大地震と原発事故が複合する「原発震災」を警告してきた地震専門家の石橋克彦神戸大名誉教授(66)が18日夜、大阪市中央区で講演し、若狭湾周辺の活断層について「地震の想定が過小評価されている」と訴えた。
石橋氏は1976年、東海地震の震源域に立地する浜岡原発の危険性を指摘。東日本大震災後は、参院行政監視委員会で「脱原発」を主張した。
講演は関西地方の脱原発団体が主催。「若狭湾原発震災を防ごう」と題し、約170人が聴き入った。
石橋氏は1662年の近江・若狭地震を例に「若狭にはれっきとした大地震があった」と指摘。「大飯原発近辺にある海底活断層の延長上に(小浜市や若狭町を通る)熊川断層があり、一連の断層として評価すべきだ」と主張した。
橋下徹大阪府知事の「脱原発」発言については、「関西広域連合でリスク評価し、危険な原発から止めるよう事業者に要望すれば、世論形成に大きな力を持つ」と述べた。 (安福晋一郎)