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デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

私のせいじゃないわ

2025-05-25 08:25:55 | Weblog
 ♪Don't blame me, For falling in love with you ,I'm under your spell ,But how can I help it? Don't blame me・・・あなたに恋した私を責めないで、あなたの魔法のせいよ、どうしたらいいの?私を責めないで・・・1933年にドロシー・フィールズとジミー・マクヒューの作詞、作曲家コンビが書いた曲の一節だ。うつむき加減で微笑む奥ゆかしい女性を思わせる詞である。そこはかとない色気まで漂う。

 前回話題にしたドルフィーのイン・ヨーロッパVol.2のトップに収められている「Don't Blame Me」である。パーカーが取り上げたことで一躍アドリブの素材として注目されたが、少ないながら歌詞を丁寧に織り込んだヴォーカルもあるのだ。ビリー、コール、サラ、リー・ワイリー・・・あとがない。ならばこれを出そう。フランシス・フェイだ。キャバレーを中心に活躍したエンターテイナーでピアノも上手い。ニック・トラヴィスをはじめアレン・イーガー、ハービー・マン、サル・サルヴァドール、オスカー・ペティフォード等のベツレヘム・オールスターズをバックにダイナミックに歌い上げる。

 「ドント・ブレイム・ミー」とカタカナ表記される曲名だが、「私のせいじゃないわ」という歌詞を汲んだ洒落た邦題を見たことがある。手持ちの文献を捲っても見つからないので、ポピュラー歌手のライナーノートだったか。この風流なタイトルを付けたのはどなただろう?ポッとでの歌手ではこの難曲は歌えないとズバッと言う斉木克己氏か、ミステリーや映画にも精通している馬場啓一氏、あるいは雑誌「ジューク・ボックス」元編集長でポップスからラテンまで守備範囲の広い青木啓氏か。どなたにせよ名訳だ。和製の曲に横文字のタイトルが付く時代だからこそ小粋な邦題に惹かれるのかも知れない。

 ♪Don't blame me, love made me crazy・・Lord, save me, my drug is my baby・・Toyin' with them older guys, Just playthings for me to use・・私を責めないで、愛が私をおかしくしたの、ドラッグは私のベイビー、年上の男性達をおもちゃにしたり・・こちらは2017年のテイラー・スウィフトの同名異曲だ。肉食系女子とはこれか。時代が変われば女性も変わる。
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1 コメント

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管理人敬白 (duke)
2025-05-25 08:30:42
いつもご覧いただきありがとうございます。

「Don't Blame Me」に「私のせいじゃないわ」という邦題を付けた方をご存じの人はご教示ください。
この邦題を私が知ったのは記憶が定かではありませんが、雑誌「ミュージック・ライフ」か「音楽専科」、あるいはドリス・デイ、パティ・ペイジ、ブレンダ・リー等、ポピュラー・シンガーのライナーノートかも知れません。
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