祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

瓦礫の処理

2012-03-25 23:35:38 | 原発事故
花

今、国内で岩手・宮城・福島の瓦礫の処理について受け入れをどうするか、話題になっていますね。
いろいろなテレビでは、災害地の人たちのため全国で瓦礫を受け入れるべきだと流しています・・・・
本当に、全国に瓦礫を分けることが、災害地の人たちのためになるのでしょうか?

ニュースを見ていると、瓦礫があるため災害地の復興が進まないという理由が挙げられています。もしこれが本当の理由ならば、どうでもできるのではないでしょうかね・・・・・・第一に、もはや福島原発の20キロ圏内は誰も戻ることができない地域ですよね。そうであるならば、その地域に集中して瓦礫を集めれば、土地の有効活用になるのでなないでしょうか・・・・・・・・・・・・・
又は、仙台空港の地盤沈下を修復する際に滑走路の下の埋め立てれば、いいんじゃないでしょうか?この方法は、アメリカの原子爆弾実験場でも使われている手法です。・・・
もっと確かな方法があります。福島県南相馬市の桜井勝延市長は、同じような災害を繰り返さないために、海岸線沿いに18キロに渡り国が作る防潮堤の内側に防災林を作りたいと言っています。防潮堤の内側に沈下した土地を持上げて樹木を植える予定だそうです。その土地を持上げるために、瓦礫と土とを混ぜ合わせものを使いたいと言っています。市内の土地から出た瓦礫だけでは足りなく、もっと欲しいため岩手・宮城の瓦礫を受け入れると、昨年の5月には政府と県に申請しているそうです。???????

それなのに、なぜ南相馬市に持ち込まないで、全国に瓦礫をばら撒こうとしているのでしょうか???
不思議だと思いませんか? 岩手・宮城では瓦礫を早くよけてくれと言っているし、南相馬市ではその瓦礫が欲しいと言っているんです。・・・・・? 岩手・宮城からわざわざ遠くまで移動するのは、おかしいと思いませんか?   これは、また政府が数字の嘘をついているのではないでしょうか?

放射能物質は、いままで100デクベル以下を安全としていました。しかし、今回の瓦礫は500デクベル以下であると言っています。しかも、その500デクベルの瓦礫を焼却すると、30倍ほど濃縮されます。そして、焼却灰の埋め立ては「8000デクベル/kg」までなら問題なしと言っています???????? 通常であれば500デクベル以下が安全と言っている政府が、なぜ瓦礫の焼却灰なら8000デクベル/KgまででOKなのでしょうか?・・・・・ましてや、出てくる焼却灰は1Kgなんてものではないでしょう (岩手・宮城から持ち出す瓦礫は400万トンといわれています。)・・・・アメリカでも、除染土は全く人の寄り付かない場所に特殊な密閉装置を作り、専門に監視を置いて管理しています。・・・・・・日本では何の処理方法さえ明示されていないのではないでしょうか?・・・・ましてや、政府の言う基準数値は、御用学者からのものでしょうから全く信用はできませんね・・・・
そのまま埋め立てれば、時間が立つと雨などの水とともに少しづつ流れていき、そこの土壌を汚染します。そこに生える草木に吸い込まれたり、虫から鳥や獣に食物連鎖で移動蓄積され、いつしか人間の体に入り込まないとは誰も補償できません。魚については国が把握できていない所で食物連鎖が起きてます。(食物連鎖は知られざる海洋汚染に書いています。)

瓦礫の焼却の際、煙とともにセシウムがばらまかれ、一緒にストロンチウムもばら撒かれます。
ストロンチウム90の半減期は29年で、ウランが核分裂してできる毒性の強い放射性物質で体内に入ると骨などに蓄積します。ガンマ線よりも危険度が高いベータ線を出し続け、骨のがんや白血病を引き起こす恐れがあるとされています。このストロンチウムが昨年10月12日に横浜市内で発見されました。文部科学省が行った調査では福島第1原発から100キロ圏内に留まっているとのことでしたが、事故現場から約250キロも離れた横浜市内で出ました。その数値は195ベクレル/kgであり、福島原発の近くで見つかったストロンチウムが77ベクレル/Kgに対して倍以上もありました。これは、爆発により風に乗って拡散したものですね。という事は、焼却すると同じに風に乗ってどこに行くんでしょうか?・・・・

このように見ますと、今ある瓦礫を地元で焼却する事による汚染の増加をうやむやにするため、全国各地に分散しようとしているのではないでしょうかね・・・・・・? 政府のいつものパターンで、何人かのがん患者がでても福島の汚染物質の影響だとは証明できないので、知らん顔を押し通すでしょう・・・・

さて本題に戻って、瓦礫の全国分散がほんとうに災害地のためなのか・・・
先ほど説明したように、放射線物質が全国にばらまかれ、20年後30年後40年後と将来日本を背負っていく人たちの、健康を損なうようなことになることの方が、大きな問題では無いでしょうか・・・・・
放射性物質のセシウムは、チェリノブイリでも証明されているように15歳以下の子供たちの甲状腺がんが極端に発症します。(詳細は福島原発による甲状腺がん

その未来を背負う人たちの健康を損なったり、日本に少しでも安全な土地が無くなっても、瓦礫を全国で受け取ることが、被災地のためでしょうか?
それよりも、原発による被害を最小限に抑え込み、被害の受けていない土地を大事にし、そこで安心できる食物を栽培し、安全な家畜を育て被災地に送り届けるほうが良いのではないでしょうか。そしてもっと重要な事は、将来を背負う「健康な子供たちを育成する」ことが大切ではないでしょうか・・・・



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雑感 朝日新聞の社説

2012-03-17 22:28:07 | 雑感
大阪の教育問題に朝日新聞が社説で橋下市長を非難しています。
その社説は下記とおりです。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「 卒業式で教員が本当に君が代を歌っているか――。 」

 大阪府立和泉高校の校長が教頭らに指示して教員の口の動きを監視させていた。歌わなかったと判断された教員らは事情聴取のうえ、処分も検討された。

 大阪府では昨年、全国で初めて君が代の起立斉唱を教職員に義務づける条例ができた。それに基づくチェックだという。
校長は10年春、民間人校長の公募に応じ、採用された。起立斉唱条例を提案した大阪維新の会代表の橋下徹・大阪市長の友人で、弁護士資格を持つ41歳。 府教委の生野照子委員長は橋下氏と校長にメールを送り、「もっと悠々たる度量でご検討を」と口元監視をいさめた。

 それでも橋下氏は「これが服務規律を徹底するマネジメント」「ここまで徹底していかなければなりません」と校長の姿勢を高く評価するばかりだ。

 個人の歴史観で見解が分かれる君が代をめぐり、最高裁は職務命令で起立斉唱を強制することに慎重な考慮を求めている。
1月には東京都の懲戒処分をめぐる判決で、いきすぎた制裁に歯止めをかけた。
これに対して橋下氏は、君が代の起立斉唱は、良心や歴史認識の問題ではなく、公務員として守るべきルールであり、マネジメントのあり方だという主張を繰り返している。

 しかし、そもそも卒業式で口元を監視することが優れたマネジメントといえるのだろうか。
卒業生を送り出す祝いの舞台が、校長の管理能力を試す場になっていないか。
同僚の口元を凝視させられる教頭らの気持ちはどんなものだろう。教育者より管理者の意識ばかりを徹底させていないか。
教員のもつ能力を最大限に引き出し、良好な学びの場を生徒らに提供することが校長の手腕であるはずだ。口元監視がそうした教育環境づくりに寄与するとはとても思えない。

 今春、府立高校14校の教員17人が不起立を理由に戒告処分を受けた。研修を受け、「今後は職務命令に従う」との誓約書に署名・押印を求められた。
こうした府教委の対応は、府議会で審議中の職員基本条例案の成立を見越したものだ。
条例は、同じ職務命令に3回違反すれば免職にすると定めている。君が代で起立斉唱しなかった教職員を想定しているとみられる。市議会でも市長が提案する方向で準備をすすめる。
組織統制を優先させる「マネジメント」が、よりよき教育を生むのか。条例を審議する議会各派はじっくり考えて欲しい

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝日新聞は、「口元監視が教育環境づくりに寄与するとは思えない」と言っている。「良好な学びの場を生徒らに提供することが校長の手腕であるはずだ」と言っておきながら、口元監視はおかしいという論理である。良好な学びの場とはなんであろうか・・・・学びとは、学校の教科書だけが学びであろうか? それが、最高の学びであり、人の成長なら、「東大の法学部に入学し、官僚として働いている者たち」が一番になるのか? それはおかしいだろう・・・・・・その官僚が今の日本をおかしくしているのではないか・・・・・ 天下り先を山と作り、国民の税金なり年金なりを好き放題に使い切り、やりたい放題ではないか・・・・?こんな人間が優秀なのか?・・・・・??・・・・・?

常識の世界では、基礎知識がある人間を優秀だとは言わない。それは、小学校までだろう。基礎知識があることは、何かの判断を正しくする際の基準が多くなるため、その判断が間違いにくくなるためである。人の評価は、正に判断と決断そして実行をもってその人の優秀さを決めるのである。その人が起こした行動と、結果がそれを証明するのである。

小学校から高校までの教育では、教科書の勉学のほかに、人としての道徳を学ばねばならない。それは、人として生き、世の中の人たちと関わり合い、同じ組織の人たちと一緒に仕事をするには、知識以外に必要なものがある。特に人の上に立つ人は、仕事の知識とマネジメントのほかに心の修業が必要である。徳を積むことで、大きな仕事ができる。その基本を学ぶ場が学校教育であり、その手本を教師が実践せねばならない。・・・・・・その手本となるべき教師が、自分が嫌だからといって大事な卒業式という式典で、手本となるべき態度が取れないのは、それこそ教育の環境つくりができていない事になるのではないだろうか。若者が、そういう教師の姿を見るから、「罰せられなければ何をやってもよい・・」とか、「見つからなければ何をしても構わない・・」と言うような人間が山と出てきているのである・・・・・・
教科書の暗記なら、個人でもできるし、私塾へ行けばもっと上手に教えてもらえる。・・・・・塾の方がテストの点数を取るならよっほど優秀な先生がいる・・・・・・しかし、それでは人としての成長は無く、単なるカタワになる。

したがって、式典で形だけでも添うようにさせるのは、その上司の責任でもある。そして、細かくチェックしなければそのような事が出来ない教師を、今までのさばらせていたことの方が大問題である。そのように手取り足取りしなければ、満足に教師として勤めることができないレベルの者しかいないことを、なぜ今まで問題としないのか・・・・・・朝日新聞の社説の方が、おかしな論理展開をしているのでは無いのだろうか・・・・・・・・・・・

現実の世界において、まともに教育できない教師が多くいて、組織を作って自分たちだけのための都合で教育をしようとしている職員をまともに変えようとすると、今、実施しようとしている形にならざるを得ない。今の、現状の教育がいいと言えるか・・・・・。その方がよほどおかしいだろう・・・・・・。

府教委の生野照子委員長は橋下氏と校長にメールを送り、「もっと悠々たる度量でご検討を」と口元監視をいさめた・・・・とあるが、自分たちがしてきた結果が、悪い状態を引き起こしてきたことを全く理解しいなく、何を悠長な事を言っているんだ・・・・・無責任にも、程がある・・・・・・。全く公務員と言うものは、悪いことを悪いと理解する能力が無いことと、それをすぐにでも改善せねばならないという責任感もないようである・・・・・・・。一般の社会では、全く理解のできない世界だね・・・・・・・・とりあえず狂っているよ・・・・・
しかも、給与だけは、一般社会人より50%くらい多くて、年金もずるして多い・・・・?  なんなんだこいつらは・・・・・

最後に言いたい。 組織の中で責任のある行動がとれないのなら、あるいは、そのように行動をとりたくないのであれば、自らその職場を立ち去るべきであろう・・・・・・・自分の主張が通る企業を探して、勤めればいいわけである。
組織の初歩的な話になるが、給与は与えられた命令を正しく実行し、その結果を正しく報告をした者に支払われるものであり、ただ単に通勤していれば・・・とか、決められた時間をそこに存在していれば・・・支給されるものではない。与えられた職務を、決められた期限で、目標とする成果を実現して初めて給与に結びつくのである。

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福島原発事故による甲状腺がん

2012-03-16 14:19:29 | 原発事故
東京電力福島第一原発の事故から1年間に摂取した飲食物による内部被ばくで、東京都内に住む乳幼児の場合、10万人当たり2~3人の確率で甲状腺がんになるとの発表があった。発表したのは東京大学の研究チーム。
発がん性物質発がんリスク10万人当
ヨウ素131(乳児)3.0人
ヨウ素131(幼児)2.0人
ホルムアルデヒド1.3人
ダイオキシン0.4人
ヨウ素131(大人)0.3人
セシウム134、137(全年代)0.3人

福島から遠く離れた東京の子供たちに影響があることを示している。これは、厚生労働省が公表した食品や水道水の放射性物質濃度や、一日の食品摂取量データーをもとに、都内の住民の被ばく量と、それによる障害の発がん性リスクを推計したものである。
とんでもないことである。およそ200キロほど離れている東京でこの数値である。

1986年4月26日にチェリノブイリで原発の事故が発生した。それから、10年経ってオーストリアのウィーンでIAEA(国際原子力機関)、WHO(世界保健機関)、EU(欧州連合)の3者による合同国際会議が開催された。その総括として、小児の甲状腺がんが原発の事故によるものだと報告されています。
1990年以降、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの3カ国における小児甲状腺がんの著しい増加は、共通の現象として確認されています。1995年までにこの3カ国で約800名の小児が甲状腺がんの治療を受け、そのうちの半数以上はベルラーシ共和国で発見されています。報告書には、1986年(原発事故当時)に15歳未満だった小児から、科学的根拠の裏付けは乏しいものの、今後数千人の甲状腺がんの発生が予測されると記載されています。
大人(15歳以上)子供(15歳未満)
1975-19851342人7人
1986-19964006人508人

ベルラーシ全土における小児甲状腺がんの患者数は上記の表に示す通りです。事故前の11年間では、わずか7名であったが、事故後の11年間では508名と極端に増加しています。約72倍にも達しています。一方大人は、表にある通り1342人から4006人と約3倍であります。これを見る限り、小児は大人と比べて、甲状腺がんにかかる確率は非常に高いことが分かります。

ベルラーシ共和国における小児甲状腺がんの発生頻度についてみると、事故前は小児10万人あたり年間0.1件と世界のそれとほぼ類似の値を示していたが、90年1.2件、92人2.8件、94年3.5件、95年4.0件、96年3.8件と明らかに上昇していることが分かった。
これらの年度別発生頻度を、高汚染州であるゴメリ州に限定してみると、90年3.6件、91年11.3件、95年13.4件、96年12.0件と91年以降は世界的平均の100倍以上にも達している。(ゴメリ州とは、チェリノブイリすぐ北側に接している州です。)

この数値を見る限り、東京の10万人当たり3人と言うのは、とんでもない数字です。この内部被ばくは東京だけの問題でしょうか? 東京で販売されているのと同じ食材が埼玉でも神奈川でも、いや日本中に国の「安全です」というお墨付きで販売されており、どこの地域の子供たちも危険であるという事になりませんか?

そして、これは食べ物による内部被ばくであって、福島の近くでは直接、放射能物質を吸い込んでしまい、将来甲状腺がんになる子供たちはどれくらいいるのでしょうか?
ブログ知られざる海洋汚染に書いたように、国が管理できていない所は山とあります。汚染スポットはたくさんあり、水の中の汚染は、ほぼ永遠にとどまっていることでしょう・・・・・今回の食物による内部被ばくもそうですが、国は全くあてにできなく、国民一人一人が自分で家族を守るしかありません。4月から魚の出荷基準が変わります。100デクベル以下が出荷されます。でも今は500デクベルまでは出荷OKです?????????本当にデタラメですね・・・・・・
以前、建物の基礎のコンクリートから放射能が見つかりましたが、それは福島の砂利が要因でしたよね。すなわち、国で把握されているところは、穴だらけなんです。それなのに、除染が終わり次第、戻ってもいいとは、よくそんな無責任な言い方ができるもんですね。
日本の将来を背負う子供たちの健康が危ういのですよ・・・・・

いま、がれきの問題が騒がれていますが、これも、健康を考えると受け入れはできないようですね。
単純に、放射能に汚染されていなければ、どこの県でも受け入れは表明するでしょうけどね・・・・・・
京都大学原子炉実験所助教授 小出裕章 さんは瓦礫の処理について次のように言っていました。
 第一に排気系統にキチッとした性能のあるフィルターを取り付けて、その性能が実際にあるかどうかを現場でテストすること。
 第二は出てきた焼却灰は、それぞれの自治体が引き受けてはならない

小出助教授の発言を見ると、瓦礫の燃焼で放射性物質が空中に拡散するため、その危険を防止するために高性能なフィルターが必要だといているんですね。また、燃やした後の焼却灰は放射性物質が燃えずに濃度が高まるため、その焼却灰を全国に放置することは、何のことはない放射性物質の拡散につながることを危惧しているのですね。
政府は、こんなことを隠し、燃やす前の瓦礫は500デクベル以下だから危険でないと言っているだけで・・・・・その後の危険は知らん顔・・・・・本当にひどい国ですね・・・・・・・

札幌の市長 受け入れ反対表明 ・・・・  ガンバレー

話は戻って、被爆は子供(乳児・幼児)だけが問題ではありません。もっと怖いのが妊娠している人です。妊娠していて0.005gy以上の胎内被ばくを受けると、小頭症および知的障害の発生は高くなり、4.4%が重度の知的障害が見出されたと報告があります。特に被爆時の胎内年齢が8-15週で被爆した人には特に顕著であるとのことです。また、重度の知的障害に至らなくても、線量の増加に伴う学業成績とIQ指数の低下が認められるようです。

このように見てくると、福島の原発事故発生当時の対応のお粗末さはひどいものですね。アメリカは、昨年の3月15日には、日本国内にいるアメリカ人に対して「福島から80キロ圏内から脱出」するよう指示を出しています。
それに引き換え、日本政府はSPEEDIの情報を流さないだけでなく、20キロ圏からの避難を指示し、そのあと30キロ圏からの避難に切り替えたりと右往左往・・・・・

何にしても、国民の生命を守る意識は全くない。・・・・・どこの国でも、優先的に避難させるのは子供と女性ですね。その国の将来はその人たちにかかっていますからね。・・・・・

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福島原発 4号機の危険

2012-03-08 15:25:00 | 原発事故
3月7日のモーニングバードで、凄い報道がありました。こんな事実を世間には知らせないで、国民を危険な状態に置いておくことはどういう事なのか・・・・・・


原子力安全委員会の斑目春樹委員長が、今の安全基準はあてにならないと言っています。
安全基準の作り方に問題があったとのことです。斑目委員長は国会の事故調査委員会で次の様に発言。
「今まで発行してきた安全審査指針類に、いろいろな意味で瑕疵があったという事は、これはもう、ハッキリと認めざるを得ないということでございます。」

いま、原発再稼働するために、政府は、そのダメな基準に乗っかってストレステストをしている。

原発再稼働の3つのハードル(国会事故調査委員会 参考人聴取2月15日)
(1)安全基準 
 ・一番低い安全基準を電力会社が提案するとなんとなくのんでしまっていた
 ・30年前の技術かなんかで安全審査が行われている実情があります。
  早急に直していかないといけないというふうに考えている。
 ・立地指針に書いてあることだと、仮想事故とか言いながらも非常に甘々な評価をして
  強引な計算をしている。全面的な見直しがなされてしかるべき。
また、斑目原子力安全委員長は次のようにも話しています。
 「安全審査指針に則っているから文句ありませんね」と事業者が言ってきたら「文句ありますよ」と答えようと思っています。

(2)ストレステスト
 ・ストレステスト1次評価だけでは総合的な安全確認が終わったとは言えない。(斑目委員長)

(3)政治からの独立
 ・IAEA(国際原子力機関)安全基準
  規制機関は政府各部門の圧力のような如何なる不当な影響にも左右されないで、
  独立した規制判断がなされなければならない。

政府が原発再稼働に向けて動いている中で、野党第1党の自民党はどう動くか?
このことに対して、元経済産業省官僚の古賀茂明さんは、次のように言っています。
「恐らく本気で自民党が攻めたら、もうこれ絶対に進まないです。
これだけ材料があります。攻める材料が満載ですよね。
だからぐーの音も出ないはずなんですけど・・・・。」
「ところが自民党も原発を動かしたいんです。
電力族とかそういう人たちがいて、とくに長老に多いんですけど・・。
その人たちが表には出ないんですけど、若い人たちを使って実は原発を動かそうという方に行っています。」
「ですから、これからの原発をどうしますか?」というのも「10年先送りみたいなことをやりましたね」この間・・・・・。
本来であれば民主党に対して「おかしいじゃないか!」と野党として厳しくチェックしていかなくちゃならないのに、それをちゃんとやらない。
だから、これだけ危ぶないという材料がそろっているのに、なかなか止まらないということになっているんです。


福島原発4号機


ところで、福島原発はもう収束したのか?・・今、4号機は大変危険な状態にあるようです・・・・・
4号機の上部に使用済み燃料プールがあり、そこには燃料1535本が(原子炉に入る燃料の2.8倍)入っています。
これは冷やし続けねばならない。(放射能の飛び出しを封じ込めるため)
このことに対して、京都大学原子炉実験所 小出裕章助教授は、次のように警告しています。
もし、これから大きな余震でも起きて、ここの壁(4号機のプールの壁)が崩壊するようになればプールの水が抜けてしまいますので、使用済みの燃料を冷やすことが出来なくなる。そうするとどんどん更に溶けてしまうことになって、使用済み燃料がたぶん全部とけてしまうだろうと思いますそうなると使用済み燃料の中に含まれていた膨大な放射能が何の防壁もないまま、ここから外に吹き出してしまう。」
こうなると、東京あたりまではだめになるようです・・・・・・

それでは、その使用済み燃料を取り出したらどうかという事になるが・・・・
それについては、小出助教授は言っています。
「使用済み燃料を空中に吊り上げようとすると、使用済み燃料から膨大な放射能が飛び出してきていますので、周辺の人たちは死んでしまうしかないというくらいの強いのです。」

使用済み燃料は、水の中に入っているから、防御されています。空中には出せません。従って、今のプールから取り出すにしても、水の中での作業が必要だという事です。すなわち、プールの中に大きなタンクをクレーンで入れ、水中で使用済み燃料を、その容器に入れ、その後、蓋をしてタンクを取り出し、違う場所に移動するという事です。
しかし、昨年の爆発で建屋は崩壊しており、今ある備え付けのクレーンは使えません
タンクを入れる燃料棒を入れるタンクを持上げるタンクを移動する
タンクを入れる燃料棒を入れるタンクを持上げる外部に移動

それについて小出助教授は、
巨大な容器を入れそれをまた外に吊り上げるという事をやらなければならない。
そういうことを全部やろうとするとたぶん、何年と言う単位が必要になるであろうと思います
。」と・・・・
(本日、東電が発表したスケジュールでは、早くて来年の12月だそうです・・・・?)

それに対して、インタビュアーは質問をしていました。
何年と言う間に、4号機の建物を壊すような地震が来たら?」

小出助教授
おしまいです・・・・・・・・・


何という状況なんでしょうか!!!
いつ4号機の建屋が崩壊し、使用済み燃料が空中に出るかもしれない危険があるにもかかわらず、それをほったらかしておいて、再稼働がどうだとか、電気料金値上げだとか、補償問題は全く進んでいないとか・・・・・・デタラメなやつらは、死ぬまでデタラメなんですね・・・・・・・

いまの段階で、なぜ福島に帰ることができるんですかね?
20キロを超えた場所を除染しても、4号機の建屋が崩壊したら、そのあたりはみんな即死でしょう・・・・・
それを隠して黙っておいて、国民を危険な状態に戻すことを何とも思わない政治屋・官僚・東電・電力会社は、それこそ独裁者ですね・・・・・・完全にキチガイですね・・・・・

どこかのバカ総理大臣が収束宣言なんかを出していたが、それどころではなく、相当危機的な状況であることを私たちは認識しなければなりまんね。どちらにしても、自民党はダメだが、民主党はもっとダメ・・・・・・早く「大阪維新の会」と「みんなの党」で改革してくれー・・・・・

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・大阪市 職員数半減

2012-03-07 23:02:12 | 橋下徹 大阪市長
白熊

大阪の橋本市長の動きは凄いですね。現在約3万8000人いる市職員を、平成15年度までに約1万9000人半減する目標を明らかにしたようです。橋下徹市長が民営化や独立行政法人化などの方針を示している地下鉄・バスや病院などの職員約1万6400人を民間に移管するなどしてゼロにするようです。また、市長部局などの職員約2万1600人も大阪府と重なる業務の見直しなどで削減しトータルで約1万9000人削減とのことです。素晴らしい事ですね・・・・・・

民間で会社を経営していて一番高いコストは人件費ですね。民間では売上を落とさず、この人件費をいかに無駄なく適正なコストにするかが腕の見せ所ですが、官公庁は年功序列で、能力や技術のアップと給料のアップとは関係ありませんものね。能力がなくレベルが低くても、ただ長く勤めていれば、バカでもちょんでも給与が上がる・・・・・それも、民間より異常な上昇の仕方・・・・

この異常なアップの原因については人事院勧告のデタラメにも書きましたが、あれはほんの一部でしたね。あの中では、調査しようとする企業を限定し「高い給与の事業所」のみを対象に調査し高い給与のデーターを作り、民間人と公務員の「職務名を統一する」ことで、能力のないものがその役職につき高い給与を受け取りましたが、その他に最近分かったことは、人事評価がデタラメという事です。

通常、評価基準がABCDEの5ランクがあるとすれば、民間ではAは3~5%、B10~15%、Cは60~70%、Dは10~15%、Eは3~5%と言うようにバランスと取って評価をしますね。売上がおおよそ見込めていて、支払い可能な人件費が大枠分かりますので、この調整ができないと企業がつぶれます。ところが、公務員はEランクは「0」なんです。上司がこのランクに評価をつけると、どこからかケチをつけられ「0」にさせられるそうです。よって、評価は全員ABCのランク以外はいないことになります・・・・・??????? もっと傑作なのは、役職の数より、その役職名を付けた人間が多いことです。たとえば、部長職が10あったとすれば、民間では10人の部長がいることになりますが、役所では部長が30人くらいいます・・・・・どう常識で考えても狂っているとしか言えませんね・・・・・その典型が「大阪市役所」です。
大阪市役所では建設局と言う部署があり、この局に通常の感覚であれば局長は1人でしょうけど、大阪市では4人の局長がいるそうです・・・・・・・あはははは・・・・・もう笑うしかないですね・・・・・・
尚且つご丁寧に、この局には8部署あるそうですが、部長が20人もいるそうです??????????????? 狂ってるーーーー



1級2級3級4級5級6級7級8級
係員高度係員主務係長課長代理課長部長局長
265人2365人2362人3094人816人668人166人52人
2.7%24.2%24.1%31.7%8.3%6.8%1.7%0.6%

この表は、大阪市役所の一般職の職位構成表です。この中で、係長職が31.7%となっています。この数字は、一般の100人以上の企業では係長職は6.4%です。すなわち、異常に係長が多いのです。能力が高い人がいるのではなく、単に給料を高く出すため、能力と関係なく職位を上げるのです。民間企業では、絶対に思いつかない発想ですね・・・・・・・・・・完全に詐欺ですね・・・・・大阪市民は告訴をしなければ・・・・・過去の過剰支払いを全額返却させ、刑務所に入れなければ納得できないでしょう・・・・・・それまで、余計な税金を払って、会社をつぶした人たちはどれだけいるんでしょうね・・・・明らかに犯罪だ・・・・・・・

大阪市の職員の人件費は、大阪市民一人当たり年10万1586円だそうです。
それに比べて、同じような規模の横浜市では、横浜市民一人当たり年5万7354円です。約半分ですね・・・・・
大赤字の財政で、平気で市民の税金を食い物にしている大阪市職員は、化け物ですね・・・・・


大阪市役所は極端にデタラメですが、国もどこの地方自治体も似たり寄ったりでしょうね・・・・・・
これだもの、国の財政だけでなく、地方の財政も大赤字になるわ・・・・・・・
まともな感覚の人間がいないんですものね・・・・・・・

だから早く「大阪維新の会」が国に議員を送り出さないと、この国は沈んでしまいますね・・・・ドボン


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古賀ペーパー

2012-03-04 21:17:14 | 社会・経済・政治
元経済産業省官僚の「古賀茂明」さんが、現役官僚時代に書いた東電処理策いわゆる「古賀ペーパー」を読みました。凄い人がいるもんですね。内容を簡単にまとめてみました。昨年3月11日に原発事故が起き、4月上旬に政府内に回ったレポートが無視されたため、5月に民間誌に掲載させるため少し修正したものです。最終的には、ストップをかけられました。
先日JALが最短で再興したと話題になっていましたが、そのベースを作ったのは古賀さんです。表面的には稲森和夫氏がトップで改革したように報告されていますが、そのほとんどは古賀氏の下準備があってことです。この経験を活かして東電に切り込んでいます。


東電破綻処理と日本の電力産業の再生のシナリオ
東京電力福島第一原子力発電所事故の補償問題とそれに伴う東電の経営問題について、政府の対応策の検討が混迷を極めている。
この問題に関する論点を順序だてて整理することが、迅速で公正、かつ長期的な構造改革に資する対応策を策定することにつながる。その一環として株主と銀行の責任を問えば、5兆円近くの国民負担が減る可能性がある。
また、原理原則を無視した拙速な対応は、結局、国会で野党の理解を得られず、解決に余計な時間がかかることにつながる。
以下、検討の一つのたたき台として、議論の筋道を提示してみたい。


1)東電の責任か政府の責任か・・・決めつけは危険
今回の地震と津波による損害について賠償責任は「一義的には」東電にあるというのが政府の一貫した見解である。ただし、原子力損害賠償法第3条但し書きには、「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものである時は、この限りでない。」との規定がある。

「一義的には東電の責任」ということは、「異常に巨大な天災事変ではない」と言う認識を政府が持っていることになる。とすれば、それを想定した対応が政府にもあるべきで、それがなされていないという事は、政府の過失があったという事で賠償責任も生じる可能性が高い。

津波の危険性、全電源喪失の危険性は数年前から指摘されていた事実を踏まえれば「異常に巨大な天災事変」と認定するのは難しいのではないかと考える。


2)被災者との関係では連帯責任に・・・・・政府と東電両方に支払義務を
被災者から見れば早く損害を賠償してくれるのは東電でも政府でもどちらでもいいわけである。とすれば、現在の原子力損害賠償法はただちに改正し原子力損害は「政府と事業者(東電)の連帯債務」と定めるべきである。
東電と政府の責任、あるいは、分担は原子力損害賠償紛争委員会の仲介により早期に解決する(原子力賠償法18条)ことにより、その後の東電処理の前提条件を確定することが望ましい。


3)東電が払えないなら破綻処理しかない・・・・・払えないと言った東電
東電は、補償債務を東電だけで支払うことは難しいとしている。補償債務がいくらになるか決まっていない段階でこう表明するのだからずいぶんいい加減な話だ。・・・・・・

被災者も債権者で数兆円規模の債権を有するから、論理的には今すぐにも会社更生手続きの開始を求めて裁判所に申し立てをしてもよい
もし仮にこのまま支払い不能の会社が放置されることになるのなら、回避する方策を考えねばならない。原子力損害賠償債務を電力会社が負い、かつその額が相当規模に膨らみ、債務の弁済が困難になる可能性がある場合には、政府が被災者に代わって会社更生の申し立てを行うことができる、という規定を原子力損害賠償法に盛り込むことが必要である。

政府の対応を急がせるために、今回の事故で被害者の立場に立つ自治体が損害賠償債権者として会社更生法の手続き開始の申し立てを行って、自らの債権及び住民の債権の保全のため、東電の財産の保全を確保することも真剣に検討すべきであろう。


4)破綻処理の際の負担の順位・・・・・なぜ当たり前の議論が無視されるのか
次に問題となるのは、破綻処理の際の負担の順位だ。これは、通常の原則にしたがうべきだ。まず、東電と言う企業自身の責任が問われるのは言うまでもない。
経営陣の責任の取り方としては、役員全員の退任、年金の返上、退任までの給与の全額返上、相談役・顧問等の非常勤ポスト全廃などを実施すべきだ。
従業員の人員削減、給与削減(今は高給だが、一般の企業並みに下げねばならない)、福利厚生の引き下げ(社宅・保養施設の廃止含む)、年金の減額など
。ただし、福島の現場で命がけの仕事を行っている従業員については当然例外とし、むしろ待遇改善を行うべきである。

資産の売却。本社、支店、営業所等の不動産売却と移転や子会社の売却など。特に、本社を売却し、福島に移転することを実施すべきだろう。

原発を推進することを前提に積み立てられている各種の引当金、積立金についても、原発推進をやめる場合に必要なくなる分については積立義務を解除して、弁済原資に充てられるようにすべきだ。核燃料サイクルなど、既に破綻していた計画のためにこれ以上積み立てる意味はないだろう。

次に、株主責任は当然追及しなければならない。すなわち、100パーセント減資がが必要だ。未だに保有を続けている金融機関もあるようだが、そのような者を守るために株主責任を不問にするという判断は絶対にしてはならない。ここで、株主を守るということは、その分を国民または消費者に押し付けるという事であって、絶対に許されることではない。

前記のように引当義務を解除した核燃料サイクルの引当金等は株主資本に組み入れた上で100パーセント減資する。これにより、財務改善効果は最大8000億円程度改善され、全体では3.5兆円程度国民負担が減少することになる

負担の順位で次に来るのは債権者である。
このうち、一般の商取引債権者は保護すべきであろう。次に社債だが、電気事業法37条の規定により優先債権となっているので、公租公課には劣後するが、他の一般債権より優先されることになる。被災者の損害賠償債権も一般の金融債権と同じと考えられるので、銀行などと同じ順位でカットの対象になる。

なお、現在政府内で補償金の支払いスキームを検討しているが、東電の支払い能力をどう査定しているかが不明である。これだけ大規模な会社で、子会社も多数保有している企業の価値を算定していくためには、多数のプロを使っても優に半年はかかるのが普通である。仮に帳簿上の係数のみを使って、東電の支払能力を査定しているとすれば笑止千万である。その結果を国民の負担として押し付けるとすれば、その神経が疑われる。
国民に負担を強いるのであれば、厳格なデューデリジェンス(財務調査)を得た上で、プロの作る事業再生計画によって将来キャッシュフローを最大化する努力をしたうえで、その額を確定すべきである。


5)カットされた補償債務は消費者、政府・国民が負うしかない・・・電力事業をにくむな
補償額が巨額になった場合は、電力事業の再生を前提にする限り、補償債権カットの対象とせざるを得ない。そこで、カットされた部分をどうするかという事が次の問題となる。現在の国民の多数意見は、これを泣き寝入りで終わらせることは不当であり、何らかの形で政府が責任を持つべきと考えていると思われる。
そもそも、一で述べたとおり、政府にも過失責任がある可能性が大であり、その場合は国家賠償責任となる。少なくとも東電が払えない部分は、当然政府が払うべきという事になる。

東電の責任の一部を国民に転嫁することには反感が強いかもしれない。それを恐れて、東電が20年、30年かけて、利益の中から全額支払いをすべきと言う議論も出るだろう。しかし、金に色は無い。その場合、結局のところ様々な形で目には見えないが、料金負担やサービスの低下と言う形で東電の負担が消費者に転嫁されていくという事は必至だ。

しかも、責任を果たすためにも、東電が存続しなければならないという議論になり、後述するような東電の解体による電力市場の構造改革の障害になる可能性が高い。この点は非常に重要な問題である。
また、東電に長期的に責任を課すと、それを監視するために国がその間経営に関与する必要が出てくる。これは、絶対に避けたほうが良い。純粋なビジネスに政府の影響力を及ぼすとこれまでの経験から分かる通り、経営にひずみが生じて企業の健全な発展の障害になったり、新たな利権構造が生まれ生まれることが必至である。

現在伝えられるように新たな機構を創設して長期にわたり東電に支払い義務を課し、政府や政治家が東電の経営などにかなりの影響力を持ち続けるというのは最悪の選択になる可能性がある。新機構は数年後には天下り機関になることは必至である。その前でも、現役出向・派遣と称して多くの官僚がそこで給料を得ることになるであろう。



6)電力供給を止めない方法・・・・・すぐにフリーズして2段階処理を
冷静に考えてみると、東電は他の企業とは全く異なる特性を持っている。すなわち、消費者・顧客を人質にとっていて、自分が起こした事故なのに、料金を値上げしたいというようなことを平気で言えるほど、売り手優位の企業なのである。
東電は独占企業であるため、毎日多額の料金収入がある。そんなに巨額の資金調達が必要なわけではない。ただし、信用不安が起きれば、たとえば、燃料の購入取引を現金にしてくれと言われるかもしれない。万が一にもそうしたことが原因で停電が起きるようなことは避けねばならない。

これを防ぐためには、(3)で述べたように、会社更生手続きが開始されて財産の保全命令が出されたような状況を作ることが必要だ。
仮に財産保全を行わないと、銀行の債権でたまたま先に弁済期限が来たものから順に弁済されてしまう。その分被災者への弁済原資が外に流出してしまう。

財産保全を行うとともに急ぐべきなのは、日々のキャッシュフロー管理を厳格に行ったうえで、どうしても必要な資金については、何らかの形で国が調達を保証する仕組みを作り、国の債権をDIPファイナンスとして優先弁済を保証することだ。

会社更生法と企業再生支援機構を使う場合は、管財人がその後の東電の経営管理も行うことになる。JALで行ったような厳しいリストラ(子会社売却を含めた資産売却、人員整理、年金削減等)を実施することになるだろう。
特別な立法措置を取るのであれば、東電経営監視委員会のような独立の組織を設けて、そこが管財人のような役割を果たすことにする必要がある

これらの措置を取れば、資金調達に不安は無く、また、今までのような独占を前提にした放漫経営で資産を徒に流出させるようなことも防止できる。銀行の債権を保証債務支払いの前に優先的に実行してしまうことも避けられる。もちろん、電力供給が止まることもない。


7)金融不安は起きない・・・・銀行がパニックに陥る理由
銀行の債権をカットすると金融不安が生じるという脅しや、社債市場が崩壊するなどという大げさな噂が飛び交っている。
なぜ、これほどまでに100パーセント減資反対とか債権カット反対と叫んでいるのか。金融機関の経営者の責任が問われるからである。特に、3月末に実施した2兆円近い融資については、(4)で述べたとおり、背任罪さえ視野に入ってくる無謀な融資である。これがカットされれば株主代表訴訟は避けられないだろう。いずれにしても経営者の保身のためのチキンゲームに踊らされるのは早くやめねばならない。



8)電力会社の資金調達コストは上がって当然・・・・それによる消費者負担増は経済合理化
上記のとおり、原発事故のリスクを抱えた電力会社の資金調達コストが上がるだろうという予想は正しい。しかし、それは市場のリスク評価が本来あるべき姿になるだけの事であって、それのよって、原発事業のコストが上がることはむしろ好ましいことであろう。原発をこのまま運転しますという企業の金利が上がることによって、真の原発コストが分かることになる。
原発を保有していない沖縄電力の金利が相対的に低くなれば、沖縄はそれだけ電力コストを相対的に低く保つことができ、企業の立地競争上優位に立てる。

なぜ、経団連が東電の責任を免除せよと要請しているのか。(9)の議論のほかに、電力コストの上昇を避けたいというのも本音の一つであろう。



9)なぜ、事故が起きたのか、対応がうまくいかなかったのか・・・・・東電による日本支配の構造
今回の事故がなぜ起きたのか、と言う問いに対する答えは、ガバナンスということに尽きるだろう。根本的な問題は、東電は、日本中で誰よりも圧倒的に強い立場にあったという事実を指摘しなければならない。

 まず、政治家との関係では、自民党の政治家は全国の電力会社に古くから世話になっている議員が多い。電力会社は各地域の経済界のリーダーであり、資金面でも選挙活動でもこれを敵に回して選挙に勝つことは極めて困難である。従って、今回の事故後にも、自民党の政治家で具体的に東電の解体論などを唱えているのは、河野太郎議員ら極めて少数の議員しかいない。
民主党も電力会社の関連労働組合である電力総連の影響を強く受ける。
こうした状況を変えて、東電の影響力を排除した形で、政治的判断をできるようにするために、ただちに東電および東電労組による政治家への献金、便宜供与、ロビー活動の禁止などの措置を取る。特に、個人献金の形で事実上の企業献金が行われる可能性が高いので、東電再生期間中は役員・従業員にも献金の自粛を求める必要がある。

 次に省庁との関係である。
政府の中では、「内閣府の原子力委員会」と「経済産業省の資源エネルギー庁」が原発推進機関、「内閣府の原子力・安全委員会」と「経産省の原子力安全・保安院」が安全規制実施機関であるが、いずれも事実上電力会社、東電の支配下にあると言ってよい。
「原子力安全委員会」は「原子力委員会」と同じ内閣府の下にあり、また、原子力安全・保安院は資源エネルギー庁の特別の機関と言う位置づけだが、実質はいわば子会社である。しかも、これらの組織に関与している多くの学者がいわゆる御用学者である。
3番目に経済界も東電に支配されているつまり、推進と安全チェックの組織が同居していて、チェックの機能が正しく働く仕組みになっていない。

いずれの組織も巨額の原子力予算で潤っており、業界との関係も深い。つい最近も経産省から過去50年で68人が電力会社に天下っていたことが報道されていた。
さらに、東電は強力な政治力を背景に、経産省の人事まで影響を行使すると信じられており、現に電力自由化を強硬に唱えた官僚は左遷されたり、早期退職を余儀なくされたりしていると言われている。

 東電が電力を供給しているからではない。東電が巨額な調達を行うからである。
鉄、化学、電気、石油はもちろん自動車産業も東電には大量の製品を納入している。
銀行も東電は優良顧客だった。証券会社も東電社債は最大の社債銘柄である。ある証券会社の最近のレポートでは、補償金の支払いスキームに関して、東電を守るための提灯提案をしている。プロを装いながら自分たちの商売を守ろうとする詐欺行為だ。
商社ももちろん東電には頭が上がらない。

これらの大企業の集まりである経団連が必死に東電を擁護しているのは利益最優先の私企業集団としては当然だが、それを公益のために主張しているかのように見せていることに偽善を感じる人は多いだろう。

東電はコストに一定割合(公正報酬率などと呼んでいるが公正と言えるのか甚だ疑問)かけて利潤を上乗せできる。コストを増やす方が利益も増えるのだ。だから、厳しいコストカットなど行うインセンティブはない。従って、単に調達額が大きくなるだけでなく、納入業者から見れば、他にないおいしい商売が補償されていることになる。東電の経営が厳しくなれば、コストカットの影響がおいしい商売に及んでくることを本能的に恐れていると見ることも出来る。
マスコミも東電に支配されている。東電は膨大な広報予算の配分によって、原発批判などはすぐに抑え込む力がある。

学者も電力会社からの研究資金や情報提供などを含めた便宜供与を受けていること等により影響下にあると言われている。
原子力安全委員会の多くのメンバーが御用学者と言われているし、経産省の各種審議会・研究会などでも電力自由化や原発安全基準などの議論をしていると、当初改革派が優勢でも、途中からほとんどの学者が寝返って、最後は多くの場合、一人か二人になって改革派が孤立するというのが常である。

 文脈がやや違うが、今日最もその独立性が問われているのが、新日本監査法人の東電担当チームだ。新日本監査法人は、りそなやJALで、政府の影響を受けたという風評でその信用に大きな傷がついた。政府や東電、銀行の圧力に屈していい加減な監査でお茶を濁すようなことになれば今度こそ市場の信認を失うだろう。強大な圧力を受けることが予想されるが、むしろ新日本が彼らに引導を渡し、今回の東電処理を正しい道筋に導くことを強く期待したい。



10)「政府の責任=国民負担」の前に経産省と内閣府の責任を問え
     ・・・・・東電をスケープゴートにする官僚たち、まず資産売却を
現在燃え盛っている東電バッシングは、国民感情としてはよく理解できるが、これだけに関心が集まると、経産省等の政府の責任が不明確なまま東電の処理策が決まってしまう可能性がある。政府の責任と言うとすぐに国民負担と言う話になるが、その前に経産省等の責任を明らかにする必要がある。

今回の原発事故の直接の原因である地震や津波に対する安全対策の基準が甘すぎたことは明らかだ。政府は東電に責任があると言っているが、東電は政府の基準に従っていた。本来、安全をチェックする責任を負っている政府は、東電の対策が不十分な場合、適切な安全対策の指示をしたり、不十分なら原発の運転を止めたりする責任があったはずである。

現在の幹部ももちろんだ。彼らが、今、東電の温存策策定に必死になっているが、事故の責任者に将来の対策の立案を任せていては、自分たちの利権擁護と保身のために対策が歪んでしまう彼らをまず対策立案チームからはずすことが正しい対策立案への近道になる。これらの責任のある幹部には退任と退職金返上を要請すべきだ。過去の幹部にも補償金のための退職金返納を求めるべきだ。

天下りによって規制対象企業との癒着で、十分な安全規制が実施できなくなるという不安はかねてから指摘されていた。今、それが最悪な形で証明されたわけである。これは、なにも経産省に限ったことではない。今こそ、全省庁において、最低限、規制対象企業への天下りは全面的になくすように内閣として自粛要請すべきだ。

 次に、政府の責任と言う場合、個人の責任追及だけでなく、東電が行うのと同様に意味のない資産を売却して、保障財源を確保するという事が必要だ。手っ取り早いのは、まず、JT株(現在の株価でも3兆円)、NTT株の売却、さらに、日本郵政株も本来の方針通り早期に売却すればさらに数兆円が入るだろう。
公務員幹部宿舎、印刷局その他の土地、独法の保有する株、債権など天下りや各種の利権を温存するために保有している資産は、国民にとって百害あって一利なしであるから、直ちに売却する
。これによって、料金値上げや増税の必要はなくなるか、かなりその規模を圧縮できる。
なお、核燃料サイクル推進を前提とした積立金なども取崩しを認める。他の電力会社にも積立義務を解除し、免税されていた分の課税を行って、補償金財源に充てることも必要だ。



11)すぐに簡単にできること・・・・広告禁止と研究資金源・便宜供与の公開
東電の広報は原則禁止措置を取ればいい。これによって、マスコミへの不当な影響力を排除することができる。また、これまでに行ったマスコミに対する接待や便宜供与などは全て個人名を含め公表させることが重要だ。
東電による学者等への資金拠出・原稿料・講演料などの支払いも全面公開を要請する。これにより、御用学者があぶりだされ、彼らによる東電寄り「専門家」情報の影響を弱めることができる。



12)事故調査は政府任せではいけない
・・・・・・・・・・・・・・・・・国会の下に独立の事故調査委員会を
政府は5月中旬に事故調査委員会を設置するとしているが、今回は、1省の問題ではなく、内閣そのものの責任が問われることになる。そうなると、内閣が作る調査委員会で真に公正な調査ができるのかと言う疑問がある。今回は、国会に事故調査委員会を設置し、国会に対して報告することにすべきである。
委員には、原子力関係者はごく一部とし、危機管理の専門家や経済学者など他分野の専門家も入れるとともに、御用学者を排除しなければならない。
今回、日本の原発危機管理が世界でもかなり遅れていることが判明した。世界の専門家を招聘して国際レベルの調査をすべきである。


13)電力事業の構造問題への対応
・・・・・・・・・・・・・・・・・発送電分離と発電分割と完全自由化
今回の事故後の対応によって、実は将来の電力市場の在り方、さらには日本社会の在り方まで大きな影響を与える可能性がある。逆に言えば、やり方によっては、今の構造をそのまま温存することになる危険性も十分にあるということだ。

まず、首都圏直下型等の地震発生可能性が高まっていることを前提として、経済機能の首都圏集中を根本的に見直し、10年後に首都圏で供給される電力を現在よりもかなり低めに設定する。
同様の趣旨から電源の分散設置のための方策を検討する。
併せて再生可能エネルギー利用・自家発電などあらゆる分野における規制緩和を、集中的に行う。電気事業法はもちろん消防法などを含め関連規制を総合的に見直す。

これらを実施していくうえで、東京電力が発送電で事実上の完全独占状態になっていることが、大きな障害となることは明らかだ。
まず、発送電分離を前提とした電力自由化の方向を明確にして、乗り越えるべき課題について早急に検討する必要がある。その際、東電の巨大な経済力が政治、社会を支配している状況も併せて根本から正すために、発電部門は分割してその規模を縮小するとともに自由競争下において、通常の企業としてもガバナンスが働く構造を確立することが必要である。

今回の事故の原因は、事故対応のまずさがガバナンスの欠如を主因としていることは既に広く指摘されているが、その根本原因である、東電による市場の独占と巨大な経済支配力くずすことが、今後の改革の主要なテーマになる



14)第二段階の具体案
・・・・・・・・・・・・・・・・・持ち株会社段階を経て規制を整備し完全分割へ
財産保全と電力供給のための資金確保を講じる第一段階を経て、将来の再生に向けた第二段階のプロセスに入る。

まず、事故被災者に対する補償債務がどの程度になるか概ねの額が判明するまでにはまだかなり時間がかかる。さらに、東電の資産査定や事業再生計画つくりの前提となる、今後の原発行政や電力行政の基本方向が決まるまでにも時間がかかる。

これまでの多くの巨大企業の再生では、必ず相当な無駄なコストが隠れていて、実は、コストカットだけでもかなりの収益構造の改善ができるのが常識だ。東電の場合は独占企業であり、しかも、過去に経営危機に瀕したことが無いので、その程度はこれまでの企業の比ではない可能性が高い。コストカットは、今後の電力行政の方向がどうであれ、どんどん進めるべきで事柄である。

また、これまで、経産省と東電の間での癒着構造の中で行われていた料金査定も、今回は過去の積み上げからの変化分をチェックするのではなく、根本から徹底的に見直す作業が必要だ。他の電力会社にもその結果は適用されることにする。それによって、電力料金はかなりかがる可能性がある。

これらの作業を早期に実施するためにも、早急に再生処理の専門家チームに今後の経営を任せるスキームに移行しなければならない
実際に事業再生過程で発送電分離と発電部門分割を行うやり方は、専門家に任せればいいが、一つの案としては次のような経路を取ることが考えられる。

・まず、東京電力を持ち株会社として、その傘下に発電部門(東京発電株式会社)と送電部門(東京電線株式会社)を別々の子会社として配置する組織編成を実施する。
・次に発電部門を事業単位で分割して持ち株会社の下に子会社として直接配置する。
・福島第一原発の廃炉事業はこれらと別会社とする。
これらの準備期間を得て、概ね3年から5年以内に、発電事業会社を順次売却する前提で、特に送電会社に対する特別の規制のための法整備を行う。送電会社は上場により資金回収することを基本とする。

電力事業の規制主体としては、独立の3条委員会(電力事業規制委員会)を過渡的に設置し、電力全体の自由化が終了して安定した段階で、この委員会を公正取引委員会に統合する。

なお、送電については、現在の交流送電網は今後も独占となるため、適切な規制が必要だが、今後は新たな技術開発の進展に応じて直流送電の可能性が高まるとも言われており、これらについては自由化することができる。
いずれにしても、送電にも競争が部分的に導入されれば、地域を超えた市場の自由化につながるだけでなく、電力安定供給の観点からも効果が期待できる




15)原発規制の見直しへ
原発推進機関の経産省と原子力安全・保安院の事実上の一体化がずさんな地震・津波に対する安全規制につながった可能性が高い。原発関連情報の隠ぺい・改ざん事件にみられる過去の東電と経産省の天下りを含む癒着の構造も事故原因となり、また、事故後の対応に失敗した原因となっている可能性が高い。
原子力安全・保安院には実は高度な専門知識を持つ職員がほとんどいないため事実上規制能力がなかったことも判明した。
ア)原子力安全規制の実施機関は経産省から完全に切り離す。
イ)原子力安全・保安院は廃止し、原子力安全委員会を抜本的に改組・強化(人員も増強)して独立性の高い三条委員会とする。
ウ)能力のない者は雇用しない。
エ)委員会の委員の独立性・公正性を確保するための措置を導入する
  (電力会社やその関係組織・支援組織からの資金提供に関する情報公開など)
オ)事務局には、外国人を含む民間人を大量に登用する。
  専門知識が必要なポストには、それにふさわしい職員を配置する。




16)スマートグリッドと再生可能エネルギーで世界一の電力市場を
我が国はこれまでスマートグリッドの取り組みが進まなかった。その最大の原因は電力会社の抵抗だと言われている。スマートグリッドを本格的に推進するとなると、再生可能エネルギーを含めた分散電流の振興の議論と対になって、発送電分離が必要と云う議論を誘発し、本格的な電力市場の自由化につながるからだ。
従って(13)で述べた改革は、これまで電力会社の抵抗で進まなかったスマートグリッド推進のために最低限の環境整備につながることが期待される。

また、我が国では原子力推進について国があまりに肩入れしすぎてきたことにより、原発のコストが過少に評価されていた。そのことにより、電力多消費産業には補助金を与える効果をもたらした。逆に言えば、再生可能エネルギーは不当な差別を受けてきたとも考えられる。
今後は、原子力偏重の政策を見直し、原子力関連予算の大半を再生可能エネルギーの普及策に回すことなども考えるべきであろう。

以上のとおり、原発保障問題と東電の経営問題の処理に当たっては、長期的な視野に立ったうえで、幅広い論点について整理しながら、将来の電力産業や社会の在り方まで見据えた抜本的な対応策を策定していくことが求められる。
これには時間が必要だ。従って二段階処理が求められる。

上記の第一段階の措置を実行するには、それほど難しい条文は必要ない。内閣に少数精鋭の改革魂あふれる独立性の高いプロ(官僚を含む)を集めたチームを置き、作業を与えさせることが必要だ。法案作成を含めて一ヶ月で実際の破綻処理に移行できる程度のスピード感が必要だろう。

そして、民主党政権の最大の弱点である、専門分野に素人の思いつき感情論そして政局がらみのバイアスを持ち込むことを一切排除するスキームを作る。それさえできれば、現在の混迷した状況は一挙に改善するであろう。


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