴史を見るようだが、マイルスを初め、ロリンズ、ブレイキー等々、さらにベティ・カーターやカーメン・マクレイの歌伴、ビッグネイムのアルバムに参加しているにもかかわらず意外に印象は薄い。「ゴールデン・イヤリング」を筆頭に、数枚のリーダーアルバムは直ぐに浮かぶだろうが、サイドとして加わったアルバムを思い出せるだろうか。それは主役を立てることに徹底してまわっているからであり、決して主役以上のソロを取らない脇役を心得ているからである。それがひとたび主役に立つとモントルーの観客を一瞬にして魅了する力を発揮するのだ。
モントルーから十数年後、当地でブライアントのソロを聴いた。モントルーとは比べようもない小さなステージだったが、あの大舞台と同じように気負いも気取りもなく、またよくある地方公演の手抜きもなく、ゴスペルを基盤とした味わい深いブルースを鍵盤に刻んでゆく。直向きに自分のジャズ人生を鍵盤に映し出しす姿は、巨匠と呼ぶのが相応しかった。その巨匠の代役は、どんなピアニストでも務まらない。
レイ・ブライアントの作品はサイド作を含めると100枚近くに登ります。今週はブライアントのお好みのアルバムをお寄せください。
管理人 Ray Bryant Best 3
Ray Bryant Trio (Prestige)
Alone At Montreux (Atlantic)
Ray Bryant Plays (Signature)
エピックからエマーシーまでリーダー作は粒よりの作品が揃っておりますので、何が挙げられるのか楽しみです。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
今日は地元のお祭りだったので普段よりお客様が多く、珍しく真面目に仕事をしました。
基本的に真面目に働くようにできていまいので疲れました。(笑)
今週は、レイ・ブライアントですか。
duke様の挙げられた3枚は気に入っており、大賛成!と行きたいところですが、「何しに来たんだ!」とドヤサレそうなので・・・
「アローン・アット・モントルー」
大好きだ!
「レイ・ブライアント・トリオ」
内容的には一番だが、ゴールデン・イアリングスを聴きすぎてチョット飽きているので2番!
次は「レイ・ブライアント・プレイズ」と行きたいところだが、これって上の2枚と比べると何かが足りない!
と言う訳で3番は
「アフター・グロウ」カーメン・マクレエ
ブライアントのセンスの良いサポートが光る!
お祭りでお店のほうも賑わったようですね。基本的に人は真面目に働くようにできておりますので、一部そうでない方は疲れることでしょう。でもご心配ありません。明日からは私同様、堕落と退廃の生活に戻ります。(笑)
トップにモントルー、そしてゴールデン・イアリングス、順当に挙がったところで、「アフター・グロウ」がきましたか。マクレエの歌伴をしておりましたので、ツボを得たバッキングは見事です。目立たず、さりげなく、そしてシンガーをより歌わせる術、ピアノトリオとしての歌伴の在り方の手本を示しております。
ソロ・ピアノは、老後の楽しみに取ってあるのだが、彼のピアノは別。
1位は、Alone At Montreux (Atlantic)
2位は、Ray Bryant Trio (Prestige)
3位は、管理人の軍門に下るのは潔しとしないので
Con Alma / Ray Bryant (Columbia)にしとくべ。
お久しぶりでーーす。
あまり書き込みはしてませんが、、
時々 ちゃんと 拝読してます。。
いつも マニアックなジャズファンばかりで
楽しいブログですねえ
レイブライアントは70年代後半、、北九州のジャズ喫茶アベベにソロで来た時に、ライブを
ただで聴いた事があります。
当時バイトでウェイターやってましたんで。
力強いタッチ ブギウギピアノを思わせる
ファンキーなピアノは 大変ユニークな
印象でした。
ステージオフの時も ファンを大切にする
良いヤツでした。
アルバムは
Alone At Montreux
Ray Bryant Trioくらいしか浮かびませんが。
きっと根強いファンがいるんでしょうねえ
中でも、ゴールデン・イヤリングス。
そして、このアルバムをきっかけにしてレイ・ブライアントばかり随分聴いた時期がありました。
ベスト3と言うと、dukeさんが挙げられたものになってしまいそうですが、同じでも芸がないのでちょっとだけ変えました。
Ray Bryant Trio (Prestige)
Alone At Montreux (Atlantic)
Little Susie (CBS)
ブライアントは2度聴きました。最初は網走でしたが、平日のため到着したのは始まる直前、当然後ろの席でした。次いで当地のライブでは主催者側でしたので、これも後ろでした。かぶりつきで聴けなかったのが残念です。因みにブライアントのケータリングは、ケンタッキーのフライドチキンがご指名でした。かぶりついていましたよ。
ワンツーと名盤が並んだところで、コンアルマがきましたか。この時期聴きたい「枯葉」がいいですね。本当はシグネイチャー盤を挙げたかったのではありませんか。(笑)
ソロピアノはほとんどのピアニストが挑戦しておりますので、老後は十分楽しめますね。そのうちソロピアノ・ベストも話題にしますので、老後を待たずして聴く機会があるかもしれませんよ。
ブライアントのソロライブは全国各地でスケジュールが組まれましたので、お聴きになった方も多いと思われます。おそらく何処の会場も満席だったことでしょう。
ヒット曲のオンパレードでしたが、レコードで聴くのとは大きな違いでした。めりはりのある音と、ツボを得たフレーズは素晴らしかったですね。ビッグネイムと共演しているだけのことはあります。
打ち上げでも気軽にサインに応じてくれましたし、気さくな人でした。
ブライアントは本国よりも日本で人気あるピアニストですが、やはりゴールデン・イヤリングスの決定打があるからでしょう。サビの部分は何度聴いても飽きませんし、思わず唸りますね。日本企画ではよくこの曲が取り上げられますが、未だにブライアントを上回る演奏は聴いたことがありません。
トリオとソロ、トップ争いが微妙になってきました。録音年も編成も違いますので、それぞれに味わい深いものがあります。
Little Susie はジャケがいいですね。ジャケだけで温かい演奏が聴こえてきそうです。ソー・イン・ラブが好きなトラックです。
感じますね。
ベスト3は、以前うちのBBSでやった時と
変わっていないので。
↓
①「Ray Bryant Trio」(Prestige)
やはり、極めつけはこれでしょうか。
ジャンゴ、エンジェル・アイズ、ゴールデン・イアリング・・・
いずれも、数ある名演の中でも屈指の名演だと思います。
②「Potpourri」(Pablo)
Jimmy Rowser(b), Micky Roker(ds)とのトリオで、'80年の作品。
円熟したレイの魅力を満喫できる逸品。
③「Gone With Golson/ Benny Golson」(NewJazz)
サイド参加作からは、この作品を。
枯葉でのブライアントのソロは、落涙ものですよ。
もちろん、シグネチャー盤もいいし、
誰も挙げませんがEpic の「Ray Bryant Trio」も
悪くないと思います。