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祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 安倍晋三内閣は人質を見殺しにする

2015-01-23 02:49:02 | イスラム国
「カレイドスコープ」にイスラム国の殺人予告について書かれています。日本のマスゴミが流す報道では、実際何が起きているか分からないことが多くあります。物事をいろいろな角度から見ることで、実態が見えてきますね。
以下転載します。


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人質

イスラム国の「72時間以内に2億ドル払え」は、実は殺害予告だ。
交渉決裂の明確なシグナルに他ならない。

11月上旬に、最初の身代金要求が来ていることを安倍晋三の閣僚たちは知りながら、これを無視して衆議院解散総選挙に踏み切った。彼らは、「人命より、己の権力保持」のほうを選んだのだ。

愚かな国民たちよ、自民党という凶悪政党が、いかに国民を騙し、あなたの息子を、孫を、イスラム国のようなモンスターがうじゃうじゃいる地獄の戦地に行かせようとしていることがまだ分からないのか。

安倍、麻生、石破、菅らの極悪人は、11月の時点で人質の死を利用して憲法を変えようと決めていたのだろう

マスコミは、「殺害警告」と書いている。
CIA仕込みのイスラム国のような、殺すことそのものに快感を覚えてしまった残虐なグループが「72時間以内に2億ドルの金を用意しろ」と、動画まで公開してきた意味は、警告ではなく、「殺害予告」なのだ。すでに「交渉決裂」状態である、ということなのである。


日経

去年の9月のことだ。

完全に常軌を逸した安倍内閣。これでは、「いつでも日本人を拉致して殺してもいいですよ」と言っているのも同然だ。東京は、これで、すでにテロのターゲットになっている。

事実、イスラム国は、ノーテンキな日本人に対して、「5800kmも離れていると思って油断するなよ。イスラム国の武力は、どこにでも存在しているのだ」とツイートしてきている。イスラム国の戦闘員、イスラム国につながるテロリスト・グループ約1万5000人ほどが全世界80ヵ国に散らばっていると言われている。
彼らは必要とあれば、東京でテロを起こすことができるほどのネットワークを築いている。

CIAによって育成されたイスラム国は、日本国民の喉元にも匕首を突き付けているのだ。すべて、安倍晋三というの正真正銘の異常者がやったことである。日本ではなく、海外でこんな声明を出しておきながら、官邸の厚顔無恥は、もう凄まじい。彼らは、もう「人」とは思えない。

いまだに菅官房長官は、「この動画が本物かどうかを調べている」などと寝ぼけたことを言っているが、官邸はすでに2014年の11月上旬には、イスラム国から身代金要求が来ていることを確認していたのだ。

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FNN 1月20日


日本人人質事件 後藤さん家族に2014年から身代金要求メール
・・・今回殺害を予告された、フリージャーナリスト・後藤健二さんの家族に対しては、2014年の11月初旬から、身代金を要求するメールが送りつけられていたことがわかった。

政府関係者によると、後藤さんは、2014年10月に連絡がつかない状態になっていたが、11月の初旬になって、妻のところに、「イスラム国」の関係者を名乗る人物から、メールが送りつけられ、「後藤さんを誘拐しているので、日本円で、およそ10億円の身代金を払え」と要求してきたという。

日本政府が、海外の捜査機関に問い合わせたところ、このメールの発信元は、アメリカ人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏の首を切って殺害した、イギリス人なまりの英語を話す「イスラム国」メンバーと一致することがわかっていた。

また、妻の問い合わせに対し、本人しか知りえない情報が開示されたために、日本政府は後藤さんが誘拐されているおそれが高いとみて、水面下で情報収集を続けていたものとみられる。



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安倍晋三が、去年11月の時点で10億円を払っていれば、この二人を救出できたのだ
それが、アメリカに「そう言え」と命じられたとおり、「われわれはテロに屈しない」と格好をつけて身代金の支払いを拒否し続けてきたのだ。しびれをきらしたイスラム国は、交渉決裂と判断して、ダメもとの2億ドルを提示してきた。しかも72時間以内に揃えろと。
アベノミクスで円安が進み、ドルベースではさらに上がっている。
安倍


この稀代の悪鬼は、二人を見殺しにして、日本の国民の間にイスラムへの憎悪を焚き付け、一気に集団的自衛権が行使できるようにしようと決めたのだ。これもアメリカの狙いだ。だから、「首相の動静」を一日、一日、見ていけば分かるだろうが、去年の11月から、私たちの税金である官房機密費を使って、卑しいマスコミ幹部をグルメ接待漬けにした。

このグルメ接待(だけではない。その他の利得も受けている)を受け続けてきたマスコミ編集員たちは、自民に勝たせるためにイスラム国から身代金要求があったことを報道しなかったのだ。国民の命を危険にさらす老害編集員たち。彼らは間違いなく、大犯罪者たちである。

安倍はNHKを始めとして、すべてに口を閉ざすよう圧力をかけてから衆院解散を宣言した。
「アベノミクス解散」は、同時に、日本がすでにテロリズムのターゲットになっていることを隠すための選挙でもあったのだ。安倍晋三とその閣僚たちは、衆議院解散の前の月に、日本人の人質を見殺しにすることを決めたのだろう。

イスラム国にくわしい報道カメラマン・横田 徹氏が、昨夜報道番組に出演して、悲観的な見方を示した。横田氏も、イスラム国(当時はISISと呼ばれていた)に拉致され、身代金を要求された経験を持つが、今のイスラム国は、前と違っている、と言う。


女子アナ:
「今回、身代金が2億ドルという高額なものになっているが、(日本政府は)どういう風に交渉していくと考えられますか?」

横田徹氏:
「ビデオが出てしまった状況になると、交渉はもうできないのではないか」

女子アナ:
「そうなると、政府としては、どういうふうに対応していくと考えられますか?」

横田徹氏:
「(イスラム国側の)誰に交渉していけばいいのか、相手さえ分からないと思うので、混乱しているとは思いますね」



安倍晋三と麻生太郎、菅義偉らの閣僚たちは、アメリカに指示どおり口を揃えて「われわれは、断じてテロには屈しない」と勇ましいことを言っているが、どうも力がない。

こうした「いざとなれば何もできない低知能の議員たち」に、国民は騙されて続けてきたのであり、日本の本土もテロの脅威にさらされることになってしまったのだ。


管と麻生


菅と麻生は、こんなことを言っているが、11月に発覚していたにも関わらず、10億円の身代金の支払いを拒否していたのだ。これは、国民向けのパフォーマンスであり、アメリカ様に対する恭順の意を示すためのメッセージに他ならない。20日夕方になって、やっと重い腰を上げて立ち上げた官邸での関係閣僚会議。

肝心の岸田外相、中谷防衛相も外遊中。安倍晋三ももたついている間、菅義偉や斎木外務次官などが夜まで残り、情報の確認をやった、ということだが、これもパフォーマンス。第一、秘密主義の安倍内閣が、もっともテロリストに知られてはならない会議を記者たちに公開することなど、ありえないことなのだ

日本版NSC


「72時間以内に殺害する」・・・残すところ50時間ほど。時間は迫っている。何が「人命を第一に」なのか。

これだけの御用有識者を揃えても、何一つ対応策のアイデアさえ出てこない。無責任の代名詞が、ただ単に雁首をそろえたところを国民に見せようとしているだけだ。

自民党の十八番、「やらせ」の一種に過ぎない。


麻生


病的な低知能ナルシスト、麻生太郎は、外務官僚が書いたプレス発表用の文書を、漢字を間違えないように読むだけで精いっぱいだ。

安倍晋三ら閣僚たちは、結局、斎木外務次官に責任の一部を押し付けるか。権力亡者の斎木も、安倍に恩を売る機会だ。確実に言えることは、後藤健二さんと湯川遥菜さんをスケープゴートにしてアメリカのCIAが創った「イスラム国、憎し」の国民感情を焚き付け、日本を本当に戦争に引き込もうとしていることである

これは、安倍の内閣だけではない。党派を超えてイスラエル支援議員リストに名を連ねている国会議員なら、安倍に賛同するだろう。
まったく、恐ろしい議員どもだ。

これらの議員たちは、自覚しているいないに関わらず、世界統一政府主義のシオニストたちである。無知の上に非常に危険な人間どもである。

国民は、この数日、何が起こっても、コイツらのような凶悪犯罪者たちの罠に嵌められてはならない。本気で子供や孫を守る気があるのであれば。


・ イスラム国との交渉が出来る人材がいた。

2015-01-22 00:10:07 | イスラム国
訳の分らぬ日本版NSCで右往左往しているより、交渉が出来る人材がいるならその人を活用すべきでしょう。それにしても、本当に救助する気があるのでしょうかね?単純に考えて二人を救出するには2億ドルを払えばいい事です。アベシも人命が最優先と、一応口では言っています・・・・・一方、テロを撲滅する側につこうとするならば、身代金は絶対に出さないでしょう・・・・・さあ、アベシはどのように判断し結論を出すのでしょうね。
以下、ヤフーニュースを転載します。

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【速報】「イスラム国との交渉可能」ジャーナリストの常岡浩介氏が表明-日本人人質解放へ協力の意向
志葉玲 | フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
2015年1月21日 19時46分

殺害予告

イスラム国が公開した映像から。交渉期限が迫っている。 イスラム国が公開した映像から。交渉期限が迫っている。 
イスラム国(ISIS)が日本人2名を人質にとっている問題で、日本では数少ないイスラム国との直接の人脈を持つジャーナリストの常岡浩介氏が、自身のSNSで「交渉人として認めてくれれば、私たちは湯川さん、後藤さんの解放をイスラム国に直接、訴えることができます」との意向を示した。日本政府は、現時点ではイスラム国との直接の接触はできておらず、今日21日の会見でも、菅義偉官房長官は「日本の支援が人道目的でありイスラム教徒を殺害することではないというメッセージを、あらゆる外交ルートを使って送ろうとしている」と述べている。ISISが交渉期限とする72時間が何時であるかは不明だが、映像の公開時からとすると、期限は23日午後と観られる。時間が迫っている中、政府は常岡浩介氏、中田考氏に一刻も早く協力を依頼するべきではないか。

以下、常岡氏がSNSで公開した意志表明の全文。

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先ほど、帰宅いたしました。

警視庁公安外事三課に対して、私戦予備陰謀事件というでっち上げの違法捜査には協力しないと申しましたが、邦人の人命救助のためなら外務省にも、警察にも喜んで協力します。

私とハサン中田考先生はイスラム国と交渉が出来ます。が、イスラム国側の連絡先情報を警察がおさえた今、盗聴、発信元探知などで相手方に危険が及ぶ可能性があり、現地に連絡を試みることができていません。

日本政府がオマル・グラバ司令官の身柄の安全を保証し、私とハサン先生を交渉人として認めてくれれば、私たちは湯川さん、後藤さんの解放をイスラム国に直接、訴えることができます。日本の拠出する2億ドルはあくまで人道支援目的に限定されたもので、イスラム国を軍事攻撃するためのものではないと説明できます。さらに、イスラム国側が安倍総理の対中東政策をもって、日本人人質を処刑するのは不当、不適切だと説明します。

オマル・グラバ司令官の説明では、去年の8月から10月にかけて、イスラム国は湯川さんを処刑したり、身代金を要求する意志がないことを明言していました。今回、その方針が変わった理由を問い質します。

現時点で、外務省からも、警察からも、連絡などは一切ありません。日本政府が独自にイスラム国と交渉し、人質を解放させられる見通しと自信があるのなら、問題ないと思いますが、そうでないとしたら、なぜ、連絡がないのか、首を傾げます。

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*オマル・グラバ司令官とは、常岡氏が直接の面識を持つISISの構成員。

・ イスラム国 日本人殺害を警告

2015-01-21 02:07:09 | イスラム国
アベシの行動が、日本人の人質の原因のようです。国民の生活を目茶苦茶にして税金をかき集め、その税金を海外にばら撒いた結果、日本人がさらわれた・・・・・日本の首相って国民を危険な目に合わせるために行動しているんですね。身代金を払うにしろ、殺害されるにしろ、国民の感情を戦争に向けるための芝居を打つんでしょうね。国の安全のために集団的自衛権を行使・・・なって云っちゃって!
以下 The Huffington Postの記事を転 載します


人質

イスラム国が殺害を警告する様子を写した動画より。左が後藤健二さん、右が湯川遥菜さん


過激派組織「イスラム国」を称するグループが日本人2人を人質に取り、身代金2億ドル(約240億円)を72時間以内に支払わなければ殺害すると警告する動画を公開した。

時事ドットコムによると、1月20日に外務省当局者が明らかにした。外務省は信ぴょう性を確認しているという。

YouTubeにアップされた動画には、オレンジ色の服に身を包んだ人質として、8月下旬にイスラム国に拘束された湯川遥菜さんと、国際ジャーナリストの後藤健二さんと見られる人物が映し出されている。

NHKニュースによると、動画の中で兵士は英語で、以下のようなことを話しているという。


日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した。だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる」

日本国民へ。日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。2人の命を救うため、政府に2億ドルを払う賢い決断をさせるために圧力をかける時間はあと72時間だ。さもなければ、このナイフが悪夢になる」



中東を訪問中の安倍首相は17日、イスラム国対策としてイラクやレバノンなどに2億ドル(約240億円)の支援を行うとエジプトの首都カイロで発表していた。今回の動画での要求は、これと同額になる。

菅義偉官房長官は20日の記者会見で、事実関係を確認中とした上で「我が国としてはテロに屈することなく、国際社会におけるテロとの戦いを支援する立場には変わりない」と話した。

・ 福島県医大医師たちの、偽りの安全宣言!

2015-01-21 01:37:45 | 原発事故
フライディの記事を部分的に書きおこししたものがあります。ブログ「ウインザー通信」にその内容が掲載されています。福島県医大の医師とその家族には、福島事故直後にヨウ素剤を配り服用し、一般家庭には一切服用の必要が無いと配ってはいません・・・・当時の民主党の対応の酷さが分かりますね。以下転載します。

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安定ヨウ素剤を飲んでた福島県立医大医師たちの、偽りの『安全宣言』と狂いっぷり

フライディ


2011年3月の事故直後。
福島県庁は、県外の医療機関などから、114万錠のヨウ素剤を緊急収集し、各自治体に配ったが、服用については、指示を出すことを躊躇。
独自に決定した三春町を除いて、直接、県民に配られることはなかった
その理由を、県庁関係者は、こう説明する

「汚染に関するデータがなかったこともあるが、医学会の権威の意見が、大きく影響していました」…。
国が所管する放射線医学総合研究所は、3月14日に「指示が出るまで、勝手にヨウ素剤を服用してはいけない」とする文書を発表。

18日には、県の放射線健康リスク管理アドバイザーである山下俊一氏が、
「福島原発から30kmほど西に離れれば、被曝量は(年間限度量の)1ミリシーベルト以下で、ヨウ素剤は不要」と、医大の医師達を前に強調。
同氏は、県民向け講演でも、「子供は外で遊んでいても問題ない」と断言
県立医大も、患者や相談に来た県民に、山下氏たちの意見をそのまま伝え、ヨウ素剤を勧めていなかった

だが、医大内部資料によると、医師たちは、密かにヨウ素剤を飲んでいた

医大は、県から4000錠のヨウ素剤を入手。
1号機が水素爆発した3月12日から配り始め、多い所では1000錠単位で、院内の各科に渡していた。
しかも、医療行為を行わない、職員の家族や学生にも配布
資料には、「水に溶かしてすぐに飲むように」と、服用の仕方まで明記。
医大職員は言う。
「事故が発生してから、病院に来なくなった医師もいて、動揺が広がっていました。
院内の混乱を鎮める為に、上層部が、ヨウ素剤の配布を決めたようです。
しかも、服用を県に進言してない手前、配布については、かん口令が敷かれていました」

当時の国の基準によると、ヨウ素剤の服用が助言されるのは、
1歳児の甲状腺被曝線量が、積算で100ミリシーベルトになると予想されてる場合だが、
後に公表された試算値(3月12日~4月24日)では、原発から30km以上離れた伊達市でも、この水準を超えていたことが分かっている。

県立医大の医師達は、なぜ4000錠ものヨウ素剤を、自分達だけで飲んだのか。

医大は、院内関係者のヨウ素剤服用は『事実』だとし、こう主張する。
「情報やデータがないなか、医療機関として最後まで現場に残らなくてはいけないという認識のもと、
職員の動揺を抑える目的で、医大教職員と家族への配布に踏み切りました。
学生に配布したのは、不安が広がっていた為です。
かん口令を敷いた理由は、国や県から、服用指示の基準が住民に明確に示されない中、医大が独自の基準を作ってしまうことになるからでした」(広報戦略室)

ヨウ素剤を管理する福島県地域医療課は、当初、事実を確認できないとしていた。
だが、入手した資料を提示すると、医大への配布を認め、改めて、当時の課長が次のように説明した。
「ヨウ素剤は、福島第一原発から50km圏内にある、各自治体に配備しました。
住民への配布を指示しなかったのは、判断するデータがなく、踏み切れなかったからです
医大へ配ったのは、(多くの放射線を浴びる)被災地へ出向く医師を、対象としたもの。
医大が、家族や学生にまで配ったものであれば、疑問を感じます」

確かに、下手に服用指示を出せば、不安をあおり、情報も少なかったため、判断が難しい局面だった。
だが、ヨウ素剤服用について情報公開請求をした、「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」の郡山代表・武本泰医師は、医大の態度を批判する

「なかには、ヨウ素剤を求めて、医療機関に問い合わせるなど、奔走した母親もいるんです。
県民には安全だといって服用を勧めなかったにもかかわらず、自分たちだけ飲んでいたというのは、同じ医療従事者として許せません。
県も、医大に配布するなら、県民へ服用指示を出すべきだったでしょう」

現在までに、75人の福島の子どもたちが、甲状腺がん、もしくはその疑いがあると診断されている。

(※フライデー3月7日号・34~35P『安定ヨウ素剤を飲んでいた福島県立医大医師たちの偽りの「安全宣言」』より引用しました)



この連中が考えていた不安というのは、いったいなんだったのか……。
自治体も医師も学者も、人の命を預かる立場の者としての自覚も、責任感もなく、ただただ自己保身に専念。
なんとも悲惨で罪深い行為をし続けた挙げ句、こんなポスターを作っている。

ポスター


もうこれは、ホラーともいえる狂い様ではないか。

・ 「美しい予算」に隠されたカラクリを暴く

2015-01-18 00:39:01 | 予算
平成15年度の政府予算が発表された。それについてマスメディアは特別な報道は無い。明治大学の田中秀明教授の予算に対する考え方がダイアモンドオンラインにあります。通常言われている一般予算は、国全体のごく一部の物であり、いかようにでも数字を調整できる・・・・これほど適当な数字を並べて、国の財政をきちんと管理などできないでしょう。以下転載します。

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2015年度政府予算案を緊急レビュー
「美しい予算」に隠されたカラクリを暴く

――明治大学公共政策大学院教授 田中秀明 【第553回】 2015年1月16日

14日、昨年末の衆議院選挙で編成が遅れていた2015年度政府予算案が閣議決定された。安倍政権にとっては、3回目の予算となる。当初予定していた消費増税(税率8%を10%へ引き上げる)は見送られたものの、2015年度までに基礎的財政赤字を半減するという目標は達成できる見通しだ。果たして、政府が宣伝するように、「強い経済の実現による税収の増加等と、聖域なき徹底的な歳出削減を一層加速させることにより、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の進展に寄与するという好循環を作り出す」(「平成27年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」2015年1月12日閣議了解)ための予算を言えるか、緊急にレビューする。

田中秀明

たなか・ひであき
明治大学公共政策大学院教授
1960年生まれ。1985年、東京工業大学大学院修了(工学修士)後、大蔵省(現財務省)入省。内閣府、外務省、オーストラリア国立大学、一橋大学などを経て、2012年4月から現職。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士、政策研究大学院大学博士。専門は予算・会計制度、公共政策・社会保障政策。著書に『財政規律と予算制度改革』(2011年・日本評論社)、『日本の財政』(2013年・中公新書)。


各省庁が持っている別の財布

 2015年度予算案についての財務省の資料によると、一般会計の歳出総額は、前年度(当初)と比べて0.5兆円増えて96.3兆円となる。ポイントとなるのは税収増であり、前年度より4.5兆円増えて54.5兆円となると見込んでいる。

 これを財源として、新規公債発行額(財政赤字)は、前年度より4.4兆円削減され、36.9兆円となる。税収増の残り0.1兆円とその他収入の増を併せると0.5兆円であり、これが歳出の増加に使われる。歳出の中身を見ると、社会保障関係費が1兆円、国債費が0.2兆円増えるものの、地方交付税交付金が0.6兆円減ることなどから、歳出総額の増加は0.5兆円にとどまる。上記以外の主要経費で前年度より増えるものは、防衛関係費(953億円増)、公共事業関係費(26億円増)であり、文教及び科学振興費、経済協力費、エネルギー対策費などは減額となっている。

 2015年度一般会計予算の大まかな数字を見ると、実に「美しい予算」であると感じる。財務省を代弁すれば、概ね次のようになるだろう。税収増をほぼ全額使って公債発行額を減額するとともに、歳出の効率化などにより財源を捻出し、社会保障関係費の自然増(予算編成の当初において0.8兆円と見積もられていた)や充実、防衛関係費などの増に対応した。限られた財源を必要な分野に重点的に充て、メリハリをつけたというわけである。消費増税を見送ったことから、社会保障充実のための財源は減ったものの、子育て支援などの予算は確保されており、評価できる点もある。

 予算の数字を見る限り、これはもっともらしい説明である。しかし、これをそのまま丸ごと信じることはできない。各省庁には別の財布があるからである。2015年度予算案を決定する前に、政府は2014年度補正予算案を決定している。この補正予算はかなり膨らんでおり、2015年度予算に計上する予算を補正予算に移しているともいえる。


 2014年度補正予算を見ると、税収増が1.7兆円、前年度の剰余金が2兆円あり、その他収入の増などを併せると、合計で歳入が4.5兆円も増えている。この財源で、公債発行額1.3兆円減らしたものの、歳出は3.1兆円も増えている。これは、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」の財源確保のための予算である。

 政府は、財政再建にも配慮して、国債を追加発行しなかったと説明しているが、税収が4.5兆円も増えたのに、なぜ国債の減額はたった1兆円ちょっとなのだろうか。せめて税収増の半額程度は削減できなかったのか。年度途中における実際の国債発行額や剰余金の使用などは、役所に大きな裁量があり、いかようにも調整できる。要は、本予算で歳出を絞ったことの代償だ。

連結した予算資料なく真の姿が見えず

 補正予算には、当初予算の歳出を少なく見せるもう1つの役割がある。例えば、各種手当を給付するための歳出が1兆円と見積もられるとしよう。しかし、当初予算には0.7兆円だけ計上し、同年度の補正予算に残りの0.3兆円を計上することができる。手当に必要な予算そのものは削ることはできないが、当初予算では少なく見せることができるのだ。当初予算には、いわゆるシーリング(歳出の上限額)が適用されるが、補正予算には適用されないので、歳出を補正回しにすることができる

 何が言いたいかというと、一般会計の当初予算の数字は、会計上の操作によりいくらでも動かせるので、信用できないのである。当初予算で正確に所要額が計上されているかを検証する仕組みはない。補正予算に加えて、特別会計からお金を移すこともできる。例えば、特別会計の積立金1兆円(しばしば「埋蔵金」と呼ばれている)を一般会計に移すと、財務省の資料では、一般会計の財政収支は1兆円改善すると説明される。しかし、貯金を取り崩して財政が良くなることなど全くない。財務省は、一般会計と特別会計を連結した予算資料を出していないから、こういうばかげたことになるのだ。

 最近の一般会計の当初予算、補正予算、決算を比較したのが図表である。ただし、これらの数字は、財務省が発表したそのままのものではなく、調整している。特別会計の積立金の取崩し(特別会計から一般会計への移転)は、会計上、赤字国債の発行に等しいので、取崩額は公債発行額に含めている。この図表を見れば、当初予算がいかに実態を表していないかがわかる
一般会計


 2011年度の決算は100兆円にまで達しているが、これは東日本大震災の復旧復興予算が含まれているからである。2011年度は特殊要因があったので歳出が膨らんだことは理解できるが、その後の3ヵ年度もほぼ100兆円となっており、安倍政権でいかに歳出が膨らんでいるかがわかる。安倍政権は、経済が成長すれば財政再建も達成できると言っているが、たとえ経済成長により税収が増えても、それを使ってしまうのが現実である。なお、これは一般会計だけなので、特別会計も合わせた数字を検証しなければ、正確な姿はわからない。

 政府は財政再建にも配慮したと言っているが、それを検証できる予算資料を政府が公表していないので、真実はわからない。例えば、昨年の夏の時点(概算要求時)において、慎重な経済見通しに基づき歳入歳出の見通し(一般に「ベースライン」という)が発表さされていれば、それと2015年度予算の姿を比較することにより、財政再建の努力がどの程度なされたかを検証することができる。例えば、自然体では歳出が3兆円増えるところを、2兆円の増にとどめることができたといった分析である。

 もちろん、補正予算への予算の付け替えなどは許されない。また、財政収支は景気循環の影響を受けるので、例えば財政収支が5兆円改善したとしても、それが好景気による税収増で達成されていたとすれば、政府が意図的に歳出削減や増税といった財政再建努力をしたことにはならない。通常、景気循環の影響を取り除いた財政収支は「構造収支」と呼ばれている。日本政府はこの数字を出していないので、真の財政再建努力を検証できないのだ


何でもあり」の地方創生関連予算
 2015年度予算の中身を詳しく論じる余裕はないので、安倍政権の看板の1つである、地方創生関連予算を見てみよう。関連予算の総額は約7200億円となっている。中身を見ると、様々な予算が計上されている。

 例えば、民法ラジオ視聴解消支援事業(総務省、14.5億円)、国産酒類の活用事業(外務省、0.5億円)、文化財総合活用戦略プラン(文科省、83.7億円)、障害者の就労支援(厚労省、58.3億円)、鳥獣被害防止総合対策交付金(農水省、45.4億円)、健康寿命延伸産業創出推進事業(経産省、8.2億円)、日・アセアン連携によるクルーズ振興(国交省0.1億円)、指定管理鳥獣捕獲等事業(環境省、5億円)などなど、実に約180の事業が挙げられている。


 これらの事業がほんとうに地方創生に寄与するのだろうか。地方創生関連事業のリストを見てわかることは、「何でもあり」ということである。「まち・ひと・しごと」を創生するのが目的であるが、この対象にならないのは国債費ぐらいだろう。地方創生に寄与するかどうかを判定する明確な基準を設けて、「選択と集中」を行って、必要な事業に資源を投入しなければ、効果はない。しかし、各省庁が競争するため、結局、予算は各省庁に満遍なく配布されるのだ。

 当初予算では、○○するための予算だ、○○の効果があるといった説明、いわば能書きが説明されるが、本当にそうなるか、事後の検証が必要である。政府も、地方創生に関する「総合戦略」において、成果指標や重要業績評価指標を設定しており、予算の無駄遣い・ばらまき批判に反論している。確かに、一歩前進であるが、さらに、2015年度予算等で盛り込まれた各事業が総合戦略にどう貢献したのか、検証しなければならない。


財政再建には予算制度改革が必要

 さて、2015年度予算は、財政再建目標にどの程度寄与していると言えるのだろうか。政府が掲げている財政再建目標は2つある。第1に、2015年度の国・地方の基礎的財政赤字の対GDP比を、2010年度の水準(6.6%の赤字)から半減することであり、第2に、2020年度までに、基礎的財政収支(社会保障など政策的に必要な支出を税収などでどれだけ賄っているかを示す指標)を黒字に転換することである。

 内閣府が昨年7月に経済財政諮問会議に提出した「中長期の経済財政に関する試算」によれば、2015年度の国・地方の基礎的財政収支は、3.3%の赤字になると見込まれていた。ただし、それは、消費税率を2015年10月に10%に引き上げることが前提となっていた。増税を取りやめたものの、税収の自然増や歳出削減などより、目標は達成できることになった。本音では財政再建には興味がない安倍政権も、さすがに消費増税は延期する、財政再建目標の達成も断念するでは、世の中の批判に耐えられないので、なんとかやりくりをしたわけである。といっても、そもそも、15年度半減は楽勝な目標だったともいえる。

 問題は、2020年度の財政再建目標である。先の内閣府の資料では、2020年度の基礎的財政収支は1.8%の赤字となっている。これは、アベノミクスが予定どおりうまくいっても、数字上は財政再建できないということである。アベノミクスが成功する場合、2013年度から2022年度までの平均実質成長率は2%、名目成長率は3.3%になると予測しているが、このようにバラ色の成長率が達成できても、目標を達成できないのである。試算では、平均成長率が実質で1.3%、名目で2.1%となる前提でも推計を行っているが、この場合は、2020年度の基礎的財政収支は、2.9%の赤字であり、赤字幅は拡大する


 政府は、来年度の消費増税を見送った代わりに、今夏に新たな財政健全化計画を策定することを決定した。甘利経済財政担当相が経済財政諮問会議に提出した資料(「経済財政諮問会議における今後の課題について」2014年12月27日)によると、計画策定に当たり、潜在成長率並みの堅めの成長率を前提とする、2020年度の基礎的財政収支黒字化等に必要となる「必要対応額」を推計する、進捗状況を毎年度レビューするなどとしている。

 これらが実現されれば、世界標準の中期財政フレームとなるかもしれない。これまでダイヤモンド・オンラインでも繰り返し述べているように、予算制度を改革しなければ、財政再建は達成できない(「諸外国の予算制度改革:失敗国と成功国は何が違うか」「予算改革は政治改革そのもの日本版財政責任法を導入せよ」などを参照)。もし予算制度改革が実現できれば、消費増税の先送りも意味があるかもしれない。また、予算制度改革に加えて、予算の中身の改革も待ったなしである。膨張が止まらない年金、医療、介護の制度改革に踏み込まなければいくら増税しても財源は足りない。官邸が強い今こそ構造改革ができるチャンスだ。口先ではない、真の改革を実行できるかどうかが、今後問われることになる。

・ 女たちが国会包囲

2015-01-18 00:38:42 | 社会・経済・政治
田中龍作ジャーナルに、女性たちが国会を包囲したと書かれています。アベシが戦争に前のめりな事を肌で感じて、自分の子供や夫を戦場につれて行かれたくないという強い気持ちが行動に出たのでしょう。この弱きものの力が結集することが大切ですね。以下転載します。


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女たちが国会包囲 「子供を戦争に行かせない
2015年1月17日 17:59


女性たち

終戦直前に父親と生き別れになった女性は、戦争への道をひた走る安倍政権の姿勢を「絶対に許せない」と話した。=17日、国会議事堂前 写真:筆者=

 「殺し、殺される戦争に夫や子供を行かせたくない」。軍国主義に突き進む安倍政権に女たちの怒りが爆発した。集団的自衛権の行使容認に反対する女性たちが、きょう、国会を包囲した。(主催:「女の平和」実行委員会)

 安倍政権は4月の統一地方選が終われば、集団的自衛権行使のための関連法案を国会に提出する。可決成立はほぼ確実だ。維新をうまく抱き込めば改憲発議も現実味を帯びてくる。
 
 国会周辺は危機感を募らせる女性たちで一杯になった。議事堂を包囲したヒューマンチェーンは、所々が2重3重になるほどだった

 議事堂正門前にしつらえられたステージでは、音楽評論家の湯川れい子さんらがスピーチした。
湯川さんは18歳年上の兄をフィリピンの戦線で失っている。父も戦病死した。

 「日本が憲法9条を守り戦争をしなかったから、幸せに音楽を作り暮らして来られた。人間は人間が生んだ子供を殺してはならない」。湯川さんはよく通る声で訴えた。

ヒューマンチェーン

国会議事堂を取り巻いた人間の鎖は2重3重になって長く続いた。=17日、永田町 写真:筆者=

 『女は戦争を望まない!』と書いたプラカードを手に参加した女性(写真上段・70歳)は、旧満州のハルビンで終戦を迎えた。父親は終戦直前、根こそぎ動員で徴兵された、という。

 「父はどこでどう死んだのかも分からない。戦後70年というけど私の中では戦争はまだ終わっていない。この悲劇を日本だけでなく世界のどこの国でも繰り返したくない」。女性の言葉には重みがあった。

 子供を連れた母親の姿も目についた。栃木県から参加した母親(30代)は、息子2人(6歳と3歳)の手を引いていた。 「(子供が戦争に行くようになったら)絶対こまる。そうならないために今日訴えに来た」。母親は切々と語った。

 女性たちは赤色のマフラー、帽子などを身につけて参加した。国防色と言われるカーキ色の向こうを張る自由の色でもある。国会周辺は赤で埋め尽くされた。

 洋の東西を問わず女を敵に回した政権は長持ちしない。アベシンゾーを退陣に追い込むのは、女たちの怒りではないだろうか

・ 日本を支配する“憲法より上の法”の正体とは?

2015-01-17 03:44:35 | 政治
ネット上に矢部氏が書いた本「日本はなぜ「基地」と「原発」をやめられないか?」について、ポイントを簡単にまとめたものがありました。この本は多くの人が是非読まれることを希望します。日本の本質的な問題の解決につながるきっかけになると考えます。3年ほど前に仕事を辞め世の中を見渡し始めた時、官僚が好き放題にデタラメをしていることに気づきました。しかし、それができる理由が分からなかったのですが、この本を読んで本質的な所が見えてきました。本格的に国を良くするためには、どうしても解決しなければならない問題ですね。また、沖縄の人たちが必死に戦っている本質が見えてきます。以下転載します。

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日本を支配する“憲法より上の法”の正体とは
週プレNEWS 2014年11月4日(火)6時0分配信


矢部氏が今回発売した単行本には「憲法の成り立ちの問題点」「昭和天皇の果たした役割」など、戦後のディープな話が満載

日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか? 本書のタイトルはまさに、誰もが一度は抱いたことがある「素朴な疑問」だろう。

それを出発点に著者の矢部宏治氏がたどった日本戦後史の「旅」は、想像をはるかに超える広がりを見せながら「憲法」の上にある「もうひとつの法体系」の存在と、それによって支配された「日本社会のB面=本当の姿」をクッキリ浮かび上がらせる。

太平洋戦争で焼け野原と化した国土を世界有数の経済大国へと復興し、間もなく戦後70年を迎えようとしている日本が、今も対米従属のくびきから逃れられない本当の理由……。

そして、この国がいまだに「独立国」ですらないという衝撃の事実を、日米間の条約や公文書などの「事実」を足がかりに明らかにする本書は、多くの「普通の日本人」にとって、文字どおり「目からウロコ」の体験をもたらしてくれる一冊だ。矢部氏に聞いた。

戦後の日本を本当に支配していたものとは

―まず驚いたのは矢部さんがほんの数年前まで、沖縄の基地問題とも政治とも無縁な、いわゆる「普通の人」だったということです。そんな「普通の人」が日本の戦後史をめぐる「旅」に出たきっかけはなんだったのですか?

矢部宏治(以下、矢部) 直接のきっかけは、やはり民主党による政権交代とその崩壊ですね。それまでは日本は経済的には豊かだけど、「なんか変な国だなぁ」とは思っていて、鳩山政権ができたときにやっぱり期待したんですよね。この政権交代で何かが変わるんじゃないかと。

ところが圧倒的な民意を得て誕生した鳩山政権があっという間に崩壊して、沖縄の基地問題も潰(つぶ)されて、菅政権になったら完全に自民党時代と同じようなことをやっている。これは一体どういうことなんだと怒りに任せて、沖縄に取材に行ったのが始まりです。鳩山政権を潰したのは本当は誰だったのか、その答えをどうしても知りたくなった。


ちなみに、矢部さんは沖縄の基地問題について以前から関心があったのですか

矢部 いいえ、沖縄といえばそれまで2回、旅行で行っただけで、基地のことや辺野古のことも何も知りませんでした。ところが実際沖縄に行って、自分の知らなかったさまざまな現実を目にして、その根っこを探っていくと、いろいろワケのわからない仕組みに出会う。

そこで沖縄本島にある28の米軍基地をすべて許可なしで撮影した『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』という本を作りました。

沖縄では住民が米軍基地を日常的に撮影している現実があるのですが、当局の判断次第ではそれが違法行為だとして逮捕される可能性もある。

そうしてカメラマンとふたりで危険に身をさらしながら基地の取材を続けていくうちに、いろんなことが見えてきた。基地のフェンスってまさに「境界」なんですね。日本とアメリカの境界、戦争と平和の境界、民主主義のある世界とない世界の境界。

そういう「境界」をずっとたどっていくと、日本の戦後や日本国憲法の成り立ち、日米関係の裏側が少しずつ見えてくる。さらにたどっていくと、最後は国連憲章にまでたどり着いたというのが今回のこの本で、結局、第2次世界大戦後の世界は、軍事力よりもむしろ条約や協定といった「法的な枠組み」によって支配されていることがわかってきた。

日本国憲法より上の「法の支配」とは

矢部 具体的な例を挙げましょう、例えば米軍の飛行機は日本の上空をどんな高さで飛んでもいいことになっています。なので沖縄に行くと米軍機が住宅地の上を信じられないような低空でブンブンと飛んでいる。

もちろん、日本には航空機の運航について定めた「航空法」が存在します。ところが、日米地位協定の実施に伴う「航空特例法」というのがあり、そこには「米軍機と国連軍機およびその航空機に乗り組んでその運航に従事する者については、航空法第六章の規定は政令で定めるものを除き、適用しない」と明記してあるのです。

つまり、「最低高度」や「制限速度」「飛行禁止区域」などを定めた航空法第六章の43もの条文が米軍機には適用されない! 「米軍機は高度も安全も何も守らずに日本全国の空を飛んでいいことが法律で決まっている」という驚愕(きょうがく)の事実です。要するに日本の空は今でも100%、米軍の占領下にあるのです。

ただし、沖縄の米軍機は日本の住宅地の上を超低空で飛ぶことはあっても、米軍住宅の上を低空で飛ぶことはありません。なぜならそれは危険であるとして、アメリカの法律で禁じられているからです。


日本の航空法は無視してもいいけれど、アメリカの航空法はきちんと守っていると

矢部 空だけではありません。実は地上も潜在的には100%占領されています。例えば、2004年に起きた沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事件。訓練中の米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落し爆発炎上した際、米軍は一方的に事故現場を封鎖してしまいましたが、実はこれも「合法」なのです。

なぜなら日米間には1953年に合意した「日本国の当局は(略)所在地のいかんを問わず、合衆国の財産について捜索、差し押さえ、または検証を行なう権利を行使しない」という取り決めがあり、それが現在でも有効だからです。

つまり、アメリカ政府の財産がある場所はどこでも一瞬にして治外法権エリアになり得る。

墜落したヘリの残骸や破片が「アメリカの財産」だと見なされれば、それがある場所で米軍はなんでもできるし、日本の警察や消防は何もできないのです。


日本の憲法や法律が及ばない場所が突如、現れる

矢部 そこが最大の問題です。いくら条約は守らなければならないと言っても、国民の人権がそのように侵害されていいはずがない。条約は一般の法律よりも強いが、憲法よりは弱い。これが本来の「法治国家」の姿です。

ところが1959年に在日米軍の存在が憲法違反かどうかをめぐって争われた砂川裁判で、最高裁(田中耕太郎・最高裁長官)が「日米安保条約のような高度な政治的問題については、最高裁は憲法判断しない」という、とんでもない判決を出してしまいます。

しかも、この裁判の全プロセスが、実はアメリカ政府の指示と誘導に基づいて進められたことが近年、アメリカの公文書によって明らかになっています。

結局、この「砂川判決」によって、日米安保条約とそれに関する日米間の取り決めが「憲法」にすら優先するという構図が法的に確定してしまった。

敗戦後、日本政府がアメリカ政府に従わされたように、この判決以降、「憲法を含む日本の国内法」が「アメリカとの軍事条約」の下に固定化されてしまった。つまり、日本の上空どころか、憲法を含んだ日本の「法体系」そのものがいまだに米軍の支配下にあると言っても過言ではないのです。


戦後日本を陰で操る日米合同委員会

矢部 ちなみに、安保条約の条文は全部で10ヵ条しかありませんが、その下には在日米軍の法的な特権について定めた日米地位協定がある。さらにその日米地位協定に基づき、在日米軍をどのように運用するかに関して、日本の官僚と米軍が60年以上にわたって、毎月会議(現在は月2回)を行なっています。

これが「日米合同委員会」という名の組織で、いわば日本の「闇の心臓部(ハート・オブ・ダークネス)」。ここで彼らが第2次世界大戦後も維持された米軍の特殊権益について、さまざまな取り決めを結んできたのです。

しかも、この日米合同委員会での合意事項は原則的に非公開で、その一部は議事録にも残らない、いわゆる「密約」です。

また、この日米合同委員会のメンバーを経験した法務官僚の多くが、その後、法務省事務次官を経て検事総長に就任しています。つまり、この日米合同委員会が事実上、検事総長のポストを握っていて、その検事総長は米軍の意向に反抗する人間を攻撃し潰していくという構造がある。


民主党政権時に小沢一郎氏が検察のターゲットになったり、鳩山由紀夫氏の政治資金問題が浮上したりしたのも、もしかしたら彼らや民主党政権が都合の悪い存在だったのかもしれませんね……。

検事総長という重要ポストをこの組織のメンバーが押さえ続けることで、先ほどの話にあった「軍事力ではなく法で支配する」構造が維持されているというわけですね。

矢部 ただし、この仕組みは「アメリカがつくり上げた」というより、「米軍」と「日本の官僚組織」のコラボによって生まれたと言ったほうが正しいと思います。

アメリカといっても決して一枚岩じゃなく、国務省と国防省・米軍の間には常に大きな対立が存在します。

実は国務省(日本でいう外務省)の良識派は、こうした米軍の違法な「占領の継続」にはずっと反対してるんです。当然です。誰が見てもおかしなことをやっているんですから。しかし60年も続いているから、複雑すぎて手が出せなくなっている。まともなアメリカの外交官なら、みんな思っていますよ。「日本人はなぜ、これほど一方的な従属関係を受け入れ続けているのだろう?」と。

考えてみてください。世界でも有数といわれる美しい海岸(辺野古)に、自分たちの税金で外国軍の基地を造ろうとしている。本当にメチャクチャな話ですよ。でも利権を持つ軍部から「イイんだよ。あいつらがそれでイイって言ってるんだから」と言われたら、国務省側は黙るしかない。


基地問題だけでなく、原発の問題も基本的に同じ構図だと考えればいいのでしょうか

矢部 こちらも基本的には軍事マターだと考えればいいと思います。日米間に「日米原子力協定」というものがあって、原子力政策については「アメリカ側の了承がないと、日本の意向だけでは絶対にやめられない」ようになっているんです。

しかも、この協定、第十六条三項には、「この協定が停止、終了した後も(ほとんどの条文は)引き続き効力を有する」ということが書いてある。これなんか、もう「不思議の国の協定」というしかない……。


協定の停止または終了後もその内容が引き続き効力を有するって、スゴイですね

矢部 で、最悪なのは、震災から1年3ヵ月後に改正された原子力基本法で「原子力利用の安全の確保については、我が国の安全保障に資することを目的として」と、するりと「安全保障」という項目をすべり込ませてきたことです。

なぜ「安全保障」が出てくるかといえば、さっきの「砂川裁判」と同じで「安全保障」が入るだけで、もう最高裁は憲法判断できなくなる


日本がアメリカから独立するためになすべきことは

しかも、「安全保障」に関わるとして原発関連の情報が特定秘密保護法の対象になれば、もう誰も原発問題には手が出せなくなると

矢部 そういうことです!

日本が本当の意味で「独立」する道はないのでしょうか

矢部 第2次世界大戦の敗戦国である日本とドイツは、国連憲章のいわゆる「敵国条項」で国際法上、最下層の地位にあるわけです。しかし、戦後、ドイツは周辺諸国との融和を図り信頼を得ることで、事実上、敵国的な地位を脱したと見なされるようになりました。

それがあったから、ドイツは冷戦終結後、90年に第2次世界大戦の戦勝4ヵ国(英米仏ロ)との間で講和条約(「2プラス4条約」)を結んで、東西ドイツの再統一を実現することができたのです。そしてその条約に基づき、94年までに国内にいた駐留軍としての英米仏ロの軍隊を撤退させることができた。現在ドイツ内にいる米軍はNATO軍として駐留しているもので、その行動については全面的にドイツの国内法が適用されています。

なので、僕はドイツが戦後、真の意味で独立したのは1994年だと思っています。つまり、ドイツも独立するまでに49年もかかった。日本もまだ事実上の占領状態にあるとしたら、今からでも同じことをやればいい。

また長い間、アメリカの“軍事占領下”にあったフィリピンも、上院で憲法改正を議論して、1991年に米軍基地の完全撤退を実現しています

日本はドイツとフィリピンというふたつのモデルがあるわけですから、そこから学んで、やるべきことを淡々とやっていけばいい。現状では「憲法改正による外国軍撤退」という、やや過激に見えるが実はオーソドックスなフィリピンモデルをカードに持ちながら「周辺諸国との和解を実現した上での、新条約締結による外国軍撤退」というドイツモデルを目指せばいいと思います。

後者については、国務省の良識派は絶対に喜ぶはずです。ところが現在の安倍政権は周辺諸国との緊張感をいたずらに高め、書店の店頭には「嫌韓・嫌中本」が氾濫(はんらん)している。まるで真逆の出来事が急激に起こり始めているのです。それこそが「日本の主権回復」を阻む最悪の道だということをどうしても言いたくて、この本を書きました。

(取材・文/川喜田 研 撮影/池之平昌信)

●矢部宏治(やべ・こうじ)
1960年生まれ、兵庫県出身。書籍情報社代表。著書に『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』、共著に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』など

■『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』
集英社 1200円+税

・ 公的年金の損失額21.5兆円

2015-01-16 02:14:47 | 年金
年金はもともと積立方式でスタートし、集まった金を官僚が好き放題に使い、不足してくると賦課方式に切り替え国民にそのしわ寄せを持ってきている。更に、支給開始年齢を引下げたり、物価上昇には連動せず少なく支給される仕組みも作った上に、昨年は年金の運用比率を、危険極まりない株式に比重を多くした。過去の実績を見る限りは、政府に運用能力は無いにもかかわらず、国内・海外の株式運用に50%ほどの年金を運用しています。このことに関して、今後の運用損失額を問いただした結果、政府からとんでもない額の損失額の予想が出されました。
以下、日刊ゲンダイより転載します。


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損失額は21兆円に倍増…年金資産の運用見直しは大失敗
2015.01.15

 年明けから低迷しっ放しの東京株式市場。巷に流れる「株価2万円台回復」どころか、14日の日経平均株価は前日比291安の1万6795円と、1万7000円を割り込んだ。こうなると、不安になるのが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用比率の見直しを決めた年金資産だ。

 約130兆円の年金資産を運用するGPIFは昨年10月、「国内株式」の投資比率を12%から25%に引き上げることを決めた。そこで民主党の長妻昭衆院議員が、運用見直しで想定される今後の損失額を質問主意書で問いただし、9日付で政府答弁書が閣議決定したのだが、その中身にビックリ仰天だ。経済「中位」のケースで、「確率95%で予想される最大損失額」は約21・5兆円となり、見直し前の損失額(約10・4兆円)と比べて2倍に膨らんだからだ。

 答弁書によると、仮に「リーマン・ショック」が起きた2008年度に当てはめた場合、損失(想定)額は約26・2兆円で、当時の損失額(約9・3兆円)の3倍近くになる。

 今の国内相場は日銀が上場投資信託(ETF)を通じて株式を買い支えている「官製相場」だ。日銀が金融緩和策のブレーキを少しでも踏めば、あっと言う間に下落する。原油安や米国、欧州景気の先行き懸念など海外の不安材料もワンサカだから、リーマン・ショック以上の衝撃が市場を襲っても不思議じゃない。

 株式評論家の杉村富生氏がこう言う。

「今の市場の大きな懸念材料は2つです。1つはギリシャのユーロ離脱。仮に離脱となれば、IMF(国際通貨基金)やEUなどの財政支援は打ち切られ、ギリシャは約40兆円の借金を抱えてデフォルト(債務不履行)になる。リーマン・ショックどころの騒ぎじゃ済みません。2つ目のリスクはロシアです。今の状況は、79年に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻し、その後、原油安で旧ソ連が崩壊した当時の状況と似ています。つまり、昨年のクリミア侵攻が引き金となり、原油安が起きている。仮にプーチン政権が崩壊となれば、世界経済に与える影響は計り知れないでしょう」

 リーマン・ショックでもみられたが、日本市場は「海外発ショック」に脆弱だ。失う年金資産は20兆円や30兆円じゃ済まないだろう。年金資産の“ギャンブル運用”はホント、やめてほしい。

・ 安倍政権による陰湿な「沖縄イジメ」の実態!

2015-01-15 02:29:32 | 政治
沖縄の知事選で自民党が破れて、その腹いせに沖縄に対するいじめが話題になっています。アベシを含めその周りの取り巻きは異常な人間の集団ですね。まさにそのあたりでフラフラしているただのガキと変わらない・・・・やることなすこと全てが尋常な大人ががする範囲を、完全に逸脱している・・・・・
これほどレベルの低い輩に、日本の政治をさせていること自体が異常!
Independent Web Journal のブログを転載します。


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【IWJブログ】 立場をわきまえろ」だと!? 安倍政権による陰湿な「沖縄イジメ」の実態!際立つ翁長氏への冷遇と税金を使った「経済制裁」が始まる !?


 安倍政権による、沖縄への報復が始まった。

 名護市長選、沖縄県知事選、衆院選。沖縄県民は、繰り返し辺野古新基地建設に「NO!」の声を突きつけてきた。それは同時に、対米追従を深め、「戦争する国」への道をひた走ろうとする安倍政権に「NO!」を突きつけたも同然だった。

 不愉快だったのだろう。政権を上げて力を注ぎ、金を積んでも懐柔できない沖縄に対し、安倍政権は逆襲にうって出た。それは陰湿で、まるで子どもの「イジメ」のような報復である。 しかし、政府という巨大な権力を使った「イジメ」であるからタチが悪い。そんな「イジメ」の実態は、翁長雄志・新沖縄県知事を通して浮き彫りになった。

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記事目次
・「年内に会う予定はない」 政府の露骨な「シカト」
・翁長氏は「アポ」を取ったのか取らなかったのか
・約束した予算をあっさり見直し!? 金で票を買う安倍政権
・自民「翁長知事には政府とのパイプがないことが示せればいい」
・農水大臣にも面会拒否された翁長氏
・知事選で翁長氏を支援した県内業者を発注先から排除!? 
・市民レベルから国家レベルへと増長する「沖縄差別」

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年内に会う予定はない」 政府の露骨な「シカト

 「辺野古新基地建設を許さない」という圧倒的な沖縄県民の民意を背負い、新県知事に選出された翁長氏は、12月10日、正式に県知事に就任した。 翁長氏はまず、12月24日に就任あいさつのため上京し、25日、永田町を回った。辺野古新基地建設に反対する考えを直接伝えることが狙いだった。しかし、翁長氏の思いは裏切られる。

 翁長氏は、安倍総理を筆頭に、沖縄基地負担軽減担当大臣を兼任する菅義偉官房長官、山口俊一沖縄担当大臣、他にも外務大臣や防衛大臣などの関係閣僚との会談を希望していたが、日程調整が難航しているなどという理由で袖にされ、結局、25日は誰とも面会できなかった。

 菅官房長官は、25日の定例会見で「私に会いたいということ(要請)は全くない」と会談の要請自体を否定。菅官房長官のこの発言によって、ネットなどの一部では、翁長知事が突如、「アポなし」で上京した「非常識な人物」であるかのような中傷が繰り返された。

 しかし、事実はまったく違う。

 翁長知事側は12月17日頃から上京の日程を調整し、官邸側にも面会の要請をしてきた。現に、19日の段階で、山口沖縄担当相は、翁長知事との面会に前向きな姿勢を示し、「面会の申し込みはあった」と会見で明かしている。一方で、同日、同じく記者会見した菅官房長官は、このときから「(翁長氏から)まだ話は来てない」と述べていた。

沖縄タイムス(2014年12月20日) 翁長知事との面会 沖縄相が前向き


翁長氏は「アポ」を取ったのか取らなかったのか

 結局、アポはあったのか、なかったのか。カラクリはこうだ。
 沖縄タイムスによると、「面会を調整した内閣府と沖縄県の事務方との間で、面会目的の照会時期などで認識の違い」があり、「内閣府が25日午後になって初めて官邸へ面会を申し入れた」というのだ。

※沖縄タイムス(2014年12月26日) 翁長知事、首相と面談できず

 内閣府が「要請」をとどめおき、ぎりぎりまで官邸に伝えなかった、というわけである。疑えばきりがないが、これが内閣府の作為によるものかはわからない。

 だが、仮に内閣府側が「認識違い」をしていたとしても、翁長知事の上京は各メディアがさんざん報じており、菅官房長官らも当然、知るところだったはずだ。現に会見で質問も出ている。翁長知事は、内閣府や菅官房長官を非難こそしなかったが、釘を刺すように「お会いして意見交換したい。その声は報道を通じても届いているのではないか」とコメントした。

 菅官房長官の用いた、「面会の要請がない」という主張は、あくまで翁長氏との面会を避けるための方便である可能性は否定できない。2015年1月10日付の毎日新聞の記事によると、菅官房長官は次のように話したという。
「菅義偉官房長官は9日のBSフジ番組で、(中略)現在実現していない翁長氏との面会については『政治判断』を条件に挙げ、翁長氏が方針転換しなければ困難との認識を示した」

 つまり日程調整以前の問題として、「翁長知事が辺野古新基地建設に非協力的である以上、会うつもりがない」と明言しているのだ。「会いたいなら辺野古の新基地建設に賛成しろ」というわけである。これが圧力でなく、なんだろうか? 日程調整以前の問題として、菅官房長官が頭ごなしにこのような姿勢を取るのでは、アポなど取りようがないではないか。

※毎日新聞(2015年01月10日) 普天間移設:知事権限で止まる可能性 官房長官「ない」

 結局、翁長知事が上京中に面会できた閣僚は、26日午後に会った山口俊一沖縄・北方担当大臣だけだった。その山口大臣との面会も短時間に限定され、話は沖縄振興予算に関する意見交換以上には発展せず。他省庁に至っては、防衛省が西正典事務次官、外務省は冨田浩司・北米局長が面会にあたり、大臣は顔を出さず、翁長知事に対する冷遇は、誰の目からみても明らかとなった

※朝日デジタル(2014年12月25日)【参考】◇翁長沖縄知事、閣僚と面会ならず 初当選あいさつで上京

※毎日新聞(2014年12月26日) ◇沖縄知事:山口担当相に振興予算3794億円確保要請


約束した予算をあっさり見直し!? 金で票を買う安倍政権

 沖縄に対する、あからさまな「イジメ」は、年明け早々から続いた。その様相は、輪をかけて酷くなっていった。
 政府が冷遇しているのは、翁長知事個人に対してではない。辺野古の米軍基地建設に反対する翁長知事を選出した、沖縄県全体に対して、冷ややかなのである

 政府は1月8日、次年度の沖縄振興予算を話し合う自民党沖縄振興調査会(以下、調査会)で、2015年度の沖縄振興予算を、今年度の3501億円から1割ほど減額する方針を示した。

 政府は2013年12月、仲井真前知事が公約を反故にし、辺野古新基地建設を認めたことと引き換えに、沖縄振興策を前年度から500億円増額することを決定した。「アメとムチ」の典型で、3501億円もの14年度予算を計上した。これを受けた仲井真前知事は当時、「有史以来の予算だ」と喜び、「いい正月になる」と語った。

 安倍政権はさらに、沖縄県知事選直前の14年8月、15年度概算要求で約300億円上積みし、3794億円へと増額する方針を提示。辺野古推進のため、金に金を積んだ。県知事選の最中、沖縄入りした菅官房長官は、沖縄に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を政府として誘致する考えまで提案した。遊園地とセットにするから、基地を受け入れろというわけである。まるで、バリューセットではないか。人を小馬鹿にしたような話である。

 だが、沖縄県民の心は金では買えず、遊園地でも釣れず、仲井真知事は翁長氏に10万票もの大差をつけられ、落選。安倍政権は「NO!」を突きつけられた。 翁長県政が誕生すると安倍政権はあっさりと方針転換し、チラつかせた大金を懐に戻した。いやらしい手口である

 1月8日の調査会では、「今までが多すぎたので適正な金額に戻す」との考えが示された。表向きの理由は「財政難」だが、仲井真前知事と予算面で差をつけ、新基地建設反対派に経済的な圧力をかけたい思惑があからさまである。

※しんぶん赤旗(2015年1月9日) 安倍政権 翁長知事と面会拒否 これが政府のやることか 沖縄振興費 一方的に減額
 辺野古を受け入れる仲井真県政には大金を約束するが、辺野古を受け入れない翁長には金は出さない。安倍政権のこうした態度は、金で仲井真票を買おうとする政府ぐるみの買収であり、大がかりな公職選挙法違反ではないのか、という批判は、至極もっともである。


自民「翁長知事には政府とのパイプがないことが示せればいい

 さらに、自民党はこれまで、歴代の沖縄県知事を調査会に招き、知事や副知事、県執行部から予算の要望を聞くことが通例だったにも関わらず、今回に限っては翁長知事を招かない、という異例の行動に出た。

 ABC放送によると、安倍政権幹部は、会合に翁長氏が出席できなかったことについて、「当たり前だ。立場をわきまえろ」と知事への不快感をあらわにしてさえいるという。なんという言い草だろう。

※ABC放送(2015年1月8日)“辺野古反対”知事誕生が影響?沖縄振興予算減額へ

 「立場」とはわきまえる、とは何のことか。「安倍政権に逆らう不届き者が、我々と顔を合わせ、口を聞けるはずがないだろう」という意味だろうか。どれほどの高みから人を見下しているのだろうか

 朝日新聞は、この日の舞台裏を次のように紹介した。

 「ある党幹部は『呼ばないのは仲井真知事じゃないから』と話す。会議では『今後、県の要望は自民党県連を通して受ける』との発言も出た。(中略)

 沖縄県選出の自民党国会議員は『翁長知事には政府とのパイプがないことが示せればいい』と狙いを明かす。別の県連幹部は『普天間問題で政策が異なる知事の要請を受ける理由はない』と言う」

※朝日デジタル(2015年1月9日) 沖縄知事を冷遇 自民党幹部「仲井真氏じゃないから」

 「立場をわきまえろ」「仲井真知事じゃないから」「翁長知事には政府とのパイプがないことが示せればいい」――。

 行政の公平性などカケラもない、露骨な差別的扱いが、公然と行われているのである。

 翁長知事に限らず、県知事とは、選挙で選ばれた、県民の民意を代表する存在だ。翁長氏との面会拒否は、沖縄県民の意思を無視すると宣言したも同然である。安倍政権による沖縄への「いじめ」は、地方自治、住民自治を蔑ろにした、民主国家にあるまじき差別行為ではないか。


農水大臣にも面会拒否された翁長氏
 それだけではない。翁長氏は、再び閣僚にも面会拒否されていた。

 8日に開かれた調査会に先立ち、1月6日から再び上京していた翁長氏は、サトウキビ交付金に関した西川公也農水大臣との面会を7日に要望していた。だが、やはり農水省側は日程を理由に面会を見送った。またも閣僚との面会は実現に至らなかった。

 他方で西川農水大臣は同日、沖縄県さとうきび対策本部長の新崎弘光JA沖縄中央会長や、衆院選小選挙区で落選し、比例復活した西銘恒三郎衆院議員ら地元自民党議員らの要請には応じた。辺野古推進派議員とは「パイプがある」ことを見せつけ、反対派との違いを際立たせたわけだ。

 例年行われるこの要請行動には、これまで毎年、仲井真弘多前知事が同席していた。つまり、翁長氏との面会見送りは、スケジュールの調整がつかないため面会延期、などという理由は成り立たず、あからさまな面会拒否だった。

※琉球新報(2015年1月8日) 農相、知事面会を拒否 安倍政権「冷遇」際立つ


知事選で翁長氏を支援した県内業者を発注先から排除!?

 安倍政権は「財政難」を理由に沖縄振興予算の減額を決める一方で、新基地建設費は増額するという「暴挙」にも出た。あくまで「金は辺野古新基地建設にしか出さない」という決定的な意思表示である。毎日新聞は次のように報じている。

 「政府が14日に閣議決定する2015年度当初予算案で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設経費として、今年度の2倍に当たる約1500億円を計上する方針を固めたことが6日分かった。(中略)

 政府は今年度当初予算で、移設関連経費としてまず53億円を計上。昨年7月1日の閣議決定で普天間代替施設の建設事業予算に予備費から142億円、国庫債務負担行為などで545億円の追加支出を決め、今年度の移設予算は計740億円に拡大していた。

 さらに昨年11月の知事選後の来年度予算編成で、防衛省が倍額の約1500億円の計上を要求し、認められる方向になった」

※毎日新聞(2015年01月07日)15年度予算案:普天間移設、倍増1500億円 沖縄振興は減額も

 さらにこれについて、産経新聞は1月11日、次のように続報を出した。
「平成27年度予算案の防衛費のうち約1500億円を計上するとみられた米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設経費について、防衛省が約300億円上積みしたことが10日、分かった。300億円は陸上の施設整備に充てる。9日に閣議決定した26年度補正予算案に計上した約185億円を加えると2千億円規模まで拡大し、補正を含めない26年度分(約740億円)の3倍近くに上る見通しとなった」

※産経新聞(2015年1月11日) 辺野古移設費300億円上積み 補正合わせ今年度の3倍

 沖縄振興予算を約300億円減らし、辺野古移設費を約300億円上積みする。何がなんでも辺野古を推進する、というあからさまなメッセージである。国民の税金を使った「イジメ」。さらに驚くべきは、先ほどの毎日新聞の続き、次のくだりだ。

「同省関係者は『沖縄関連の予算は今後、振興から基地関連にシフトする』と説明。移設に関する政府調達では『安全保障に関わる調達の品質を確保するため』として、知事選で翁長氏を支援した県内業者を排除する可能性にも言及している」

 
知事選で翁長氏を支援した県内業者を排除する――。

 理屈も何もあったものではない。これでは「経済制裁」である。これでは恐ろしくて、ゼネコンやJAなど、すべての企業や団体が、政府与党の推す候補者以外の候補者を、選挙で応援できなくなってしまうだろう。こんなやり方が許されるのであれば、日本は民主国家ではない。独裁国家そのものである


市民レベルから国家レベルへと増長する「沖縄差別

 翁長氏らが保革の壁を乗り越え、「オール沖縄」として共闘した背景には、「建白書」の存在がある。
当時、那覇市長だった翁長氏が代表を務めた「オスプレイ配備に反対する県民大会実行委員会」は、オスプレイの配備撤回、辺野古の県外移設を求めた「建白書」を作成し、2013年1月28日、翁長氏らは上京し、安倍総理に直接、建白書を手渡した。

 建白書には沖縄全41市町村長や議会議長らの署名が入っており、建白書の内容はまさに「オール沖縄」の意思そのものだった。建白書提出に先駆け、前日の27日には日比谷公園で集会し、請願デモを行った。しかし、そこで翁長氏ら「オール沖縄」を待ち受けていたのは、「ヤマトンチュ」による悪意に満ちた沖縄差別だった。田母神俊雄・元航空幕僚長を筆頭に、無数の「日の丸」を掲げた在特会などの差別主義者らが、銀座でデモ隊を待ち受け、「非国民!」「売国奴!」「ゴキブリ!」「スパイ!」「日本から出て行け!」などといったヘイトスピーチを雨あられと投げつけたのである。


NO Osprey

※2013/01/27翁長氏「『日本を取り戻す』というが、この中に沖縄は入っているのか」〜No OSPREY 東京集会

 デモに参加した翁長氏ら沖縄県民は、沖縄では経験したことがない、汚い罵声と凄まじい悪意、そしてむき出しの差別に心底驚き、戸惑い、悲しみ、悔しがった。 沖縄選選出の参議院議員・糸数慶子議員は岩上安身のインタビューにおいて、この日のことを、こう振り返っている。

 「『オール沖縄』による静かな訴えのデモでしたが、『売国奴!』『裏切者!』と罵倒されました。泣きたい思いで行進しました。ひどい差別です。私たちが復帰した日本とは何だったのかと、悔しく思いました」



※2014/01/11 【沖縄名護市長選】「次世代に負の遺産を受け渡してはならない」糸数慶子参院議員が「沖縄の思い」を語る

 本土で激しい差別を目の当たりにして以降、沖縄は、保守も革新もなく「沖縄差別」と戦ってゆく決意を新たにした。沖縄で取材すると、多くの県民や識者がそう語る。 その差別は今や、田母神氏や在特会などの一部の特異な差別主義者らによるヘイトスピーチだけではなくなった。政権を握った安倍・自民党が、より激しく、より露骨に、国策として、「イジメ」同然の沖縄差別を展開している。侮辱しつつ、服従しろ、従え、と迫っているのである。

 安倍政権がまれにみるヘイト政権であることは、もはや誰の目にも明らかである。安倍政権による沖縄差別は、沖縄が辺野古新基地建設を拒否し続ける限り、今後も続くのだろう。基地を力づくで押しつける、ということは、「最前線の戦場」を沖縄はじめ、南西諸島に押しつける、という思惑でもある。政府のその思惑については、伊波洋一・元宜野湾市長が、岩上安身のインタビューに応じて、余すところなく語っている。自衛隊の広報ビデオひとつ見ても、その意図は明白である、と伊波氏は語る。

※2014/12/20 【饗宴アフター企画第6弾】日本全土を戦場に想定した米国の対中軍事作戦の全容を読み解く! 「日米安保の意味がない」~岩上安身による伊波洋一・元宜野湾市長 緊急インタビュー

 こちらの岩上安身による伊波氏インタビューを、1月14日、午後8時から会員限定で再配信する。是非、この機会にご視聴いただきたい。

 沖縄が戦場になる。その時は、沖縄は人の住む所ではなくなってしまう。そういう切実な危機感が、沖縄の人にはある。

 翁長氏は、知事選前に、同じく岩上安身のインタビューを受けて、なぜ基地に反対するか、簡潔に答えている。

 「現代の戦争では、まず、基地をミサイルで狙う。沖縄はミサイル2発で吹き飛びます。我々沖縄の人間には帰る所がなくなるんです」

 岩上安身による翁長氏インタビューを、伊波氏インタビューの翌日、1月15日に再配信する。こちらも是非、合わせてご視聴いただきたい。

※2014/10/16 【沖縄県知事選スペシャル】翁長雄志氏、米軍基地負担と「リンク」した沖縄振興策に強く反対 辺野古移設は「ご破算」にする意欲を岩上安身に語る

 日本政府による「沖縄イジメ」を等閑視していいのかどうか、本土に住む人間こそ問われている。(取材・文:原佑介 記事構成:岩上安身)

・ 「日本病の源」だった国家公務員法(1)

2015-01-14 03:00:27 | 政治
ネット上に国家公務員について竹原信一さんが投稿していました。私たちが知らない法律の抜け道を指摘しています。以下転載します。


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日本病の源」だった国家公務員法(1
  前阿久根市長 竹原信一氏

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政治・社会|行政 2014年9月18日10:19



 阿久根市民として、市政の問題点を指摘するビラまきから活動を始め、市議、市長として、政治・行政・社会の「歪み」と向かい合ってきた前阿久根市長・竹原信一氏。在野の士となった今でも「歪み」の根本原因への探究を続けており、そして今、日本国家の仕組みへと目が向けられている。竹原氏が新たに指摘している憲法と国家公務員法の矛盾。それは、一般に「公務員」と言われている人々が、実のところ、憲法が定める「公務員」ではないというものだ

前阿久根市長 竹原信一氏 竹原信一氏(以下、竹原) 公務員が自分たちを公務員ではないことを知りません。政治家もわかっていない、国民はもっとわかっていない。自分たちはどのような国家の設計図で動いているのかを誰も知らない。みなさんは憲法で動いていると思うわけですよ。学校で教わるから。でも、憲法を否定する国家公務員法の存在に気づいていません。実際のこの国の設計図は国家公務員法なんです。憲法は飾り物として離れたところにある「理想」。いつも解釈で変えなければならないのは、それで動いていないからです。国家公務員法を第1条から変だと思ったのは、憲法では「公務員は選挙で選ばれた人」となっているのに、どういうことなのかと。普通の役人が入る余地はないんです。「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」(憲法15条1項)、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」(同条3項)。そして、「公務員は全体の奉仕者」(同条2項)となっているわけですが、どこに役人が入る余地があるのでしょうか。役人については、憲法73条に「官吏」と定義してあります。役人は「官吏」、公務員というのはどうもこれは、新しい憲法での新しい概念なんですよね。国民主権という世界での新しい概念として、国民の代表が全体の奉仕者として、実際の権力を振るう。だからこそ、危険だからいつでもクビにできる権利を国民が握っている。

 ――選挙で選ばれる政治家が「公務員」にあたりますね

 竹原 そういうことです。憲法の前文に書いてあります。国民は正当に選ばれた代表を通じて行動すると。それを受けての憲法15条なんです。昔は、天皇陛下を飾り物にして実権を握ってたのは役人でした。そして天皇陛下がいなくなれば、自分たちの権力を、国民なんかが選んだ代表に任せられるかと考え、「公務員」という概念を取りにいったわけです。それが国家公務員法という形になっています。いきなり第1条に、「国家公務員たる職員について」と書いてあります。なんで国家公務員が職員になるのかと、ここからおかしいわけです。それと証拠としてわかっているのは、第1条の2項です。「この法律は、もっぱら日本国憲法第七十三条にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものである」と書いてあります。第15条にある「公務員」に関する事務を掌理するとしなきゃいけないところではないですか


 ――選挙で選ばれたわけではないので、そうすると間違いになりますね


 前阿久根市長・竹原信一氏が指摘している憲法と国家公務員法の矛盾。国家公務員法は、第1条で「国家公務員たる職員について」とする一方、同条2項で「この法律は、もっぱら日本国憲法第七十三条にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものである」としている。以下に憲法15条を引用する。

日本国憲法第15条
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。


 ――国家公務員法2項に「公務員」という言葉を使わなかったのは、憲法が定めた「公務員」ではないことをわかっていたことになりますね

 竹原 それをやると露骨ですからごまかしている。2つも嘘がはまっているわけです。しかも、国家公務員法は「事務を掌理する基準」を定めるとある。基準なんですよ、これ。法ではないんです、実質的に。基準ということは、状況によって裁量ができるという話ですよね。だから実質的には守らなくてもいいというところがあるわけです。それから、3項に、「何人も、故意に、この法律又はこの法律に基づく命令に違反し、又は違反を企て若しくは共謀してはならない」とあります。つまり、法律でさえないのに、基準に基づく命令、役人が「この法に基づいて」と言ったら、これが法になるわけです。もともと基準であったものが法にされる。役人の気分で法になってしまう。これは何と言ったらいいか、「恐怖政治」ですね。「恐怖政治」を可能にする法律なんです。

竹原 信一 (たけはら しんいち) 4項には、「この法律のある規定が、効力を失い、又はその適用が無効とされても、この法律の他の規定又は他の関係における適用は、その影響を受けることがない」。秩序もへったくれもないわけですよ。一旦言ったものは通せよ、という話です。そして5項に、「この法律の規定が、従前の法律又はこれに基く法令と矛盾し又はてい触する場合には、この法律の規定が、優先する」とあります。すなわち、最上位法でございます、ということです。つまり、これは職員による全体主義を強制する法律なんです。

 憲法15条は、公務員の選定および罷免することは国民固有の権利としていますが、国家公務員法は3条で人事院の設置を定め、これをできないようにしています。「公務員」の名前を使っておきながら、憲法がおよばないようにしてあります。これがこの国の形です。それを気づいていないわけです。実際には、役人たちも自覚はないけれども、実質的に役人全体の利益を確保する方にしか動けないようになっています。国民のために働こうという人間は、困り者なので排除しようとしたり、出世をさせなかったり、影響力を減じていく方向性があらゆる組織であるでしょ。しかも、裁判所まで結託するわけですから。あらゆることがここから派生していることがわかります。たとえば、家庭裁判所では、裁判官が1人で年1,100件くらいを担当する。とてもまともな裁判なんてできませんよね。つまり、ただの事務をする小役人状態です。もし、裁判官がじっくり1つ1つの裁判に取り組んだら、国家公務員法の問題までたどり着いてしまうわけですよね。それをさせないようにしています。おまけに、裁判官の人事についても法務省が握っていて、国にたてつくような裁判官は続けさせない。

 「強制労働所の囚人のようだ」と元裁判官の瀬木比呂志さんは仰っています。まともな分を持っていれば、人の人生を破壊していくと精神が壊れていき、人格障害にも陥ります。だから、戸塚ヨットスクールには裁判官の子どもたちが複数名いた、と。国民の暮らしの状況も似たようなもんです。なるべく、役人集団の覚えめでたくして得するように、そして、他の人を踏み台にすることが人生の目的、それをばれないようにする。そういう精神社会にこの国はなっているわけです。すべてのことがそこ(国家公務員法)から派生して作られているから。公務員が自分たちの集団のために泥棒をするのは当たり前なんです。合法ですから。

 「官吏」(役人)を「公務員」とした国家公務員法に、日本社会が抱える様々な問題の根源(国を動かすシステム)があると指摘する前阿久根市長の竹原信一氏。そのシステムが、どのような事象を起こしているのかについて語る。

 竹原 国家公務員法がつくられてから68年間、一度も隠したわけでもないこの法律の真意を読み取ることができなかったということです。でも、実は自民党の憲法改正案には、憲法の方を、この公務員法に合わせるという法案があります。だから、この国を動かしている後ろの官僚の世界には闇が広がっていて、彼らは着々とやってきているというわけです。また、そういう人間でなければ、官僚の世界では出世しないんですね。

前阿久根市長 竹原信一氏 悪事を国民に対して働く、そして、そうした人間は、見かけ上、下がるように見せながら、事務次官になり、勲章をもらって、その後の天下りもしっかりしたものになる。それは事実です。それは戦後に始まったことではありません。太平洋戦の時に、日本軍が宣戦布告なしに攻撃したことになっている。そのおかげで、「日本は卑怯な国だ」ということにされましたが、その時に宣戦布告を出していたのに届けないというヘマをやった外交官たちは、ちゃんと事務次官になりました。勲章も受けて出世している。

 この国にはシステムがあるんです。明治時代からあると聞いています。そういうことがよくありますよね。たとえば、中川昭一大臣の酔っ払い会見を仕組んだといわれ、中川氏の隣にいた財務官僚・篠原尚之氏はIMFの副専務理事になりました。また、会見で一緒にいた白川方明日銀総裁(当時)は、国際決済銀行の副議長になりました。この仕組みは、国を超えているのです。とてつもない陰謀というか、隠しようもない陰謀ですね。露骨に出ていますから。あらゆる物事が、私たちの暮らし、教育、医療、福祉、すべてがそこから派生しています。

 ――出産医療では、厚生労働省が推奨するやり方が、実は、医者不足を解消するための簡略化されたもので、乳幼児に危険な負担をかけていると指摘する産科の開業医の方もいらっしゃいます。その方は、直接、厚労省にやり方を変えるよう直談判もしました(記事参照)

 竹原 国民を生かす気はないわけです。ひたすら役人集団の利益に回るように加担すれば、その事業は上手くいくんです。だから、何かを変えたいのであれば、役人と取り引きするしかないんです。そして、国民は全体的に貧しくなる。その手伝いをすると、みなさんの事業はうまくいきます。すごいでしょ。結局、役人たちの福祉を担わせられるわけです。役人が国民に強制する福祉とは、実際には、金をもっていない人たちが金を持っている人たちのお世話をすることを意味します。役人が金を持っていても国民は金を持っていてはいけない。相対的に国民の所得を減らし、常に、国民が国にすがりついていないといけない状態にする。賢い人は、役人に利益を回すやり方で利権を得る。それが天下りですね。いろんな問題を個別に叩いてもダメなんです。ど真ん中を最初からやらないと。

 この条文をつくった側の人間をそのポジションに置く人事システムが存在します。誰がそうしているのかは私にはわからないけれども、確実にあります。悪人が悪人を出世させる仕組みが。一方、政治家は割合見えますよね。後ろにいる役人集団にとっては政治家なんていうのは誰でもいいんです。使い捨てで、「こいつがダメだから悪くなったんだ」と思わせる。政治家は、役人に対して利益を回す道具あるいは盾です。誰がやってもダメなのは、その政治家のせいではなく、その後ろにあるものなんです。本当は誰がやっても良くならないとダメなんですが、ことごとく国民のためにならないようつぶし、排除してしまう。大手メディアは特にそうですね。どうでもいい個人的なものを叩いて、自主的なことはさせないようにする。そして、騙される人間がそのポジションに居続けると。「騙され芸人」ですね。それが政治家の実際の姿です。



 市民目線で阿久根市の行政組織の是正に取り組み、国全体から抵抗・妨害を受けたと言える竹原氏が指摘する憲法と国家公務員法のズレ。今回は、同法成立の背景、ねらいについての考察が語られる。

 竹原 私が以前、道理を通そうとした時に、とてつもない騒動になり、総務省、裁判所まで噛み付いてきたわけです。なぜ、道理が通らないのかという実感だけが蓄積されて、ずっと答えを探していました。ついに見つけた答えが国家公務員法だったのです。

 ――困った市民が相談を持ちかけても、受け付けない役人が優秀ということでしょうか。
竹原 信一 (たけはら しんいち) 竹原 あるいは、それをテコにして、さらに利権につなげるとか。ちょっとしたことを大々的に報道させて、そのために金を注ぎ込んで、自分のところに金を回す、天下りする。それが事実ですよね。医療もそんな感じです。歳をとれば、がんになるのは珍しくないと思いますが、大々的にして大病院をつくり、薬を注ぎ込んで上前をはねていくというのがシステムであって、余計なことをしなければ、こんなにがんで死んでいないと思います。すべての問題が餌食にされています。実際には、問題さえつくっているわけですけど。何でもいいんです。思いついた人間が、その組織のなかで出世していきます。自分たちは玄関掃除をしたり、税金の請求をしたり、ただその作業を一生懸命やっているだけ。そのことをもって「全体の奉仕者」とはおかしいでしょ。給料をもらうためにやっていることを「公僕」とか言っちゃいけない。

 ――国家公務員法は、実のところ、どのようなねらいでできたのでしょうか

 竹原 この法ができたのは、GHQが統治していた7年間の最初の2年のうちにできています。だから、これは米軍もわかっていてやらせていると思います。GHQが去っても、米軍に代わって植民地を統治する存在を置いたわけです。大英帝国が植民地をつくる時の手口に似ています。自分たちで直接統治するのではなく、そこの人間たちを分離させて、自分たちに従う者を上に置きます。従属の競争をさせるわけです。

 ――憲法15条とのズレとは何でしょうか

 竹原 憲法は、いわば投網みたいなもので、一応は、全体を憲法のなかに入れないといけません。網のなかでのやり取りをやらせないといけない。そのためには公正なものでないといけません。建前です。でも、それをひっくり返すものもなかに入れておく。それを吸い上げるウイルスも入れておきます。

 ――そのウイルスが国家公務員法を最上位法にする5項ということですね。気づかれても崩せないように。それはGHQ統治下という特別な状況が生んだものでしょうか

 竹原 実は、戦前からなんですよ。今、私たちが認識している「政府」とは、明治維新の時に初めて作ったわけですよね。それまでは各藩が国ですから。明治維新は、西洋が武器で金儲けをしながら、日本を植民地化したものです。明治から「日本」は、最初から傀儡(かいらい)国家なんです。ここでは政治体制だけのことを考えて言っています。太平洋戦争に負けた後は、よりいっそう強まっています。国民は憲法に沿って国民主権になったと思っていますが、実際には、そうならないようになっている。そういう形の植民地なんです。だから、アメリカ国債を勝手にどんどん買ったりするわけです。それをする人間が出世する。人事には力が入りやすいですから、多数決で決めるわけではありませんし。

 憲法15条で定められた「公務員」の定義から外れた官吏を「公務員」とした国家公務員法。公僕が存在せず、国民の搾取者として役人が存在するシステムの存在を指摘する竹原氏は、どのようにしてその問題を解消していくべきと考えているのか。

 ――本当の「公僕」と言える志のある方も少なくはないと思います

前阿久根市長 竹原信一氏 竹原 そういった方たちが、かえってカモフラージュになってしまうこともあります。本人が国民のためと思っていようがいまいが関係ありません。たとえば、飛行機をつくるにあたり、必要な部品をつくる人たちがいますが、その完成した姿をわかっている人はいません。マンハッタン計画では、皆、何を使っているかわかりませんでした。罪のない人たちを何十万人も殺す武器になるとは誰も思っていない。一所懸命、平和のため、家族のためにがんばっていた。そのことが、最悪の結果を生む手伝いをすることになっていた。真面目な役人が一所懸命にやるから、かえって悪くなってしまう。同じことなんです。

 ――政治家のなかにも官吏出身がいて、これを崩すのも大変なことと思いますが

 竹原 崩すというか、相手を固まりとして見るのではなく、ただの考え違いですから。知識と感情がねじれている状態なんですね。行動から感情が生まれ、感情から行動が生まれているのに、頭のほうは「全体の奉仕者」という風に思っている。このねじれを直すだけでいいのです。それは頭のほうで「国民の搾取者」である事実を知るということです。そして、その上と下が揃ってから、正す道が見つかると思います。ねじれたままだと無理なんです。

 ――まず、この事実を知ることが大切なんですね。

 竹原 知ることで、裁判官も「1年に1,100件もやっていたら、まともな仕事ができない」と言い始めることができます。まず、がんばることが社会のためにならないということを理解すべきです。がんばって社会のためになると思っていたことが、社会を破壊するためになっている。この枠組みで働いている以上。気づくことで、一つひとつが、社会のためなのかどうかを自覚的に判断することができるようになります。それが生きがいにつながります。民間で働く人も目の前の金のためではなくて、このことが社会のためになるとわかれば、喜びになるではないですか。事実を知ることで、そういう社会が展開していくはずだと、私は思っています。

 「崩す」とか「戦う」ではなく、壊されてきたものを壊れないように持っていくという話なんです。自分で壊していることを発見し、そうではないやり方があることに気づく。壊しているものが何かを見つめれば、壊さなくていい方向がわかります。国民も国から金をもらわないとやっていけないと思わなくなり、金を持ってくる政治家に投票しなくなります。役人と結託して箱物をつくり、自分たちを疲弊させてしまう人を選ばなくなります。これ(憲法と国家公務員法の矛盾)は途轍(とてつ)もなく、大きな影響を与える可能性があると思います。

(了)
【聞き手・文:山下 康太】