祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 大阪都構想

2012-04-29 19:19:16 | 橋下徹 大阪市長
花


大阪市長の橋本徹さんが進めようとしている「大阪都構想」とは、なんでしょうか。単純に、大阪府を東京都と同じレベルに格上げするものでしょうか? それとも大阪市議選に勝つために大阪市民を釣る餌なのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・
彼が、いろいろな形で伝えようとしていることを、簡単にまとめてみました。

橋下徹さんが提案する大阪都構想は、「体制の改革」「仕組みの改革」のようですね。
これは、今でも動いている体制を変えることです。なぜそんな大変なことをしようとするのでしょう?

最終結論としては、大阪の市民生活を守るために、本格的に仕事を取組み、まともな結果を出そうとしているという事です。一部の政治家(いやほとんどかな?)が、無責任な耳触りの良い政策(?)を掲げ、市民の恒久的で安定した生活を持続できることとは全く無縁な、いや、逆に悪化させさるような政治をしている者達とは別世界の人ですね。責任ある仕事(* 責任あるとは、それが実現しないときには、減給・降格・解雇等を甘んじて受けること。)をしようと思えば、本格的な問題認識が無ければならないし、その問題が大きければ大きいほど、基礎から手を付けなければ結果は出てきません。

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日本の国をみると、大きな財政赤字を抱えていて、すべての政治屋は何ら解決策はなく、ただただ先送りしかできない・・・・・・しかも財政赤字を増加させながら・・・・・(自民党時代は、税収が50兆円に対し支出が80兆円ほどだったが、民主党になって、税収は減って支出は90兆円を超えている。今年度(2012年)の第1次予算は96兆円の支出・・・・)
経済の成長をさせるための意識も知識もない・・・・・・・
社会保障としての年金も、最初のスタート時点での約束(積立方式)と1970年後半以降の現状システム(賦課方式)とは、360度全く違うシステムになっているにもかかわらず、誰一人としてその責任を追及し改善できる政治家はいない・・・・・・(詳細は雑感 厚生年金保険制度回顧録
将来、いまの子供たちが自らの責任で生きていくための教育もできない・・・・・・・

1990年より前は、国内総生産(GDP)は世界最高、貿易も巨額の黒字、製造業の国際競争力は抜群。失業率も低かった。
1990年以降から現在に至る約20年間は、世界の主要国の中で日本は、経済成長率の最も低い国になっている。昨年は貿易も赤字・・・・・失業率も高い。
日本の経済は、1990年度の財政赤字は5兆6千億円。同年の財政支出の8.4%でした。
それに比べ2011年度の当初予算は、収入40.9兆円に対し総額支出92.4兆円・・・・赤字51.5兆円・・・・???????
更に2012年度予算原案は、総額支出は96兆円・・・・・・
この、支出の額に対して税収が半分しかないのは、徳川幕府末期の1860年代か、1940年代の敗戦時の時と同じ状況です。

いまの国としてのどうしようもない財政状況とそっくりな状況が大阪市にあるようです。
東京を中心にすべての機能が移転し始めるとともに、大阪地域の地盤沈下は始まった。経済だけではなく、教育も文化も後退したようです。大阪市は1988年まで28年間連続赤字を生み出し、89年が初めて黒字になったものの、2015年には財政再生団体に転落と言われています。

そしてこれらを解決できるのは政治家がまともな計画を立て、まともに実施していくしかないわけですが、計画は財政赤字を減らす事が出来ずにいます。その根幹が、「市役所公務員の組合」や「そこから押された市長」を中心として利権の獲得のためだけに夢中になる者が集まって市政を動かしているからです。当然、計画はデタラメ・・・・・いくら赤字でも税金をむさぼりつくしたいシロアリの塊が団結して大阪市を食い物にしています。必然的に、住民のために使われる税金が、違うところに行くため地域住民サービスは低下・・・・無駄な行政のため、大阪地域の経済成長に効率よく税金が使われず税収は減少。

これらを解決するために、分業のできる組織体に変更し、責任を負う範囲を明確にするため大阪都構想を掲げているようです。地域経済の成長をさせるためには、国レベルで官僚が政策を作っても難しいのです。戦後、全く何もない状態では中央集権で進むことが出来ました。しかし、今は札幌と大阪と沖縄では、その地域の経済を成長させる方法が一律ではありません。地域ごとの特徴を生かした戦略が必要となりますし、サービスも地域が求めるものは違い、中央の官僚ではそれを理解し政策を立てるのは無理です。

橋下徹大阪市長は次のように言っています。
今やろうとしている大阪都構想とは、大阪市役所権限のうち、都市間競争にかかわるものは大阪都へ、住民サービスに関することは、大阪24区を8つに再編した特別自治区へ渡す。同じように大阪府庁の権限も、大阪都に任せるものと特別自治区に委ねるものとに分ける大阪府と大阪市が今持っている権限と財源を再配慮することが、大阪都構想なんです。」

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今、日本の成長をささえてきた規格大量生産(自動車・電気製品・光学機器等)は、中国や東南アジアの国々に技術的に追いつかれるようになってきています。もういままでと同じことをしても日本の経済成長はあり得ないという事です。現に先日発表された国内の主要電気産業は、昨年の経常収支が軒並み赤字でしたね・・・・
「ニア・イズ・ベター」と言う思想がアメリカやヨーロッパで進んでいます。より近くで決めたほうが良い・・という事です。そのため、まず、個人のお金を増やそう。次に市町村、身近な基礎自治体の権限と金を増やそう。次に広域自治体の金を増やそう。そして最後が国の金だろう。
この思想が行政機構改革の基本になって、世界中の都市間で競争が始まっています。東京・大阪の競争相手は、国内ではなく、ニューヨークでありロンドン、パリ、上海あるいはシンガポールなのです。

地域の住民が求める幸福の方向に向かって、都市を経営していかなくてはならない。
どこの国もその機能があまりにも大きく複雑になりすぎたので、中央にいる少数の人間だけで方向性を決める状態ではなくなっています。国の仕組みも分散し、国がしなければならない課題に集中させることが必要です。国がせねばならないことは、外交・防衛・通貨の発行・マクロ経済・高級司法などです。どれ一つとっても日本政府の対応はお粗末ですね。3月30日の各国首脳が集まって、北朝鮮の「人工衛星」を止める会議をしているのに、日本の首相のみが国内の増税を優先して、参加に遅れて協議に入れないとか・・・・・・田中国防大臣は、何をしたらいいのか全く分からずウロウロウロ・・・・・・・これで、北朝鮮からノドンでも打ち込まれたら、自衛隊は機能するんかい?・・・・

次に広域自治体(大阪都)が、都市間競争の中核になります。これは大阪市(260万人)レベルでは小さすぎます。世界の大都市のカウンターパート(対等な立場にある相手)になれるような大阪都を目指していく。台湾では2010年度に、県と市を合併させて新しい都市をつくりました。ロンドンでも33の区を一つにまとめた大ロンドン庁(グレーター・ロンドン・オーソリティ)を作りました。パリも4地域くらいを一つにまとめた大パリ構想があります。今の大阪市では、これらの都市と競争し、勝ち抜くには小さすぎます。

そして、広域自治体(大阪都)を作ると同時に、大阪市民の意思を組んだ基礎自治体をしっかり作っていく。最低でも東京23区に匹敵するレベル、あるいは中核都市並みの自治体、つまり東京23区よりもっと権限も財源も持った組織、意思決定機関を大阪市内に8つから9つ作る。この基礎自治体が、住民サービスをしていくことになります。この規模だと住民とフェイスツーフェイスで仕事ができます。今の大阪市(260万人)では大きすぎで、十分なサービスが出来ないのです・・・・・・・

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大阪都構想には上記の内容が基本にありますが、それを実現することが大切です。
民主党が、国民の票を大量に獲得して政権を取ったものの、実際に政権につくと、やることは目茶苦茶・・・・野党時代は、自民党のデタラメを追及していたものの、いざ自分たちが政権につくと、自民党よりももっと悪い状態です。あれだけ天下りを問題視していたのに、勝手に抜け穴を作って天下りのし放題・・・・・首相は財務省のいいなり・・・・・

これは、民主党だけの問題ではないでしょう。他の政党がやっても同じことです。その根幹的なところで、組織を動かす能力が全く無いからです。自民党などは、その能力がないどころか、官僚とつるんで利権獲得にアクセク・・・・・・だから、官僚が好き放題をして、あれほど官僚のみが有利なシステムに出来上がっているのです。官僚があれほど好き放題にできるのは、自民党が一緒につるんで利権獲得に走り回っていたからです・・・・
このマネジメント能力が、政治屋には全く欠けているので、官僚に良いように操られているのです。
国としての組織を動かせることができないのです。これは、一つには今の国会議員の能力にも問題がありますが、もう一つには、組織の分業の意味合いが全く分かっていないことが要因です。これは、民間企業でもきちんと解っている人は限定されると思います。世界中で、組織論は発表されていますし、勉強もできます。しかし、知識的に組織論が解っても、それを実務に落とし込める人はかなり限定されます。ましてや政治屋なんかは、そんな能力はありません・・・・・

以上のように、「意思の決定」を誰がするのか、そして、「目標に向かって組織をどのように動かし」、期限内にその「目標結果をきちんと出し」ていけるシステムの構築をしようと言うことが大阪都構想です。

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 「橋下 徹」氏が初め大阪府知事になったときは、今までと同じく芸能界で顔が売れて、立候補したんだな・・・位にしか考えていませんでした。しかも、弁護士であったとなれば、単純に「これは無理だ・・」と思っていました。しかし、彼が大阪府で知事として実績をあげ始めていくのを見て、不思議な思いを持ちました。なぜ大きな組織を動かして、成果を出しているのかが不思議だったのです。よく見ると、彼のしていることは、マネジメントそのものでした・・・・・。大学を出て、司法試験に受かり、弁護士になった人がマネジメントが分かるはずがないのに・・・・・でも、いろいろ読んでいる内に納得できました。弁護士の時代に、ある会社の役員を経験しています。おそらく、その時の社長なり、実質的に経営している人が、もの凄くまともな経営者だったんですね。そこで、橋本さんは組織の動かし方を学んだようです。

それと、彼の本質を見抜く力が凄い。起きている問題の、本質的な原因を推定できる能力が高いと思われます。マネジメントする人は、この観察力が無いと全くの無能力者になります。この本質的な問題を解決するために、組織を動かし結果につなげていきます。この時にマネジメント能力がものを云うのです。マネジメントする時、組織が大きければ大きいほど、組織論が大切になります。ものすごく多くの人々を一つの方向に動かすことが出来ねば、結果はついてきません。この辺は、多くの政治屋が「1対1」での誤魔化し論法で、まかり通る世界とは、別世界です。ですから、今回の様な大改革は、凡人の政治屋ではできません。

橋下さんが素晴らしいのは、上記のほかに「ディベート」する能力があることです。あれだけ、論理展開のできない役人や組合を相手に、きちんと時間をかけ議論を交わせることが彼の強みでしょう。これは、弁護士としての勉強の中で身についた能力だと思います。多くの人たちを、一つの方向に動かしていくには、相手がこちらの期待していることを、正しく理解することが必要となります。その時に、きちんと納得のできる論理展開が無ければなりません。議論する際、相手の言っていることを正しく理解し、それに対して、相手が分かり易いように、こちらの意思を伝える・・・・・これも、普通の人ではできる人は限られるでしょう。

そして、橋本徹氏がもっともすばらしいと思えるのは、大きなロマンを持っていることです。観察力があって、マネジメント能力があって、ディベートする力を持っていても、大きなロマンの無い人間には、まともな仕事はできません。ましてや、巨大な利権グループと戦う訳ですので、きれいごとでは済まないはずです。(元横浜市長で現在大阪市特別顧問の中田宏さんも、利権がらみのグループに引きずり降ろされていますものね。)このような巨大な暗黒と立ち向かうには、とてつもなく大きなロマンが必要です。そして、それに共感する人達が集まることにより、大きな仕事につなげることができるのです。

今、大阪統合本部には、優秀な能力を持った人たちが集結しています。大阪を立ち直らせるため、そして、日本を立ち直らせるため立ち上がった人たちです。彼らの能力を最大限に発揮させ、大阪維新塾に集う3000人以上の人たちと力を併せれば、今の国難を解決する糸口になるやもしれません・・・・・
まさに 「 日本維新 」 の始まりですね・・・・・

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内部被爆とガレキの広域処理

2012-04-23 23:40:49 | 原発事故
モーニングバードの中で広域がれき処理について報道していました。このニュースを聞く限りにおいては、岩手県・宮城県の瓦礫をわざわざ全国にばらまくような広域処理をしなくても良いようです・・・・・・・
地域がれき量広域処量比率
阪神淡路大震災1980.0万t144.0万t7%
東日本大震災2249.5万t401.2万t18%

阪神淡路大震災に比べ、東日本大震災の瓦礫のうち、広域処理の比率が高いですね。18%もあります。ただこれは、岩手県・宮城県のみの数量です。福島県は放射線量が高くて、他県には持ち出せないという事です。

表の広域処理のがれき量約401万tのうち、宮崎が344万tと極端に多くなっています。
地域がれき量広域処量
岩手県422.0万t57.3万t
宮城県1444.3万t344.0万t
福島県185.7万t0.0万t

この数字を見る限りにおいては、宮城県の広域処理分が問題のようです。これが無くなれば、広域処理もしなくて済むようです。


対策 1
がれき処理を3年としているが、その期間を少し伸ばすことはできないか?
番組の中で、現在の処理能力を計算しています。
岩手・宮城の「 3年間の処理能力が1647.1万t 」です。これを1か月あたりに換算すると、
   1647.1万t ÷ 360 ヶ月 = 45.8万t
になります。従いまして、現在政府が要求している数字を計算すると・・・・・
    400.1万t ÷ 45.8万t = 8.8 ヶ月
この計算によれば、「8.8か月」処理期間を延ばせば、他県に広域処理をお願いせずに済みます。
「3年」という期間と「3年9か月」という期間で、大きくは変わらないのではないでしょうか・・・・


対策 2
宮城県は4ブロックに分かれてガレキ処理をしています。
ブロック気仙沼ブロック
石巻ブロック宮城東部ブロック名取ブロック
ガレキ広域処理量未定294.0万t6.0万t44.0万t

宮城県廃棄物対策課 笹出陽康課長の話によると、石巻ブロック以外のブロックでは、ある程度、期限内で処理が出来るという見込みがついているようです。上記の表に表示のない仙台市は、だいぶ前倒しで終わりそうとの見込みが出ています。また、他のブロックも予定より前倒しできそうとのことです。そうすれば、石巻ブロックの瓦礫を他のブロックに移動し処理することが可能となります。そこで、ブロック間の連携をどれだけすすめられるかという調整を、今進めているとのことです。この調整はゴールデンウィーク明けには見通しがつくそうです。かなりの部分が宮城県内で処理できそうだという事です。


対策 3
石巻の工業港に埋め立て用地を確保できた。当初100万平米を確保していたものを、将来200万平米まで埋め立てができるようになれば、広域処理分が減ります。そこにはガレキを再生したものを埋め立て材として極力使いたいという計画があるようです。そこにもかなりの量を使えると見込んでいるそうです。


対策 4
防災林に利用する。
仙台から南の砂浜地帯にある防災林・防潮林が、かなり今回の津波でやられました。その再整備のために林野庁が防災林を直轄事業として進める方向でいます。(がれきを)それの盛土材として環境省が極力使えるように調整していくという形で現在精査をしているそうです。
これなどは、ブログ瓦礫処理に書いたように、福島県南相馬市の桜井勝延市長が同様の考え方をしており、福島のがれきだけでは不足するので、もっと他県の瓦礫を受け入れたいと、昨年の5月に申請しています。・・・・・・政府(政治屋・官僚)は、バカばっかし・・・・・・給料だけ高くて、まともな仕事は何にも出来ない・・・・


モーニングバードの玉川さんが環境省廃棄物対策課 山本 昌宏課長に質問しています。
(質問):本当に宮城県でできないもの基本的には廃棄処分場の適用になるものだとおもんですが、そういうものだけをお願いして回れば、一番いい形になるんじゃないかと私は思えるんですが?

(返答):そこはおっしゃる通りだと思うんです。もともと県内でできないものを県外でやるというのが考え方ですから、全部(県内)できるんだったら県外でする必要はないんです。県内でできないものは何かと言うことで出していただいたものを、我々は岩手県では57万t、宮城県では340万tありますと言う形で、いまお願いしているので、そこは宮城県のご健闘で変わってきて、ここまでは自分たちでも十分に期間内にできると、だからここをやってくれという事で変わってくれば、そこについてぜひご協力をお願いしたいというお願いをして回るんだと思います。

聞いていると何と無責任な言い方でしょう・・・・・・県から申し出があったので、そのままデーターをまとめて政府に提出したという事ですね・・・・・そして、政府も官僚から出てきた数字を、ただ単に全国に受け入れをお願いした・・・・・と・・・・・・・単なる「お役所仕事」・・・・・やれと言われたからやりました・・・・・レベルの仕事ですもんね・・・・・・こんな奴らが、われわれの生活を勝手に方向付けしていると考えると、あほらしくなりますね・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

がれき処理そのものは、現地で対応できそうですが、今回も問題となったのは「放射性物質」の処理があまりにもデタラメだという事です。
1キロ当たり500ベクレルのガレキを扱っていいというのは、外部被爆での基準です。もう一つ、焼却後の8000ベクレル/キロを取り扱っても大丈夫・・・・と言うのも、作業員が一時的に取り扱っても、「外部被爆」は少ないとの基準です。ただし、8000ベクレル/キロを大量に取り扱うというのは違います。

政府が大丈夫と言うのは、一時的に少量を取り扱うのは、外部被爆に対する世界の基準から見てもOKという事です。
しかし、内部被爆の事は、全く話題にもしていません・・・・・・・

チェリノブイリでも問題となっているのは、外部被爆ではなく内部被爆です。食事や飲み物を取ることにより、汚染された食材や飲料から人間の体内に放射性物質が入り込み、内臓の各器官に蓄積されるのです。チェリノブイリ原発事故のあった当時の子供や妊婦のおなかの中にいた子が、25年経って結婚する時期となり、不妊・流産が異常に多くなり、出生率より死亡率が多くなり、人口が減り続けているのが現在のベルラーシです。
旧ソビエト連邦のゴメリ医科大学の学長であったバンダジェフスキー博士は、チェリノブイリ事故後に死亡した患者を解剖し調査していました。死亡した患者の心臓・腎臓・肝臓等に蓄積されたセシウム137の量と臓器の細胞組織の変化との関係を調べました。その結果、臨床研究と動物実験を併せて、体内のセシウム137による被ばくは低線量でも危険であるとの結論に達し公表しています
 
また、セシウム137は、心臓にたまりやすく「幼児は体重1kgあたり20~30ベクレルでも心臓のリズムを壊してしまう。50ベクレル以上だと突然死の可能性が高くなる。」と言っています。また、「妊娠中、胎盤に1kgあたり200ベクレル以上のセシウムがあると、コチゾールと呼ばれる重要なホルモンの濃度が下がり、新生児は肺が発達せず突然死につながりうる」としています

幼児は1キロあたり20~30ベクレルという事は、体重が5キロの幼児は「100~150ベクレル」で心臓のリズムを壊してしまうということです。それを、ついこの前までは、1キロ当たり500ベクレルまでの飲食はOKと日本の政府は言っていたのです・・・・・・
内部被爆に対する飲食物への安全基準は次の表のとおりです。
食物飲料子供・幼児
ドイツ8ベクレル8ベクレル4ベクレル
4月からの日本100ベクレル10ベクレル50ベクレル
3月までの日本500ベクレル200ベクレル大人と同じ

これを見ると、日本政府のデタラメがよく分かりますね。先月(3月)までは、幼児・子供でさえ大人と同じ500ベクレルまでOKですよ・・とは!!! あり得ませんね・・・・・・ヨウ素による甲状腺がんは、これから10年後がピークになります。その後、セシウム137による心臓発作やガンでの死亡、それと、結婚時期に入る女性の不妊、流産となってきます。・・・・・・・

この内部被ばくを、政府は全く話題にはせず、外部被ばくの数字だけを公表し、問題はないとしています・・・・・・・
がれきの処理は、この内部被爆を引き起こす原因となります。ブログ静岡県島田市の瓦礫処理に書いたように、広域がれき400万tを焼却すると、その焼却灰は1360億ベクレルが発生し、全国にばら撒こうとしています。この焼却灰が、完全な保管処理がされる予定は全くないため、土に埋めた焼却灰は、いつしか雨水とともに土や水に流れ込み、最終的に食物や飲料水となり人間の体に入って蓄積されます。・・・・・これは、もう殺人だろう・・・・子供たちの健康は、全く無視し、将来の日本がどうなろうとお構いなし・・・・・・・何とデタラメな政府や官僚なのでしょう・・・・・・・・

最近のニュースで驚くことが流されていました。
食材を扱う企業が、政府の発表した安全基準は当てにならないので、独自の基準を決めて店頭に表示しています。これを、政府が「勝手に安全基準の数字を低くするな」と、文書通達をしたという事です。・・・・・キチガイ集団ですね・・・・・
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静岡県島田市の瓦礫処理

2012-04-06 18:01:45 | 原発事故

東日本震災の瓦礫処理を静岡県島田市が約10トンの瓦礫を受け入れ、平成23年2月16日に溶融しました。島田市のホームページにそのデーターが公表されています。
その内容を見ると、放射能物質は平常と変わらず何でもありません・・・・・と言うように見えます。
しかし、本当なんでしょうか? 政府も官僚も得意とすることは、一般国民には分からないような数字を出してきています。今回の島田市の数字も同じようなものではないでしょうか?

・瓦礫の試験溶融   平成24年2月16~17日 (17時間・5回)
・受け入れ量     10240Kg
・溶融処理方法    通常の可燃ごみ(約85%)と災害廃棄物(約15%)をピット内の決めたエリアで 混合・撹拌後溶融炉2基へ投入。
             (一般ごみ58,449Kg + 災害瓦礫10,240Kg=68,689Kg)

試験溶融に伴う放射線濃度測定結果
資料名混焼用ピット内ゴミ溶融飛灰(原灰)
セシウム137(Bq/Kg)58
数量(kg)68,6893,610
セシウム137(Bq)計343,445209,380


島田市の放射線濃度測定結果には、いろいろな表やデーターが載っており、一見すると「不検出」が多くあるため、「問題なし?・・」のように見えるが実際はそうではない。分かり易くするため、上記の表に必要な数字だけを集めた。
セシウムは半減期が29年あり、燃やそうが水につけようが、そのもの自体は消滅しないのである。この基本的な事を前提に考えると、焼却炉の入口にあった「セシウム総量」と、出口の総量は同じ総量になるはずである。
下図の左側プラットホームのトラックから、「一般ごみ」と「災害瓦礫」が投入される。(混焼用ピット内ゴミ)。そこに含まれるセシウム137は「343,445Bq」ある。(数量は、議会への報告値)。
島田市のゴミ焼却炉

次の溶融炉で2つに分かれる。島田市の炉はシャフト式であり、「溶融スラブ」と「ガス・灰飛」に分配されるが、溶融スラブは3.1%であり、ガス・灰飛は96.9%である。計算すると溶融スラブは6,698Bqであり、ガス・灰飛は336,747Bqとなる。(溶融スラブ=スラブホッパー + メタルホッパー)

溶融炉から分かれたセシウム137は、燃焼室からボイラを通って集じん器(バグフィルター)に向かう。
この燃焼室・ボイラ・減温塔でセシウム137は、リターン灰として15,455Bq分離する。(リターン灰は、焼却物の約1.5%であり、リターン灰中のセシウム137は15Bq/kgである。)
従ってボイラから集じん器に向かうセシウム137は、321,291Bqとなる。

最後に集じん器を通って、原灰として残るセシウム137は、209,380Bqとの結果が出ている。
という事は、集じん器の前のセシウム137は321,291Bqであるから、差引111,912Bqはどこに行ったのか・・・・・・・?
図から分かる通り、煙突から大気に放出されたことになる・・・・・・・・・

ブログ福島原発事故による甲状腺がんのなかに書きましたが、京都大学原子炉実験所助教授 小出裕章 さんは瓦礫の処理について次のように言っていました。
 第一に排気系統にキチッとした性能のあるフィルターを取り付けて、その性能が実際にあるかどうかを現場でテストすること。
 第二は出てきた焼却灰は、それぞれの自治体が引き受けてはならない

小出助教授が指摘する通り、島田市のフィルターは、セシウムに対して能力を発揮していません。
そして、焼却後のセシウムの処理は驚くものです・・・・・・。穴を掘って、灰を埋め、その上からシートをかけて終わり・・・・・・・??????????????????
セシウムは軽いため飛びやすく、人体に摂取されやすい水溶性である。
特別なフィルターを付けて実験しない限り、島田市と同じようにセシウムは焼却と同時に拡散していきます。また、単に埋めただけでは、水に溶けてこれも拡散です・・・・・・・。チェリノブイリをはじめ、アメリカなどの除染土を密閉したコンクリートは25年~30年ほどでひび割れが始まり、雨水が入り込んでいます。結局は、生物に影響を与えることになります。(チェリノブイリでは、修復が自分たちではできないと判断し、世界に援助を求めています。)

気持ちはよく分かる。同じ日本人として、東北地方にある瓦礫を何とかしてあげたいと・・・・・
しかし、放射能物質の拡散は、絶対に駄目である・・・・・・日本を滅ぶすことになる・・・・・
未来の子供たちのため、安全な地域は確実に確保すべきでしょう・・・・
そして、今いる地域が危険と考えられる人たちを、真剣に違う地域に移転させるべきではないのか・・・
今、福島原発から20キロ圏内でも、除染して帰れるようにすると・・と言っているが、本当にそんなことができるのか?????
チェリノブイリでも26年経つが、いまだに30キロ圏内は立ち入り禁止ではないか・・・・・

今回の島田市は瓦礫の受け入れが約10トンである。その時のセシウムが約34万ベクレル。瓦礫は無くなってもセシウムは、そこにあるのである。それは、埋め立てをしても、空中に散布しても、その地域に人の寿命よりも長く存在するのである・・・・・。
国は全国各地に400万トンの瓦礫処理を依頼している。すなわち島田市の40万倍のセシウムを日本全国にばらまくつもりである。これは、一カ所にあるととても危険であるため、薄くばら撒くことで誤魔化しているだけではないのか・・・・・
単純に計算して、1360億ベクレル・・・・・・・これを全国にばらまくのである・・・・・・
確かに一カ所にあるととんでもないことである。1メートルの距離に100万ベクレルの小線源があると1日に0.0019ミリシーベルトの外部被ばくを受ける。これは1年間に換算すると0.69ミリシーベルトである。(国際放射線防護委員会の勧告値は、年間1ミリシーベルト。)その他、平常時の放射線がおよそ毎時0.04マイクロシーベルトであるので、年間に換算すると0.34ミリシーベルト・・・・これだけで、年間1ミリシーベルトを超えるが、実際には更に食物による内部被ばくも加算されるのである。・・・・・・


         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放射性物質の基準はどうなっているのだろうか?

 福島事故後の暫定基準は(2012年3月末までの基準値)

・野菜、米、肉、魚、卵 500 Bq/kg
・飲料水、牛乳、乳製品 200 Bq/kg

 4月2日より新基準値(日本)


・野菜、米など「一般食品」 100 Bq/kg
・粉ミルクなど「乳幼児食品」「牛乳」  50 Bq/kg
・飲料水  10 Bq/kg

ドイツ放射線防護協会の基準(セシウム137)

・食品、飲料全般(乳児、子供、青少年)   4 Bq/kg
・食品、飲料全般(大人)   8 Bq/kg

水に関する規制値

・ウクライナ   2 Bq/kg
・アメリカ 7.4 Bq/kg

        アメリカの水質基準値は、ベータ線・ガンマ線系のすべての放射性核種の合計量が4ミリレム/Lである。
        例えばヨウ素とセシウムがともにある時は、その合計で4ミリレムなので、上記より低い数値となる。

上記の表を比較すれば分かるように、日本の基準は異常に高いものです。3月までの500Bq/kgとドイツの8Bq/kgは天と地の差・・・・4月より100Bq/kgになったものの、それでも世界の基準からは大きく外れています。
2011年5月12日、ドイツ放射線防護協会は「1kg当たり8ベクレル以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しない」ことを推奨しています。
また、「乳児、子供、青少年に対しては、1kgあたり4ベクレル(Bq)/kg以上のセシウムを含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである」とも言っています。


        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それでは、なぜ世界ではセシウム137の摂取を厳しく規制しているのでしょうか・・・・

旧ソビエト連邦のゴメリ医科大学の学長であったバンダジェフスキー博士は、チェリノブイリ事故後に死亡した患者を解剖し調査していました。死亡した患者の心臓・腎臓・肝臓等に蓄積されたセシウム137の量と臓器の細胞組織の変化との関係を調べました。その結果、臨床研究と動物実験を併せて、体内のセシウム137による被ばくは低線量でも危険であるとの結論に達し公表しています。
そして、バンダジェフスキー博士は次のように言っています。
心筋細胞にセシウム137が取り込まれると、エネルギーの産生(合成)が出来なくなり、突然死につながる。」
「高濃度の放射性物質に汚染されたベラルーシのゴメリ州で死亡した400人を上回る患者の遺体を解剖。
 各臓器のセシウム137蓄積量を測定したうえで、特に心血管疾患で死亡した患者の心筋に多くのセシウム137が蓄積されていたことをつきとめた。」
「チェリノブイリ事故後に突然死した患者の剖検標本を検査したところ、99%の症例で心筋異常が存在することが明らかになった。
 特に注目すべき所見は、びまん性の心筋細胞の異常である」。

また、バンダジェフスキー博士は次のようにも言っています。
「残念ながら日本人は情報が少なすぎる。(政府当局は)情報を隠している。今のような形で情報を隠し続けると、数十年後には日本の人口は激減してしまう。」・・・・・バンダジェフスキー氏の東京公演の中で、現在、ベルラーシでは出生率より死亡率が多くなっていることを訴えています。特に若い人達が重い病気で亡くなっていっているそうです。

博士によると、心筋細胞は分裂しないためセシウムが心臓に蓄積しやく、心電図の検査で、異常とセシウム蓄積量の因果関係が確認できるとしています。「幼児は体重1kgあたり20~30ベクレルでも心臓のリズムを壊してしまう。50ベクレル以上だと突然死の可能性が高くなる。」と言っています。また、「妊娠中、胎盤に1kgあたり200ベクレル以上のセシウムがあると、コチゾールと呼ばれる重要なホルモンの濃度が下がり、新生児は肺が発達せず突然死につながりうる」としています。
 


現在、チェルノブイリ原発から西へ約70km離れたウクライナ・ナロジチでは、「チェルノブイリの事故当時、子どもや胎児だった人が、あれから25年経ったいま、ちょうど出産の時期に当たっています。先日、ウクライナの医師で、作家でもあるユーリー・シチェルバクさんが京大原子炉研で講演されたのですが、「生殖系に対する影響が大きく、不妊や流産などが深刻な問題になっている」と述べています。
オーストリア気象地球力学中央研究所(ZAMG)は、福島の原発事故で、とんでもない量の放射線物質が蒸気となって、大気中に放出されたと言っています。それは、チェリノブイリを超えた量であるとのことです。
    セシウム137  ・・・・・   5000兆から5京 ベクレル/日
    ヨウ素      ・・・・・         10京 ベクレル/日
福島第一原発はチェリノブイリ原発のように原子炉が爆発した訳ではないが、原子炉や使用済み燃料貯蔵プールにある核燃料の量が、チェリノブイリの10倍以上あるためです。
上記のウクライナ・ナロジチは、原発から70Km離れていても、25年経った現在、不妊や流産が起きています。そうすると、福島原発の20kmあたりに住んでいる人は、将来どうなるのでしょうか・・・・・・・??????????????
人命無視も甚だしい・・・・・


日本の除染は、ニュースを見る限りにおいてはお粗末そのものである。住宅を高圧洗浄機で洗い、家の軒下だけを土をはぎ取るだけ・・・・・林や森、野原、湖、川・・・・・・Etc・・・・・何にも出来ていないじゃないか・・・・
これも、厚生労働省が復興資金を食い物にしているだけじゃないのか?
それに群がる、業界のシロアリも復興資金だけが目当てで、国民一人一人の生命や、子供たちの将来はほったらかしではないのか・・・・・・最近とても不安に思うことが多すぎる・・・・・


バンダジェフスキー博士は、日本国内で現在進められている震災がれきの広域処理に関して、わずかな汚染であっても、セシウムを含んでいる汚染物質を、クリーンな地域に拡散することは理解できない」と日本政府の方針について強く否定をしています。日本政府が十分な情報の公開を行っていないことについても、疑問を呈しました。


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